【北アルプス】表銀座・裏銀座テント泊縦走
- GPS
- 105:00
- 距離
- 56.9km
- 登り
- 5,166m
- 下り
- 5,226m
コースタイム
中房6:43 ⇒ 9:32合戦小屋10:00 ⇒ 燕山荘11:00 ⇒ 14:44大天荘
★2日目
大天荘6:30 ⇒ 8:50ヒュッテ西岳9:10 ⇒ ヒュッテ大槍11:52 ⇒ 13:00槍ヶ岳山荘13:10 ⇒ 16:50双六小屋
★3日目
双六小屋7:00 ⇒ 9:00三俣山荘9:10 ⇒ 黒部源流指標9:43 ⇒ 岩苔乗越11:13 ⇒ 水晶小屋12:08 ⇒ 東沢乗越12:48 ⇒ 真砂岳分岐14:18 ⇒ 15:30野口五郎小屋(冬季)
★4日目
野口五郎小屋5:20 ⇒ 7:30烏帽子小屋7:45 ⇒ 烏帽子岳頂上分岐8:09 ⇒ 11:10不動岳11:20 ⇒ 16:50船窪テント場
★5日目
船窪テント場7:40 ⇒ 七倉岳7:58 ⇒ 北葛岳9:21 ⇒ 蓮華岳11:40 ⇒ 12:30針ノ木小屋12:40 ⇒ 針ノ木岳登山口15:08 ⇒ 15:25扇沢
天候 | 10/6 朝のうち大雨、のち晴れ、夜吹雪 10/7 曇り時々晴れ 10/8 快晴 10/9 快晴 10/10 快晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2011年10月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
帰り:扇沢第3無料駐車場でマイカー回収 ★マイカー回送サービスを利用 中房 ⇒ 扇沢 12,000円 業者:白馬安全代行さん http://www.windy-kobeya.com/anzendaikou/ |
コース状況/ 危険箇所等 |
★登山ポスト 中房登山口にあります。 ★登山道状況 �中房〜燕山荘 急登だけど整備されていて登りやすい。 �燕山荘〜大天井 気持ちのいい稜線歩き。危険箇所なし。 �大天井〜西岳 巻き道を歩く。危険箇所なし。 �西岳〜槍ヶ岳(東鎌尾根) 岩場。ヒュッテ西岳からの急な下りに注意。危険箇所なし。要体力。 �槍ヶ岳〜双六小屋(西鎌尾根) 千丈乗越までの急な下りに注意。地図で見た感じよりもアップダウンがある。危険箇所なし。 �双六小屋〜三俣山荘(双六巻き道) 気持ちのいい道。歩きやすい。 �三俣山荘〜黒部源流指標 急な下り。道が沢状態になっているので、凍結に注意。 �黒部源流指標〜岩苔乗越 沢の横を歩く。凍結注意。水音や風音などで気持ちがいい。小さな湿原もある。 �岩苔乗越〜水晶小屋 稜線歩き。ザレ場。危険箇所なし。 �水晶小屋〜東沢乗越 キレット。時折いやらしい岩場あり、滑落注意。 �東沢乗越〜真砂岳分岐 岩場。下り基調。危険箇所なし。 �真砂岳分岐〜野口五郎岳 ザレ場。単調で緩やかな登り。巻き道。危険箇所なし。 �野口五郎岳〜烏帽子小屋 稜線歩き。朝日を浴びて歩くと気持ちいい。景色最高。ザレ場。水平⇒下り。 �烏帽子小屋〜不動岳 高層湿原。池多数。気持ちのいい稜線歩き。 �不動岳〜船窪第2ピーク 樹林帯の中の道。急な下り⇒水平⇒急な登り。崩壊地の際の道があり、要注意。 �船窪第2ピーク〜船窪テント場 崩壊地の際を歩く。数箇所で登山道が崩落している。要滑落厳重注意。地面にヒビが入っていることも。崩落の音が生々しい。 �船窪テント場〜七倉岳 整備された登山道。危険箇所なし。 �七倉岳〜北葛岳 岩場。梯子、鎖あり。要注意。 �北葛岳〜蓮華岳 前半は危険な岩場。ロングな鎖場あり。鎖はあくまでも目安として、左右の登りやすいホールドを見つけて三点支持で。要体力。 後半は単調なザレ場。九十九折れで山頂まで。危険箇所なし。 �蓮華岳〜針ノ木小屋 危険箇所なし。 21針ノ木小屋〜扇沢 渡渉点の橋までかなり危険。落石・落岩多数。道不明瞭。要注意。今回の縦走でワースト。 後半は、沢を高巻きしているので、危険箇所なし。 ★水場(小屋以外) 黒部源流、船窪テント場。稜線はなし。 ★テント場 燕山荘…30張り程度。平らなところ少ない。稜線上で風注意。小屋目の前。 大天荘…30張り程度。稜線上で風注意。小屋目の前。 ヒュッテ西岳…数張り。景色いい。小屋まで1分。 槍ヶ岳山荘…岩場の斜面。受付で場所指定される。飛騨乗越から来る場合は下見したほうがいい。水平ではあるが、狭い。小屋まで1分〜5分。 双六小屋…60張り。3段に整地されている。下の池に向かって傾斜しているので、天候次第で水路の見極め必要。小屋目の前。 三俣山荘…70張り。藪の中に1〜3張り程度の広場がいくつもある。源流域で水が豊富。飲料を冷やせる。小屋まで1分〜5分。 烏帽子小屋…20張り程度。池の畔で気持ちがいいサイト。小屋まで1分〜3分。 船窪小屋…数張り。小屋まで15分。トイレあり。水場3分だが危険、滑落注意。風の心配はなさそう。 針の木小屋…22張り。場所指定。小屋目の前。 |
写真
感想
ピークを踏むだけが登山じゃない。
もう少し、余力を残した、ゆとりのある登山をしてみようと、
山を満喫しようと、この縦走を画策。
余力を残すには、
山頂は華麗にスルー!
いつもよりペースを落として、ゆっくりと登る。
紅葉を愉しみたかったのだが、今年はダメっぽい。残念。
そういえば、雪の合戦尾根は何度も登っているけど、
夏道は初めてかもしれない。
荷揚げロープウェイが頭上を行く。
あれでケーキを運んでいるのだな。。。
人気のコースも、平日とあって誰もいない。
自然を独占!気分がいい。
燕岳山頂は何度も行っているので、今回はパス。
気持ちのいい稜線を大天井へと向かう。
近づくほどに、いい山だと感じる。
気分はいいのだが、如何せん荷が重過ぎる。
明るいうちに着けるのか、不安になってきた。
朝方は大雨だったので、スタート時間が遅かったのよね。
なんとか大天荘に到着。
早速、テントの受付と生ビール♪
くぅ〜!
テントを設営し、パエリアを作る。
しかし、他にテント張る気配がない。
大天井はオレのものだいっ!
し、しかし、日が沈むと強風が吹き荒れた。
そして、テントになにかが当たる音。
砂が飛ばされてるのかと思っていたが、雪!
そう、吹雪いていたのだ。
テントポールが歪んでる(涙目
本日の行動予定は長いので早めに出発したかったが、ホワイトアウト!
明るくなるまで待つ。
いつまでも待つわ。
明るくなってきたので、出発。
今日は東から西へ槍を通り抜ける予定。
結構ハードなので、大天井山頂と西岳山頂はスルー。
一度、急な斜面を乗越に下りる。
この「乗越」という地名、実は好きではないのだ。
通常、山は登っていくか下っていくのだが、
この乗越というのは、アップダウンがあるということ。
標識に「この先○○乗越」と書いてあると、かなり気が滅入る。
乗越に下りて、上を見上げると、
槍、遠いなぁ…
西鎌抜けるどころか、槍に着けるかかなり不安。
とにかく一歩一歩進むしかない。
なんとか13時に槍の肩に到着。
この時間なら、普通はここでストップなのだろう。
しかし、明るいうちに双六に着ければいいやと、西鎌に踏み入る。
すれ違う人みんなに
「これからどこ行くのですか?」
と聞かれる。
こちらはまだ元気なのだが、むしろあなた、この急坂登れるのですか?
というくらい、みなくたびれていました。大丈夫?
下り基調なので、飛ばしまくった結果、半分を越えたとこで足が止まる。
このコース、先が見えているので、あのピークを登るのかと憂鬱に。
なんとか最後のピークを登るも、16時半を過ぎている。
でもなんとか明るいうちに小屋に到着できそうだ。
が、想定外のことが!
夕暮れの槍の写真を撮りに、双六小屋から多くの人が登ってくる。
そしてほぼ100%の人が声をかけてくる。
「槍、見えますか?」
おかげで先に進めない。
日没前にテント張りたいのにぃ。。。
17時に小屋に到着。
しかし、めちゃめちゃ寒い。
とんでもなく寒い。
日没時点で氷点下って、どういうことでしょうか。
寒いので鍋で温まって、ビールで冷えて、寝る。
翌朝、鶏ではなく雷鳥の声で目を覚ます。
ハイドレーション、凍っている…
夜中に空き缶にしたオシッコも凍ってる…
このまま持っていくわけにもいかないので、湯煎する。
今日は快晴!
準備を整えて小屋に行くと、目の前に鷲羽の素晴らしい景色が!
出発したいのだけど、つい、のんびりしてしまう。
双六から三俣への巻き道が気持ちのいいコース。
双六山頂からの槍稜線は定番の撮影スポットだけど、
個人的には、巻き道のほうがいい写真が撮れると思っている。
でもちょっと、雪深いな…
9時に三俣山荘に到着。
鷲羽は遠景で愉しんだので、ピークはスルー。
今回の目的のひとつ、黒部源流を堪能すること。
この道、すごく気持ちのいい道なのだが、
凍結が酷く、10回以上転んでしまった。
でも、楽しみにしていた「氷の芸術」。
すっかり魅入られました。
しかし、ゆっくりしすぎて時間がない。
烏帽子小屋まで行く予定だったけど、まず無理。
やむなく野口五郎の冬季小屋にお世話になる。
でもおかげ様で、憧れていた、朝日を浴びながらの稜線歩きが堪能できた。
今まで歩いてきた稜線、これから進む稜線。
すばらしい景色がずっとずっと続いている。
だから縦走はやめられない。
烏帽子まで行けなかったので、本日の行動もハードな予定。
目的地の船窪小屋が谷の向こう側に見えている。
手が届きそうだ…
でも手前の崩壊地がヤバそう。
雪も乗っている。
かなり歩きづらい。
崩壊地というか、登山道が崩壊!
この先、どうやって進めと。
いや、この日のためにオレはインディージョーンズを何度も見てきたのだ。
目で見るな!勇気を出して、一歩踏み出せ!
いやいやいやぁ、無理ッス。
しかし、登山道が崩壊している箇所がいくつもあるって、どういうこと?
まぁ、危険はあまり感じないので、
この山域がなくなってしまう前に、登っておくことをお勧めします。
17時にテント場に到着。
小屋まで15分。
前夜は冬季小屋だったので、あまり水分取れなかったので、がんばって買いにいく。
ビール500缶を3本と、コーラ500ペット2本。
★☆★うんちく ビールのおいしい飲み方「瞬間冷却」★☆★ ★☆★ ★☆
運動してカラダが火照っている状態で、鋭く冷たい風に当たりながら、
キンキンに冷えたビールを一気に飲み干す。
カラダの外からも内からも一気に「瞬間冷却」。
これが究極のビールの愉しみ方である。
★☆★ ★☆★ ★☆★ ★☆★ ★☆★ ★☆★ ★☆★ ★☆★ ★☆★
コーラは、夜中に目を覚ましたとき用と、朝起きたとき用。
寝ているときの脱水対策と、乾燥した喉のいやなイガイガ感は強炭酸に限る。
これが効果てきめん。
まず、ビール。
熟睡しまくり。
いや、正確には「熟睡」ではなく、「気絶」なのだが。
気絶でもいい。
シュラフの場合、姿勢を意識してしまいがちなのだが、
気絶してしまえば、疲れ切った筋肉が完全脱力できる。
そして、コーラ。
思えば普段から、料理に砂糖を使っていないので、
今回の縦走、糖分がかなり不足していた感じがする。
その補給にはもってこいなのだ。
実際、最終日なのに、一番軽快に歩けたのだ。
軽快に針の木小屋まで来る。
あとは下るだけ。
なんだか寂しい気持ちになってきた。
でもここからが辛かった。
白馬大雪渓もそうなのだが、
基本的にこういう地形には登山道をつけてはいけない気がする。
今回の縦走路のワーストがここだと思う。
緊張を崩さずに慎重に下る。
そして、トロリーバスが通る舗装路に出た。
なんだか一気に現実に戻され、楽しい山旅が終わった瞬間だ。
※ジャンルを「ハイキング」にしたのは、ピークをスルーしているのに「ピークハント」はないだろ!と思ったので。
レベルの問題ではありませんおで、あしからず。
コメント
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anbyさん はじめまして
レコ楽しく拝見させて頂きました。。
私は、無理矢理でもピークを目指しちゃいますが
しかし、贅沢な『華麗にスルー』ですよね
・・・でも、そういうのも素敵ですね
山は、いろんな楽しみ方ができて良いですね
こんにちは!
楽しい山旅の様子が、伝わってきました
そして、いつもながらの充実した食事
テン泊でこの材料を背負って、このコースと思うと本当に尊敬です
こんなハードなコース無理かもしれませんが、後ろからついて行って、どんな感じの山行、荷物なのか見学させてもらいたい気がします
anbyさん こんにちは
私もこの夏に歩いたルートとほぼ同じです。
しかも扇沢までいってらっしゃる素晴らしい
私は烏帽子〜船窪で体力使い果たし七倉で下山しちゃいました。
anbyさんのルートは元々私がやりたかったルートなんですよね。完歩おめでとうございます。しかもオールテン泊でとは尊敬します
私もやり残した感があってリベンジで先週、針ノ木と蓮華へ行ってきました
寒かったですけどお天気よくて最高でしたね
私も基本はピークを目指します。
でも今回のコースは、単発ではけっこう登ってるんですよね。
登ったことなければ、たぶん名残惜しくなって無理したと思います。
稜線をのんびり歩き続けるのは、散歩感覚で気持ちいいです。
けっこうな食材持っていったのだけれど、
さすがに2日目に辛くなって、1回で2食分食べましたw
ハードのようですが、景色が素晴らしいので問題なし!
ってか、後からダメダメな姿を意識して見られるのは恥ずかしいッス
ありがとうございます!
烏帽子〜船窪はきつかったですね。
私も、七倉で…と悩んだのですが、
車を扇沢に回送頼んだ関係で、なんとしても扇沢に降りないと!と頑張りました。
でも、蓮華からの景色見て、登ってよかったと思ってます。
う〜!!これはスバラシイ!!
山って眺めるのが最高ってわかるんだけど
近くまで来ると登っちゃうんですよね。
私は、先週銀座手前の有楽町辺り(大天井、常念)を
縦走するつもりでしたが、天候が良くなかったので
行けませんでした。。。。
山を愉しむには、これかなって。
あまりガシガシとピークを買い込むと
お盆のときみたいに、あとでガッツリお支払い(筋肉痛)がくるので、ね
ところで、車を回送するのと、下山後にタクシーで車に戻るのとどれくらい違いますか?
56Kmですか。5日もいけるなんて羨ましい。
山楽してますね。ガツガツ歩くだけじゃつまらないし
こういうの私は好きですよ。
まさにこのルートを目指しておりましたが
断念して笠ヶ岳にルート変更をいたしました
羨ましいですね
タクシーは、
扇沢〜七倉 6,700円くらい
中房〜穂高駅 6,500円くらい
帰りに下山口で一緒になった女性を七倉まで送っていったのですが、
時間にして15分〜20分くらいしかない距離でした。
マイカーなら回送とあまり変わらないかも。
東京から登山口までのバスのほうが安いですね。
ずっと稜線歩きだったので、歩いている距離が実感できるんですよね。
特に槍、もうあんなに小さくなってるって。
もともとは単発で登ってたのだけど、例えば燕で、
「あの向こう側に見える稜線、気持ちよさそうだなぁ」
というのがいっぱいあって、
なら一気にいってみようかなって。
写真もいっぱい撮ったし、すれ違う人ともよく会話しました。
かなり楽しかったですよ!
笠への稜線歩きも気持ちいいですよね。
槍周辺を登っていると必ず見える、あの稜線。
誰もがいつか、あそこを歩いてみたいと思っているはずです。
双六〜烏帽子って、簡単には入れない山域なので
なかなかチャレンジできないでしょうけど、
ぜひぜひ行ってみてください。
anbyさん お疲れさまでした
不動岳と南沢岳の鞍部でお話したKazzです
別れてから、「中房温泉から登り始めた」って言ってたな「なにーあんなとこからここまですげーなー」と感心しながら無事を祈ってましたよ、
私も今回の山旅は久々ヘビーでしたがその分お山さんたちもいろいろなものを見せてくれ感無量でした
これからもお互い、良い山行きを続けましょうね
ではでは・・
kazzさん、こんにちわ。
いやいや、お疲れ様でした。
あのときはもうバテバテで、鞍部のたびに休んでました。
結局テント場に着いたのが17時直前でしたからね。
またどこかでお会いできましたら、宜しくお願いします!
anbyさん、こんにちは!
私も先月テント担いで表裏行きましたが、贅沢な感じがうらやましいですね
私もついピークに食いつくので現実にできるかどうか・・・
別の意味でストイックな登山ですね
表裏は贅沢な道ですよね。
でも、槍の穂先や烏帽子岳、個人的には凄くそそられるピークなので、
かなり大変でした。
ほんと、ある意味ストイックでした
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