トムラウシ(短縮登山口から往復、北沼周回)【北海道、大雪山系】、ヒグマもナキウサギも
- GPS
- 10:08
- 距離
- 21.1km
- 登り
- 1,663m
- 下り
- 1,651m
コースタイム
短縮登山口 5:22 − 合流点 5:37/38 − カムイ天上 6:08 − 旧道分岐 6:09 − 新道下降点 7:00
− コマドリ沢分岐 7:19/31 − 前トム平 8:14 − ケルン 8:23 − トムラウシ公園 8:46 − 南沼幕営指定地分岐点 9:30/32
− トムラウシ 9:56/昼/10:49 − 北沼 11:11/14 − 南沼幕営指定地分岐点下 11:43 − トムラウシ公園 12:13
− 熊発見! 12:26 − ケルン 12:30 − 前トム平 12:44/49 − コマドリ沢分岐 13:19/27 − 新道下降点 13:48
− 旧道分岐 14:28 − カムイ天上 14:30/42 − 雨! − 合流点 15:09 − 短縮登山口 15:24
●行動時間
10:02
天候 | 快晴のち晴れ、最後だけ雨 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2012年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
飛行機
○8/24:(神戸=伊丹=千歳=トムラウシ温泉) ○8/25:(トムラウシ温泉=短縮登山口) − トムラウシ − (短縮登山口=トムラウシ温泉) ○8/26:(トムラウシ温泉=千歳=神戸) ●アクセス ○トムラウシ温泉短縮登山口 ・十勝清水からは下記「トムラウシ温泉」も参照 ・トムラウシ温泉からは、車で約20分 ・“車高の高い車で”と言う方もあるが、それ程整備が悪いわけではない。そこここに轍の水たまり跡があるので、それを回避する運転ができれば、車高はあまり問題にはならないかと思う ・駐車スペースは数十台レベルで十分にある ・トイレあり ○トムラウシ温泉 ・道東道「十勝清水IC」を降り、国道274号線を北東に進み清水町市街へ。国道38号線を左手へのクランク状に過ごし、十勝川より手前で道道718号線へ。そのまま道なりに進むこと約70分でトムラウシ温泉東大雪荘に到着 ・国道274号線からの曲がり口には看板あり ・20時までは、温泉だけでの利用も可能。レストランは昼だけ営業 ・宿は2日とも満室であり、登山者だけではなく湯治目的の利用者もあるようだ |
コース状況/ 危険箇所等 |
○全般 ・3年前(H21年)の死亡事故のこともあって、標示整備が進んでいるようだ。分岐ではなくとも地名標示、分岐点の標示、などが取付けられている ・岩場などにおけるルート指示も概ねわかりやすく付けられているが、ガスや霧の場合には気をつけるに超したことはない。特に往路のトムラウシ公園への下降、山頂~北沼などはややわかりにくいところもある ・刈り払いはされているし、歩道としての明瞭さはどこでも確保されている。しかし、登山道として人手を加えての整備はまだまだであり、下記の“泥んこ道”なども残念ながら整備の緒に就いたばかりのようであった ○「カムイ天上」手前~「コマドリ沢分岐」の“泥んこ道” ・泥田の道を予想したが、数日来まともな雨がなく、ほぼ乾燥した状態であった。むろん、日当たりの悪い場所ではぬかるんではいるものの、かわすことも可能な程度 ・上記はあくまでも数日雨なしでの状態であり、本日(25日)夕方より数ミリレベルの降水があったであろうことを考えると、明日以降はすでに保証はできない。靴をドロドロにするのがいやであれば、長靴なのか、何らかの処置は必要であろう ●買う、食べる ・当然ながら、トムラウシ温泉や登山口に入ってしまうと、殆ど購入できるものはない ・東大雪荘にはジュース自販機がある。ペットボトル水は購入可能(トムラウシ山中はとりわけ水が得難い上に、地域特情もあって“要煮沸”の水なので、持ち込むのが無難) ●日帰り温泉 ・トムラウシ温泉を利用。近年の整備であるだけに、きれいで広い温泉であった ・日帰り利用は500円 |
写真
感想
天気に恵まれたことのない北海道の山。そんな中、トムラウシへ。天気予報では、前後の日の中ではもっとも安定的。今度こそは大丈夫であろうか。
○登山口〜コマドリ沢分岐まで
当日起床後、東大雪荘から短縮登山口まで車で移動。前日の下見の結果も踏まえ、混雑を気にせず、自分の登山開始時間だけを基準に出発。登山口は、まだ20台には満たない程度。
まずは本道を目指す。後付け道だけあって、直線的かつ緩やか。
本道の横腹に合流。しばらくは樹間の急登が混ざる。その後比較的平坦になり、やがてカムイ天上へ。その手前から“元ぬかるみ”が現れ始めるが、ここ数日の天候のおかげで、概ね乾燥している。
カムイ天上の先で旧道分岐を過ぎると、しばらくは整備されたばかりの木道が続く。やがて途切れると、刈り払いこそはなされているが、土質が原因しての泥んこ道となる。特に日陰は醜い状態。
途中、突如十勝岳の一塊が目の前に現れる。上ホロカメットクから美瑛富士にかけての一群の山々が雄々しげに並んでいる。そう、今日は快晴、周辺の山々もこちらにきちんと姿を見せてくれている。
途中、トムラウシと覚しき岩峰も正面に現れる。やはり、雄々しい。この近さで見ると、北アルプスの山のようにも見える。
大きな上り下りはないままに、下降点手前の崩壊面付近へ。ここはニペソツの展望台のようになっている。数人がここで休憩中。
やがて、下降点を超え、はじめはジグザグに、最後は急下降でコマドリ沢へと降りる。しばらく沢沿いに遡ると、標示の立つ「コマドリ沢分岐」。
○コマドリ沢分岐〜トムラウシ
「コマドリ沢分岐」からは、カムイサンケナイ川を離れてコマドリ沢へと進入し、遡る。枯れ沢ではあるが、開放的な沢沿いなので、花は豊か。紫、黄色、白に埋め尽くされ、鑑賞していると進まない。
やがて、沢沿いからゴーロの登りへと変わり、最後はカールの縁への急な登りを登り切ると「前トム平」。
ここからはトムラウシが正面に見える。笹原を超え、ケルンの立つ辺りに来ると、トムラウシ公園手前のゴーロ越しにトムラウシが存在感ありありに聳えている。
ゴーロを越えて、トムラウシ公園の上に立つ。緑あり、地塘あり、大きな岩あり。上から見る方が、より“公園”らしく見えるように思う。また、ここに来るとついにトムラウシまでは何の仕切りもない状態になる。ついにこの奥深い山に来たという感慨に浸る。
トムラウシ公園に降り、登り返す。緩やかにトムラウシを周回するように進むと、南沼幕営指定地。休まず、山頂を目指す。最後の厳しい登りを一歩一歩進む。途中で山頂に立つ人が見え、目標が定まり気力を振り絞る。やがて、山頂に。
狭い山頂。本日は視界良好。360度の山々が見える。
十勝岳ではない。旭岳から白雲岳にかけての大雪の中心部、沼ノ原までの大展望、遠く北見富士、ニペソツなど、これまで一度も見ることができなかった山々が目の前に広がっている。
北海道中央部は山深い。
○北沼、帰路
昼を食べた後、北沼に向かう。先ほど山頂で、忠別岳から縦走してきたという大学山岳部とすれ違ったが、それ以後、こちらのルートには人影がない。北沼は、南沼よりも澄んでいるように見える。トムラウシの映り込みが見たかったが、微風が止まず、諦めた。
南沼まで周回し、往路に合流し、戻る。
トムラウシ公園への登り返しの途中で、すれ違いざま声を掛けられる。ケルンまでの間にいある沢筋の上にヒグマがいる、と。距離があるから大丈夫だろうけど、気をつけて、とのこと。
気をつけてどうにかなる相手ではない。
ヒグマと距離あることを祈りつつ、登り返す。
上部に出ると、確かにヒグマらしき動物が見える。しかし、幸いなことにもかなり距離がある。彼が駆け足で降りてこない限りは、ゴーロを越え、ケルンにたどり着くまで大丈夫であろう。と思いつつ、気をつけながらケルンへ。ようやくトムラウシに別れの挨拶をしていないことに気づく。
かんかん照りの中をコマドリ沢分岐を目指して下降し、更に乾いた泥んこ道を終えた頃、突然雨。先ほどから黒い雲が気になってはいたものの、目の前には青空もあるので、まさに虚を突かれた。
とりあえずリュックカバーだけは装備し突っ走る。行きのコースタイムから予想すると、せいぜい30分である。そうこうしていると、降りは強くなる。しかし30分後、駐車場にたどり着くと、雨は上がった。
絶好の視界を楽しんだが、それでも雨には遭遇する、やはり北海道の山では天気に苛まれる。
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