雨の中の高妻山と戸隠山へ〜ずぶ濡れ我慢山行〜
- GPS
- 32:00
- 距離
- 17.3km
- 登り
- 1,896m
- 下り
- 1,890m
コースタイム
- 山行
- 6:45
- 休憩
- 1:30
- 合計
- 8:15
- 山行
- 5:00
- 休憩
- 1:05
- 合計
- 6:05
天候 | 7/29 雨 7/30 雨〜ガス〜曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2017年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
7/28東伏見=練馬IC=信濃町IC=高妻山登山者用無料駐車場(戸隠キャンプ場バス停) [復路] 7/30 高妻山登山者用無料駐車場(戸隠キャンプ場バス停)=信濃町IC=上越JCT=柿崎IC=米山水野林道P(米山登山へ) |
コース状況/ 危険箇所等 |
■駐車場〜一不動 ・大洞沢は荒れている。倒木や支沢からの土砂の押し出しが、登山道を消しているところが複数ある。沢の中を遡行するような部分もあり、登山道か沢なのかが分からないところもある。よく「登山道」という表示や、岩の赤ペンキなどに良く注意しながら進むこと。 ・ナメ滝の右側を登るが、新旧2本のクサリが設置され安心感がある。クサリが濡れていると滑りやすいので要注意。落ち口の1ムーブはスタンスやや乏しいので慎重に行く。 ・帯岩のトラバースはクサリを頼れば危険ではない。帯岩が終わったあと滝の左壁を短く直登する部分がありそこの1ムーブは足場が乏しく、クサリの手を頼りにスメアリングで登る。 ■一不動〜高妻山 ・問題となるところはない。 ・高妻山の直下は、鎖場が数か所ある。ストックはしまった方がよい。 ■一不動〜戸隠山 ・2ヶ所ほど鎖場がある。雨の場合、クサリが滑りやすい。 |
写真
感想
■山行記録
会社の夏休みに入ったので前半は山登りに!と出かけてきた。5月の連休のときに高谷池ヒュッテから見た高妻山が何とも印象的で、ぜひとも今年の夏には登りたいと思っていた。ヒュッテから見た残雪の高妻山はちょうど吾妻連峰の家形山のような形をしていて、頂上から優美な肩のラインがすとんと落ちている。偶然ヒュッテであった学生時代のクラブの先輩からは、高妻の直下の登りが結構急で大変だったと聞いていたので、そこが登りの勝負どころだと踏んでいたけれど、やはり見事にそこではまってしまうことになる。
東京の家を出て4時間弱で戸隠の駐車場に着いた。数日前に梅雨明け宣言が出された筈だったが、早朝には車中泊を妨げるような雨があって出発を躊躇わせていた。
こりゃ無理かなと薄目をあけてはぐずぐず眠っていたが、どうにも止んだようなので、仕方なくといった風情で出発した。
こんな雨の日は誰もいないだろうと踏んでいたが、バス停付近でツアーのバスが停まっている。聞くと、一時間くらい前に11人ほどのパーティーが上がっていったという。
逆川という興味深い名前の川をわたったときに釣りざおをもった青年といきかい、「イワナですか」なんて、自分は釣りに来ているわけではないのに話しかけたりする。快活に「そうなんです。結構釣れるんです」と応えてくれて気持ちが明るくなる。ちなみにエサは、みみずだとのことだった。いずれにせよ、彼は登山者ではないのでまた別れて一人になる。
大洞沢はかなり荒れている。はて、これが一般ルートなのかしらんと思う。出水で大きく登山道がえぐられたり、支沢からの押し出しで登山道が形なしになったり、倒木の嵐と化していたりする。思い出したように現れる「登山道」の表示や、赤ペンキのマークに注意しながら行きつ戻りつして歩を進める。
上を見ると、突然、登山者が立っていて驚く。聞くと、昨日入山して乙妻山まで行ったはいいが、時間切れとなって一不動の避難小屋に泊まったという。用意もなくひとりで泊まったが、着の身着のままだったのでひどく寒かったと云っていた。今日も自分ひとりだろうか、とふとそんな思いがよぎる。
ナメ滝が現れて右側に二本、クサリが張ってある。スタンスはしっかりしているが、最上部はやや細かくなりクサリも濡れているので慎重に登った。さらに帯岩が現れると、鎖場のトラバース。問題はないが、トラバースが終わったあと別の支沢に出て、滝の左側を2〜3歩直登するところもやや細かい。
氷清水は最後の水場。とても美味しい。そこから100mほどを登り、一不動についた。避難小屋に入ろうとするとドアが半身ほどしか開かない。ったく、ボロだなーと思いつつ、ザックごとねじ込むように中に入ると案の定、自分ひとり。
高妻山への準備を整えて小屋を出ようとすると、小屋の戸は右側に開けるのではなく左側に開けると全開するのだった。いけね。ボロだったのは自分のアタマの方だった。
一不動からは番号のついた小さな祠たちが自分を迎えてくれる。ガスの中登るのには励みになってよい。
六弥勒で弥勒尾根の分岐となるが、ひとり登山者が。聞くと、先行する群馬パーティーのメンバーの方。調子が悪くここから下るという。気をつけて!と云って先を急ぐ。雨がひどくなってくる。
傾斜が急になるにつれて、調子が出なくなる。睡眠不足か、はたまた朝飯を抜いたためのシャリバテか。
やがて群馬パーティーを追い抜き、さらにそんな自分を尻目に軽装のトレランが2人過ぎていく。早い!
苦しみながら急登をしのぎ、平坦になったところで休憩、GPSを覗くと頂上はもうすぐだった。
先についていた群馬パーティーがいるガスで真っ白な頂上にようやく到着。
余裕があったら乙妻山と思っていたが、もうその気はなく、今日はここまでとした。
群馬メンバーに写真をとってもらい、帰路は結局、弥勒尾根の分岐そばまで一緒に歩かせてもらった。
天気は悪いことは分かっていても、ツアーだとそう簡単に中止というわけにもいかないらしい。
東京からというと、雲取山は日帰りで行けますか?などと情報交換をしたりする。
群馬には群馬100山があっていい山がいっぱいあるという。うらやましい限りだ。
一不動の避難小屋に戻ってくると、や、や、や、小屋の中に登山者がいる!
「いや、ひとりだと思っていたので良かった〜」と歓待され自分も小屋の人となった。自分も心細かったので良かったなと思った。
同宿者は茨城の方で主に北アルプスを登ってこられたという。今日は雨の中、奥社から蟻の戸渡りを通ってきたというベテランだった。基本、テント行で、今日も避難小屋がいっぱいだったらテントのつもりだったけれど、来てみたら誰もいないので拍子抜けしていた、ザックが残置されていたので、いつ戻ってくるのかなーと思っていたと笑って話してくれた。お互い山の話をしたり、山中に咲いていた花の名前を確認しあったり、春雨やご自身で作られた野菜をいただいたり、ミートボールを差し上げたりと時間を過ごす。タブレットで見る明日の高妻はどうにも「雨」の予報。いい材料がない。「天気には勝てませんはね」とどうしても天気のハナシから離れられないのには苦笑した。いい人に出会えて良かった。
夕方になって戸隠山方面から若者が6人ほど小屋前に登場してびっくり。
白装束に身を固め、祭祀のための小道具をぶらぶらぶら下げている。
頭には「戸隠修験道」という鉢巻を巻いていて、全員気合いがはいっていた。
夜半は、小屋の屋根をたたく雨だれのドラム音で何度も目を覚ましたが、無事、朝4時まで寝ることができた。
翌朝、5時まえに「天気悪いから高妻までかな」と言う同宿者を見送り、自分は戸隠山を往復して、一不動から戸隠牧場へと下った。
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