秋田県大館市:大日影山(北の又ルート断念)、縫戸山(南沢ルートを途中まで下見)、甚吉森不明沢(大湯沢?)
- GPS
- 24:00
- 距離
- 11.7km
- 登り
- 565m
- 下り
- 541m
コースタイム
05:11大館市街地出発
06:19左折して矢立林道へ
06:34南沢林道分岐点通過
06:50北の又林道標識通過
07:01北の又林道終点ゲート通過
07:12防虫対策の為小休止
07:19再出発
07:32林道は崩落して行き止まり
07:40下山開始
07:47ゲート通過
07:52矢立林道に出る
(北の又林道〜南沢林道)
07:57矢立林道から南へ右折して南沢林道に入る
08:56不明分岐点へ出て休憩(標高370以上)
09:11下山開始
09:23縫戸山登山口標識看板発見
(南沢林道〜甚吉森不明沢)
09:30転倒
09:43矢立林道に出る
09:57国道7号線に出て「日景温泉」に通じる道へ左折
10:18「日景温泉」駐車場で小休止
10:32出発〜道を間違えて未舗装車道を進む
10:45事務所裏手の踏み跡を辿る〜沢登り開始
11:23沢を離れる
11:31送水路脇で小休止
11:54再出発
12:00送水路行き止まり〜下山開始
12:10送水路終了
12:12大きな沢へ出る
10:51事務所通過
(甚吉森不明沢〜甚吉森登山口〜相乗温泉)
13:07「矢立遊歩道」分岐地点から遊歩道内へ
13:15甚吉森登山口〜引き返す
13:28自転車回収
13:35出発
13:45矢立峠通過
13:50相乗温泉
天候 | 概ね晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2018年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自転車
大館市街地から国道7号線を17〜18kmばかりひたすら北上。左手に砂防ダムが見える橋を渡った所で左折して矢立林道へ。標識は小さいので注意。蜻蛉の群れに迎えられながら山間の未舗装車道を進む。幾つか分岐道は有るが全て無視。その内傾斜もきつくなって来るので途中から下車して押して進む。その儘3kmばかり直進すればカーヴの所に「北の又林道」の標識が立っているが、半ば草に覆われている。 更に進んだ先の林道の終点はゲートになっているが、手動で開閉出来る。但し中へ入ってしまうと内側から錠を掛け直すのは難しいので、出る時に掛け直すのを忘れずに。 (北の又林道〜南沢林道) 北の又林道から矢立林道へ引き返して東へ少し戻ると、南側に分岐道が見える。雑草に半ば埋もれてはいるが良く見ると看板が立っているので判別出来る。短い橋を渡って山間の沢沿いに南沢林道が続いている。 (南沢林道〜矢立林道〜甚吉森不明沢入口) 南沢林道を引き返している途中、自転車で一度転倒。速度は上げていなかったのだが石ころでバランスを崩した。悪路の走破はやはり難しい。プロテクターと手袋に守られていたお陰か目に見える怪我はしなかったが、地面にぶつけた右膝と、ハンドルを握り締めていた両掌がジンジンと痛む。そろそろと下山を再開し、矢立林道へ戻り、そこから国道7号線へ戻って北へ100mも進むと、「日景温泉」へ行く左折路が有るのでそこへ入る。 850mばかり林の中の舗装車道を進むと「日景温泉」が見えて来る。左手に駐車場が広がっているのでその奥へ進み、適当に空いている所に駐輪させて貰う。駐車場の奥から未舗装車道に入って短い橋を渡り右に50mばかり進むと、左へカーヴする地点に「矢立遊歩道」の標識が立っている。森の中に入る形で、標識の右手から徒歩道が続いている。 (甚吉森不明沢〜甚吉森登山口) 沢下りが終わった後、正しい登山口を確認すべく、「矢立遊歩道」の標識の立っている地点から右手の徒歩道へ入る。不揃いな階段が設けられており、途中ベンチの様なものも見えるが、荒廃していて座りたくなる様な代物ではない。200〜300m程進むとT字路に突き当たる。右へ行くと矢立ハイツ方面、左が甚吉森だ。合流地点には恐らく「甚吉森登山口」と書かれていたであろう木の標識が立っていたのだろうが、今はバラバラになって地面に散乱している。自然に腐食して崩壊した様には見えない。熊が引き裂きでもしたのだろうか。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
(大日影山北の又ルート) 『大館トレイルガイド』では北の又林道終点のゲートを登山口としているが、何のことは無い、その先も同じ様な未舗装車道が続いているのでその儘進めば良い。入っていきなり右手が崩落だか何かの工事の跡なのか、大きく抉れているのでギョットとするが、特に難所は無い。ところが暫く進むと、標高423m(数十mの誤差は御容赦願いたい)の辺りで道は突然中断。その先は大規模な崩落で消失しており、雑草が生い茂っている。 今回は2017年6月に大日影山に登った方のブログ記事を参照して予習していたのだが( https://blogs.yahoo.co.jp/a0syuuitib1/folder/1601490.html?m=lc )、ここで言及されている崩落箇所と同一と思われる。事前に市役所にこの記事を指摘し、北の又ルートが現在は使用可能な状態であるとの回答を得てから来ていたのだが、市の方でも少なくとも1年以上、現状を把握していなかったと云うことだろう。平成27(2015)年より刈り払いが行われていないと云うことなので、ひょっとしたらその時からかも知れない。 何れにしろ、この崩落が起こる以前に大日影山に登った方々の記録を読んでみると、この崩落箇所の先へ進めたとしても、どの道未舗装車道は途中で消失し、山頂までは何とか判り難い登山道を見付けて薮漕ぎ等もしなければならない様だ。元々スンナリ登れる道ではなかった様だ。仮に目の前の崩落箇所を何とか越えられたとしても(それ自体無理そうだが)、またその先で別の崩落が起きている可能性だって有る。ここは撤退以外の選択肢は無いだろう。 (作成したルート図は『ガイド』の地図を参考にして描いたので、多少誤っている可能性が有る。) (南沢林道) 市の情報に拠ると、南沢林道は倒木が有って車が通れない状態だと云うことだったのだが、倒木は迂回しようと思えば出来る細いものが1本有った切りで、道を塞ぐ様な形での倒木は1本も見当たらなかった。その代わりに落石や雨裂が多く、どの道一般車両での走破は困難だろう。 この日はそもそも縫戸山に登る予定は無かった。縫戸山南沢コースも、南沢林道が車両通行不能の為、ここ3年間刈り払いが刈り払いが行われていないそうなのだが、山瀬ダム分岐コースへ至る陣内林道・粕田林道も状態は相当に劣悪だ。なのにそちらの登山道はきちんと整備されている。登山口までのアクセス条件は同じ位に悪いのに、一方は整備されていて他方は整備されていないと云うのがどうにも解せないので、取り敢えず南沢登山口まで行って様子を見ることにしたのだ。南沢林道を真っ直ぐ南へ下っていると、何れ右手に登山口が見えて来る筈だ。 が、行けども行けども、一向に分岐が見えて来ない。登山口の標高は290m弱の筈なのだが、何時の間にかどんどん高度が上がって行く。気が付くと高度計の表示は370mを超えている。数十mの誤差を考慮に入れたとしてもこれは流石におかしい。しかも、登山道を登っていたのだとしたら西へ向かっていなければおかしいのだが、度重なるカーヴを経るので判り難いものの、どうも東へ向かっているらしい。明らかに道を間違えたのだ。引き返すことにする。 引き返す途中、草に殆ど覆い尽くされている形で、「縫戸山2.2km」の登山口標識看板を発見。高度計は276mを表示している。周囲の雑草を少し払って良く見てみると、標識には3つに分岐する道が表示されており、登山道は右へ分かれる道だ。だが、見たところ、付近に分岐などひとつも存在しない。道は標識から10mばかり先で大きく右にカーヴしているが、カーヴ地点の突き当たりには沢の標識が立っている。完全に薮化してはいるが、どうもこの先に元々道が有った様に見えなくもない。だとすると、直進路と左への分岐路がこの薮の中に隠されていて、登山道はやはり今下りて来たばかりのこの右へ曲がる道なのだろうか。 よしいっそここで予定を変えてこの道をもう一度登って登り切ってみるか、と勢い込んでみるが、南沢登山道も刈り払いはされていないのだと云うことを思い出し、この問題は次の機会への宿題とすることにする。実のところ、この時点で私はまだ大きな勘違いをしていたのだが、正しい答えが判るのは次回となる。 (日景温泉〜甚吉森不明沢) この日は元々甚吉森に登る積もりだった。「矢立遊歩道」が東から延びて来ているので、それと合流する地点が甚吉森登山口だと憶えて来たのだが、私はてっきり、この未舗装車道と矢立遊歩道が合流する地点が登山口なのだと思い込んでしまった。合流地点と「日景温泉」までの距離は、地図で見ると200m以上は有りそうなのでどうも妙だと思ったのだが、この時点でおかしいと気付いておくべきだった。後で判明したのだが、正しい合流地点は、右手に延びる遊歩道を進んだ先に在り、南西と南東から遊歩道同士が合流する地点が登山口だったのだ。 私は迂闊にもその儘未舗装車道のカーヴを左に曲がって進む選択をしてしまう。やれやれ、とんだ間抜けだ。左側では何やら大規模な工事をしている。工事現場を過ぎても暫くは普通の砂利道だが、やがて工事事務所に突き当たる。事務所の裏手に回ると、今度は普通の登山道らしい徒歩道がその先に続いており、ピンクのテープがガイドを務めてくれる。甚吉森の登山道は刈り払いが為されているとの回答を事前に市から得ていたので、この時はその整備をしてくれた人がテープも巻いてくれたのだろうと思っていたのだが、後から考えてみれば、あれは森林管理局か何処かの人が業務用に巻いたものだったのだ。この辺りの観光用にしては余りに入念に手が行き届いている。 間も無く沢登りが始まる。最初は一時的なものかと思っていたのだが、踏み跡は一向に沢から離れない。その内流石にどうやらおかしいことに気が付いたのだが、余りに面白いので予定を変更してその儘登ってみた。 沢は極く小さく、踏み跡は沢の幅が2〜3m程度になった所から始まっていて、付かず離れず、絶妙の間合いで沢筋を辿っている。踏み跡の先にはしつこい位、過剰なまでにピンクのテープが巻いてあり、御丁寧にも難所を巻く為の分岐にも、間違えない様にテープが巻いてある。「あれ、この先は少し登り難くなるのかな」と思ったら、先ずは道を間違えた可能性を考え、近くにピンクのテープが無いか探せば良い。直ぐに間違いを修正出来る。これで道を見失うとしたら余程の明き盲だろう。この日はトレッキングシューズで行ったのだが、長靴でなくとも全く問題無く登れた。きちんとガイドに従って足元に注意して登っている限り、靴を濡らす心配は全く無い。 沢は美しい。最初は普通の沢の様に見えるが、やがて至る所にグリーンタフのナメ肌の沢床が姿を見せることになる。日に照らされた飛沫と相俟って、まるで狙って作り出されたかの様な小さな芸術的光景があちこちに出現し、別世界に迷い込んだ様な気分だ。岩瀬川の大きな滝の様な迫力は勿論無いが、高低差僅か数十cmの極小滝の数々も無性に愛おしい。初歩的な間違いのお陰でこんな素朴な宝石を鏤めた箱庭の様な穴場を見付けることになろうとは、一体誰に予想出来ただろう。間違いはしてみるものだ。 やがて大きな沢は終了し、やがてチョロチョロと流れる程度の小さな沢に移る。その更に先には人工の送水路が設けられており、急な斜面にはロープが垂らされている。 疲れて来たので一旦倒木に腰掛けて休憩し、その更に先を行ってみる。地図を見ると標高500m位の所までは道が続いている筈だ。が、程無く終点。送水路は行き止まり、その先には進めそうな所も見当たらず、ピンクのテープも巻かれていない。高度計は528mを指している(繰り返すが、数十mの誤差は御容赦願いたい)。そこから引き返して下山。余りの美しさにシャッターを切りつつ、ゆっくり下りる。トレッキングの途中で写真を撮り続けたのはこの時が初めてだ。 |
その他周辺情報 | (相乗温泉) 甚吉森不明沢を堪能した後は、もう一踏ん張りして矢立峠を超え、県境を越えて青森県側へ。ピークから500mばかり下ると相乗温泉。ホテルの方は閉業しているらしい。入浴料は300円。普通の湯と赤湯(同じく赤湯で有名な秋田県側の矢立温泉は現在閉鎖されている)と露天風呂が有る。露天風呂は開放感が有って仲々雰囲気が良いのだが、アブが飛んで来るのには閉口した。赤湯に殺虫スプレーが置いてあったので利用させて貰ったが、良く虫が飛んで来るのだろうか。赤湯は何だか赤錆の湯に浸かっている気分になる。長時間の入浴は止めておいた方が良さそうだ。 戻る時には矢立峠を越えるまで上り坂を漕がなければならない。行きの上り坂は何とか覚悟出来るが、帰りの上り坂は仲々堪える。 |
写真
感想
(大日影山北の又ルート)
市のサイトの矢立三山の紹介ページ( http://www.city.odate.akita.jp/dcity/sitemanager.nsf/doc/siragami.yatate.tozanndou.html )は元々情報量が非常に少なく、予備知識ゼロの不特定多数の人間が参考にするものとしては分かり難くて不親切極まり無いのだが、公式に紹介されている観光地が使用不能な状態であることを1年以上も把握していなかったと云うのはどうなのだろう。私が今回の件を報告したところ、通行不能の箇所についてはそう表記される様にはなったが、全体として情報の量と鮮度と分かり易さが不足している感は否めない。出来ればデザインの専門家に依頼しての改善を望みたいところだ。
今回は元々矢立三山の縦走が現在可能かどうか確認したくて市の観光課に問い合わせを行ったのだが、大日影山の北の又ルートが使用不能と云うことは、半周ルートでは回れないと云うことだ。私の様に北の又ルートから登ろうとする者は途中で引き返せば済む話だが、仮に縫戸山か甚吉森からの縦走ルートで大日影山に辿り着き、そこから北の又ルートで下山しようと考える者が居たとしたら、途中で下山出来なくなることに気付くことになる。そうなったら来た道を引き返すか、三山縦走しか選択肢が無くなるが、何れも長時間を要するコースなので危険だ。
但し市からの回答に拠れば、縦走ルートは甚吉森からのものも縫戸山からのものも平成27(2015)年から刈り払いが行われていないとのこと(何年も整備されていない場所を堂々と公式に観光地として宣伝するのもどうかと思うのだが。しかも次回の刈り払いは予定していないとのこと。この儘廃道になってしまうのだろうか。大日影山山頂に立っている筈の大反射板の整備が必要になったらどうするのだろう)。現在どの程度通行可能な状態なのかにも依るが、薮漕ぎしても通れない様な場合は、そもそも縦走路を辿って来る者は居ないだろう。大日影山に到達する3つのルートの内残りの2つの状態確認についてはまた別の機会に行う予定。
(南沢林道)
この時は最後まで完全に勘違いしており、頭の中に「?」マークが浮かんだ状態で下山したので、詳述は次の機会に。
(甚吉森不明沢)
この沢は地図に名前の記載が無かったが、工事用の看板には「大湯沢」と書いていたので、仮に大湯沢と呼称することにする。
完全に初歩的な地図の読み違いに因る道間違えだが、まさかこんな素敵な穴場を発見するとは全く予想していなかった。恐らく森林管理等の業務用に整備されている道だと思うので、ひょっとしたら本来は立入り禁止になっているのかも知れないが、私が登った時には何も注意書きは無かった。今後も通行止めになっていなければ、是非また来たいところ。紅葉の時期にはどうなるのだろう。
日景温泉から近く、矢立峠からも矢立遊歩道を通り抜ければ割と容易に来られるので、アクセスは大館市内の山林観光地としては比較的恵まれている方だと言えるだろう。沢登りと言えば通常は山登りをする際には禁じ手で、本格的な沢登りにはそれなりの準備が必要だが、大湯沢を辿る徒歩道は沢幅が有る程度狭まった所から始まっており、難所は巧妙に巻いてあるので、足運びに注意さえすれば、長靴無しの軽装で十分登れる。沢の中に入って行けたらどんなに楽しかったろうと、この時は長靴を履いて来なかったことを後悔したが、寧ろ妄りに沢を汚さなくて良かったかも知れない。
大きな沢を離れると、その先は大して見所が無くなるので、沢がちょろちょろ流れる小さなものに代わった辺りで引き返すことをお勧めする。ゆっくり行っても1時間強程度で登れるだろう。ハイキング気分で気軽に登れる。
地理院地図を見ると、甚吉森の谷に水色の破線が引かれてある。徒歩道なのか沢なのか、見ただけでは何を意味しているのか良く解らなかったのだが、実際に行ってみて得心が行った。「沢と、沢筋を辿る徒歩道」のセットをこの様に表示しているのだ。
(写真について)
この時からサイクリング&トレッキング時にはカメラを携行する様になった。この時は事前に市役所に情報を貰っていたので、何か報告すべきことが有れば文字だけよりも写真を添付した方が説得力が有るだろうと思って持って行っただけなのだが、道を間違えたお陰で偶々発見した大湯沢が余りに素晴らしかったので、何か文字以外の形で記録を残して、他の人にもこの秘境の存在を教えたくなった。この時まではこうして自分が出歩いた記録を公にすることなど全く想定していなかったので、これ以前の山行記録には写真は全く載せていないのだが、これ以降の記録は自分用の覚書としてだけではなく、他の人が読むことを意識して残す様になる。
尚、私は写真に関しては全くの素人である。カメラも家に置いてあった安物を持ち出して来ただけ。一日で何十枚、何百枚と撮影しても、絵になる様な、それ自体で観て楽しいのは極く一握り。余りそちらに熱を入れても困るので、程々にすることにする。
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