槍穂テント泊縦走(槍〜大キレット〜北穂〜奥穂〜ジャン〜西穂)
- GPS
- 103:30
- 距離
- 28.1km
- 登り
- 2,681m
- 下り
- 2,685m
コースタイム
�9:50新穂高無料駐車場→10:30穂高平小屋→12:10滝谷避難小屋→13:00槍平キャンプ地
�6:00槍平キャンプ地→9:20飛騨乗越→9:30槍ヶ岳山荘
11:25槍ヶ岳山荘→11:35槍ヶ岳11:45→11:50槍ヶ岳山荘
�6:30槍ヶ岳キャンプ地→6:50大喰岳→7:15中岳→8:20南岳→8:35南岳小屋8:55→大キレット→11:45北穂高小屋14:00→14:10北穂高キャンプ地
�5:50北穂高キャンプ地→7:20涸沢岳7:30→7:35穂高岳山荘7:55→8:15奥穂高岳→9:10ジャンダルム9:20→11:05天狗ノ頭→13:00西穂高岳13:15→14:55西穂山荘16:00→16:30ロープウェイ山頂駅16:40→17:15新穂高無料駐車場
天候 | 豪雨のち快晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2010年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
台風の影響で、沢が氾濫で通行止め。下山者は無理して渡っていたが、女性は腰まで浸かっていた) 翌日は、通常に戻っていた。 |
予約できる山小屋 |
槍平小屋
|
写真
感想
念願の槍穂縦走を、台風一過の快晴を利用してやろうと思っていたら、天気が晴れない。計画変更を余儀なくされる。安全第一を考えつつも、後ろ髪引かれまくりで、結果的に縦走を成し遂げた。
【1日目】 豪雨
夜中から豪雨に見舞われ、駐車場で停滞することを決めていたが、出発する人が後を立たない。9時過ぎに晴れ間が見えたので準備を整えて出発。槍平まで行ければと思ったが、白出沢が氾濫で渡渉できず、撤退を余儀なくされる。駐車場にもどってからは温泉三昧。
【2日目】 曇り
昨日の夕方から雨が止み、天気が回復するのを期待したが、晴れ間は見えず。日程的に厳しくなってきているので、ロープウェイで西穂高岳に登り、様子見て焼岳へと縦走でがまんしようと思っていたが、登山口の警備隊に確認したところ、白出沢・滝谷ともに問題なく渡れるとのことで槍平に向かうことに。しかし、湯当たりのぼせ気味で全身だるくて足取りが重い。惰性で進み、なんとか槍平に到着。
【3日目】 暴風雨
台風一過という言葉がむなしく思える天気だ。13日未明に台風が通過してから全く晴れていない。とりあえず雨は降っていないので、槍ヶ岳に向かう。ガスが濃く、視界は10mくらいか。ただ、風はなく暑い。稜線に出た途端、暴風に見舞われる。姿勢が安定しない。なんとか山荘に到着。テントを張るか小屋泊にするか、または下山するか1時間ほど悩む。天気予報では回復しそうなので、テントを張ることに。まだ誰もテントの申し込みはいない。テントを張り山荘に戻ると、穂先に行ってきたという人が。岩に張り付けば風は感じないというので早速行ってみる。誰も登っていないのでスイスイ登れた。視界は0なので、記念撮影をして下山。
【4日目】 快晴
素晴らしいご来光が拝めた。南岳から新穂高へ下山する予定だったが、槍平から一緒の夫妻と、大喰で一緒になった青年が大キレットへ誘惑をしてくる。この天気を逃すのはもったいないということで、大キレットに突入。北穂小屋で4人で乾杯を約束して進む。言われている程の高度感も感じず、長谷川ピークなどの難所も気づかずに通過。ただ、小屋直下の壁登りは体力的にきつかった。ちょっと拍子抜け感があり、明日のコースに悩む。白出沢はピッケル・アイゼンがないとダメということで、上高地からタクシーか、無理して西穂高へ向かうか。とりあえず無理をせず、前穂高経由で上高地に下りることにする。
【5日目】 快晴
素晴らしいご来光を拝めた。この天気はもったいない。とろあえず北穂〜涸沢の岩場を通過してから体調と相談してみることに。でも、かなり絶好調。前日の大キレットでカラダが解れたっぽい。すれ違うグループに西穂〜奥穂の状況を聞くも、時間が微妙。名残り惜しいが西穂は諦める。一応ダメもとで、穂高岳山荘で、時間的にどうか確認。すると思いがけない返事が。「まだ大丈夫じゃないですか。標準タイムで16時半には西穂山荘に行けますよ。早い人はかなり早いですけどね。」と。このひと言で国内最難関登山道にチャレンジすることに。まずは「馬の背」。両サイドがスパッと切れていて高度感抜群、との噂でしたが、気持ちのいい景色でなんということなく通過。そして「ロバの耳」やら「ジャンダルム」。確かに岩場はきついかもしれないが、設置されている鎖を使うほどでもない。調子よく通過。これで核心部は通過したので、あとはのんびりとゴールを目指そう。という考えが甘かったことに段々と気づき始めた。奥穂〜西穂は、技術的なものよりも体力的なもので最難関なのだ。小屋はもちろんのこと、水場もない。浮石も非常に多く、仮に乗ってしまっても持ちこたえるだけの筋力も必要。そして常に落石させないように気を使うため、緊張感を持続させ続けることがなによりもきつい。急降下・急上昇の繰り返しと、照りつける日差しで体力はみるみる消耗していく。3Lあった水も怪しくなってきた。飛騨側はひんやりとした風が吹き、クーラーの効いた部屋にいるようだが、上高地側は無風で、岩は焼け、照り返しも酷く、灼熱の中だ。グローブをしていないと、熱くて岩を掴めないくらいだ。やせた稜線の岩場を1mでも上高地側を巻くルートになると、一気に消耗する。体力的にゆとりがなくなっていき、鎖場ではとうとう鎖を掴んで楽をするようになった。西穂山頂はすぐ近くに見える。時間的には余裕だ。だが、手前にまだいくつかのピークが存在する。さすがに体が上がらなくなってきた。こまめに小休止を取りながら、ひとつひとつピークをクリアしていき、なんとか西穂山頂に到着。達成感と安堵感で暫し放心状態。山頂にはもうひとりいて、その人に、「独標まで油断してはダメですよ。あと2時間!がんばってください。」と言われ、我に返る。そう、まだまだゴールは先なのだ。水はあと300cc程度。基本的に登り返しはないのだが、距離が長い。ペースを落として体力が消耗しないように下っていく。独標を過ぎると、道は整備され、一安心。しかし、この整備された道が、けっこうキツイ。岩場に慣れすぎると、この滑る感じがすごく疲れる。そして暑い。なんとか西穂山荘に到着。ロープウェイ最終まではまだまだゆとりがあるので、ソフトクリームとソフトドリンクをがぶ飲みして大休止。頃合いを見て出発。無事下山して、温泉で疲れを癒した。
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