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ヤマレコ質問箱 カテゴリ:山の情報

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間ノ岳って本当に日本で標高三位? 四位のままでは
質問2015年06月27日 22:53 (2015年07月04日 17:58更新)
1年ほど前から気になっていた事をおたずねします。
昨年国土地理院の標高見直しで、南アルプスの間ノ岳の標高が3190mとなり、奥穂高岳と同じく日本で標高三位と発表されました。(以前は四位)
しかし、同じ国土地理院の「基準点成果等閲覧サービス」で間ノ岳(三等三角点 点名相ノ岳)の標高を見ると3189.50mでギリギリ四捨五入の切り上げで3190mなのです。
奥穂高岳には三角点が無いが地形図の標高は3190mと記載されており、確かに同じになるわけですか、cm単位であれば同じとは思えないのですが・・
どなたか奥穂高岳の標高をcm単位で教えてください。
回答2015年07月04日 01:33 (2015年07月04日 17:58更新)
日本の高い山は少しずつ隆起をしていて、中でも南アルプスはそのスピードが速かったと思います。まあ生きている間にまた1m増えるというわけにはいかないでしょうが。

富士山がまだ無かった遠い昔、実は間ノ岳が日本最高峰だった時代があるようです。
ただ間ノ岳の地質はもろく崩れやすいために、崩落をして今の標高になったとか。
今でも3000mより上の体積を比較すると間ノ岳が北岳よりも遥かに大きいようです。

山の高さについては、深田久弥氏も黒岳(水晶岳)の標高は3000mあるのではないか?と
日本百名山で述べていますが、昔から山の高さにはいろいろと注目が集まりますね。

あと独立峰の山全体の体積を比較すると、
富士山と八ヶ岳と御嶽山はなかなか良い勝負ですね。そういう見方もあるということで。。。
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お礼 
kazu_2003さん
ご回答有り難う御座います。

結局、奥穂高岳の正確な標高がわからず、奥穂高岳、間ノ岳は同標高三位と成らざるを得ない様ですね!

今となっては奥穂高岳に積み上げられた大ケルンの上に神社の祠まで設置されているので標高を測定し直すのも難しいかも知れません。
何だかスッキリしませんが、国土地理院の発表の公式順位を納得するしか有りません。

以上で回答を締め切りさせて頂きます。
回答2015年06月28日 22:08 (2015年07月04日 17:58更新)
昨年3月下旬の国土地理院の標高見直しで、間ノ岳は3189.5mとなりましたが、それ以前は3189.1mでした。
一説によると、南アルプス(特に北東部)は地殻変動による隆起が進行しているようです。
http://park.geocities.jp/jigiua8eurao4/SouthAlps/anzensei/ryuukisokudo.html
5 ポイント 役に立った
お礼 
回答有り難う御座います。

南アルプスが隆起進行しているので有れば、そのうち実際に奥穂高岳の標高を抜いて単独三位になるかも知れませんね!

でも奥穂高岳の標高をcm単位で知りたい欲求にモヤモヤしています。
回答2015年06月28日 02:47 (2015年07月04日 17:58更新)
そうですね、質問者さんの疑問は当然あると思います。
私は素人ですが、「山の高さ」の問題は案外と奥が深いように思います。
少し長い回答になりますが辛抱してください。

■先ず、山の高さは誰が決めているのか?という大前提で言えば、国土地理院だと言えます。
最近、このことに文句を言ってもいいような気もしますが、まあ流しましょう。

■その国土地理院が公表している『日本の主な山岳標高について(調査概要)』を読むと、
「標高値の表示はメートル位までとし、2万5千分1地形図にメートル位以下の数値が表示されている三角点の標高値を使用する場合は、メートル位以下第一位を四捨五入しています。」
と書かれています。
http://www.gsi.go.jp/KOKUJYOHO/MOUNTAIN/1003zan_gaiyou.pdf
つまり、日本の主な山は「メートル単位」であり、それを決める元となるのは「2万5千分の1の地形図である」ということです。

このPDFの資料の最初あたりには山の高さを決める際の調査方法が書かれています。三角点や標高点がその山の最高点であると判断されれば、その高さが山の高さに「採用」されます。

■南アルプスの間ノ岳は、三角点が山頂にあるために「3189.5m」と2万5千分の1の地形図に表示されています。一方、北アルプスの前穂高岳や涸沢岳には三角点がありますが、奥穂高岳は三角点が無いので標高点として3190mが表示されており、これが奥穂高岳の標高として「採用」されています。

よって、国土地理院では日本の主な山の高さは「メートル単位」であるので、間ノ岳のメートル以下を四捨五入として奥穂高の3190mと同じになり、結果的に日本第3位同位の高峰になったということです。

■しかしながら、質問者さんの疑問のようにセンチ単位であればどっちが高いのか?という疑問が出るのは当然だと思います。間ノ岳には三角点があるので本当はミリ単位まで計測できるでしょうが、有効数字の考え方から言えば、奥穂高岳は3189.5m〜3191.4mとなります。
つまり、「奥穂高岳は4位になることはない」とは言えますが、有効数字の考え方からはそれ以上の比較は無意味であるので、四捨五入した間ノ岳と奥穂高岳は同じ高さだということだと思います。

■一方、実際の奥穂高岳山頂には、穂高山荘の故今田重太郎さんが積んだ3メートルの大ケルンが積まれていてその上に神社が立っています。
私がもっている古い「山渓カラーガイド 上高地」を読むと、次のように書かれています。これはとても有名な話なのでご存知かと思います。ちなみに今田重太郎さんは岳沢に重太郎新道を作った人でもありますね。
「標高3190メートルの奥穂高岳は、何といっても北アルプスの盟主である。あらゆる道がここに来て、ここで尽きると言える。日本で第3番目の高峰となっているが、第2峰の北岳はここよりわずかに2メートルしか高くない。そこで穂高山荘の経営者で、往年の名ガイドでもある今田重太郎老人は、2メートル低いとは何たることぞばかりに、大きな岩を積み上げて、高さ3メートルのケルンを頂上に作ってしまった。その結果、高度3193メートルと、北岳の3192.4メートルよりもわずかに高くなり、本邦第2の高峰に躍進したのだが、残念ながらこの高度は公認されていない。だが、今田老人の胸中には永遠にのこる心ひそかな誇りがうずいていることだろう。」(昭和42年6月25日初版発行)

■もしも、奥穂高岳に三角点があれば白黒ハッキリとすることでしょうが、そういう歴史的な因縁めいた経緯もあるので、今後に自然の造山運動があって奥穂が実際に50センチくらい高くなっても、奥穂の高さは今後も3190mのままなのかもしれませんね。人工物と判断されたケルンの石の下に本当の最高点があるのですから。ただ、奥穂の標高点がどこにあるのか(どこで測っているのか)分かりませんが、あるいはその時の測量のセンチメール単位は分かりませんが、現地判断の結果、今後もう少し高くなる判断または「採用」もあるかも知れませんね。

■一方、ヨーロッパのモンブランの標高は現在は4810メートルとされていますが地図によっては4808メートルとか書かれています。Wikipediaを読むと、モンブランの山頂は40メートルほどの氷で覆われていて実際の岩の頂上は4,792mだそうです。しかしながら、定期的に測量されて現在は4810メートルという数値が「採用」されています。氷の厚さを標高に加えているということです。
余談ですが、ヨーロッパの山頂には地面がある山頂は大抵は十字架が建てられていますが、十字架がない山頂は厚い雪か氷で覆われている場合のように思います。

そんな感じで、今田重太郎さんの積み上げたケルンを今後国土地理院がどう見るかで山の標高(すなわち順位)は変わるかも知れませんが、私は昔から慣れ親しんだ奥穂が日本第3位という方がしっくり来ます。その意味では質問者さんと同じように感じます。

長くなりましたが、最初にも書きましたように、山の高さや順位を国土地理院で決めていますが、精神衛生上、自分の調査や思いで決めてもいいように思ったりします。その意味では、今田重太郎さんのように奥穂は日本第2位の高峰にもなれるのですから。

追記;山頂に三角点がある山どおしで四捨五入で同じ高さの場合は10センチ単位で順位を決めているようですね。
10 ポイント! とても役に立った
お礼 
詳細な記述有り難う御座います。

そうですね!奥穂高岳の標高を計り直すとしても積み上げたケルンが邪魔ですね!
自分の中では今だ三位「奥穂高岳」、四位「間ノ岳」と認知しておきます。