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更新日:2022年01月04日 訪問者数:1667
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日本の山々の地質;第6部 関東北部の山々の地質 6-10章 奥利根、奥只見地域の山々の地質
ベルクハイル
奥利根地域の地質図
・中央部の水色;泥岩層(奥利根層群)、トリアス紀、正常堆積層

・全体に広がる薄いピンク;花崗岩(白亜紀末に貫入)
・朱色;花崗閃緑岩(古第三紀 始新世、および 新第三紀 中新世)
・上部の紫色;ハンレイ岩(中ノ岳ハンレイ岩体)

・左手中央辺り;巻機山、
・右手中央やや上;平が岳
・中央下部の水色部;奥利根湖

※産総研「シームレス地質図v2」をもとに、筆者加筆
奥只見地区の地質図(1)荒沢岳付近
・中央やや下の、うすい黄色;デイサイト/流紋岩質 火砕流堆積物(荒沢岳カルデラ)、鮮新世

・中央上部あたりのピンク色;花崗閃緑岩(始新世)
・左手の水色(越後駒ケ岳を含む);水無川変成岩
・左手下の赤紫色(中ノ岳を含む);中ノ川ハンレイ岩体

ほぼ中央部が「銀山平」

※産総研「シームレス地質図v2」をもとに、筆者加筆
奥只見地区の地質図(2)奥只見湖付近
・中央の丸い、薄い黄色;デイサイト/流紋岩質 火砕流堆積物(奥只見カルデラ)、(鮮新世)

・奥只見カルデラの上下に広がる、くすんだ水色部分;(海成)泥岩、(ペルム紀)
・くすんだ水色部の右手のはっきりしたピンク色;デイサイト/流紋岩(ペルム紀)
・中央上の黄緑色;砂泥互層(ペルム紀)
・中央やや上部の紫色;蛇紋岩体(おそらくペルム紀)

・全体に広がるピンク色:花崗岩(白亜紀末に貫入)
・朱色;花崗閃緑岩(始新世に貫入)


・右手のグレー:メランジュ相(足尾帯);ジュラ紀付加体

・中央やや左側の水色=奥只見湖

※産総研「シームレス地質図v2」をもとに、筆者加筆
残雪期の巻機山
頂上部はなだらかで、どこが頂上かわからないような山、6月でも残雪が豊富

(筆者撮影)
越後三山から兎岳への縦走路
稜線部は笹やぶが多いが、両側の斜面は切り立っていて、アバランチシュートとなっている谷筋の谷底には、10月でもまだ残雪があった。

(筆者撮影)
平が岳の頂上台地
平が岳の名所となっている「たまご岩」;花崗岩でできた岩。
山頂台地は広大な平原状で、このような池塘が多い。

(筆者撮影)
荒沢岳遠望
手前の岩峰群は、前ぐら岩峰群、遠方が荒沢岳山頂
険しい山である。とても古い火山だとは思えない険しい様相をした山。

(筆者撮影)
(はじめに)
 この第6部ではこれまで、谷川連峰、足尾山地、日光地域、尾瀬地域、越後三山といった山々の地質を解説してきました。

  ただ、この一帯は山が深く、上記の項目で説明しきれていない山がまだあります。

 ということで、利根川最上流部(奥利根地域)と、只見川最上流部(奥只見地域)にある山々の地質について、まとめてこの章で紹介します。
 
1.奥利根地域
1−1)奥利根地域の概要
 ここでは、利根川上流部、「首都圏の水がめ」と称される巨大ダムである矢木沢ダム(奥利根湖:最大貯水量=約1.8億トン)(文献1)から奥の地質および、奥利根湖を囲む山々のうち、谷川連峰と越後三山を繋ぐ稜線にあるいくつかの山を取り上げます。

 この一帯は、奥深いのと、奥利根湖があって利根川沿いからの登山道が無いことから、渓流釣りの人たちや沢登りの人達以外は、ほとんど足を踏み入れない場所ではないかと思います。
 ただ、日本百名山でもある巻機山など、登山道がある山もいくつかあります。
1−2)「奥利根層群」について
 奥利根湖の周辺は、白亜紀に形成された花崗岩が広く分布しています。が、その奥へとさらに進んだところには、「奥利根層群(おくとねそうぐん」と呼ばれる堆積岩の地質体があります。

 (文献2)によると、この「奥利根層群」は泥岩、頁岩(=泥岩の変成相)、砂岩で構成されていて、中生代初期のトリアス紀(約2.5-2.0億年前)注1)に形成されたものです。層厚は最大、2000m以上と推定されています。

 また、日本列島の古い堆積岩はほとんどが海洋プレート沈み込み帯で形成された付加体型の地質ですが、この「奥利根層群」は、いわゆる正常堆積層(下層ほど古く、上層ほど新しい)でできており、5つの層に分類されています。トリアス紀を示す二枚貝類(”Monotis”)の化石が発見されていることと、堆積層の検討より、深海から浅海へと何回か変化した海底環境下で堆積した地層だと推定されています。

 日本列島には、古生代末のペルム紀付加体(例えば 超丹波帯、秋吉帯)と、中生代中期のジュラ紀付加体(例えば、足尾帯、丹波―美濃帯、秩父帯)はありますが、その中間の時期である「トリアス紀」は、付加体も形成されていないし、それ以外の地質もほとんどなく、その時期に日本列島の元となった部分がどのような状況であったのか?ほとんど解っていません。

 そういう点で、トリアス紀に形成されたこの「奥利根層群」は、非常に重要な地質体だと言えます。一方、この近辺には、同じ時期の地質は存在しておらず、孤立した地質体で、謎のある地質体でもあります。なお「奥利根層群」は一般には、「上越帯」の構成メンバーとされています(文献2)。


 注1)「トリアス紀(Triassic period)」は、日本語表記では「三畳紀(さんじょうき)」
と呼びます。この連載では、「トリアス紀」という表記に統一しています。
1−3)巻機山
 巻機山(まきはたやま:1967m)は、奥利根側と六日町盆地を隔てる、壁のように連なる山々の一つで、谷川連峰と越後三山との間に位置しています。日本百名山の一つでもあります。

 登山道は西側の六日町盆地の、清水地区から延びています。山頂部はなだらかな草原状となっており、無人小屋もあります。また割引沢など沢登りのコースもあります。残雪も多く、良い山です。

 さて、巻機山とその周辺の地質を、産総研「シームレス地質図v2」で確認すると、白亜紀に貫入した花崗岩と、新第三紀 中新世末〜鮮新世に貫入してきた花崗閃緑岩でできています。とくに稜線部は後者の花崗閃緑岩が多いようです。この花崗閃緑岩は、谷川岳の項で説明した花崗閃緑岩隊と同時期のものです。

 なお、「シームレス地質図v2」をよく見ると、巻機山山頂部のやや北にある「牛が岳」ピーク付近は、1−1節で説明した、泥岩質の「奥利根層群」で出来ています。
 巻機山の稜線部はなだらかで、ほとんど岩場もないので、地質の違いは分かりにくいと思われますが、花崗岩類の場所は明るい色のザレが多く、奥利根層群地帯は泥岩なので、泥っぽい暗い色の地面ではないかと思います。
1−4)中ノ岳から巻機山への稜線部の山々―兎岳、大水上山、丹後山、越後沢山―
 6−9章で説明した「越後三山」のうち、中ノ岳からは南へと縦走路が延びており、兎岳(うさぎだけ:1926m)、大水上山(おおみなかみやま:1831m)、丹後山(たんごやま:1809m)までは縦走路が続きます。丹後山には無人小屋もあります。また丹後山から麓の十字峡までの登山道もあります。
 私は駒ケ岳ー中ノ岳から丹後山まで縦走した経験がありますが、笹やぶの多い稜線です。

 丹後山より南には一般登山道はありませんが、先には越後沢山(えちござわやま:1860m)という山があります。おそらく残雪期だと登頂可能な山ではないかと思います。

 このあたりの地質を、産総研「シームレス地質図v2」で確認すると、まず兎岳は、山体の西側は、中ノ岳から続く、ハンレイ岩(中ノ岳ハンレイ岩体)でできています。山体の東側(奥利根側)と山頂部は、先に説明した「奥利根層群」の泥岩でできています。

 次の大水上山も地質的には兎岳と似ていて、山頂と稜線部のみ、「奥利根層群」の泥岩層でできていて、両側の山腹は中ノ岳ハンレイ岩体でできています。
 なお、大水上山はあまり目立つピークではありませんが、「利根川源流の碑」があります。また、山頂付近から東へと延びる、めだたない尾根は、実は利根川と只見川との分水嶺(=太平洋側と日本海側との分水嶺でもある)となっており、平が岳へ通じ、さらに分水嶺としては尾瀬の至仏山へと続く尾根です。

 次の丹後山も地質的には同様で、山稜部付近には「奥利根層群」の泥岩層が南北に細長く分布しており、山の東側、西側は、中ノ岳ハンレイ岩体の続きになっています。

 なお、地形的な面を考えると、谷川連峰からの分岐である朝日岳から巻機山を通り、越後三山の中ノ岳まで、1700-1900m前後の山々が、大きなギャップを伴わず、長く延びています。

 あくまで私見ですが、この山列は、西隣の六日町盆地と対になった構造であり、六日町盆地が沈降、この山列が上昇するような地殻運動によって、このような等高性のある山列ができたのではないか?と想像しています。
 (この段落は、特に根拠はなく、あくまで私の想像、私見です)
2.奥只見地区
 2−1 奥只見地区の概要
 奥只見地区は、その名の通り、日本海へと流れる只見川(ただみがわ)の最奥部にあります。この一帯は、非常に交通が不便な場所で、只見川沿いに行くのも、途中に奥只見湖(ダム湖)があって行きづらく、周辺は1500〜2000m級の山々に囲まれており、まさに秘境感満載の場所です。
 ここでは奥只見湖より上流部を奥只見地区とします。

 奥只見地区も現在は、越後三山の麓から延びる自動車道(シルバーライン)によって分水嶺(枝折峠:しおりとうげ)の下を潜り抜けて、ダム湖の上流部にあたる「銀山平(ぎんざんだいら)」へと行くことができます。さらに銀山平から平が岳の東側を回り込むようにして、尾瀬方面へと道が続いています。

 「銀山平」という地名から解るように、江戸時代には、この付近に銀鉱山があり、これほどの山奥にもかかわらず、最盛期には1000−1500人ほど、人が住んでいたといわれています(文献5)。
 その時代は、小出側から枝折峠付近を越えて銀山平へ行き来するルートが使われ、現在では「銀の道」として多少、整備されています。しかし、現在は銀鉱山も奥只見のダム湖の下に沈み、秘境に戻っている感があります。

 ここでは奥只見地区では比較的良く登られている、平ヶ岳(日本百名山)と荒沢岳を取り上げることにします。
 また、山ではありませんが、奥只見湖周辺の地質についても、触れたいと思います。
2−2)平ヶ岳
 奥只見の最奥部に、日本百名山のひとつ、平ヶ岳(ひらがたけ:2141m)があります。里からは非常に奥まった位置にあり、ピークハントが難しい山として知られています。
 登山口は2か所ありますが、いずれも急登が続きます、その後、頂上台地の一部に出て、その後は台地状のなだらかな風景で、池塘もある穏やかな山へと一変します。頂上部は広く、どこが最高点なのか? 標識がなければ解らないような山です。

 さて、この山の地質を、産総研「シームレス地質図v2」で確認すると、ほとんどが、白亜紀の花崗岩でできています。
 苗場山、荒船山、美ヶ原、霧ケ峰など、山頂部が平たい山の多くは、溶岩台地で形成されていますが、この山は予想とは異なり、ただの古い花崗岩でできた山でした。
 
 この平ヶ岳の平坦な頂上部が、どのようにしてできたのか? この疑問に答えてくれる文献、図書も無く、良く解っていないようです。

 私の考えでは、この一帯が隆起して山地となる前(鮮新世?)は、標高の低い場所であり、地中深くでマグマ溜りが固まってできた花崗岩体は、その後地表に出てきたのち、浸食により凸凹がならされ、花崗岩よりなる小起伏面ができていたのではないか?と思います。

 その後、この一帯が大きく隆起したのち、南からは利根川が、北からは只見川が、さらに西からは信濃川の支流である魚野川が、この一帯の山々を徐々に浸食していったと思われます。
 平野部に近い場所では特に浸食が進んで、たとえば越後三山のような険しい山が形成されたのではないかと思われます。

 一方、平が岳は、利根川側、只見川側、いずれから見ても最源流部にあたり、浸食作用がまだ十分進んでいないため、古い時代の平坦な地形が残存しているのではないか?と思います。
 (ここまでの段落は、あくまで私見です)

 このような地形を、地形学では「隆起準平原(りゅうきじゅんへいげん)」地形と呼び、日本列島では、東北の北上山地、阿武隈山地、中国地方の山間部の一部(例えば吉備高原)に分布しています。

 なお別の考え方としては、(文献3)によると、氷河期に生じた「周氷河作用」が、谷川連峰の平標山、巻機山に加え平ヶ岳にも作用して、小岩塊に覆われた平滑面が生じたのではないか、と説明されています。
 ただ、平標山はその記載のとおり、岩塊で覆われた小起伏面が小規模に広がっているのでその説明で問題ないと思いますが、平ヶ岳の場合、頂上部の平坦部の広さがかなりあり、周氷河作用だけで説明するのは難しいように思います。
2−3)荒沢岳
 荒沢岳(あらさわだけ)は現在の銀山平に近いところにそびえる山で、標高は1969mあります。その山容は前述の平ヶ岳とは正反対で、登山道の途中に「前ぐら」と呼ばれる険しい鎖場もある、わりと険しい山です。越後駒ケ岳辺りから望むと、その端正な三角形の姿が美しい山でもあります。

 この山は述べた通り、三角錐のような険しい山容をしていますが、産総研「シームレス地質図v2」で確認すると、この山の山頂を中心にした半径7km程度の円形をした火山岩のゾーンが確認できます。

 (文献6)によると、この山は、元々は火山で、「荒沢岳カルデラ(火山)」という名前がついています。 活動時期は、鮮新世である約4.3Ma頃で、カルデラ型の火山として活動し、デイサイトー流紋岩質の大規模火砕流を噴出したと推定されています。
  現在はその円形の領域に、火砕流噴出物が詰まっています。その後、この一帯が隆起するとともに、只見川による浸食作用により、現在のような鋭鋒になったものと推定されます。

 なお、「シームレス地質図v2」をよく見ると、荒沢岳(カルデラ)の東方、奥只見湖の東岸付近にも、同様の円形をした火山岩のゾーンがあります。
 これもカルデラ火山の痕跡で、「奥只見カルデラ」という名前がついています。火山岩としては荒沢岳カルデラと同様、デイサイトー流紋岩質です。

 活動時期は荒沢岳カルデラよりさらに古く、中新世末の約8.5Maと推定されています(文献6)。かなり古いので、浸食が進み、火山やカルデラの形状はほとんど残っていないようです。

   ※ ”Ma”は、百万年前を意味する単位
2−4)奥只見地区の山々の地形的特徴
 この章では、地質ではなく、地形学的観点から見た、奥只見地区とその周辺の山々独特の地形について述べます。
 この付近の山々に登ると、急な斜面のところどころに、断面がU字型をした滑り台のような一直線の谷が、何本もあることが解ります。
 このような地形を、地形学では、雪崩道(アバランチシュート:Avalanche chute)と呼びます。これはこの一帯が豪雪地帯で冬場に多量の積雪があり、それが早春から春にかけて、底雪崩が生じ、その雪崩の勢いで山の斜面が削られて、滑り台のような形状の地形を作ったものです(文献7)。

 このアバランチシュートには、植物も生えていなく、岩盤が表面に現れ、かつ、つるつると磨かれたように見えます。植物がもし夏場に生えたとしても、翌年の春には、底雪崩によって、あっという間に雪崩とともに流されていくため、いつまでも植物は生えず、岩盤がでているのだと思いますが、いずれにしろ独特の景観を示しています。
2−5)奥只見ダム付近のペルム紀地質
 この節も、山そのものではなく、この地域の地質的な特徴の一つを説明します。

 奥只見ダム付近は、登山道もなく、またダム湖自体が障害物となり、地質調査はかなり困難とのことで、まだ十分な地質調査がなされていないようです。
 その中で、(文献8)によると、奥只見ダムのやや下流の枝沢沿いに、ペルム紀の化石(腕足類:貝に近い生き物)が発見されています。
 また、産総研「シームレス地質図v2」を見ても、その付近の地質(非付加体型)はペルム紀に形成、とされています。

 もともと、糸静線より東側、かつ日本海側の、西南日本内帯の東方延長にあたる、この山域では、付加体性地質としては、前の章でも述べた、ジュラ紀付加体である「足尾帯」系の地質が広がっている一方で、ジュラ紀以外の付加体型地質はそれまで確認されていませんでした。

 よって、日本列島の地体構造区分図のどれをみても、この山域(関東北部の山々)一帯は、ほとんどがジュラ紀(約2.0-1.45億年前)付加体である「足尾帯」であり、そこに一部、謎のグループである「上越帯」の岩石が散在している、とされてきました。

 ところが、上記のように、ペルム紀(約3.0-2.5億年前)の地質体が存在することが判明したことは、日本列島の古い歴史を知るためには非常に興味深い発見だと思います。
 (文献8)では、このペルム紀の地質がほかの地質体とどういう関係にあるかまでの検討はされていません。

 この「東北日本」の南部地域は、最近では「西南日本内帯」の東方延長であろうと考えられています。「足尾帯」も、同じジュラ紀付加体である「丹波―美濃帯」の東方延長と考えられています。
 
 以下はあくまで私の私見(想像)ですが、奥只見地域で見つかったペルム紀の地質を、「西南日本内帯」の地体構造と比較してみると、同じペルム紀の付加体である「超丹波帯」の東方延長ではないか?という推定も可能かと思います。

 現在の「西南日本」と「東北日本」との境目とされている「糸静線」と、より古い時代の「(古)西南日本」と「(古)東北日本」との境目とされている、「棚倉構造線」(福島県から山形県へと延びる断層帯)、との間にあるこの領域は、約20-15Maに生じた「日本海拡大/日本列島移動イベント」の前には、どういう繋がりだったのか?まだはっきり解っていませんが、今回の奥只見地区でのペルム紀地質の発見は、重要な発見ではないかと思います。
  
 なお、産総研「シームレス地質図v2」で確認すると、このペルム紀の地質(泥岩層)は、尾瀬の北側から、只見川沿いに北方向に延び、未丈ヶ岳付近まで、約30kmほど伸びています。
 またその東方には、「足尾帯」の地質が、寄り添うかのように、同じような走向で並んでいますが、これは西南日本(中国地方東部、近畿地方北部)において、ペルム紀付加体である「超丹波帯」とジュラ紀付加体である「丹波ー美濃帯」とが並走しているのと類似しており、偶然とは思えないところです。

   ※ ”Ma”は、百万年前を意味する単位
(参考文献)
 文献1)(ネット情報) (独)水資源機構
   「矢木沢ダム、奥利根湖の概要」の項
      2021年2月 閲覧
   
  https://www.water.go.jp/kanto/numata/03_yagisawa/yagisawa011.html

 文献2)茅原、小松
   地域地質研究報告 新潟(7) 第64号
   「八海山地域の地質」 旧)地質研究所 刊 (1992)
   のうち、第V部 「上越帯の中生界―奥利根層群」の項

   https://www.gsj.jp/data/50KGM/PDF/GSJ_MAP_G050_07064_1992_D.pdf

 文献3)
  「越後湯沢地域の地質」 旧)地質研究所 刊 (1981)

 https://www.gsj.jp/data/50KGM/PDF/GSJ_MAP_G050_07075_1981_D.pdf

 文献4)高田
   「三国山脈主稜線周辺の化石周氷河性平滑斜面・化石雪食凹地」
    地理学論評、第59巻 p729-749 (1986)

  https://www.jstage.jst.go.jp/article/grj1984a/59/12/59_12_729/_pdf

 文献5)新潟県ホームページより
  「奥只見 川が作った歴史」の項
     2021年2月 閲覧

  https://www.pref.niigata.lg.jp/uploaded/attachment/101808.pdf

 文献6)山元、滝沢、高橋、久保、駒澤、広島、須藤
      「20万分の1 地質図幅『日光』」 旧)地質調査所 刊(2000)

  https://www.pref.niigata.lg.jp/uploaded/attachment/101808.pdf

 文献7)貝塚、小池、遠藤、山崎、鈴木
   「日本の地形 4 関東・伊豆小笠原」東京大学出版会 刊 (2000)
    のうち、2−4章 越後山脈と帝釈山脈の項

 文献8)田沢、新潟基盤岩研究会 
   「新潟―福島県境付近の奥只見地域から産出した
     ペルム紀腕足類と その地質構造」
    地質学雑誌、第105巻、p729-732 (1999)
【書記事項】
初版リリース;2021年2月25日
△改訂1;文章確認、6−1章へのリンク追加。書記事項追加。
△最新改訂年月日;2022年1月4日
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