盛夏の南八ツ横断ツアー(美濃戸口〜阿弥陀岳〜行者小屋〜赤岳〜美しの森〜清里:信州→甲州足跡繋ぎ)
- GPS
- 14:21
- 距離
- 22.3km
- 登り
- 2,035m
- 下り
- 2,252m
コースタイム
- 山行
- 5:39
- 休憩
- 0:59
- 合計
- 6:38
- 山行
- 6:21
- 休憩
- 1:11
- 合計
- 7:32
天候 | 初日:晴れ後曇り、夕方雷雨/2日目:朝方高曇り(太平洋側の展望・視界良好)、後ガス・小雨 |
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過去天気図(気象庁) | 2017年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
(復路)清里駅から小海線。昼間は2時間に1本ぐらいの頻度のため、列車時刻注意…! |
コース状況/ 危険箇所等 |
(初日)御小屋尾根ルート、登山口までは別荘地歩き。要所に案内標識あり、特段の不明瞭箇所などナシ。阿弥陀岳直下の岩場、中岳コルへの下降路は急で滑りやすく、特に悪天時は通過注意。 (2日目)行者小屋からの文三郎尾根、要所に鉄階段が整備され、安心して登れます。朝方は稜線泊やご来光見物の下山者も多く、すれ違い時は落石等注意。県界尾根、出だしから暫くと、赤岳天望荘からのルートとの合流点から樹林帯までは、クサリ・ハシゴの連続する難区間。特に下りの場合は足掛かりも少なく、小生もコースタイムの5割増超を要する大苦戦。シーズン初めは落石も多い上(小生通過中もソフトボール大の落石がすぐ横を落下…)、清里までの歩程も長く、雨天・荒天時は避けた方が無難かも…。 |
その他周辺情報 | 下山後、清里駅から片道徒歩30分の日帰り温泉「天女の湯」行く予定なるも、雨天のため取り止め…。 |
写真
装備
備考 | ・水分消費量:2日間でペットボトル(ソルティライチ)500ml×2、ポリタン水1l(うち600mlは夕食自炊用)、ガッツギア2本 ・初日、炎天下の尾根歩きではレモン入り塩タブレットがGoodでした! |
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感想
信州→甲州足跡繋ぎの一環でかねてより計画中だった南八ツ縦断ツアー。梅雨明けの遅れで1週延期、この週末も予報は今一つながら、東京の連日の酷暑にうんざりし、あずさ回数券を握りしめて涼しい信州にエスケイプです。
当方のこうした期待と意気込みも空回り、土曜朝から中央快速の信号トラブルで出発が遅れ、出だしから躓きますが、諏訪バスの機転で予定通りのバスに乗ることができホッと一息。この日も天気下り坂予報なるも、明日は曇りのち雨の激ワル予想のため、急遽コース変更、本日中に御小屋尾根から阿弥陀岳を越え、行者小屋へ向かうこととします。
何十年ぶりの美濃戸口に降り立つと、予想に反して夏の強い陽射しが照り付け、思いがけず厳しい暑さの中出発です。とはいえ、ここは標高1,500mの信州高原。時折涼しい風が吹き抜ける中、別荘地を快調に進み、早くも下山のハイカー数組とすれ違い、歩きやすい樹林帯のコースを御小屋山頂へ。暫く歩くと、予定より早く不動清水の入口に到着。往復5分弱の至近にステキな水場あり、渇いたノドを潤しながら軽食を済ませ、阿弥陀岳への険しい登りに挑みます。樹林帯を抜けると、南八ツの峰々も見渡せてまずまずの展望。しかし、炎天下の標高差1,000m超の登りに筋肉が悲鳴を上げ、岩場の登りで不覚にも左足のふくら脛が痙攣、途端にペースダウンです…(涙)。
次第に雲が広がり、遠くで響く雷鳴に少々怯みながら、最後の岩場の登りをクリアし、ガス帯に突っ込みます。ふと生き物の気配を感じ前を見ると、すぐ目の前にカモシカ君登場、悠然と行く手を塞いでいます。どうぞお先に、と手振りで合図を送っても、こちらを二度見しながらもコース脇の草を食べ、オレが先にここを見つけたんだ、という目線で道を譲る気配ナシ。そろそろ夕立も来そうで、イライラしつつお見合いすること約1分、ようやくカモシカ君も左の山腹へ駆け下り、何とか雨にも降られず阿弥陀岳山頂到達。広い頂上も白いガスの中、祠に安全登山の祈願をした後、そそくさと中岳コルへの下降路へ。ここは岩ゴロゴロのガレ場を直滑降する感じで、手掛かり、足掛かりはしっかりしてますが、かなりの高度感もあり緊張しつつ通過。ようやく樹林帯の道に入り、小雨が降り出す中、午後5時すぎにこの日のお宿、行者小屋に到着です。
天候不順にも拘わらず、さすが南八ツ核心部の宿泊スポットだけあり、小屋もテントサイトも満員盛況、小屋泊まり組は2階の通路にも布団が拡げられる混雑ぶり。食事・弁当付きだと温泉旅館並みの料金のため、この日はエコノミーで自炊コース。それでも、屋根と温かい布団があり、雨に濡れず屋内の自炊スペースで南八ツの雄峰を眺めながら山メシが楽しめるのは有難い限りです…。午後6時過ぎには小雨も上がり、本日ガスガスの中踏んできた阿弥陀岳や明日アタック予定の赤岳、更には大迫力の大同心、小同心を従えた横岳方面がキレイに見えて大満足です。
2日目の夜明け前、相変わらずの曇天ながら主稜線方面は視界良好、数時間は雨も大丈夫そうです。4時半前にヘ電装着し出発、本日は険しい岩場の地蔵尾根ではなく、鉄階段もしっかり整備され、比較的登りやすい文三郎尾根を進みます。昨日の左足痙攣の後遺症がないか確かめつつ、休みながらのゆっくりペースで分岐から約1時間、再び南八ツの主稜線に辿り着くと、向こう側に右から仙丈、甲斐駒、白嶺三山、鳳凰三山と南アルプス北部のオールスターズがすっきり見え、「想定外」の大展望に居合わせたハイカーの皆さん共々大興奮!『早起きは三文の得』の格言を改めて実感します。。ここから登路は更に険しさを増し、早くも下山してくる早暁ハイカー各位とスライドしつつ、時に鎖を頼りつつ岩場をよじ登ります。頂上直下、今度はついに日本一の富士山登場!すぐ後ろからやってきた大人数のパーティも揃って足が止まり、一斉に写真撮影ターイム!リーダーが思わず「頂上でも良い写真が撮れるよー!」と先を急がせ、小生もこの大集団とともに間もなく八ヶ岳最高点、赤岳の絶頂到達。早朝とはいえ主峰のてっぺんは大混雑、風が強いものの太平洋方面を中心に約270度近くの大展望が拡がり、証拠写真の順番待ちで渋滞中。小生も先程の団体リーダーとお互いに写真を撮り合い、続いて富士山バックにもう一枚、更に四周のパノラマも撮影し、すっかり大満足。やや人が少ない北峰山頂で小休止の後、雨が降り出す前に素早く下山開始です。
大半のハイカーが赤岳天望荘〜横岳方面の縦走路に足を踏み出す中、小生だけは本ツアーの主目的、甲州への足跡繋ぎのため「直滑降」の県界尾根へ。いきなりの急降下、足掛かりも少ない岩場のルートに大苦戦しますが、コースタイムの約2倍、何とか40分弱で天望荘からのルートと合流。途中、二組ほどの男性ソロとスライドしたのみで、後は小生の一人旅。この先の区間もクサリやハシゴの連続、自然の落石などもあって緊張の連続なるも、樹林帯までどうにか下り着いてホッと一息です。時刻はまだ午前9時前、ほぼ予報通りにこの辺りから小雨がパラつき始めますが、岩場で雨に降られず本当に助かりました。大天狗、小天狗と尾根上の小ピークを快調に通過、コースタイムより少し早めに県界尾根の登山口へ降り立ちます。ガスも濃くなってきましたが、ここで小休止、ジャンボおにぎりとフルーツ缶でリフレッシュします。後は沢沿いの砂利道を傘など差しながら淡々と進み、ゲートから先はシンドイ舗装道歩き。疲れた脚にはズシリと堪えてきた頃に、美しの森への分岐へ到達。暫し舗装道歩きからは解放され一息つくも、アッサリと場末の観光地(!?)風の美しの森ピークに到達します。時刻はまだ11時過ぎ、当初予定よりも2時間近く早い到着ですが、頂上近くの地味なレストハウスで「下界値段」まで値下がったペットボトルをグイと一呑み一休み、久しぶりに繋がったネットで自宅に「無事下山」のメールを送り、清里からの小海線の時刻を調べると、次が12時過ぎ、その後は2時間近くの待合せと判明。当初予定していた清里駅近辺の日帰り温泉「天女の湯」もこの雨模様では行く気力が失せ、アッサリ断念。急遽、次の小海線に飛び乗ってダッシュで帰京すべく、スマホであずさの指定券も素早く変更、清里駅までの真っ直ぐな舗装道を先へと急ぎます。約3km弱の道のりを登山靴にて30分余でのし歩き、ついに小海線ラインを突破、ゴール地点の清里駅に無事到着です。駅前のお店で手土産も仕入れて、余裕で昼過ぎの小海線に間に合いました。午後3時半には自宅に帰着し、家族にも「今日はエラク早いお帰りで…」と呆れられながら、汚れ物を洗濯、後片付けもサッサと済ませてバタンキュー、この日も長い一日でした。
これにて、日本海〜太平洋の大足跡繋ぎも徳本峠→松本盆地と清里→瑞牆温泉のメイン2区間を残すのみとなりました。今回は2日間の歩行距離約22km強、累積標高差も3,500m超と久々のガッツリ山行となり、筋肉痛もハンパなく残っております。何より、信州の高原と東京では基礎体温ならぬ「基礎気温差」が20度近くある感じで、折角心地よい疲労感とともにリフレッシュしたはずの身体も、連日の蒸し暑さに再びグロッキー気味です。夏山シーズンも残り1ヶ月余り、北陸方面の梅雨明けの報は未だ来たらずですが、早めに北アルプスの足跡繋ぎツアーを企画せねば…。ここまでお読み下さった皆様、いつもながらの長文・駄文、大変失礼いたしました。
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