こんにちは、ヤマレコ エンジニアのKJです。
今年の春はとても暖かいですね。
ヤマレコ本社がある長野県松本市でも、春の訪れを告げるように、道端の花が華やかに咲き始めました。
桜も例年より早く開花が始まっています。
花といえば、私は昨年から野草観察に熱中しています。
野草観察は楽しいのですが、どうにも苦手な花があります。
その花の名前は…スミレ。
なぜ苦手かというと、どれもこれも全部同じに見えてしまうからです!
昨年、もう少しスミレのことを知ろうと思っていたのですが、他の花に見とれているうちに春が終わっていました。
その失敗を取り戻そうと、先週、高尾山にてスミレの観察会に参加してきました。
日本には250種以上のスミレが咲いている
スミレにはたくさんの種類があります。
何種類あるかご存知でしょうか?
日本に自生するスミレの数でいうと、60種近く。亜種や変種、品種を含めると、学名がついているものだけで250種あります。
さらには外来種や野生化した園芸種が咲いています。
最初から細かな違いを覚えようとすると、叫びだしたくなる程に難しいです。
正直、スミレが嫌いになりかけました。
そこで高尾山の可愛らしいスミレを見て、スミレを好きになるところから始めました。
観察会でも、まずは雰囲気を掴むことが大切だとアドバイスしてもらいました。
スミレの花びらや葉の形状、佇まい、咲いている場所(環境)
全体的な印象をしっかり観察することで、次第に見分けられるようになるそうです。
焦らず、スミレを愛でることが何より大切ですね。
高尾山のスミレ
それでは、高尾山で見たスミレの紹介をします。
タカオスミレ
高尾山の名を冠したスミレ。
高尾山以外にも生息します。
葉がシソの葉のような紫褐色なので、見つけやすいですね。
タチツボスミレ
日本中でよく見かける薄紫色のスミレ。
探してなくても目に入ってくるほど。
葉が綺麗なハート形をしています。
アオイスミレ
湿った場所を好む早咲きのスミレ。
花びらが左右に開かず、内向きに咲くのが特徴です。
両腕で自分を抱きしめてる感じ。
ヒナスミレ
花の先がピンク色になる可愛らしいスミレ。
その可憐さからスミレ界のプリンセスと呼ばれています。
葉の表裏で色が違い、裏側は灰~紫色をしています。
フイリヒナスミレ
ヒナスミレのうち、葉の表に白い斑の入るものがフイリヒナスミレです。
エイザンスミレ
切れ込みの深い独特の葉をもっています。
ヒゴスミレによく似ていますが、高尾山であれば、ほぼエイザンスミレです。
ナガバノスミレサイシン
ヒナスミレやコスミレと間違えやすいですが、距(花の後ろにつく突起)が短いので見分けられます。
マルバスミレ
名前のとおり丸い葉が特徴のスミレ。
純白の花弁がひときわ目を引きます。
コスミレ
個体差が大きく、観察者泣かせのスミレ。この写真もちょっと自信ないです。
高尾山のコスミレはタチツボスミレに似ているように思いました。葉が三角形なので見分けられます。
名は小菫ですが、小型ではありません。
その他、アカフタチツボスミレ、ニオイタチツボスミレ、オトメスミレ(開花前)の観察ができました。
こう見ると、みんな個性的ですね。
高尾山はスミレの山と呼ばれるほど、たくさんのスミレが咲いています。
人通りの多い一号路や山頂でもよく見かけました。
皆さんも是非、高尾山でスミレの観察をしてみてくださいね!
スミレ観察のコツ
スミレを観察するコツを知っていると、より雰囲気が掴みやすくなります。
また、写真と図鑑を見比べた時に「肝心なところが写っていない!」となることが減ります。
スミレは大別して2種類。地上茎が有るか無いか。
まずはスミレの茎の部分を見てみましょう。
左側が地上茎が無いタイプ。つるーんとしています。茎のように見える部分は葉柄です。
右側が地上茎が有るタイプ。複雑な形状をしています。
※自宅にて撮影したアメリカスミレサイシン(左)とタチツボスミレ(右)
有茎のほうを拡大すると、ゴチャゴチャしているのが分かります。
細かく言えば、茎と葉柄、托葉などがありますが、
最初は、「ゴチャゴチャしている」という認識でいいと思います。
地上茎の特徴は、同じスミレの仲間(同類)であれば、共通します。
タチツボスミレは有茎で、同じタチツボスミレ類のツルタチツボスミレは無茎ということはありません。
その他の観察ポイント
茎を確認したら、花と葉の形をざっと見て、次に細部を観察するようにしています。
花の形
花の形や柄、大きさがヒントになります。
花全体が黄色であれば、キスミレ類かキバナノコマノツメ類のどちらかに絞れます。
葉の形
スミレは葉の形で絞り込むことができます。
丸いか、三角形か、細長いか。
基部の形も要チェックです。
側弁の毛
側弁の毛の有無は、スミレの大きな特徴です。
ルーペやカメラのズーム機能で確認すると、分かりやすいです。
ただ、同じスミレなのに個体差で毛があったり無かったりする種もあります。
距
よく見ると、いろいろな色・形をしています。
極端に短いスミレ(ナガバノスミレサイシン)、極端に長いスミレ(ナガハシスミレ)など、距で見分けられるスミレもあります。
この観察ポイントで、漠然と見ていたスミレが、個性的に感じられるようになるんじゃないでしょうか。
4月はスミレの花期本番
スミレの花期は3月~5月。まだまだ良い時期が続きます。
よかったら、みなさんもスミレに足を止めてくださいね。
このブログが、スミレとの出会いのきっかけになったり、観察の役に立てば嬉しいです。
私もこれから多くの里山に登り、色々なスミレを観察しようと思っています!
・いやー同感です 色違い程度の種別程度と 思ってなした
・大別で60種! 学名別で250種!とは ビックリポンです
・最近 登山+カメラで野草で 楽しみ始めましたが こんなにあるとは
・今後 沢山 撮って確かめようと思いました
・刺激ある お知らせ 有難う御座いました
あさちゃんさん、コメントありがとうございます。
スミレの種類の多さは本当驚きですよね!
ただ、葉っぱに模様が入っているとか、些細な違いで種類が違ったりするので、そこまで覚えなくてもいいかもしれません。
花に興味があると、登山中カメラが手放せませんよね。
たくさん撮影するので、行動時間がどんどん押していきます^^;
お互いに楽しみながら、登山と自然の美しさを堪能しましょう!