【五箇山】猿ヶ山【小瀬より周回】
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- GPS
- 10:59
- 距離
- 12.9km
- 登り
- 1,117m
- 下り
- 1,105m
コースタイム
- 山行
- 8:45
- 休憩
- 2:14
- 合計
- 10:59
アイゼン・スノーシューなど雪山ギアは使用していません。
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2016年03月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
この日は林道は残雪少なく凍結もありませんでしたが、林道から取付いた斜面は北向きでかなり固い雪で緊張しました。地形図にある907Pへの登りはユキツバキのヤブが露出しており、かなり難儀しました。 下山では小瀬谷への下降点からガケ状の斜面で、巡視路は雪の下、トレースに助けられてもなお危うい状態でした。そのあとの小瀬谷渡渉は脛ほどの水深で対策が必要。 担いで行ったアイゼン・スノーシューは使いませんでした。 |
その他周辺情報 | 道の駅「上平 ささら館」 http://www2.tst.ne.jp/sasara/ 道の駅「たいら 五箇山・和紙の里」 http://gokayama-washinosato.com/ くろば温泉 http://www2.tst.ne.jp/sasara/index3.html |
写真
感想
雪不足のため美濃の雪山はほとんど楽しむことができず終了となりそうなこの今シーズン。せめて最後にもう一度だけ雪の上を歩きたい、雪の上で飯を食いたいということで、五箇山の猿ヶ山へと出かけました。
6年前の同じ時期に1度登っており、豊富な残雪があったことから、豪雪のこの山なら何とか楽しめるだけの雪はあるだろうと見込んでのことです。
【駐車地〜約760m鉄塔】
車両通行止めゲートの脇を抜けて小瀬谷沿いの林道を歩き出します。山スキーの記録を見ると、最初の橋を渡りすぐの急な谷状地形または斜面状尾根を登るようですが、ただでさえ雪の少なかった今シーズンのこの時期では全く雪がありません。
これは想定通りなので、取付き場所を探りながらそのまま林道を進みます。6年目は凍りついた残雪で谷へと落ちる死の滑り台と化していた林道ですが、今日は全く問題なく通過。候補としていた送電線下の広い尾根まで向かう途中、雪の付いた道らしきを見つけ、そこから取付くことにしました。
灌木を掴んで尾根にはい上がると植林地となっており、それを抜け尾根通しに登ると急な斜面状となりました。北向きだけに残雪はべったりですが、かなり固くキックステップに力が入ります。今思えばここでかなりスタミナを消耗してしまったようです。
右手から送電線の尾根が近づいてくると傾斜は緩み、明るいブナ林となりました。そこから緩やかに登り、鉄塔の立つ送電線の尾根と合流。標高約760mあたりです。鉄塔の向こうに白山が望まれ、これからたどる尾根の上部の鉄塔も見えています。マンサクの花が咲き、早春の気配。
【約760m鉄塔〜907P〜三等・漆谷】
ここから地形図にある907Pまでの尾根上はほとんど雪が消えており、ユキツバキと灌木の濃いヤブがいたるところでむき出しになっています。上部では傾斜も増し、残雪のある個所ではヤブ漕ぎに踏み抜き地獄も加わって、まさに苦行の登りとなりました。
やっとの思いで907Pに到着した時には足の疲労が大きく、この先登れるのかと心配になったほどでした。とりあえず疲労回復のため、同行者の山だよ姉さんに先頭を変わってもらいながら猿ヶ山をめざします。
なんとか雪がつながってきて、ブナ林も一段とよくなり気力・体力もを持ち直して登り続けます。そして2度目の鉄塔に到着。と、ここで北向かいの尾根からこちらに呼びかけるような声が聞こえてきます。別ルートで登っている登山者がいるのかな?
さらにもう一度鉄塔に出合い、北アルプス北部の展望など楽しみながら、残雪もたっぷりとなった尾根の急登を登りきれば地形図の1221.1m、三等・漆谷に到着です。
【三等・漆谷〜猿ヶ山】
ここから傾斜は一気に緩み、大雪原のごとく広々とした尾根に素晴らしいブナ林が展開する、まるで楽園そのものになりました。どこでも好きなように歩け、大きなブナに誘われあっちにこっちにフラフラしたり、振り返るたびに広がる大展望に歓声を上げたりと、歩くペースはこれまで以上に落ちてしまいます。
名前に同じ猿の付く、近くの白川郷の猿ヶ馬場山も素敵な山ですが、あちらは人もたくさんいます。それに比べてこちらは実に静かな山を楽しめますよ。
ゆっくりと一歩一歩登りつめ、ようやく猿ヶ山に到着しました。広い山頂部を西に進むと白山とその北方稜線の山々、五箇山・白川郷の山々の展望が広がります。当然ここでザックをおろして場所をこしらえランチ休憩となりました。
さて、素晴らしい憩いのひと時を過ごし、そろそろ下山の準備を始めないといけないなと思い始めたころ、すっかり忘れていた別ルートで登ってきていたパーティーが到着してきました。お互いのルートの情報交換などしたあと、ご一行はランチ休憩を始められました。すると山だよ姉さんが、この人たち絶対そうだよ、間違いないよと言い出します。そして意を決して山だよ姉さんがご一行に尋ねると、やっぱり!そうです、なんとパーティーは山だよ姉さんも私もいつもヤブ山の参考書としている、ブログ「藪山独自ルートfloat cloudのブログ」のfloat cloudさんご一行だったのです。特に山だよ姉さんは自身のブログ(山だよねぇ)にしばしばコメントをいただいていることもあり、初対面に感激もひとしおといった様子でした。そこからひと時の楽しい時間となりました。
【猿ヶ山〜下山尾根分岐〜尾根下降点〜駐車地】
当初はピストンで下山する予定でしたが、情報をいただき、float cloudさん一行の登ってきたルートで下山することになりました。なんといっても信頼のおけるトレースがついているんですから大船に乗った楽勝下山でしょう(^^)v
float cloudさんらとお別れし、楽園を再び楽しみながら下山開始。そして三等・漆谷の手前でトレースを追って登りより一つ北の尾根へ向かいます。北向きだけあって残雪がしっかりあり、快適そのものの尾根を雪の状態が絶妙であったことも手伝い、バンバン駆け下っていきます。おまけに登り以上に素晴らしいブナ林の尾根でもあり、float cloudさんには感謝感謝です。
結局、尾根から離れ下降する地点までずっと良い雪尾根が続いていました。そしていよいよ巡視路があるという急斜面を降りていくわけですが…ここで今までの楽勝ムードが一変することに^^;
目の前にあるfloat cloudさん一行のトレースの続く斜面はほとんどガケにしか見ません。こんなところを登ってこられたなんて!意を決してとにかくトレースを追いながら降りていきますが、有るはずの巡視路はほとんどが残雪の下で、足場は斜面状。さらに雪はかなり腐っており、一歩一歩確かめながらの緊張の下りとなったのでした。
そしてようやく命からがら(我々にとっては)下り切り、小瀬谷の堰堤にたどり着きました。最も安全に渡渉できるのは確かにこの堰堤下だと思われ、スパッツのベルトを締め上げていざ突撃。脛ほどの水深をジャブジャブ歩いて対岸へ。そのあとは雪斜面を上がって林道に出ました。あとは林道をポクポク歩いて駐車地へ。たっぷり一日楽しみました。
なかなか楽ではなかったですが、変化に富んだ満足感いっぱいの猿ヶ山山行になりました。
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