熊野古道:中辺路(下三栖〜潮見峠〜滝尻)と槇山【和歌山県】
- GPS
- 07:13
- 距離
- 23.8km
- 登り
- 1,035m
- 下り
- 961m
コースタイム
- 山行
- 6:50
- 休憩
- 0:50
- 合計
- 7:40
田辺市内の駐車場 748 ― 道分け石 750 ― 湊交差点 754 ― 鬪雞神社 758/804 ― 紀伊田辺駅 816
△移動:田辺駅〜下三栖
紀伊田辺駅 820=<龍神バス長野線>=下三栖 845
○その2:中辺路、槇山
下三栖BS 845 ― 下三栖交差点 847 ― 中の宮 854/中の宮神社往復/858 ― 三栖小学校 909 ― 珠簾神社 920/924 ― 県道218号分岐点 926 ― 尾野原口BS 932 ― 長尾坂登り口 935 ― 長尾一里塚 945 ― 県道218号に合流 950 ― トイレ 957 ― 県道218号から林道への分岐点 1000 ― 関所跡 1007 ― 多面分岐点 1009 ― ひるね茶屋 1016 ― 水呑茶屋跡 1019 ― お滝さん 1029 ― 捻木の杉 1044/1059 ― 捻木の分岐点(A) 1104 ― 作業道終点(B) 1136 ― 槇山 1151/1208 ― (B) 1222 ― (A) 1250 ― 一願地蔵※ 1302 ― 最初の板橋 1310 ― 潮見峠 1321/1356 ― 峰への林道 1415 ― 十九川集落 1423 ― 覗橋 1436 ―鍛治屋川口 1439 ― 国道旧道へ 1446 ― 滝尻交差点 1457 ― 滝尻王子 1458 ― 休憩 1503/1525 ― 滝尻BS 1527
※:足編に兼
天候 | 快晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2022年05月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
バス 自家用車
(和歌山市内=紀伊田辺市街の駐車場) 道分かれ石―鬪雞神社―紀伊田辺駅 (紀伊田辺駅=<龍神バス>=下三栖) 下三栖―捻木の杉―槇山往復―潮見峠―覗橋―滝尻 (滝尻=<明光バス>=湊、紀伊田辺市街の駐車場=串本) (泊) ●登山口へのアクセス ○下三栖 ・明光バス長野線が運行しているが、本数や時間帯のこともあり使うのは容易ではない。今回のように、月水金運行の第1便であれば、かろうじて利用できる ・紀南病院までは土日でも数便あるので、ここから歩いて行く手もある。紀南病院から熊野橋まで約10分、下三栖までだと約30分くらいか ○滝尻 ・龍神バスや明光バスで紀伊田辺駅から「滝尻」バス停まで行く。バス停は国道311号沿いにあり、滝尻王子はそこを東へと曲がった国道371号沿いにある。約100mに王子の入口がある ・紀伊田辺駅から滝尻まで約40分、本宮大社前から1時間半(快速便2本は1時間) ・2022年のダイヤでは、紀伊田辺からは13便、本宮大社前からは7便 ・滝尻王子の左手に熊野古道中辺路の「起点」と称する番号道標がある。古道はその先から続いている ・自家用車の場合には、滝尻王子よりさらに東進しおよそ200mのところにある「熊野古道館駐車場」を利用できる (いずれの記述も2022.5現在) |
コース状況/ 危険箇所等 |
○道分かれ石〜鬪雞神社〜紀伊田辺駅 ・田辺市は熊野古道整備に力を入れており、要所の道標も怠りない ・街中であり、すべて舗装路。街中であるために、一般的には標示が埋もれやすいのだが、田辺市標準型は悪目立ちせず、それでも明瞭 ○下三栖〜長尾坂登り口〜水呑峠〜捻木の杉 ・下三栖からしばらくは長野方面への県道歩き。道幅は広くないがクルマ通りも少ない ・尾野原口の先「長尾坂登り口」から上部の県道218号までは山道歩き。その先も水呑峠の先までは舗装された道を歩く。峠の先で未舗装にはなるものの相変わらずクルマも通ることのできる程度の道幅が続き、捻木峠に至る ○捻木の杉〜槇山 ・槇山手前のピークまではクルマも通る作業道を行く。延長のうち半分程度は舗装されている。手前ピークからは山道となり、いったん下降して登り返すと槇山 ・槇山にもアンテナ基地が複数あり、山頂付近もハイキングルートと基地設備への道とが存在しており区別できない ・槇山から潮見峠に下るルートもあるが、今回は利用していない (いずれの記述も2022.5現在) |
その他周辺情報 | ●買う、食べる ・田辺市内、特に駅周りでは買い物、飲食には事欠かない ・下三栖以降には店舗はまったくないので、買い物をするなら駅周りなどにいるうちに ●日帰り温泉 ・白浜には温泉施設が多数あり、日帰りサービスにも事欠かない ・南部町内には国民宿舎「紀州路みなべ」が日帰り温泉提供をしている (2022.5現在) |
写真
感想
GW唯一の“遠出”。紀南の熊野古道歩きにいくこととした。普段と変わらないともいえるが、南に向かう場合の移動に対する負担感が違う。今回は、月曜日であることを活かした行程と、南の中でも早い出発に意味のありそうな行程を選択することとした。
○第一日
早朝和歌山を出て田辺市へ。道分かれ石の近くにあるコインパーキングにまっすぐに向かう。
これまで田辺に来たときにチラチラと見ていたのだが、安い時間貸し駐車場をあまり見ない。時間100円など、なじみあるサービスはあるが、都市部にあるような“24時間○○円”のような上限料金を見かけない。都市とは異なりそういったニーズはないのかもしれないが、さすらい旅行者には残念なところだ。
ちなみに今回も、あと一息早起きができていれば、朝滝尻にクルマを置き、バスで田辺まで出てきて今回の行程に繋ぐこともできた。残念ながらそれはできなかった。
さて、駐車場にクルマを置いて出てくると、目と鼻の先に道分かれ石がある。読み取りも解説されている。さすが田辺市だ。今日はまっすぐ大辺路方面へと進み、鬪雞神社を目指す。通常の通学生も横切る中、鬪雞神社へ。ちょうど8時のお勤めが始まるところで、飛び込み参加者ではあるが、思わず頭を垂れた。なんだか御利益のおこぼれにありつけそうな気分だ。
駅に戻り、長野線のバスへ。大型バンというのか小型マイクロバスというのか判らないが、地域コミュニティバスで見かけるサイズだ。病院への方ともう一人を乗せ、定刻に出発。多数の停留所に止まって下三栖へ。
バスを降り、下三栖交差点に戻っていよいよ出発。長野(長尾)方面へとのびる狭い県道21号を進む。道はちょうどセンターラインがなくなるくらいの幅で、山道よりは広いが、よくあるクルマが行き交いのできる道よりは狭い。それでもクルマも殆ど来ないのでのんびりと歩くことができる。切れることなく住宅地が続くが、庭先など家々の隙間からは遠く槇山も望むことができる。
見かけの割にはお宮の名前もない中の宮を過ぎ、珠簾神社に到着。ここは手入れも行き届いているようだ。三栖王子も合祀されている。謂れ書きには“珠簾神社は女性の神社…”のような文脈も見える。まさか英語のしゃれではあるまいに。
ややあって県道218号が分かれ、バス停「尾野原口」が現れる。そこからしばらくで「長尾坂登り口」。これまでの県道歩きから転じて山道になる。急勾配を上っていくと、さらに細い道へと分かれ、一里塚。ちょうど左手にある高尾山が大きく聳えて見える。
さらに登ると再び車道に吸収される。先ほど分かれたばかりの県道218号だ。上り続けトイレも越え、標示に従い左折。しばらく行くと関所跡。残念ながら旧跡らしきものは見当たらない。さらに進むと多枝分岐点。道標もあるが、どの道を示しているのかわかりにくい。補助標識を見てそれらしき道へと進んだ。
この辺りから上り坂らしくなっってきた。途中「ひるね茶屋」があるのだが、古の茶屋跡かと思いきや、現役の喫茶店のようだ。ここまで来てくつろぐことができれば気分もよかろう。
水呑茶屋跡や峠を越え、しばらく行くと林道どうしの交わりがあり、その先からは未舗装路となる。それでもクルマが通れそうな道取りは続き、お滝さんへ。脇道を上れば滝があるようだが、今日は止めておく。水音がするのは下流側だが滝は上流側にあるようだ。
そこからもいくつもの小滝を越えて進む。ふと眺望が開けると捻木の杉に到着。峠のような開けたところで休憩。ふと見ると水道もある。こんなところで水が出るとはなんだか凄い。
名前の通りのねじれた杉を見上げ、さらには海までの眺めを楽しむ。不思議なのは、ここではなく、次の峠に「潮見峠」の名前のあること。田辺から上ってきて最初に海が見えるのはここではなかったのであろうか。
一休みの後出発。道はすぐに一回りマシな作業道に合流する。その道を進むと熊野古道と車道の分岐点。ここでいったん古道を離れ槇山に向かう。槇山へはその作業道を上っていく。
途中で何度も海まで続く眺望を楽しみながらも、クルマのために計画的に開かれた道は、一休みしたくなる人間のことなど知らぬ振りで黙々と上っていく。やがて電波塔が目に入り、最初のピークへ。
クルマはそこまでのようで、狭い山道がアンテナ基地の脇から延びている。その道でいったんは下降し登り返すと徐々に道取りが落ち葉に隠れて薄くなる。しかも3分岐らしきものが現れるも、なんの案内もない。一番踏み跡が明瞭な右の道を行くが最高点を過ぎた先の基地で行き止まり。最高点辺りでよく見ると左側斜面への踏み跡が見える。それをたどり、先ほどの3分岐からの真ん中の道と思しき踏み跡に合流。少し登ると槇山の狭い山頂に出た。ネコの額のような山頂で、眺望も十分にはない。先に進むか戻るかを逡巡したが、ここまですら怪しげだった踏み跡のことを思い元来た道を戻ることにした。
先ほどの古道との分岐点まで帰ってきた。見上げると山頂部が見える。壁のような斜面だったようだ。
そこから古道に復し、潮見峠へと向かう。今日のコースでは唯一の山道歩きだ。あまり昇降のない穏やかな道を行く。一願地蔵跡が現れる“跡”だが“足編に兼”という漢字が当てられている。常用漢字にはない文字だ。そのあと3っつの沢を板橋で渡り少し登ると潮見峠に到着。遙か遠くには海までも見えているのであろうが、先ほどの捻木の杉のほうがはっきりとしている。
あとで調べたところ、海が最後に見えるところ、あるいは本宮から来ると最初に海が見えるところというような意味があったようだ。
そこからは林道を降りていく。途中で対岸の高原も見ることができる。飽きることなく下降する林道を進む。十九川集落で少々斜度が緩むほかは急な坂道が続き、やがて覗の集落へ顔を出して坂道歩きは終わる。
まともな太さの県道を少々進み、「鍛治屋川口」交差点で国道311号へ。歩道のない部分も一部ある。滝尻が近づき旧道へと進む。旧道に面した運送屋さんを過ぎると道は険しい状態になる。谷が迫り富田川に落ちそうだ。それでもいまだにクルマで通り抜けられそうな道を進み、やがて滝尻の洞門で現道トンネルと合流する。
滝尻では王子に詣り、今日のゴールとした。滝尻の茶店で聞くと、外国人客が来なくなって閑古鳥が鳴いているそう。このGWも日本人客はあまり来ないそうな。同様にコロナ禍に苦しむ業態の者としては、当分は苦労が絶えないのは同じと思わざるを得ない。女将さんの心配は、コロナ禍ばかりではなく今のウクライナ情勢にも及んでいて、外国人客が戻るんだろうかと不安げであった。
明るい話調の女将さんとは似つかわしくない暗い話ばかりでオチも付けられずに店を出た。世界情勢はここにも影を落としている。
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