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ヤマレコ質問箱 カテゴリ:その他

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ロープで繋ぐと安全ですか?
質問2015年03月14日 23:43 (2020年02月17日 08:28更新)
雪山事故の検証を読んで気になった事があります。

「4人でアンザイレンをしていたが、一人が滑落し、引っ張りこまれるように全員滑落した」
とありました。

ロープで繋ぐのは安全という事ではないのでしょうか?!


ツアー登山やガイド登山で
「危険箇所はロープで確保する」
とありますが、
誰か一人でも落ちれば、周りも引っ張られるのでしょうか?
映画のバーティカルリミットのようにみんながブラブラとなるのでしょうか?
リーダーが落ちる...とかもあるのでしょうか?

ツアーやガイド登山だと、助けてもらえたり補助してもらえるようなイメージなんですが、間違っていますか...?

何か変な質問ですみません(;´д`)
回答2020年02月15日 16:57 (2020年02月17日 08:28更新)
最近、雪山でよく思うのが、「アンザイレンしているのに何でハンドコイルを巻いていないんだろう」ということです。

以下、私のブログ(「山にいこうよ」)から引用します。

「ハンドコイルというのは、ピッケルを持つ手にザイルを何周か巻いておくことで、万一パートナーが滑落した時、ピッケルを雪や氷に打ち込んで滑落を止めるためのものである。多少の練習は必要だが、ハンドコイルをピッケルにひっかけておけば、仮にガチガチの氷雪であっても、ピッケルを氷雪に打ち込んだ後、ブレード(ピッケルの尖っていない方)を登山靴で踏みつけることによって、大抵の滑落は止めることができる。雪山におけるコンティニュアスビレイの基本中の基本である。

ハンドコイルがなければ、パートナーが滑落した時には、胸にブレードを当てて、雪面にダイブするしか止める方法はない。

胸にブレードを当ててダイブすれば、肋骨にヒビが入るぐらいのことは当然ありうることで、もちろん、ハンドコイルで止められなければ、そうするしか制止の方法はないのだが、余ったザイルを手元に巻いておくだけでそれが回避できるのなら、そうしない法はない。

そもそも、体重をかけた雪面ダイブと、ピッケルを大きく振りかざして打ち込んだ後に登山靴で踏みつけるのと、どちらがピッケルを打ち込む力が強いかという話でもある。

また、ナイフエッジでガチガチに凍っている時は、ハンドコイルを巻いたピッケルを岩の隙間に打ち込むしかない場合もある。

それなのに、見かけないのである」(以下略)

(全文はこちら)
https://xn--n8je2byfwgq11y.com/2020/02/14/%ef%bc%9c%e5%b1%b1%e3%81%a8%e5%ae%89%e5%85%a8%ef%bc%9e%e5%86%ac%e5%b1%b1%e3%82%88%e3%80%81%e3%81%8a%e5%89%8d%e3%82%82%e3%81%8b%ef%bc%81/

スタカットができるならそれをするに越したことはないですが、実際の登攀・下山ではコンティニュアスで動かなければとても間に合わないケースも多いと思います。

すべて道具というものは「使い方」が肝心で、「ロープで繋ぐと安全」か危険かということではなく、「基本」ができていなければかえって危険だということです。

しかしながら、最近は雪山でハンドコイルを見かけることが少なくなりました。
前述のようにハンドコイルなしでアンザイレンしたら、危険度は人数分増加します。

コンティニュアスをするなら、ハンドコイルを用いた制止方法を含めた滑落防止技術を十分に練習してからするべきだというのが回答です。

あまりにも的外れな回答ばかりだったのと、コンティニュアスでの事故が残念ながら再び発生してしまいましたので、いまさらですが回答します。

本業の方や熟練者はもっと発言してほしいと思います。
回答2015年03月17日 14:25 (2015年03月17日 14:26更新)
こんにちは^^
皆さん書かれているんで個別の技術の説明はしませんが、ロープを使うといっても色々な方法があるのですよ。

お互いをロープでつないで同時に動くコンテニュアンス。その中にも色々あり、ガイドさんが使うショートロープ(ガイドコンテ)や、東京コンテなんて名前のものもあったりします。
危険個所では、お互いが確保しつつ順番に登るスタカット。
確保の方法もたくさんあり、使う道具や技術、支点の構築方法も様々です。

そして、その場所その場所に適した技術を判断して、選んで使います。
その、その場に適した技術を判断する力こそ、雪山の実力の大きな要素の一つです。

また、ロープにつなげば安全というものではありません。
その場所に適していない方法を使ったり、慣れていない人間が使うと、それこそ、「一人落ちたら全員まきこまれて落ちた」となってしまいます。
きちんと訓練していない人間が使うくらいなら、ロープなしのほうがはるかにマシです。

その場所に適した技術を、きちんと訓練した人間が使う。
その上ではじめて、ロープを使う意味があると思いますよ^^

余談ですが、別回答でkaikaireiさんが紹介している花谷泰広さんは、ピオレドール賞も受賞した世界でもトップクラスのアルパインクライマーです。
僕も大ファンです^^
八ヶ岳で山岳ガイドをされてますんで、ガイドをお願いすれば、そんな人に教えて頂けるチャンスがあるわけです!
イチローに野球を教えてもらうようなものですよ!
よく考えてみれば、すごく贅沢な話ですよね(笑)
回答2015年03月15日 23:35 (2015年03月15日 23:40更新)
ha-chan2013さん、こんばんは。   誰の質問かと思えばha-chan2013さんでしたか!
この質問を見た時に直ぐに京都の山岳会が富士山で遭難した事故が頭に浮かびました。

コンテについては皆さんがご丁寧に説明されていますので、既にご理解されていると思います。
バーティカルリミットの場合ですとブラブラになって一時的に止める事は可能でしたが、富士山の場合、(雪面がテカテカにクラストした場合)基本的にはコンテは厳しいと考えた方が良いと思います。
氷の上の斜面で誰かが滑り、その方の体重を初期制動でも静止させるのは極めて困難で全員で滑り落ちる可能性が非常に高いですし、コンテはビレイする側の人間がかなりの訓練を積んだ熟達者でないと成立しない技術です。

僕も氷化した富士山を登った事がありますが、基本的にはザイルを使用せずに自らの技術で登るのが適していると感じました。

富士山は除外して、クライミング的な危険個所や、雪壁の登攀はやはりスタカットが基本になると思います。

ガイドさん(ガイドさんにも色々なタイプの方がいますので、過去の山歴やガイド歴を見る事が大事です)ならば間違いなく安全に行きたい山に連れて行ってくれると思いますよ!!!
僕のおススメはイケメンで人間的にも明るく素敵な花谷ガイドです! もちろん技術はハンパないです!!!
回答2015年03月15日 07:37 (2015年03月15日 19:39更新)
アンザイレンでコンティニアスで登下降することはその事故のように全員が巻き込まれる危険が生まれます。

しかしながら、私が思うには、そもそもコンティニアスで登下降するような箇所は簡単な場所です。
そんな場所ではそんなに簡単には滑落することはありません。

ロープでつながっていると初心者は安心します。
その安心感が正しい歩行をうみだします。
ロープにつながっていないと初心者はビビってしまい、簡単な場所でも重心が正しく足に乗っていませんから滑落の危険性が増大してしまいます。
つまり、ロープでつながっているという安心感が良い意味で大胆な行動となり歩行の安全性を生み出します。これがアンザイレンの心理的な効果とも言えます。

しかしながら、どんなに簡単な場所でもアンザイレンだと一人が滑落すれば全員が巻き込まれる危険性は避けられません。

普通、アンザイレンで登る場合はガイドが客より先に登りますが降る場合はガイドが客の後からついて下ります。
そのような状態であればガイドは客の滑落を止める事ができる可能性が高いです。
そうでない場合はガイドのような技術力があっても滑落を止める事は難しいかもしれません。
登る場合でもガイドが上にいる場合は後に目がありませんからお客さんが滑落した場合は難しい場合があります。
そのような場所ではコンティニアスではなくスタカットで登るべきと思います。
職業としてのガイドレベルであればそのあたりの対応は万全だと思われます。
お礼 
回答ありがとうございます。

ロープで繋がれてるとそれだけで安心できます(o´エ`o)
落ちても引っ張ってもらえると思うと、恐怖感も和らぎますね♪
心理的な効果はだいぶあるのは分かります★

確保してもらって安全性が高いなら参加してみたいなと思っていたんですが、私が滑って道連れにしてしまったり、参加してる初心者に引っ張られたりしては、何の為のガイドか分からないなぁと思っていました。

私はコンティニュアスの方しか想像できていませんでしたが、スタカットというのもあるんですね。少し安心できました。
ありがとうございます。
回答2015年03月15日 02:03 (2015年03月15日 19:24更新)
全員滑落したということはおそらくコンティニュアスだったのではないでしょうか。同じ力量同士の者がコンティニュアスで行動する場合は互助的な行動になります。でも人数が増えるとなかなか停められるものではありません。下手に結び合うと1人で歩くよりも人数分危険が倍増します。
リーダーがしっかりした技術を持っていたとしても巻き込まれることは十分に考えられます。私の個人的な見解としては、3人以上のコンティニュアスはあまり有効ではないと考えています。

もしスタカットで落ちたとしたら、それはリーダーがあまりにも力量不足、もしくは不注意だったと思います。

ガイドさんは相当技術があるし、慣れているのでコンティニュアスでもしっかり停めてくれると思いますが、人数・サブリーダーの存在・条件等で絶対とは言えないですよね。

昔、八ヶ岳などで危なっかしいパーティーを見かけました。あまり慣れているように見えない7〜8人パーティーが阿弥陀岳の急斜面をロープを結び合った状態で下りてきた時は、恐さを感じて道を空けました・・

ガイドさんがコンティニュアスをする場合は基本的にロープを張った状態にしますが、バランスを崩し、倒れる前に停めるためです。滑落し始めたものを停めるのは容易ではありません。
お礼 
回答ありがとうございます。

ガイドさんは技術があると思いますが、その他の条件次第でもあるんですね。参加者やガイドさんの人数なども考えながら選んでいこうと思います。

山では、危なげなグループに遭遇して巻き添えになっても嫌ですし、救助する側にも出来るならなりたくないですよね。
初心者が多い山に、ベテランさんが寄り付かなくなってきたと聞いたことがありますが、理由も何となく分かるような気がします。
回答2015年03月15日 00:13 (2015年03月15日 19:09更新)
結び方やその形式にも寄るでしょうが、根本的にはきちんと訓練されているかどうかです。

難しい話は抜きにして、大雑把に言いますがアンザイレンは全員が1本のロープで繋がっているので誰かが滑れば当然みんな引っ張られます。止め方は割愛しますが、要は最終的には一番先頭にいる人が素早くロープを止めないと全員一直線に落ちていきます。その停止作業をきちんと行うには日頃の訓練しかありません。素人同士がお互いロープで確保しても安全を担保するどころか巻き添え事故を起こすだけです(ちなみにアンザイレンしたまま歩く事をコンティニュアスと言いますが、こっちはもっと危険です。記載の事故もこちらだったのでは?)

記載されている事故がどのようなものだったのか分からないので何とも言えませんが、きちんとしたガイドさんならば、途中で支点を取ったりして例え滑っても(ガイドさん自身が滑った場合も含めて)どこかで止まるようにしてくれるはずです。もしツアーやガイドを考えられるなら活動記録やブログを見られてはどうですか?きちんとしたガイドさんならば、日々講習に参加されたりして腕を磨いていらっしゃいますから安心出来るはずです
お礼 
回答ありがとうございます。

ロープで繋ぐと一括りにしていましたが、結び方や歩き方が色々あるのですね。
そして、止め方というのもあって訓練されてるとは知りませんでした。
ブログなどでどんな訓練をされてるか確認してみます★

事故は、2013年12月の富士山で京都の山岳会のものです。
遭難よりも救助の仕方の方がテレビで取り上げられていました。