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更新日:2015年09月18日 訪問者数:9914
ジャンル共通 技術・知識
遡行終了地点でスズメバチの大群に襲撃され…その後の処置。
jyunntarou
沢で骨折から1ヶ月とチョイ。やっと沢に復帰できました(^^)/
シャワークライミング(^^)/
復帰の第一戦の沢は、平易な小田原川本流にしました。いざとなれば登山道が近くに在りますし、ほとんどの滝や釜・淵を回避しようと思えば、へつれますし、高巻けます。
でも、復帰第一戦は、あくまでも「滝を登り釜を泳ぐ」の目標を立てて 水際を外さないと誓いました(笑)
釜を泳いで滝に取り付きます。(ラッコすたいる)
ザックの中には、空になったペットボトル2Lが2本入っています。これが見事に浮力を発生し、ラッコスタイルになってのんびーり空を見上げて、優雅?に釜を渡り終えます・・・が・・・推進力が乏しいので、時間がかかるのが難点です(笑)
水中に潜ると、中は蒼いソーダ水のあわあわの世界です。
滝が落ちこむ深い釜を狙って水中撮影。はぁ、少し寒いですが・・・これも 沢の楽しみの一つです。
斜瀑のシャワクラは、安心して登れます・
水流を避けて、横の岩等を登りますと返って、コケで滑ってしまいます。水流の中にこそ、ホールドやスタンスがしっかりと得られる場合が多いです。
爆水・爆音を立てて飛び出す滝の落ち口
せっかく登攀して来ても、最後の落ち口がこれほどの水圧があれば、突破することはできません。無理して突破しようとして万が一、流されましたら、かなり下まで飛ばされてしまします。
特にオーバーハング系の乗越で、前回落ちて骨折しましたので、ここは無理はしませんでした。
観賞用の小田原川本流の黒岩滝(落差20m)の右岸直登。
一般は、左岸に着いた山道に向かう道へ・・・
チョット慣れた人は、この滝の左岸の岩ルートへ・・・
そして、「直登…狙い」の人は、釜を泳いで右岸のヌルヌル直登りルートへ…
9分9厘 単独では、この右岸ルートはトライしないかと思います。滝釜は深くて底が見えないし、黒光するヌルヌルの岩は、ホールドも少なく高さも有りますので・・・。
前回は、左岸ルートで上がり、上からロープで懸垂下降し、登りは念のためにアッセンダーでビレイしながら右岸ルートを登りましたが・・・
本日は、増水していて 前回よりも更に面倒くさそうです。

でも、本日のメインですので ここは敢えて右岸ルートでしょう(^^)/
釜を泳がずに右岸への取りつきのトラバースルートを見つけました。
ぬるぬる;つ!!!
ココまでが、かなりの精神力と体力を使いました。でも、ここまで来たら、後は水流の中を突破できます。(一ヶ所ホールドが有りませんので、飛び上がって両手掌のプッシュで体を支えて両足空中ぶらぶら状態になります。)
足下は、約15m・・・堕ちたらタダでは済みません(/ω\)
コレは、セルフの10秒間の機能を使って、「自撮」している所です。はぁ、カメラを岩の間に挟んで10秒間にクライムダウンして・・・コレが一番コワい(爆)
下から見上げたシャワクラは部分は、見た目より難しくありません。
ヌルヌル地帯の中段部までが「核心部」でした。高さはハンパではありませんが、中段部以上は角度が寝ている上、水流の中はホールド・スタンスが豊富です。
でも、喉がカラカラにはなりました。
黒岩滝からも楽しい滝が続きます。
この小田原川本流遡行は、黒岩滝をもって終了となる場合が多いのですが、実はこの上流部も平易な滝をシャワークライミングできますので、最後まで詰めていきます。
見た目より滑りませんし、簡単に登れます。
この滝は、下から見たら上部が立っているように見えて難しく見えますが、実際に登りますと快適に登って行けます。ロープ類は全く不要で、初心者さんも楽しめると思います。
遡行終了地点の水門で、スズメバチの大群に襲われました。
足を骨折してからは、満足な山や沢にも行けずにくすぶっていましたが、やっと本日は「簡単な沢」とは言え、黒滝右岸ルートも単独フリーで登れ、それなりの「喜び」を自分なりに感じていました。
しかし、記念のセルフタイマーの「自撮」をしていたら 膝のパッドの裏に激痛が走りました。イバラの棘が刺さったのかな?と足を見るとスズメバチが右膝の裏に数匹張り付いています。
「痛っ」更に 刺されました。本当は慌てたらダメなのですが、実際に自分の足にスズメバチが集っているのを見たら、手で振り落そうと必死になってしまいました。でも、彼らはそれぐらいではひるみません。
右膝に集っているスズメバチに目を取られていたら、次は左足の大腿部に激痛が・・・

そう、黒色のジャージ部分を集中攻撃です。青色のジャージは、狙ってきませんでした。ニーパッドや膝パッドでは針が皮膚まで届かないので、その間の裏側を集中して刺しに来ました。

スズメバチに襲われたら、静かに姿勢をかがめてゆっくりと後方に下がっていく・・・
なぁーんて そんな情報はウソです!
数匹に刺されたら、次は大群が襲ってきました。
(一匹が刺しますと空気中に特殊なガスが広がり、仲間を呼び寄せる仕組みになっているようです)

はい、全速力疾走で逃げました。ハチより速く走りました。50m走自己記録が出たかもです(/ω\)
50m程離れてデポしている自転車までも、スズメバチは追いかけてきましたので、もうタオルで応戦しながら自転車急発進して、ハチを振り切りました。
登り坂でしたが、必死に自転車を漕ぎました(*_*;
息も絶え絶え、必死にペダルを回しましたが、これだけ刺された直後に運動をしますと、ハチ毒が全身に回らないか? と不安がよぎりました。

しかし、峠までの標高差100mを汗だくで登り切り、そこから車までは、激下りで時速40km以上で、車まで数十分でたどり着きました。

勿論、独特の激痛です。正に毒を入れらたのを実感できる頭までガンガン響く痛さです。

何とか車に戻り 恐る恐る足をみましたら・・・パンパンと言う言葉がぴったり?似合うほどはちきれそうに両足が腫れ上がっています。
「とにかく 急いで街まで下りよう・・・」
ドラックストアで「即病院へ!」と勧められました。
街に降りたら、幸いにドラックストアが見つかりました。薬剤師さんに「スズメバチに5ヶ所以上刺されたので何か良い薬ありませんか?」
そう尋ねますと、
「直ぐに、この上にある神崎町立総合病院へ行ってください。土日の夜間でも対応してくれるはずです。急いでください!!」と言われて
薬も買わずに、電灯の薄暗い総合病院へ行きました。
「あのぅ…スズメバチに数か所以上刺されたのですが…」と足を引きづって、廊下に居た看護師さんに言いますと、
「大変!直ぐに処置しますからっ!」
そう言って、車いすに私を乗せて、緊急処置室まで運んでくださいました。そしてベッドに移されると直ぐに、医師も来てくれました。 呼吸や脈拍、血圧を計り、氷で刺されたところを冷やされました。
点滴です。
腫れと痛み・・・そしてアレルギーを抑える薬だそうです。
個人的に、針恐怖症の私は注射や点滴アレルギーですので・・・・・滝登攀よりドキドキです。この写真を撮る時は滝を登っている自撮より緊張しましたっ(;^ω^)
足がうずきます。
点滴をされながら、氷で冷やしてもらって、抗ヒスタミン剤を塗ってもらっても、頭の芯まで響く痛みは取れません。大丈夫なんかなぁ?・・・と この独特の痛みに心配になって来ました。
でも、病院に来てよかったと思いました。安心感が違います。
ふぅ・・・帰宅を許されました。
「今日は、泊まりですね。」と医師に言われましたが…
「あっ、神戸に帰られませんか?」の我がままな私。
「うーん・・・もう少し様子を見てみましょう」の医師。
しばらくして、痛みも和らぎ、刺されてから3時間以上経ってもアナフィラキシーショックが出ていないので、薬を処方してもらい、気をつけて帰っても良いと許しが出ました。
ありがとうございました。
足を引きづって、病院を出ました。
なんとか神戸まで帰れそうです。
痛みも MAXの半分以下になりました。

結局右膝裏に5ヶ所 左大腿部に1ヶ所の計 6ヶ所を刺されていました。右膝裏は点滴を打ってもらってもパンパンに腫れ上がっています。
土日夜間緊急診療費
事務がいませんので、取りあえず5000円の「預り金」を支払いました。差額は後ほど連絡が来て、診療費と薬代は2400円程度でした。銀行振り込みで送ってもらうことにしました。手数料は高いですが、直接取りに行くと高速代とガソリン代で相殺どころか、出費が更に膨らみます。
でも、2400円は、安いと思いました。ありがとうございます。
「この薬はキツイので、眠気やだるさを感じますから、神戸に着いてから飲んでください」と渡されたのですが、その言葉通り帰ってこの薬を飲みますと、まだまだ痛みが酷いのに、爆睡してしまいました。朝もこの薬を飲んで出勤しましたが、薬のせいかハチ毒のせいか一日中、怠くて本当にしんどかったです。
しかし、病院で手当てをしてもらったので、1日寝ましたら、翌朝は腫れも痛みもびっくりするほど引きました。
二度目にスズメバチに刺されたら、アナフィラキシーショックに陥る確率が高くなります。
一度スズメバチに刺されますと、約10%にハチ毒抗体ができてしまい、その2%がアナフィラキシーショック症状がでるそうです。それが重篤になると命まで失うことになります。
確率的に 頭部や頸部を刺された場合は、数分でその症状が現れ、直ぐに病院へ搬送されなければ特に危ないようです。躊躇なく119番救急車を要請することが大切だそうです。
滋賀県の比良山地では、実際にスズメバチに刺されたハイカーさんは、ヘリで病院に搬送されましたから。

足であの腫れと痛みですから、頭や顔に首などを刺されますと、本当に大変な事になるかと実感しています。

一度、ハチ毒アナフィラキシーが出た人は、医師からアドレナリンを自己注射できる「エピペン」を処方されるそうです。保険も効きますが、1万円以上します。
尚、クマ・サメ・マムシなどに襲われて命を落とす人は年間数人で、スズメバチに刺されて命を落とす人は、年間70人〜20人に登ります。最近はエピペンのおかげ?で年間20人弱で推移しています。
二度目の人より、一度目に頭部などを刺されて命を落とす人の方が多い資料もありますし、何度も刺されても痛みと腫れだけで済むだけの人も多いです。
あまり、神経質になるのもよくないとのことですが・・・

2004年 9月 六甲山最高峰下にある「一軒茶屋」のご主人が、スズメバチに頭部を2ヶ所刺されて、2時間後にお亡くなりになったのも記憶に残っています。

8月中〜11月中までは、スズメバチの活動期です。特に9月が一番刺される事故が多いです。
私みたいにならないように、皆様においては 白や黄色など明るい色の服装でお山に登られるのを勧めます。特に頭はヘルメットを被っていましたので刺されずにすみましたので、明るい色の少し大きめの帽子を被られるのが良いかと思います。(密着していますと針が貫通してしまいます)

一番良いのは、ハチに遭遇しないことですが・・・。
注文したものが 宅配便で届きました。
はい、せめてこの季節は、これを持ってお山に行こうと購入しました。
ポイズンリムーバー
ハチやアブなどの毒液を吸い出すポンプみたいなモノです。激安品は、吸い上げる力があまりないそうなので、口コミの良い、フランス製のしっかりしたお値段のモノを選びました。
これが、使われることなくポシェットに静かに眠っていることを祈ります・・・
ハチ毒は水に流れやすいので、水道水で洗い流しながら指でひねって毒を絞り出すのも、まだマシになるそうです。

しかし、スズメバチに刺されたらポイズンリムーバーで吸い出したくても、逃げる時間と安心な場所までたどり着く間に、毒が体内に広がるかと思います。なので、あの腫れと痛みは、免れないと思います。少しくらいは緩和されるかなぁ?位に思っています。 まぁ、お守りと自己啓発のモノとしても 持参することは良い事かと思います。
シャワークライミングで叩き落されました - YouTube
本日は水流が多いです。。。あっさりと諦めました(/ω\)
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