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ヤマレコ質問箱 カテゴリ:装備

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緊急度 3装備
凍った50度ぐらいの雪壁の、できるだけ安全な下り方
質問2014年03月16日 14:29 (2014年03月21日 21:27更新)
今日登った山で、登れるけど安全に下りられ無さそうな場所に出くわしました。

状況
凍った斜面で、50度前後と思われる傾斜。
アイゼンの前爪で立つと4本は効く
ピッケルは石突は刺さらず、ピックなら刺さる

今日の装備
縦走用ピッケル1つと、ストック1本、10本爪アイゼン、10Kgのザック

前向きでも横向きでも今一つ安心できず、結局後ろ向きで下ってみました。
が、ピッケルは良いけどストックが今一つ使えてないかな。

2,3度登ったり降りたりを繰り返しましたが、どの体制でも今一つ安心感に欠けた為、
その先登るのを止め下山しました。

もちろん、慣れも有るでしょうが、こういう場所をできるだけ安全に下りるには
どのような方法を用いるのが良いでしょうか。

装備を含めアドバイスを宜しくお願いします。
回答2014年03月16日 20:38 (2014年03月21日 21:27更新)
固く凍った雪壁の下りですよね・・・バリエーションルートに行かない限り滅多にお目にかかれないですが、もしも当たった場合は、かなり厄介です。

・まず、ストックは邪魔になるだけですのでザックに固定
・体重は足の前爪でしか支えれないと考えたほうがいいです。従って、アイゼン爪の蹴りこみをしっかりと行なうことが大事です。ピッケルは体重を支えれないと思って下さい。
・最も困難な動作は、左手(ピッケルを持たない手)でバランスをとりながら、右手のピッケルを移動するタイミングかと思います。左手を、固い雪壁のどこかにホールドしてバランスをとりながら、ピックを次の支点にしっかり打ち込まねばなりません。この雪壁ホールドが課題ですが、下りでしたら、自分が降りてきた足跡(爪で砕いた雪壁のわずかな穴)に指を入れるか、うまく雪壁の弱点を見つけて掌で包んでホールドにするしかありません。私が経験した雪壁では、斜度の高さと氷の固さから、不安定な左手ホールドだけで、右手ピッケルを操作(カッティング)して次の左手ホールドを作れるような状況ではなかったため、かなり不安定な姿勢で、右手ピッケルのピックを下に打つのが精いっぱいでした。

雪壁の固さと傾斜、滑落した場合の状況によって様々ですが、かなり危険なことです。
このような状況が予想される時には、もう1本ピッケルを持参し、いざという時にはダブルアックスで臨むのが基本だと思います。
10 ポイント! とても役に立った
お礼 
ご自分の体験をふまえてのご回答、ありがとうございます。
なんか、文章読んでいるだけでお尻のあたりがムズムズしてきました、ははは、おー怖。

ダブルアックスですね。確かに2本あれば、もう少し安心して行動できたと思われます。
とは言え、いきなり本番は無茶なので、安全な場所で練習して使えるようにしておきたいと思います。
回答2014年03月16日 19:26 (2014年03月21日 21:27更新)
お礼ありがとうございました。
先の私の回答はストックは使わない場合でしたが、万一の非常時の場合、ストックを折って、固い雪に刺して使う場合も想定範囲です。昔、それに近い道具にアイスメスという登攀道具がありました。
命を守るためなら使える道具をどうやって使うかというイメージトレーニングを日常的にするといいですね。私はジョギング中とかにしています。
5 ポイント 役に立った
お礼 
更なるヒントありがとうございます。
ストックを折って突き刺す、確かにありですね。
ちょっとザックの中身や持ち物を総点検して、他の活用方法など考えてみます。
イメージトレーニング、私も活用させていただきます。
回答2014年03月16日 16:48 (2014年03月21日 21:27更新)
クライムダウンで不安を感じる場所なら懸垂下降しかありません。
懸垂下降が出来ない技術レベルなら山に入る前に懸垂下降を事前に出来るようにしておかなければなりません。
つまり、技術レベルよりも上のレベルのルートに入ってしまったということで反省材料ですね。

ロープがなくて、その装備の場合、
アイゼンは出っ歯の10本(本来なら12本)として、
ストックは事前に収納しておくこと。ストックは使わないという意味です。

後ろ向きに両方のアイゼンに均等に立ち、右手のピッケルで左手のホールドを作ります。
氷または固い雪の状態に応じてピックまたはブレードを使って左手のホールドを作ります。場合によってはピックであけた穴に指を突っ込むことでもホールドになります。
これで右手のピッケルと左手で体のバランスをとることができます。つまり、3点支持ができるので、つぎに足を下に蹴りこんでいきます。
この場合、両足は同じ高さにそろえるようにします。
この繰り返しです。

出っ歯でないアイゼンであれば、アイゼンの前歯がかかるようにピッケルで氷を加工します。これをカッティングといいます。今はダブルアックス全盛ですが、こういう想定でも対応できるようにカッティングの技術を習得しておかなければなりません。アイゼンが破損した想定もあり得ます。

下る場合(クライムダウン)の足場作りのカッティングは難しいので出っ歯でないアイゼンは使うべきではありません。つまり、12本爪のアイゼンでなければこういう場合は苦しくて安全ではないということです。
滑落してアウト(御臨終)の前に技術知識体力レベルを上げてください。イマジネーションなどの想像力や創造力も必要な場合がありますよ。
10 ポイント! とても役に立った
お礼 
テクニック伝授ありがとうございます。
失敗しても安全な場所を見つけて、ピッケルとアイゼンワークを練習しますね。
 ※補足:アイゼンはPETZLのIRVISで出っ歯タイプです。
今は体力オンリーなので、技術レベルを上げて行かねばと思っています。
また何か質問を見かけたらご指導よろしくお願いします。