白峰三山~南アの真珠~大井川源流域~仙塩尾根をテント泊縦走
- GPS
- 128:00
- 距離
- 37.4km
- 登り
- 3,577m
- 下り
- 3,284m
コースタイム
- 山行
- 7:45
- 休憩
- 2:30
- 合計
- 10:15
- 山行
- 8:33
- 休憩
- 2:17
- 合計
- 10:50
- 山行
- 0:10
- 休憩
- 0:00
- 合計
- 0:10
- 山行
- 8:46
- 休憩
- 0:59
- 合計
- 9:45
- 山行
- 4:47
- 休憩
- 0:43
- 合計
- 5:30
- 山行
- 2:05
- 休憩
- 0:00
- 合計
- 2:05
天候 | ■天気 19土 無風快晴 午後ガス 20日 無風快晴 午後ガス 21月 無風快晴 午後ガス 22火 無風快晴 午後ガス 23水 無風快晴 午後ガス 24木 曇りのち雨 ■気温 最低6℃(テント内早朝) 最高20℃(稜線・直射日光あり) 全般的に温かかった 日陰は少々冷えるも無風のため、日中は半袖・短パン(レギンスあり)で行動 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2015年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
新宿BT/甲府BT 運賃:2,000円 ■南アルプス登山バス【往路】※休日用 http://yamanashikotsu.co.jp/noriai/2015hirogawara.htm 甲府駅(南口�番)/広河原 運賃:2,050円(協力金100円含む) ■南アルプス市営バス【復路】※平日用 http://www.city.minami-alps.yamanashi.jp/kanko/yama/files/bus_timetable_h27.pdf 野呂川出合/広河原 運賃:550円 ■南アルプス登山バス【復路】※平日用 http://yamanashikotsu.co.jp/noriai/2015hirogawara.htm 広河原/甲府駅 運賃:2,050円(協力金100円含む) ■高速バス【復路】 甲府駅/新宿BT 運賃2,000円 ※窓口:甲府駅南口バスターミナル(山梨交通甲府バスセンター) 営業時間 6:20~20:30 電話 055-237-0135 |
コース状況/ 危険箇所等 |
■登山ポスト 広河原山荘 ■コース状況 【広河原〜北岳山荘】 登山道がしっかり整備されているので、特に問題なし。 【北岳山荘〜間ノ岳〜農鳥小屋】 登山道がしっかり整備されているので、特に問題なし。 中白根〜間ノ岳はピークを巻いている。 【農鳥小屋〜西農鳥岳〜農鳥岳〜大門沢下降点】 登山道がしっかり整備されているので、特に問題なし。 【大門沢下降点〜広河内岳】 少々這い松がうるさいが、特に問題なし。 【広河内岳〜池ノ沢池】 バリエーションルート。 踏み跡不明瞭、要ルーファイ。 旧道は激烈な藪コキになるので、その先のザレ場から下る。 藪のあとは、浮石帯が続くので、転倒注意。 左岸(上流から見て左側)に薄っすらと踏み跡があるので、それを辿る。 獣道(鹿道)と区別がつきづらいので注意。 【池ノ沢池〜大井川東俣(池ノ沢小屋)】 バリエーションルート。 踏み跡不明瞭、要ルーファイ。 右岸(上流から見て右側)に薄っすらと踏み跡があるので、確実に辿る。 たまに、ピンクかブルーのリボンあるが、当てにならない。 1歩1歩確実に。 沢は倒木が激しく、流れの中を進むのは厳しい。 枝沢2本渡渉(濡れる程ではない)。 池ノ沢本流は渡渉しない。 【大井川東俣(池ノ沢小屋〜新蛇抜尾根取り付き】 倒木多く、林道は崩壊、河岸はえぐれていること多く、歩きづらい。 水量は多め。 本流の渡渉3回(膝上)。 【新蛇抜尾根】 取り付きは、沢沿いでなく崩壊した林道の上。 放置ドラム缶を目印に崩壊小屋へ進む。尾根上の踏み跡を進むと「新蛇抜↑」と書かれた木がある。 廃道ながらも、踏み跡はわかりやすく、まあまあ整っている感じ。 (※強引に直登・直下降している踏み跡に惑わされないように) 登りはピンクリボン、下りは青ペンキが目印。 道上の倒木は鋸で切断されているので、目印代わりになる。 とにかく長い。 上部の仙塩尾根登山道合流手前の倒木帯は非常に面倒くさい。 危険箇所なし。 【新蛇抜尾根入口〜熊ノ平小屋(仙塩尾根)】 人少ないが、道は明瞭。 ほぼ平坦でつまらない。 安倍荒倉岳を忘れずに。 危険箇所なし。 【熊ノ平小屋〜三国平〜三峰岳(仙塩尾根)】 道は明瞭。天望良く、気持ちの良い稜線歩き。 一部道幅狭いが、危険箇所なし。 【三峰岳〜野呂川越(仙塩尾根)】 三峰岳からの下りの岩場・ザレ場は注意。 道は明瞭。下り基調。 危険箇所なし。 【野呂川越〜両俣小屋】 倒木が激しく、歩きづらい。 道は明瞭。 危険箇所なし。 【両俣小屋〜野呂川出合バス停】 未舗装の林道歩き。 長い。 危険箇所なし。 ■水場 ・広河原山荘… 湧水 無料 自販機あり ・北岳山荘… 湧水(荒川北沢) 宿泊者(テント含む)無料 売店あり ・農鳥小屋… 天水 宿泊者(テント含む)無料 売店あり 水場(湧水)は往復30分 ・池ノ沢源流… 湧水 ・池ノ沢池… 湧水 ・熊ノ平小屋… 湧水(乗越沢) 無料 売店あり ・両俣小屋… 湧水(野呂川源流) 無料 売店あり ■ヤマトイワナ 大井川源流域は、固有種のヤマトイワナの生息地につき、禁漁。 野呂川源流域は、固有種のヤマトイワナの生息地につき、限定的に開放。 |
その他周辺情報 | ★☆★☆★☆★☆ ☆ 温 泉 ★ ★☆★☆★☆★☆ ■喜久乃湯温泉 http://nttbj.itp.ne.jp/0552526123/index.html 入浴料 400円 シャンプー・石鹸各40円、貸しタオル20円 営業時間 10:00~21:30 定休 毎週水曜日 交通 甲府駅北口より徒歩13分 ■甲府駅周辺の温泉銭湯 http://www.spa-yuyu.net/spa/kyoudoyokujyou/yamanashi-kyoudou/koufu.html ★☆★☆★☆★☆ ☆ 前 泊 ★ ★☆★☆★☆★☆ ■甲府ターミナルホテル http://travel.rakuten.co.jp/HOTEL/9495/9495.html ・シングル【トレッキング・登山限定プラン】バス・トイレ付 1室4,000円(税込) 食事なし ・バス停目の前 ■ビジネスホテル ニシコー http://travel.rakuten.co.jp/HOTEL/70892/70892.html ・シングル バス・トイレ付 1名3,600円〜4,000円(税込) 食事なし ・甲府駅南口徒歩8分、市役所東 |
写真
感想
「箱根八里は馬でも越すが、越すに越されぬ大井川」
かつて大井川は、東海道屈指の難所とされるほどの大河川であった。
今は、賛否はあるが、日本のダムの歴史において欠くことのできない河川でもある。
その大井川は、間ノ岳山頂直下から最初の一滴がこぼれる。
間ノ岳を頂点に、右岸に赤石山脈(主稜線)、左岸に白峰南嶺を携え、大河川・大井川が形成されている。
かつて南アルプスにも氷河があった。日本列島は氷河時代も温暖な気候であって、氷河は3000m級の山岳地帯にしか存在できなかった。それから隆起と侵食・崩壊の時期に入り、南アルプスの氷河地形の多くはV字谷へと変わっていき、今では仙丈ケ岳と荒川三山、そして間ノ岳の細谷カールくらいしか残っていない。
しかし、すでにモレーンすら残ってはいないが、かつて間ノ岳にカールは確かに存在していて、それが今現在、V字谷となって大井川を形成しているのは間違いない。
そして、南アルプスは、間ノ岳を頂点に「大井川系」と「野呂川系」に分けられる。いわば、間ノ岳が南アルプスの頂点なのだ。いささか名前に不憫さを感じるが、「大井川系」と「野呂川系」の「間」と考えると、偉大な名前とも思えなくもない。
今回の山行では、この間ノ岳を中心とした山岳と圏谷・峡谷、いわば山カールを堪能してきた。
広河原から標高第2位の北岳に登り、同3位の間ノ岳、そして農鳥岳へと縦走、その後、白峰南嶺の入口・広河内岳から池ノ沢を下る。
池ノ沢にはかつて道が存在していたが、今はハイマツの藪に覆われている。その先のガレ場を下るのが良いのだが、つい旧道を歩きたくなり、ヤブに突入。はじめは「空中遊泳」で楽に下れていたが、次第にハイマツの丈が高くなり、身の丈を越えた辺りでギブアップ。真横に藪コキしてガレ場に脱出。かなりの時間ロスをする。その後も大荷物を背負っているので、ガレ場の浮石にバランスを崩しまくりで、体力浪費。薄い踏み跡のバリルートで、ルーファイで精神も削られる。
なんとか日没直後に池ノ沢池に到着し、ここで野営。大門沢下降点で知り合い、藪ではなくガレ場を進んで先に到着のお二人と、先客の二人組の計3組のテントがあった。誰もいない大自然の中での野営を期待していたが、さすがシルバーウィーク。こんなところにも人がいた。この日は疲労困憊だったので、軽く飯食ってすぐに就寝。
朝4時に目覚め、朝食を済ませてモーニング珈琲を嗜んでいると、辺りが明るくなってきた。念願の池ノ沢池も、昨日はなにも味わうことができなかったが、見渡してみると、期待通りの良いロケーション。このまま出発するには名残惜しいので、もう一泊することに決定。7時に最後の人を見送ると、大自然の静けさが戻る。
この地は、あの服部文祥さんがサバイバル登山をした場所でもある。この日は風もなく、聞こえてくるのはせせらぎの音だけ。これから人が来ることも考えにくい。
なので、とりあえず服を脱いでみた。サバイバルというよりは、原住民。そのまま池周辺を探索。9時すぎ、日差しが直接、池に差し込むようになると、池に沈んでいる鉱石が輝きだした。これが「南アルプスの真珠」といわれる由縁か!停滞して正解。
その後も独り占めの大自然を堪能し、翌日のハードワークが控えているので、早めに就寝。
池ノ沢はバリルートなので、明るくなってから出発、沢筋は倒木祭り状態で歩行不能なので、かつて道があった右岸を進む。一歩一歩を確実に進む。地図では旧道が何度か渡渉しているが、その進路はありえない。自分で道を探して進む。時間はかかったが、右岸のまま池ノ沢小屋に到着。小屋といってもすでに廃屋。そのまま東俣本流に出て、一休み。
本来の計画なら、この東俣を進み、三国沢を詰めて稜線に出る予定。だが、東俣を歩いてみると、倒木やら河岸崩落やらで非常に進みづらい。短い区間で本流を3回渡渉。足元は沢装備ではあったが、この先が思いやられ、計画を変更。新蛇抜尾根から稜線に出て、仙塩尾根を進むことにした。
この辺りは、かつては林業が盛んで、林道や小屋もかなり整備されていたが、2度の大型台風により壊滅。今では、「つわものどもが夢の跡」となっていて、廃墟マニアにはたまらない場所だ。崩壊小屋が潰れたまま残っている。レアもののラベルの飲料もケースごと残っていたりする。そんな「夢の跡」を横目に、「新」と名打ってはいるが、廃道扱いの新蛇抜尾根に取り付く。廃道ながらも、踏み跡はまあまあわかりやすく、登りはピンクリボンが、下りは青ペンキが目印となって、迷うことはない。ただ、かつての登山者は体力があったのであろう、稜線までひたすら急な登りだ。ヒーヒー言いながらも稜線間近になり、もうすぐ仙塩尾根に合流というところで、人の話し声が聞こえてきた。仙塩尾根もメジャーになったなと思いながら合流点に出ると、3人組が驚いた顔でこちらを見ていた。熊でなかったことに安堵した様子であったが、こちらも驚いた。もともとはこの新蛇抜尾根の計画をしていたらしく、その取り付きを確認していたら奥からガサガサしてきて固まっていたらしい。こちらは話し声で「人」と認識できていたから良かったけれど、向こうの立場を考えると、怖かったのだろうと不惑ながら笑ってしまった。
こちらはすべに足を使ってしまっているので、3人の方々には先にいってもらい、ゆっくりと平らな稜線を熊ノ平小屋へと向かう。まだ2時間の行程を残してはいるが、脳は安心してしまい、思うように力がでない。ダラダラと3時間くらいかけて、なんとか小屋に到着。
テントを設営すると、やはり疲労困憊なので早めの就寝。
翌朝、行程は短いので寝坊もできたのだが、習慣で4時に起床。朝食を済ませ、小屋周辺を散歩。小屋前のテラスで日の出を向かえ、そのままボーっとした時間を過ごす。日差しが暖かくなってきたので、荷物一式を天日干し。ダラダラとしながら、9時前に出発。
そういえば、こんなにパリッとしたテントをたたむのはいつ以来だろうか。フカフカなシュラフがこんなにパッキングしづらいなんて、しばらく忘れていた感覚だ。
ぽかぽか陽気の中、まずは三峰岳に向かう。無風快晴の稜線は抜群な展望だ。南アルプス全貌が見渡せる素晴らしい稜線歩き。なかなかキツイ登りなのだが、疲労を感じる暇がない。三峰山頂でも、この素晴らしいひと時を、少しでも長く味わう。
頃合いを見てリスタート。本日は両俣小屋まで。あとは下り基調。三峰岳のガレ場を過ぎてしまえば、あとは単調な稜線歩き。野呂川越に着くと、両俣小屋まで40分との看板が。休憩を取らずに、そのまま下る。しかし、この道がまた倒木祭り状態。かなり面倒くさい。大荷物を背負っているので余計に、だ。「あぁ、イヤだイヤだ」と思っていたら小屋に着いてしまった。
小屋前には何人か登山者がいた。テントを張る前に、2時間ほどビールを飲みながら歓談。16時過ぎに、そろそろテントの設営をと思い、別れる。これが今回の山行での最後の宿泊になるので、残りの食材を全て使う。思っていたよりも残っている。さすがに1週間宴会で過ごせる荷物は過剰だったか。今回初導入したステンレスランチジャー。これをクーラーボックス代わりとして主に肉を保冷していたのだが、全く問題なし。甲府のビジネスホテルに前泊してからの北岳山荘で、丸1日経った状況でも肉はカチカチに凍っていた。その後、溶けはしたものの、このジャーのおかげで、1週間、肉を楽しむことができた。
翌朝は、2時間強の林道歩きのみ。野呂川出合バス停には早めに到着。目の前の沢で身を清め、公共交通機関用の着替えを済ませ、今回の山行を終える。
コメント
この記録に関連する登山ルート
この場所を通る登山ルートは、まだ登録されていません。
ルートを登録する
anbyさん、堪能された南アルプスからのご帰宅おめでとうございます。
出来ればザックや荷物の中身を画像としてみてみたいですね。行水ももやもや無しが良いなぁ
それは秘密・・・・・!?
ともあれ機会あればお話を聞きたいです。
工程は長いですが南も良いですね。
先ずは山と高原地図の「北岳 甲斐駒」を早速アマゾンでポチリました。
ザックは80Lで足りなくて、形が崩れております。重量40kg超。
中身は、1週間宴会装備、すなわち、酒と食材です。
池の沢池で、その重さの調理器具は、このルートではありえないと言われましたw
休憩中、ザック持たせて言われてOKしたものの、持ち上がった人いませんでした(汗
中身、kintakunteさんが見慣れている装備かと思いますが…
ちなみに、前向きの水浴びと滝に打たれている写真ありますが、内緒デス
この記録を見逃していて、少し心配していました
さすがanbyさん
バリルート、バリルートで自然を堪能されたようで!!
私のほうは相変わらず膝が、といいながら山へ行ってしまえば、それなりに歩けます
普段でもひざの違和感はあるのですが。
今年の奥穂、槍は天候の影響、延期、延期、来年になりそうです
これからは、近場の山でまた花の写真でも撮って楽しもうと思っています。
いやいやいや、もうそろそろダメですね。
装備を見直さないと、かなり厳しいッス。
でも、人気のないところは、やはり良いですね。
アルプスだけが山ではないですからね。
高尾などの花レコ、楽しみにしております!
「山ガールを堪能!・・・」の表題につられて山ガールの画像探しましたが、見つかりませんでした・・・グスン
やっとツッコんでくれる人が現れて、嬉しいッス!
半ケツだぁ。。。。。
ワイルドだろぉw
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する