南八ヶ岳縦走、雹と激しい雷雨、ブロッケン現象(渋の湯から硫黄岳・赤岳・権現岳)
- GPS
- 24:40
- 距離
- 25.4km
- 登り
- 2,534m
- 下り
- 2,786m
コースタイム
【8月6日(土)】
0:15頃いわき発=(常磐道・北関東道・上信越道佐久IC)
6:00頃観音平P到着、タクシーで渋の湯へ移動
7:15渋の湯-9:33賽の河原-10:29高見石小屋10:52-12:13中山展望台-13:00中山峠
14:33天狗岳(東天狗岳)-15:13根石岳-16:02オーレン小屋 (8時間47分)
【8月7日(日)】
5:18オーレン小屋-5:45夏沢峠-6:51硫黄岳7:12-8:49横岳-11:06赤岳11:35
12:21雨が強くなる-12:24雷雨のため待避13:18-13:52キレット小屋 (8時間34分)
【8月8日(月)】
6:02キレット小屋-7:46権現岳下はしご-8:04権現岳-9:30青年小屋9:55
10:35編笠山10:43-12:00青年小屋分岐-12:42雲海展望台-13:20観音平
(7時間18分)
天候 | (8月6日) 曇り→8時過ぎ頃一時雨→10時過ぎから晴れ→1時頃から曇り→3時過ぎ頃一時雨 →17時過ぎから強い雨 (8月7日) 未明から晴れ→9時過ぎより曇り→12時頃より雷鳴→12時20分頃から雨 12時28分頃より雨強まる(降雹・雷鳴)→13:05ころ雨上がる→14:46再び雷雨 →20時頃より晴れ (8月8日) 未明から晴れ→9時頃より曇り→13時半頃より断続的に雷雨 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2011年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
タクシー 自家用車
観音平からタクシーで渋の湯まで移動。 料金12,500円(小淵沢タクシー 0551-36-2525) |
コース状況/ 危険箇所等 |
★渋の湯〜高見石 バス停のある終点から、沢沿いに登っていきます。橋を渡るとすぐに、尾根沿いに黒百合平方面に向かうルートと分岐して、沢沿いに高見石へ向かって沢沿いに進みます。 しだいに岩の露出した登山道になり、「賽の河原」周辺では巨礫のゴーロ帯で歩きづらい道が続き、思った以上に時間がかかります。「高見石小屋」裏手にある「高見石」にはぜひ登りましょう。 ★高見石〜中山峠 高見石から中山までは緩やかな傾斜の樹林帯を進んでいきます。中山展望台は、南側ピークの西側にあります。巨礫の広場で、西側の遠望が見事です。 中山のピークへの分岐は、中山峠側に戻ったところを東側に直角に曲がります。高見石方面から来ると分岐を見落としやすいので注意が必要です。 中山峠手前からは、稲子岳・ニュウと稲子岳西側の窪地を見ながら進みます。東側が切り立った崖になっているので、歩行には注意が必要です。 ★中山峠〜オーレン小屋 東側の切り立った登山道を登っていきます。天狗岳東峰・根石岳を通り夏沢峠との分岐を過ぎると、緩やかな樹林帯を下ってオーレン小屋へ到着です。 ★オーレン小屋〜硫黄岳 オーレン小屋から夏沢峠までは、緩やかな沢沿いの道を登っていきます。 夏沢峠に出ると硫黄岳の爆裂火口が目の前に迫ってきます。硫黄岳までは、東側の切れた急な登山道を登って行くと広い硫黄岳山頂に到着です。 硫黄岳山頂から南を眺めると、横岳から赤岳に向かう稜線と、赤岳・阿弥陀岳の勇姿を目にすることができます。遠く北アルプス、中央アルプス、秩父の山々の遠望も見事です。 ★硫黄岳〜赤岳 硫黄岳から硫黄岳山荘までは、コマクサの咲き乱れる緩やかな斜面を下っていきます。硫黄岳山荘から横岳を抜け赤岳展望荘までは、鎖場のある岩稜が続きます。 赤岳直下からの上りは、岩盤の露出した滑りやすい急斜面を登っていきます。 ★赤岳〜キレット小屋 赤岳からの下りは、浮石の多い岩稜で、鎖場やハシゴがあちこちに設置されています。稜線が南西に方向を変えてしばらく下ると、ルンゼ状の沢筋をトラバースする地点があります。今回の雷雨による短時間強雨で登山道を濁流が流れ、一時的に土石流となって流れ落ちました。この時間帯に下っていれば、間違いなく土石流に流されていました。 トラバース地点を過ぎるとなだらかな稜線を通ってキレット小屋に到着です。 キレット小屋の水場はあてになりません。飲料水は運ぶか購入することになります。手洗い等に天水は使えます。 ★キレット小屋〜青年小屋 キレット小屋から稜線に戻る登山道は、先日の台風6号のため崩落しており、小屋の真裏を直登するルートになります。しばらくは緩やかなアップダウンを繰り返しながら進んでいきます。 権現岳への登りは、急斜面の岩稜で、直下には非常に長いはしごがかけられています。このはしごを上りきると権現小屋に到着です。権現岳のピークは分岐から南に進んだところにある岩塊がそそり立っています。 ギボシを越えて編笠山への鞍部に下りると青年小屋です。水場は西岳方面に4分ほどいったところに流量の多い沢水があります。 「氷」があります。 ★青年小屋〜編笠山〜観音平 青年小屋から編笠山へは巨礫の上を登っていきます。ゴーロ帯を過ぎると樹林帯の登りとなりますが、相変わらず足元は礫がむき出しになっています。 途中でヒカリゴケを観察して、しばらく登ると広い山頂に到着します。 編笠山から押手川までの下りは、長く歩きづらい急斜面が続きます。 押手川から先は傾斜が緩やかになり、多少歩きやすくなります。 ◎温泉 スパティオ小淵沢 延命の湯 600円 <==道の駅です |
写真
感想
(ルートのこと)
実に30年ぶりの八ヶ岳。最後の縦走ルートが、奇しくも今回と同じ渋の湯から観音平ルート。若かった勢いで、渋の湯から小淵沢の駅まで、首都圏から夜行日帰りでした。
今回は2泊3日、のんびり山行のつもりだったのですが・・・、ガッツリと手応えのある山行になりました。
今回、おそらく普通の人はやらないと思われる「観音平に車をおいて、タクシーで渋の湯移動」を試みました。自家用車を利用しつつ縦走するという目的のためですが、バスの時間の心配をする必要がないため、あえてこの手段を採りました。
小淵沢タクシーの運転手さんはとても親切な方でしたが、県境を越えて渋の湯に行くことがないのか、たびたび「あれっ、この道で良かった? ちょっと地図見て!」とわれわれがナビをすることに。
(天気のこと)
今回は、台風9号・10号の影響で暖湿流が連続して入り、大気の状態が非常に不安定で天気の変わりやすい状況となっていました。早め早めの行動を心がけていたのですが、赤岳の下りで雹をともなう激しい雷雨に遭遇することになりました。
足場の悪いルンゼ状の急斜面に差しかかっていたのですが、判断良く待避でき無事に通過することができました。
一時は、岩盤の上に浮いた礫がプチ土石流となって崩れはじめました。待避せず下山を続けていたら巻き込まれていた可能性が高いと思われます。
掲載の動画は、雨とひょうが弱くなって、水流が落ち着いてからのものですが、下のキレット小屋からは、濁流が滝のように流れる様子が見られたそうです。
キレット小屋に着いてから、管理人さんとの会話。
「いやあ、死ぬかと思いましたぁ!」
「いやあ、死んだと思いましたぁ!」
「・・・・」
管理人さんが、我々の下山する様子を下から撮影されていて、プリントアウトした写真をいただきました。もしものときには、最後の写真?になっていたかも・・・
《ピークを過ぎたものの、激しく雨水が流れる登山道》
(食べ物やその他)
ところで、8月8日は「八ヶ岳の日」だそうで、いろいろな場所でイベントを行っていました。
8月6日の観音平では、北杜市の職員の方が、市の観光案内が巻物になったボールペンを配っていました。
その日のオーレン小屋では、コンサート(チャイをごちそうになりました)。
8月7日はキレット小屋では、改築3周年記念で樽酒が振る舞われるはずだったのですが、諸般の事情で中止になったようです。それでもうちのおねぇさんはあきらめきれず、管理人と交渉の結果、角樽入りの日本酒飲み放題ということに・・・
(^_^)b
自らも、例によって角氷とウイスキーを持ち込んだのはいうまでもありません。
角氷は溶ければ飲料水になるし、何より初日の冷蔵庫代わりになるので、食料に生ものが使えるという利点があります。ビールもよく冷えるし・・・
山小屋で買った方が安いし楽だという説もありますが(^^ゞ
コメント
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写真拝見し硫黄岳の山頂が阿弥陀岳山頂となっています。
余計なことですが初めて訪れる方もいると思いますので・・
meganezaruさん ご指摘ありがとうございます.
出先でやっつけで書いていたので、前の写真につられてまちがえてしまいました.
さっそく訂正しておきました.
すごかったですね〜!!
ほんと、大変でしたね。あの赤岳からの下り、ただでさえ
緊張する、いやぁな高度感のある足場の悪いところだったのに
濁流、土石流もどきの中、よくご無事で下りてこられました。
3日間、毎日変わりやすいお天気でしたね。おつかれさまでした。
でも30年ぶりだなんて感慨深いものありますね。
アブはもういなくなってたのかな、よかった。
minkistさんこんばんは
久々にしびれる雷雨でしたよ(^_^;)
大局的な大気の状況や積乱雲発生のポテンシャルは予想できますが、どこで何時頃発生するかピンポイントで予想することは困難なので、やはり早めの行動と適切な避難行動が大切だと改めて痛感しました
ところで、あれほど問題となっていたアブは、うそのようにいなくなっていましたよ。寄ってくる虫もほとんどいなかったですね。その点では快適でした。
が・・・、余談ですが、山行後実家に帰省した際、裏庭の草刈りしていて、アシナガバチに3箇所刺されてしまいました
もしやオーレン小屋のテント場で星座の話をされていた方でしょうか?
あの雨だとスノコなしは大変だったんではないでしょうか?
3日間がっつり八ヶ岳を堪能されたようで羨ましいです。
しかし天候の急転は怖いですね。動画も拝見しました。
雨が降ってきたからって急いで下るのは必ずしも正解じゃないのね・・・なんて感心したりして。
気象予報士さんならではの解説もあり勉強になります。
硫黄岳の山頂写真、私たちも写ってます 気付かずに何度もお会いしているみたいですね
chilumaluさんこんばんは
やはりそうでしたね。星座の話確かにしてました。グリンレーザーのポインターで空を指しながら。
テン場の感じでは、普段はスノコ以外の場所は使われていない感じで整地もされていませんでしたが、意外と快適でしたよ。マットも銀マットでしたが、背中が丈夫にできているようです
オーレン小屋のテン場は、我われの方が早く出発したような気がしてましたが、小屋の前で記念撮影している間に追い抜かれたんですね
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