霞沢岳、蝶ヶ岳(明神⇔霞沢、徳沢⇔蝶)【北アルプス南部、長野県】
- GPS
- 21:57
- 距離
- 43.8km
- 登り
- 3,095m
- 下り
- 3,069m
コースタイム
- 山行
- 10:13
- 休憩
- 1:07
- 合計
- 11:20
- 山行
- 9:12
- 休憩
- 1:13
- 合計
- 10:25
9/4:上高地 538 ― 河童橋543 ― 小梨平地先 548 ― 明神館 615/荷物預かり/620 ― 白沢分岐 623 ― 徳本峠まで2km 648 ― 徳本峠・霞沢岳分岐点 746 ― 徳本峠 750/752 ― 展望台 753/800 ― 霞沢岳方面合流点 806 ― ジャンクションピーク 851/903 ― 第2のピークで休養 941/953 ― 第3のピーク付近で雨具準備と待機 1004/1014 ― 第4のピーク 1051 ― K1 1131 ― K2 1153 ― 霞沢岳 1215/1271 ― K2手前 1232/昼食/1241 ― K2 1242 ― K1 1256 ― 第4のピーク付近で再度昼食 1329 ― 第3のピーク 1357 ― 第2のピーク1410 ― ジャンクションピーク 1507 ― 霞沢岳方面合流点 1537 ―徳本峠・霞沢岳分岐点 1541/1549 ― 徳本峠まで2km 1627 ― 白沢分岐 1654 ― 明神館 1658 (泊)
9/5:明神館 0458 ― 白沢分岐 502 ― 徳沢 543/545 ― 徳沢まで1km 631 ― 2,000m付近の平湿地(チューダイ広場) 651 ― 2,200m付近の方向標 750 ― 小池 841 ― 長塀山 902/908 ― 蝶ヶ岳まで1km 924 ― 妖精ノ池 935/938 ― 蝶ヶ岳山頂 956/958 ―蝶ヶ岳ヒュッテ 1002/1017 ― 妖精ノ池 1032 ― 長塀山 1058/1120 ― 小池 1134 ― 2,200m付近の方向標 1214 ― 2,000m付近の平湿地(チューダイ広場) 1241/1250 ―徳沢まで1km 1307 ― 徳沢 1339 ― 白沢分岐1420 ― 明神館 1423/1432 ― 小梨平地先 1508 ―河童橋 1515 ― 上高地バスターミナル 1521
● 行動時間
9/4: 11:20
9/5: 10:23
天候 | 9/4 : 曇り、雨 9/5 : 晴れ |
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過去天気図(気象庁) | 2020年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
9/3 : (家=梅田=上高地) 9/4 : 上高地―徳本峠―霞沢岳―明神館 (泊) 9/5 : 明神館―徳沢―長塀山―蝶ヶ岳―長塀山―上高地 (上高地=平湯=高山=家) ○交通機関 9/3: 梅田 / 上高地BT;さわやか信州号:2130 / 0520 9/5: 上高地BT / 平湯温泉;シャトルバス:1530 / 1600 「ひらゆの森」入湯 平湯温泉 / 高山;濃飛バス:1730 / 1832 ●登山口へのアクセス ○上高地 ・言わずと知れた、北アルプスの表玄関。各三大都市からのバスや路線バスが多数ある ・自家用車の場合には、平湯か沢渡に駐車し、バスに乗り換える ・今回は、行きは直通バス、帰りは路線バス乗り継ぎで出入りした ・上高地〜平湯は片道1,180円、往復割引あり。平湯〜高山は1,600円 (2020.9現在) |
コース状況/ 危険箇所等 |
○上高地〜明神 ・河童橋までは川沿いでも近道でも。河童橋から小梨平へと進み、キャンプ場を抜ける。抜けると明神への道であることを示す立て看板があり、白砂の歩きやすい道が続く ○明神〜徳本峠 ・古い道だけあって、ジグザグの上りを含め、全般に道幅明瞭で歩きやすい。大きな段差も少ない ・案内標は、白沢分岐と徳本峠4分割付近ごとに距離標があり、最後は霞沢岳への直接道と徳本峠を分ける標示が終点200m手前にある ○徳本峠〜霞沢岳 ・起伏のある道。刈り払いや段付けなど整備は結構なされているので,迷いや未整備による歩きにくさはない ・途中標示は徳本峠の次はK1、そして霞沢岳しかない ・起伏に応じた昇降を繰り返すものの、ピークごとの個性も特にはなく、やけに疲れた ○明神〜徳沢 ・上高地メインルートのうち。明神までとは異なり、粒径のある石で埋められているところと手つかずの素地とが混ざる ・林の中が多いが、梓川沿いに出ると、対岸には明神岳がデンと座っている ○徳沢〜長塀山〜蝶ヶ岳 ・休むことなく登り続ける道。特に2,000m付近までは急な坂道 ・長塀山までは、殆ど見通しが利くこともなく、樹林帯を黙々と登り続ける ・途中には距離、方向の標示も乏しく、入口の後長塀山に着くまでには、あまり意味を持たない方向標示数カ所と、「徳沢1km」程度ではなかったろうか ・長塀山から蝶ヶ岳までは大きな起伏もない。蝶ヶ岳本体取付きで道が分かれるが、どちらを進んでもすぐに合流する |
その他周辺情報 | ●買う、食べる ・上高地には売店があり、(季節等にも拠るのであろうが)大阪からのバスの到着時点(今回は0510)には開いているはずだが、今回は営業していないようだった ・ここには、お茶等のペットボトルや僅かながらの食べ物もあり、開いていれば最後の手段としては利用できる ・同じく上高地には食堂もあるが、まだ開いていなかった ・付近のホテル等にも、食べ物屋は多数ある ・今回のコース沿いにある山小屋は、ところによっては休止や営業縮小もあるようだが、明神、徳沢では売店や食堂は営業していた。また蝶ヶ岳ヒュッテでも売店は営業していた ●日帰り温泉 ・今回の経由地である平湯は名前から想像できるとおりの温泉地。日帰り温泉施設として「ひらゆの森」がある。バスターミナルから徒歩3分程、大人600円 ・登山客に特に有益な設備はなかったが、無料の棚と有料の貴重品置き場を使い分け、着替え含めて利用させてもらった |
予約できる山小屋 |
蝶ヶ岳ヒュッテ
|
写真
感想
1 9月4日霞沢岳、大雨
週初めにふと予定表を見ると、4日が空いている。これは珍しい。このままならば4日に山へ行こうと思い立つ。台風と台風の合間だが、上高地近辺ならば天気予報では少なくとも5日は大丈夫そうだ。前日にばたばたと段取りする。かねて行きたかった霞沢と蝶に狙いを付ける。ところが、当初目論んだ徳本峠小屋から4日の宿泊は日をずらしてほしいと持ちかけられる。こちらは他に休みがあるわけではないので、そうもいかない。やむなく、明神館から霞沢と蝶をそれぞれ往復することにした。
前にも利用したさわやか信州号は、案外よく寝られる。前日までの寝不足も相俟って結構熟睡。
上高地には定刻よりもやや早く到着。早速歩き始める。明神館にパソコンや着替えを預けて身を軽くする。一見は縦走のない面白みの少ない行程になってしまったようだが、こういったことができるのがよい。ベースキャンプみたいなものだ。
白沢沿いの林道然とした道を黙々と進む。しっかりと造られた木橋を渡り山道に。明神1.8kmの標示頃からは黒沢に沿った急坂に。
振り返ると木々の隙間からは明神岳がよく見える。
ジグザグと言うよりはのこぎり波のような道取りで、おおむね一直線に登っていく急坂。よく見かけるようなはしご段や大木の根の大またぎなども殆どなく、いかにも古くから通っている道らしい。途中で水のある沢を二度横切り、ほぼ枯れた沢も越えると、やがて霞沢岳と徳本峠への三叉路。そこからは一息で徳本峠。小屋からは小嵩沢山であろうか、南面の山がよく見える。北面の穂高も見えるが、そちらは上の展望台からのほうがきれいに見えるのであろう。
小屋番はすでに作業に向かわれたのか、小屋はひと気がない。小屋からすぐの展望台へと行って休憩。向かいの穂高連峰にはそろそろ雲が纏わり付き始めており、奥穂高はまもなく隠れてしまいそうだ。
そこからは、先ほどまでと同様の休みない登りでジャンクションピークへ。峠道とは異なり、細い登山道だが、笹はきれいに刈り払われている。水たまりが目立ってきたらジャンクションピーク。本来は蝶ヶ岳方面も見えるのであろうが、そちらは雲の中。近場の山々は見えている。
ジャンクションピークから緩やかに、ダラダラと下ると小さな池。その先から何度も小ピークが現れる。山頂より2つ手前のK1まではどのピークにも名前はないようで、それに加えて最高点のわかりにくいものばかりだ。
いくつか進むうちに、晴れが突然の大雨に化けた。急いで雨具支度をする。さっきまでの青空が嘘のような代わりよう。雨の中となると、小さな昇降がますます疲れを誘う。K1に向けての登りは急斜面。かつては“手を使い…”とガイドブックにも書かれていたが、今ではロープや木段が整備されつつあり、助けになる。それでも雨中の登りはスリップもあって厳しい。どんどんペースが遅くなっていく。さらにガスも全体を覆うようになってきた。
K1には標示があり、徳本峠以来久しぶりに文字を見た。そこからは岩稜の昇降を繰り返してK2。K2にはケルンがあるのみ。またそこから何度も上り下りを繰り返して霞沢岳。南のピークはうっすらと見えているが、それ以外に見えるものはなく、白に包まれて雨に打たれている。当たり前だが、本来は格好の展望台となるはずの穂高連峰も見えるはずもない。
速やかに引き返す。なんだか風も強くなってきた。切れ落ちている東面から吹いてきているからまだいいが、飛ばされないかと心配になるほどだ。K2の手前のハイマツがややオーバーハング気味のところで昼食。せっかくのハイマツも全く屋根代わりにはならない。おにぎりが豪雨の直撃を受けてバラバラになるので、慌てて口にほおばる。そんな中、一瞬だが、山頂方面の視界が開ける。大雨と視界は一致しないこともあるものだ。だが、文字通りの一瞬で再び白い中に消えていく。
そんな中を辛抱しつつ帰る。K1の先、4つ目のピークを越えた鞍部くらいで雨がほぼ降り止む。そしてこれまた一瞬だが、背後のK1峰が見えた。
先ほどよりも明らかに大きくなっている池を過ぎ、やがてジャンクションピークへ。ここまでとここからでは今回はペースト標準タイムの関係性が大きく異なる。天候、疲れ、諸々が効いた。
宿へは17時半までには、と遅れを詫びる電話を入れる。心配してもらったが、行ってみるとなんとか17時前には到着できた。なんと、朝白沢分岐を過ぎてから夕方明神館に到着するまで、誰とも会うことはなかった。いくら金曜日の荒天とはいえ、霞沢岳なのにである。
宿では、山向けの部屋で、本来は2段ベッド6体に12人で利用できるものであろうが、コロナ対策もあっておそらく3人あるは6人での利用としているようだ。泊まった室には、この日は2人だけだった。
夕食時に、明神館のオーナーが解説。明日の朝にはモルゲンロートが見られるかも、と聞き、山の天気の変わり様はすごいなぁと思ってしまった。
それにしても、悪天候で行く山ではないなぁ。
2 9月5日、蝶ヶ岳
明神館のオーナーの“モルゲンロート”に釣られ、出発は予定よりも遅らせた。宿の外あるいは白沢分岐付近で構えてみるが、ロートの具合が今ひとつ。どうやら太陽側には雲があるのかも知れない。
それでも朝焼けの明神だけを拝み、昨日とは異なる好天下の登山に期待も膨らむ。
徳沢まで足早に進む。時折梓川越しの明神だけを拝みつつ、徳沢へ。長塀山方面の登山口よりいよいよ登り始める。延々続くような急なつづら折りで300mほど登り、やや緩んだのちもしばらくは同様のつづら折りが続き、標高2,000m付近でようやく平坦な場所が現れる。チューダイ広場と名付けられているようだが、謂われはわからない。
そこからも、幾分緩やかにはなっても樹林帯の登りであることには変わりはなく、結局長塀山に到着するまで見晴すらなかった。
長塀山は“ながかべやま”と読むようで、こんなことは来てみないとわからないことだ。ちなみに昨日の霞沢岳も“かすみざわ”と濁るのが正しいようだ。
山容そのものを表したかのような“ながかべやま”だが、この頂上からも見晴はない。
そこからは、池が次々に現れたり、時折見通しの利く景色になったりと、低山の山稜のような感じになる。妖精ノ池という近代風の名前の池を過ぎ、ようやく蝶ヶ岳本体が現れた。ほんのわずかの登りで山頂部となり、小石だらけでどこを通っても道だと言えそうな広くて緩くまん丸な山頂部のなかでも最高点にまず立ち寄る。振り返ると穂高から槍にかけてが一望だ。残念ながらすでに奥穂高はガスの中だが、槍は辛うじて姿を見せている。ところが、表銀座については常念すらガスの中だ。
蝶ヶ岳ヒュッテで水を補給させて頂き、折り返し。朝日の出にこだわったことで周回ルートを採るだけの余裕がなくなった。来た道を戻るのだが、上りのときの黙々淡々としたつづら折りを思い出すと、なんだかしんどくなってしまった。
長塀山で昼食を摂り、明神館からは預けていた荷物を取り上高地BTへと向かう。
結構全速力で降りてきた疲れがどっと現れ、小梨平を目前にしたこの何の変哲もない区間で途中休憩を取った。何人にも抜かれていく。それでも肩に食い込むザックには勝てず、足もあちこちに痛みを感じる。やっぱり年には勝てない。
帰りには、ひらゆの森で入湯、食事も摂り、バスで高山へ。路線バスだが観光バス仕様の車であり、おかげでよく寝ることが出来た。特急「ひだ」と新幹線を乗り継ぎ、自宅には23時過ぎにたどり着いた。
次からは、もっとゆとりのある行程を考えないといかん、と思った。まだいくつかロングコースの予定があるんだけど、どうしたものやら。
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