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ルートID: r852 ☃ 雪山 1泊2日 八ヶ岳・蓼科 2017年1月

阿弥陀岳南稜[バリエーションルート]
あみだだけなんりょう

濃い緑山行に最も適した時期 薄い緑山行に適した時期
1月
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10月
11月
12月
バリエーション入門ルートとして四季を通じて登られている阿弥陀岳南稜。経験者の元でステップアップを図るには最適なルートです。
※2017年01月01日更新
ルート長11.1km
登り標高差1185m
下り標高差1185m
行程概要: 船山十字路 → 南稜広河原取付 → 立場岳(2370m) → 青ナギ(2359m) → 無名峰 → P3ルンゼ(2650m) → 阿弥陀岳(2805m) → 西の肩(岩場)(2780m) → 西ノ肩(2775m) → 不動清水 → 御小屋山(2136.7m) → 美濃戸口・舟山十字路分岐 → 船山十字路

【南八ヶ岳】阿弥陀岳南稜の詳細解説

\ おすすめポイント /
  • 手頃な難易度
  • 稜線上からの素晴らしい展望
  • 冬期バリエーション入門
モデルプラン
1日目
歩行時間:6時間
舟山十字路〜阿弥陀南稜取付〜立場山〜青ナギ〜P3コル周辺
2日目
歩行時間:7時間
青ナギ〜P3〜阿弥陀岳〜摩利支天〜御小屋尾根〜舟山十字路
3日目
歩行時間:なし
予備日
コース概要 舟山十字路から林道をたどり、目印となる小さな看板から広河原沢へ降り立ち南稜に取付く。途中、大きく崩落している箇所があるので注意する。
南稜に上がれば一本調子の登りが立場山まで続く。雪が深い場合は非常な苦労を伴う場所だ。
樹林に覆われた立場山のピークを過ぎ、わずかな距離を下れば青ナギに到着する。
緊急時には青ナギの左手から広河原へ下ることができるので、エスケープルートとして覚えておくとよい。
青ナギから細かなアップダウンを繰り返しながら進むと無名峰を通過する。
幕営をする場合は無名峰〜P2間に幕場を求めるのが良いだろう。
P2を通過し,いよいよ核心部となるP3基部に到着する。左手に進むバンドをトラバースして正面のルンゼに入る。
このルンゼが氷化している場合にはピオレトラクション(ダブルアックス)が有効だ。
慎重にルンゼを登るとP4に到着するが、ここが本日のハイライト。
細かいバンドを左手に進み、正面の岩場を直上する。足場が悪いので滑落には十分な注意が必要だ。
最後にチムニー状の岩場を抜けると阿弥陀岳の山頂に到着する。
下山も摩利支天を通過するまでは気が抜けない。
特に降雪直後はナイフリッジになっていることも多く、またこれを崩したりすると雪崩を誘発する可能性があるので十分に注意を払って通過すること。
摩利支天を越えれば御小屋尾根に迷う箇所はない。
滑落に注意しながら舟山十字路へ戻る。
計画書提出先 長野県警察本部または茅野警察署地域課
※現地登山ポストは確認できず
※長野県宛に電子申請を行うこと
宿泊 幕営(青ナギ〜P3手前コル周辺)
交通 JR中央線茅野駅よりアルピコ交通バス(美濃戸口行き:930円)にて学林バス停へ。
※学林より舟山十字路まで徒歩約2時間。
駐車場 舟山十字路登山口周辺に駐車スペースあり。
※積雪状況により舟山十字路まで行けない場合もある。
アドバイス 冬山初級者や単独での入山は控えること。
冬山装備に加えて登攀具の用意も忘れずに。
降雪直後などはラッセルに終始する事もある。
P2のトラバースとルンゼの登攀は雪崩に要注意のこと。
摩利支天周辺の岩稜は高度感もあり滑落に注意したいところだ。
夏期の下降に利用される中央稜は雪崩の危険性が高いのでおすすめできない。
サブコース 特になし。
エスケープルート 青ナギから広河原沢へ下ることが可能だが雪崩には注意すること。
入浴 《玉宮温泉望岳の湯》
2015年にオープンしたばかりの温泉施設。市営のため安価で清潔だ。
http://www.city.chino.lg.jp/www/contents/1000000764000/
おすすめ周辺情報 《勝味庵》
地元でも人気が高いとんかつとイワシの専門店。
http://katsumian.com/
《ピザ&パスタ SPADA》
気軽に立ち寄ることができるピザ&パスタのお店。
http://www.spada-p-p.jp/
1
舟山十字路から登山開始。
積雪状況によっては車で入れない場合もあるので注意が必要だ。
2
広河原沢を対岸に渡って南稜へ取付く。
稜上まで15〜20分ほどの登りだ。
3
南稜に乗れば立場山まではつらい登りが続く。
降雪直後はラッセルになることもあり骨が折れる所だ。
4
まもなく立場山。
5
展望もなく目立たない立場山の山頂に到着。
6
わずかに緩く下れば青ナギに到着。
これから進む南稜の核心部と広河原沢奥壁が見える。
悪天候時にはここから広河原沢へ下ることができるが雪崩には要注意だ。
7
青ナギから無名峰への登り。
ここも急登が続く。
8
無名峰を通過すると疎林帯となり阿弥陀岳を正面に見据えるようになる。
9
P1への登り。
この辺りから立場川側の雪庇に要注意。
10
P1-P2間のコルで幕営。
立場川側の雪面を整地すれば風の当たらない安定した幕場が得られる。
11
夕刻前。
幕場から夕陽に染まる赤岳を望む。立場川右俣奥壁が凄い迫力だ。
12
日没。
1日の終わりだ。
13
翌朝。
P3でヘッドランプが必要なくなる時間に出発したい。
14
P3基部を慎重にトラバースすればルンゼの入口に達する。
ここで落ちると広河原沢の底まですっ飛ぶので自己確保を忘れずに。
【技術的ポイント】
慣れていない者がいればトラバースの入口からフィックスロープを張るのもひとつの方法だ。
ユマーリングやプルージックで対応可能。
15
P3の2ピッチ目。
60mのザイルであれば上部の支点まで到達できる。
【技術的ポイント】
リードの際はロープを股に通さないこと。通した状態で転落すると急所がロープの支点になり頭が下になる。
(特に1ピン目を取った後)
そうなると頭部が無防備になり致命的になることが多い。
助かっても急所を酷く痛めることになる。
また足にロープが絡まり脱出が不可能になることもある。
16
ルンゼ内は素晴らしい高度感だ。
ここが深雪の場合には雪崩の危険性があるので稜線通しに直登するしかない。
17
P3からP4への稜線。
バックには富士山。
18
P4基部を左手にトラバースする。
技術的にはこの辺りが南稜の核心部。
19
P4の登り。
スタカット・コンティニュアス・フリーにするかは状況判断で。
20
最後のガリーを抜ける。
山頂まであとわずかだ。
21
阿弥陀岳の山頂に到着。
天気に恵まれれば360°の大パノラマが広がる。
22
山頂から御小屋尾根を下る。
摩利支天までは積雪の状況により際どいナイフリッジになる事がある。
23
摩利支天を越えて少し下ると右手へ折れる。
直進するトレースは中央稜のものだ。
24
あとは長い尾根を船山十字路までひたすら下るだけ。
上部は急斜面が続くので滑落には要注意だ。
25
【入浴】
玉宮温泉望岳の湯。
もみの湯や縄文の湯が混雑している時におすすめ。
穴場です。
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【おすすめ周辺情報】
「勝味庵」は地元で人気のとんかつとイワシの専門店。
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【おすすめ周辺情報】
質・量ともにおすすめです。
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【おすすめ周辺情報】
「ピザ&パスタ SPADA」はピザ&パスタのお店。

※上記の情報は記事更新日(2017年01月01日)時点の情報です。最新の情報については、出発前に現地の各関係機関にお問い合わせいただく事をおすすめします。

※本記事内にて各山域に生息する動植物の紹介を行う場合がありますが、自然保護区域への立ち入りや希少生物の採取・捕獲・譲渡・販売等は、法令により禁じられています。多くの方が自然を楽しみながら登山ができるよう、動植物の保護にもご協力ください。
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