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長靴登山について
質問2018年06月22日 20:04 (2018年06月25日 19:44更新)
長靴で登山されている方って結構いますよね。
なんとなく達人な感じがしていつも見ています。
長靴だと足裏に負担かからないのかなといつも余計な心配をしてしまいますが、実際はどうなのでしょうか?
鎖場や岩場も問題ないのでしょうか?
また、登山靴と使い分けしている方がいたら、使い分けの基準など教えてください。
回答2018年06月23日 17:33 (2018年06月25日 19:44更新)
こんにちは、はじめまして。
長靴登山のよさを知ってしまうと虜になってしまう方も多数いらっしゃまいすが、私は長いこと長靴登山を続けてみた結果、長靴登山をやめました。
使っていた頃にどのように使っていたかと、履くのをやめた理由、現在は何を使っているのかご参考になれば幸いです。


主に愛用していたのがミツウマ岩礁55で、その性能は確かなものだと思います。
スパイクつきの長靴でありながら多少の透湿性がありるため蒸れにくいこともあり、愛用者も多数いる名品と言っていい長靴です。
スパイクのおかげで、簡単な雪渓歩きではスムースに歩行が可能ですし、残雪による冷えも感じません。
泥濘が多く、時に簡単な雪渓歩きと出くわす可能性があるなら、スパイク長靴はとてもいい道具だと思います。
インソールを入れて、多少なりクッション性能を向上させて使っていましたが、8時間くらいの山行となると、それなりに脚に疲労感はありました。


登山靴との使い分けに関しては、概ね以下の通りです。
◦くるぶし程度の徒渉箇所が想定される山行で使う
◦比較的簡単で、比較的長い距離の雪渓歩きがある山行で使う
◦長い区間で泥濘が予想される山行で使う
◦速いスピードを求められたり、長時間にわたる山行では使わない
◦鎖場となっている岩場がある山行では使わない
◦トラバース箇所がある山行では使わない


私は宮城県に住んでおりますが、岩礁55を履いていてよかったと思える山を紹介します。
◦オボコンベ(残雪は一切なし)
 登山口からくるぶし程度の徒渉があったり、ナメ沢を遡行したり、泥濘箇所を通過したり、
 垂直の鎖場を通過したりとバラエティーに富んだコース内容です。
 岩場で多少の不便さを感じますが、距離が短いので区にはなりません。
◦焼石岳
 6月初旬の山開きの頃の焼石岳は、登山道が小川のようになっていたり、泥濘箇所が多数
 あったり、残雪があったりと登山靴よりは有効だと思います。


私がこのスパイク長靴を履かなくなった理由は以下の通りです。
◦岩礁という名前のわりには、岩場ではよく滑る
◦メリノウールの靴下が長靴内部で脱げやすい
◦ねじれ剛性が弱い
◦内張が剥がれやすい
◦個人的には重量が気になる
◦硬い路面だとピンの抵抗が気になる
◦価格が高いと思い始めたから


長靴のメリットとしては、ある程度の深さまで対応する確かな防水性だと思います。
ただ、ひとたび長靴内が濡れてしまうと歩行時の安全性に著しく影響が出ることもあり、浸水しないことが安全歩行においては重要です。
こうした点を鑑みて、たどり着いたのは非防水です。
水抜けのよいシューズと速乾性の高いソックスとの併用で、濡れをあまり気にせず歩行が可能となります。
一般的にはトレイルランニングシューズが最適ですが、地下足袋という選択肢もあります。
トレイルランニングシューズのほうが長靴よりも岩場、泥濘でのグリップ力に優れ、プロテクション性能やねじれ剛性にもより信頼できる性能を持っています。
※モデルによってこの特性は異なりますので、性能比較が必要です
ソールの摩耗が進んでもタウンシューズにおろすこともできるので、寿命が尽きた長靴よりは使い回しがきくのではないかと思います。
ちなみに、福島県、山形県、新潟県にまたがる飯豊連峰の山小屋管理人の間ではスパイク地下足袋が人気があります。
速乾性が高いこと、ある程度の残雪に対応できることから、迅速に救助活動ができるからとお話しを聞きました。
スパイク地下足袋は、基本的には非防水です。


トレイルランニングシューズでの欠点は以下の通りです。
◦残雪歩きは冷たく辛い
◦濡れたまま他人の車や交通機関に乗るのは憚られる


長靴から話しがそれてしまい恐縮ですが、濡れないように対処することから濡れることで対処するという考え方も参考になればと思い紹介しました。


現在は、比較的簡単な冬季登山ではカミックのハンターというモデルを愛用しています。
防寒長靴に含まれると思いますが、ゴムの硬さやブーツの剛性感、確かな保温性能は特筆すべきものがあります。
高性能でありながら比較的安価ですので、ホームセンターで売られているレベルの防寒長靴を二足買うつもりで買えば、きっと満足すると思います。
かれこれ10年ほど愛用しています。
ベルト締めの軽アイゼンなら装着が可能ですし、スノーシューやカンジキも使用可能ですし、運転も下山後の温泉入浴もこれ一足でOKです。
滑落に備え、ピッケルが必要となる山行には不向きですが、冬季登山でも十分使用可能です。
メジャーな山ですと、福島県の安達太良山をくろがね小屋泊まりで踏破しています。
場所によっては、このモデルでは行けない箇所もありますが、小屋で脱いだり、履いたりするのはとても楽ちんです。

以上、長々と連ねましたが、参考になれば幸いです。
10 ポイント! とても役に立った
お礼 
cafemonteさん

詳細な回答ありがとうございます!!

岩礁という名前のわりには、岩場ではよく滑る→笑ってしまいました!!
スパイク地下足袋!!初めて知りましたが、こんなのがあるんですね!
試してみたくなりました。
私も比較的雪国(金沢)なのですが、今まで安い長靴しかはいてこなかったので,それなりに高い長靴を買って、実用兼軽登山用に買ってみます。

すごく参考になりました。
ありがとうございます!!
回答2018年06月23日 15:26 (2018年06月25日 19:44更新)
長靴で登山するのは渡渉やドロドロになる登山道です。残雪期で登山道が川になるような所も長靴最強です。関東の冬場の低山なども出番が多いです。

足裏の負担うんぬんありますが、がっつりテン泊装備で25kg以上背負って長靴の人はまず居ません。日帰り10kg程度の人だと思いますが?

つま先しか掛からないような岩場では柔らかい長靴はきつい。フラットに置けるなら靴底の硬いトレッキングシューズとグリップ力が全然ちがい歩きやすいです。
5 ポイント 役に立った
お礼 
Independenceさん

回答ありがとうございます!
残雪期に山に行くと後でブーツ洗うのが面倒なので長靴有りですね。

なるほど、フラットに足がおけるという状況で選択肢に入れてみたいと思います。
回答2018年06月22日 22:34 (2018年06月25日 19:44更新)
こんにちは。ronron9545さま

長靴利用の登山を何度かやっております。
長靴といっても、あの黒い980円くらいで買えるものではなく
もう少し高いタイプで2980円くらい?の
防寒のきいた、少しおしゃれなタイプです。
北八が岳は雪解けのころはぐしゃぐしゃで
登山靴がかわいそうなので、長靴にインナーを入れて利用します。
はやりの衝撃吸収タイプで大き目なものを入れています。
更に防寒用のインソールを追加すると
雪山でも対応できます。

夏場は、急坂の岩場が続く場所ではなく
蓼科山や北八ツ程度です。
ちなみに、鉄ピンのスリップ止めのついているのは
重く大変ですが、積雪期はありがたいですね。
山小屋の方は結構多用していますよ。
ちなみに最近の長靴山行はこんな感じです。
https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-1496604.html
https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-1412963.html
https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-1348698.html
10 ポイント! とても役に立った
お礼 
aonuma1000さん

回答ありがとうございます!!
なるほど、インナーを工夫すれば大丈夫そうですね〜

確かにぐじゃぐじゃな道の場合、長靴のほうがメリットが大きそうな気がします。
山小屋の方が使っているということはそのほうが何かと便利なのでしょうね。

レコ拝見しました、いろいろ行けそうです!!