八甲田山
- GPS
- --:--
- 距離
- 9.1km
- 登り
- 713m
- 下り
- 713m
コースタイム
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2017年10月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
写真
感想
快晴の日曜日、紅葉狩り日和とあって、車を止めるのに苦労する。幸運なことに旅館前の駐車スペースが1台空いたばかりで、そこにすべりこむ。
旅館のすぐ脇の標識に従って、登り始める。樹林帯の中のぬかるんだ道をしばらく歩いたところで、はたと気が付いた。計画とは逆回りのコースを来てしまっている。今回は時計と逆回りに大岳に上り、毛無岱の紅葉を眼下に眺めながら下るはずだったのに、出発前にいろいろ手間取ってしまったこともあり、地図も確かめず、逆コースを来てしまった。ここまで来たら、引き返すわけにはいかず、これもありかとあきらめて、前に進む。
前方を歩く、老年のグループのひとりが、
−今日はえらく混んでるね。我々は別に、日曜日でなくてもいいのだけれど、
今日しか晴れの日がないので、仕方がないよね、と言っているのが聞こえた。
右に同じと、妻と二人で苦笑いする。
樹林帯を抜けると、急にあたりが開けて、草紅葉の草原と、大岳に連なる八甲田の山々が目の前に現れた。大岳の前面に横たわる小高い丘の連なりの紅葉が特に鮮やかで美しい。
前方右手の山の頂にロープウェイの駅が見えてきた。下毛無岱に入ってから急に登山者の数が増えてきた。妻も、紅葉の見事さに何度か足を止めている。
下毛無岱を抜けると、灌木の中の急登が始まる。下ってくる人が次々とすれ違っていく。登りきると、上毛無岱に出る。大岳の姿が急に大きくなってきて、再び急な登りが待っている。連なる登山者の後について、えっちらおっちら登ること40分余り、大岳避難小屋に到着する。
そこは実に多くの登山者が集っていた。風が強く、小屋の横にかろうじて居場所を見つけて、お昼にする。それにしても、いつの頃から山はこんなに人であふれるようになったのだろうか。
大岳への登りでも、多くの人々と擦れ違った。急坂を登ること30分、山頂に到着する。晴れ渡った山頂からの眺めは、はるばる500kmの道のりをやってきた甲斐があるというものだ。下北半島、陸奥湾、津軽半島が両腕に抱きかかえられるようだ。そして、岩木山の凛としたたたずまい。遠く岩手山、八幡平の山々の連なりが青くかすむように見える。はるか眼下には、通ってきた毛無岱の草紅葉と池塘が絵のように広がっている。
いつまでもいても見飽きない風景だが、体も冷えてきたし、下山に掛かる。大岳の山腹を急降下する。目的地の酸ヶ湯温泉の建物も、意外な大きさで見える。途中サンショウウオが生息するという鏡池を経て、左手前方に高田大岳のどっしりした山容を見ながら下る。森林限界が終わり、しばらくすると、仙人岱に着いた。地元の登山者だろうか、親切な人がいて、湧き水の場所を教えてくれた。飲んでみると、冷たく甘い、実に美味な水だった。
道が次第にぬかるみ、岩が露出して、歩きにくくなってきた。妻は疲れもあってか、少し遅れ気味だ。樹林帯の中の見通しのきかない登山道が延々と続く。地獄湯ノ沢という、硫黄のにおいがする景勝地もぼんやり見ながら通過、という感じだ。疲れがピークに達した頃、ようやく登山口に到着した。
下りに苦戦したが、その分、酸ヶ湯温泉の千人風呂の白濁した湯に浸かった時の満足感は何物にも代えがたかった。
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