酷暑を逃れて赤城山(黒檜山)★花だけは秋を知っていた

2023年09月17日(日) [日帰り]

• GPS: 05:06
• 距離: 8.6km
• 登り: 589m
• 下り: 595m

コースタイム

日帰り

• 山行: 3:41
• 休憩: 1:25
• 合計: 5:06

9:55 赤城少年自然の家バス停
10:01 大洞駐車場
10:17 赤城神社駐車場
10:21 10:24 赤城神社
10:28 黒檜山登山口駐車場
10:32 10:35 黒檜山登山口
10:38 10:44 黒檜山登山口駐車場
10:47 11:01 黒檜山登山口
11:16 猫岩
11:40 12:01 富士山展望台
12:38 12:39 黒檜山大神
12:41 赤城山
12:45 12:56 黒檜山絶景スポット
13:01 13:02 赤城山
13:06 黒檜山大神
13:09 13:12 60歩絶景スポット
13:37 大タルミ
13:49 14:00 駒ヶ岳
14:41 14:42 駒ヶ岳大洞登山口
14:49 14:59 覚満淵
15:01 赤城公園ビジターセンター
15:01 ゴール地点

天候

曇り時々晴れ

アクセス

利用交通機関：

電車 バス

S 赤城少年自然の家BS
　前橋駅発8:45の赤城山直通バス(急行)。この便は土日祝のみ。関越交通1500円Suica可
G 赤城ビジターセンターBS
　15:15発の富士見温泉行。前橋駅行に乗換。この便は全日。乗り換えるので1200円+610円　10/1から値上げのようだ)
★前橋駅までは、JR東日本のんびりホリデーSuicaパス　フリーエリア内2670円　前橋駅はフリーエリア外だが乗り越し料金416円を自動改札で清算してくれるので便利

コース状況／危険箇所等

全般によく整備されています。ルート明確、指導標完備。ただ、1か所ルートを外してしまった(写真コメント参照)
〇黒檜山登山口〜黒檜山
　岩場の急登が断続的に続く。しっかりした大きな平らな岩が多く土も覗き浮石もないので、そう登りにくくはない。尾根道なので、何か所かで展望が良い。ただ濡れていたので滑りやすかった。下りは大変かもしれない。
〇黒檜山〜駒ケ岳
　快適な尾根道。ここから以降は急傾斜は階段があり歩きやすい。
〇駒ケ岳〜駒ヶ岳大洞登山口
　木製や金属製の階段がよく整備されていて、下りやすい。階段なので登りはきついかもしれない。

写真

9/17 8:41

朝4時起きで前橋駅に普通列車でトコトコやってきました。3時間座りっぱなしで体が痛いし、久しぶりに早く起きたせいか体も重い。

9/17 8:42

何と言うこと、バスは長蛇の列。ぎゅうぎゅう詰めで危うく乗れなくなりそうだった。終点の手前で、教師引率の30人もの学生団体が降りた。私だったらこんな大人数ならバスを借り上げるな。(1人3千円×30人なら9万円。充分割安にもなるはず)

9/17 9:56

バス停からは登山口までは車道歩きが続くようだ。

9/17 9:57

大沼が見えてきた。天気悪いな。晴れ予報なのに。気分が乗らないなあ。

9/17 10:01

ハキダメギク。牧野富太郎の命名した帰化植物。掃溜めで見つけたからだと。雑草なのでTVドラマには登場しないだろう。

9/17 10:07

観光地・大沼。

9/17 10:14

地蔵岳は、何とか見えるが、、、

9/17 10:13

黒檜山は雲に隠れている。うーん、少し時間つぶして様子を見るか。

9/17 10:16

赤城神社に寄ってみる。

9/17 10:22

これは、赤城神社の山宮になる。大沼はカルデラ湖だから赤城山の山頂みたいなのものだ。沼の神としても古来信仰されたようだ。三夜沢にある本宮にも行ってみたいな。

9/17 10:27

大沼周遊歩道が、登山口のそばを通るようなので、こちらを通ってみる。

9/17 10:28

ゴマナですね。

9/17 10:30

ぽっちゃりしたあの山が気になった。あれが鈴ケ岳だろうか。

9/17 10:30

何人かの観光客が散策していた。

9/17 10:34

おっ、日も射してきたぞ。

9/17 10:38

この辺りが登山口に近いはずだが、道がないようだ。天気も悪いし、体調もすぐれないし、もうひとつ気分が乗らないので、いっそこのまま大沼を一周して、そのまま帰ってしまおうかとも思う。

9/17 10:48

結局せっかくだからと、赤城神社まで引き返して車道で登山口まで来た。予定より25分遅れ。まあ、帰りのバスは遅くまで何本かあるので、慌てることはない。

9/17 10:50

登山口を覗き込むと、沢山の人が集団で降りてきていた。

9/17 10:54

周辺の森を見て、やり過ごす。ヤマナシの実がたくさんなっていた。(キウイの仲間でキウイより美味しいらしい)

9/17 10:58

行くだけ行ってみるかと登山口から突入したが、いきなりの岩場の急登だった。

9/17 11:05

岩場の急登は長くは続かないが、何回か繰り返す。途中、広い岩の混じる森の中の急斜面で、ルートを外したようだったが、強引に登って、、、(写真を撮る余裕がなかった)

9/17 11:16

猫岩に到達。ここに直登してしまったが、写っている人の方(右から)巻いて登るのが本来のルートのようだった。

9/17 11:16

あとで写した写真だが、人がいる尾根筋を登るべきところを、標柱の正面から直登してしまったわけだ。

9/17 11:11

本来の道に戻って進んでみると大沼がばっちり。右端が鈴ケ岳だな。

9/17 11:13

赤城神社も見える。

9/17 11:12

おかげで、体が目覚めたようだ。元気いっぱいとなってグイグイ進む。

9/17 11:17

尾根に乗ったようだ。爽やかな風が吹く。この日はじめじめした気候だっただけに、気持ちの良いこと。

9/17 11:18

快適な森の中の歩きやすい土の道もあり、、、

9/17 11:26

岩場も、しっかり固定しているし、平らなので、そう歩きにくくはない。蓼科山等に比べると登り易い部類。

9/17 11:28

だけど急勾配であることには変わりない。(振り返って)

9/17 11:41

展望が開ける。

9/17 11:41

富士山まで140kmとある。もちろんこの雲では見えるわけがないが、、、

9/17 11:40

大沼は見えるのだった。

9/17 11:42

これは地蔵岳。

9/17 11:42

これが、まず目指す黒檜山。まだ、結構あるなあ。

9/17 11:59

こちらが、次に目指す駒ケ岳だ。

9/17 11:59

ここで昼食だ。朝食が早かったし。

9/17 12:02

視界は悪いが、楽しい登山道ではないか。

9/17 12:04

美しいダケカンバの森が登場するし。

9/17 12:04

ダケカンバですね。

9/17 12:09

日も射してきたし、雲が取れることを期待する。

9/17 12:16

急登を何度か繰り返すが、一気に行こう。

9/17 12:36

最後の登りかな。意外に暑くて汗びっしょりになる。

9/17 12:38

尾根に出ました。

9/17 12:41

すぐ、黒檜山の山頂です。晴れています。

9/17 12:42

展望への期待を胸に、黒檜山絶景スポットに向かう。

9/17 12:44

到着。しかし、何も見えないのであった。天気が回復したかと思ったのに。登山口での25分遅れは、ほぼ取り返していたが、もう少し早く来たら展望があったのだろうか。

9/17 12:45

見えたのは、これだけ。鈴ケ岳かな。ずいぶん間近に見える。

9/17 12:53

仕方ないので、アキアカネ。(どの山でもアキアカネばっかだな)

9/17 13:01

ハナヒリノキの実みたいだ。葉が毒で、くしゃみを誘うからハナヒリというのだとか。

9/17 13:05

先に進もう。駒ケ岳への尾根道を少し行くと、黒檜山大神。起源はよく判らない。

9/17 13:08

筑波山の大絶景スポットとある。60歩なら、と行ってみる。

9/17 13:08

筑波山はもちろん見えないが、小沼が見えるではないか。右が地蔵岳、左がこれから向かう駒ケ岳。

9/17 13:13

戻って。ここからの道は、階段がよく整備されている。いったん下る。

9/17 13:17

このあたりはツツジが多くなる。

9/17 13:19

これはトウゴクミツバツツジのようだ。

9/17 13:25

これは、麓でも多かったゴマナかな。季節が進んでいる。

9/17 13:26

ササ原に出た。霧も出てくる。こういうところに生えている樹が気になって、、、

9/17 13:27

なるほど、ミヤマハンノキだな。高山にも生えるパイオニア種だ。

9/17 13:35

なかなか快適な尾根道だ。

9/17 13:37

たまに日が射したりもする。駒ケ岳まであと少しだ。

9/17 13:42

これは、湿原というより、ただの水たまりかな。

9/17 13:44

地味につらい階段を登ると、、、

9/17 13:49

駒が岳です。

9/17 13:50

うーん真っ白。しかし、、、

9/17 13:48

一瞬、霧が晴れて大沼が見えたのでした。

9/17 13:55

すぐに霧に囲まれる。あの樹は何だろう。

9/17 13:56

山頂にミズナラである。そういえば、この一帯は、シラビソやコメツガなどの針葉樹に欠く。クロベのことを黒檜というし、亜高山帯の針葉樹のことを黒い森というので、てっきり針葉樹があるかと思ったが、黒檜山の由来は別なんだな。

9/17 14:01

さて、ここからは快適な道が続く。

9/17 14:08

ここなんか、花が多そうだな。しかし、まだ暑いのに、花の季節は終っているようだった。朝晩は冷え込むのだろう。

9/17 14:09

花は終っているが、マルバタケブキか。

9/17 14:09

まだ、種にはなっていない。少し前まで咲いていたようだ。

9/17 14:10

下りの急傾斜は、楽々でした。鉄製の階段や、、、

9/17 14:16

木製の階段が、よく整備されている。登るのはかえって大変そうだけど。

9/17 14:42

あっと言う間にも登山口です。

9/17 14:44

車道に出るとトイレもある。

9/17 14:46

覚満淵に寄ってみる。ビジターセンターBSの途中にあるのだ。シカ柵だ。

9/17 14:58

しかし、観光客はたくさんいたが、花はほぼ終わっていた。

9/17 14:50

オンダテは実になっているし、、、

9/17 14:51

クガイソウも終わっている。

9/17 14:51

クガイソウは、まだ実になり切っていないようだ。

9/17 14:53

遅くまで花をさかせるのは、アキノキリンソウと、、、

9/17 14:54

野菊たち。これはつぼみが紫なのでノコンギクかな。

9/17 14:56

そして、近所でもよく見かけるママコノシリヌグイかと思ったら葉が違う。アキノウナギツカミだ。いずれも茎に棘があるからそう名付けられたというが、想像力が豊かすぎる。

9/17 14:56

なぜか葉がすべて枯れてしまっていてはっきりしないが、サラシナショウマだろう。この暑さだとな。それにしては、赤城山の花たちは、確実に季節が進んでいるようだ。

9/17 15:07

バスの時間となったので、覚満淵は途中で切り上げた。1時間半後の次のバスまで、花探しする手もあったが、もう咲いていないと見た。正解だったろうか。久しぶりの赤城山、登るべき山は沢山あるのでまた来よう。(鈴ケ岳が気になる)

撮影機器：

Canon EOS 6D Canon

感想

翔亀

<計画の経緯>

せっかくの連休をどうするか。

9月半ばを過ぎれば、例年なら低山の季節だ。ところが何て酷暑が続くのか。これだと少しでも標高の高いところへ行くしかない。そこで、この夏、行きそびれた(より優先順位の高い山があった)、そして軽めの、日光白根山と美ヶ原の計画を立てた。バス利用だといずれも日帰り不可だ。

ところが、暑いだけでなく天気が不安定。予報がコロコロ変わる。この不安定さでは、前もって予約が必要な泊まりは、大きな賭けになる。となると、日帰りしかない。

また、8月の後半に、山を一時中断していた。夏風邪をひいたせいだ。その原因は、初旬の白山から戻った後、酷暑ゆえに家に閉じこもりクーラーの中でだらだらと休日を送っていたせいだと思っていた。しかし、「白山の疲れがまだ残るうちに蓼科山と聞いて、驚きました！」とコメントをいただいて、ふと気づいた。確かに毎週行っていたのである。疲れがたまっていた可能性はある。

9月になって風邪も治って、今回行くと3週連続になる。前週はたいした標高差は登らなかったが、3泊した。ここは、日帰りがよい。それも軽めで。


<赤城山のこと>

3連休の天気を直前まで見極めて、赤城山が浮かび上がってきた。いつもはテーマ先行型(この花を狙うとか、この温泉に入るとか)の場合が多く、今回のように天気で決めたのは珍しい。

赤城山は久しぶりになるが、じつは3回目だ。初回は、長七郎山と地蔵岳。これは当時始めようとしていた雪山コースの下見を兼ねたものだった。2回目は荒山。ツツジが目当てで時期的に最盛期だった。黒檜山には、登っていなかった。

つまり、大沼を望む絶景や遠景の山並み、覚満淵の美しさ、ツツジは楽しんだけど、山そのものを楽しんだとは言えない。観光地との印象だけが残っている。実際、かつては大沼までケーブルカー、小沼までリフト、地蔵岳までロープウェイがあったというし、もっと遡ると、文人に親しまれ、白樺派の名は志賀直哉が赤城山のシラカバから採ったともいう。

また、赤城山は意外に遠く、日帰りだと朝かなり早く家を出る必要がある。なので榛名山もセットにした1泊も考えていた。このプランも、前述のとおり天気が不安定の中では、却下した。


<いざ、赤城山へ>

こうして、日曜日、朝4時に起床した時に確認した赤城山の天気予報は晴れと良好で、降水確率は高いものの、連休中のベストといえた。

しかし、大沼湖畔にバスで着いたときは、暗い雲がたれこめ、じめじめした天気で、それに呼応するように体が重く、気分も乗らなかった。久しぶりの早朝立ちのせいだったか、バスで立って1時間揺られたせいだったか。

ところが、登山口からのいきなりの岩場の急登、さらにルートを外した森の中の急登のおかげで、身体が目覚めたようだ。大沼がはっきりと眼下に見えて、気分も高揚。その支脈の尾根で、吹いてきた風は、この上なく心地よかった。

そのあとは、一気に登った。登山者が大変多く、すれ違いの待ちや、渋滞で休むことができ、あるいは後ろから煽られたのもよかったかもしれない。

今回のコースの植生は、そう豊かとも言えず、亜高山針葉樹やブナ帯も欠く。まだ真夏の暑さだが、花の季節は正直なのか、ほぼ終わっていた。花だけは秋を知っていたといえよう。雲に囲まれて視界も良くはなく、大沼など近景が見えるだけだった。

しかし、今回の時計回りは、名コースと言って良いと思う。急登ではあるがそう難しくない岩場を登って、すぐ尾根筋に出るので、展望が開ける。森の中の良好な道と岩場が交互に現れ、変化に富む。黒檜山から駒ケ岳までも、ササ原や草地もあるし、快適な尾根歩きもできる。駒ケ岳からの下りは、階段がよく整備されていて楽ちんである。そして危険個所もない。

短時間で、山のそのものを気軽に楽しめたと思う。天気で選んだにしては、予報が外れたのは残念だったが、雷や雨に会わなかったのは、この時期、幸いだったというべきだろう。