〔撮影山行〕塩見岳_冬期日帰り敗退〜1人しかいなかった百名山と1人ラッセル〜
- GPS
- 13:46
- 距離
- 13.8km
- 登り
- 1,708m
- 下り
- 814m
コースタイム
- 山行
- 17:40
- 休憩
- 2:50
- 合計
- 20:30
天候 | 快晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2017年12月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
※ 12/18の状況 □ 前日までの降雪で下から上まで全域パウダースノーでトレースほぼなし。 □ トレースなくても、尾根筋か樹林帯を行くのでルートは大体迷わず分かる。 □ 登山口からヒールリフターを活用してのスノーシュー使用。 |
写真
装備
個人装備 |
【1.武器】
ピッケル(未使用)
アイゼン(未使用)
ダブルストック
スノーシュー
【2.防寒着】
上下ソフトシェル
ハードシェル上
目出し帽
【3.食料】
お握り×10個
水分1.7リットル
【4.備え】
ゴアテックス製シュラフカバー(ツエルトの代わり)
予備手袋
ダウンジャケット
非常食(カロリーメイト×3P他)
【5.機材】
フルサイズ一眼レフ
レンズ×2本
三脚
|
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感想
≪計画≫
塩見岳の冬景色を撮りたい!
しかし、ただでさえ長い塩見岳でさらに9km2時間追加で冬季ゲートから歩くのはなんとしても避けたい(12/28〜)!
日曜日の天気は晴れだが強い寒気が入る模様。
おそらく八ヶ岳や南アルプスまで山の上は寒気流入による雲がかかると思われる。
日曜日に降雪して冬の気圧配置が緩まった翌月曜日は目的の冬景色が広がるはず。
そこで、降雪直後の雪景色を求めて、月曜日に塩見岳に行く予定とした。
冬季の塩見岳は大抵の登山者は2泊3日の行程で行っており、日帰りに置き直すと以下の時間配分と想定していた(→ダメダメな実際は右)。
01:00 夏期ゲート 発 → 01:30
05:00 三伏小屋 → 05:40
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
08:00 本谷山 → 09:00
10:00 塩見小屋(→塩見往復) → 12:30
16:00 三伏小屋 → 18:30
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
19:30 夏季ゲート 着 → 22:00
≪感想≫
当初は日曜日に三伏峠付近でテント泊する予定であったが、天候の判断つかず迷迷していたら月曜日の日帰りになった。
結果としては、天気の読みは当たって“降雪直後の快晴”となったが、パウダーの雪は沢山あるが、樹氷やシュカブラは形成されておらず、また、山並みの低い部分には雪がなく斜面は黒く、期待した冬景色ではなかった。
さらに想定外のことに、前日の日曜日に人が入っていなかったようで、下から上まで直前の降雪でほぼ全域トレースなし!
そして月曜日に塩見岳エリアの登山者は自分ひとりのみ(行き帰り駐車なし/冬季小屋泊者他テントなし)。
百名山で1人だったのは今回初めてかもしれない。
そのため、ルート全域を自分1人でトレースをつけることとなった。
結果、塩見岳のロングルートのすべてを、機材を担いで1人でラッセルするのは無理っ!
自分にそんな怪物並みの体力はないし、ラッセルなんて苦しいだけ(※人による)。
最初のペースは良かったものの本谷山あたりから、まったく押し固められないフワフワパウダーに体力を奪われ始め、塩見小屋手前に着く頃には、体内が乳酸でたぎりまくりまくっている状態。
さらに一番下の登山口からスノーシューで上がってきていたからか、両股関節が痛みまくっている。
滾る乳酸で少し動いただけで息は切れるし、両股関節の痛みで上りで足を上げることすら困難な状況。
時間も計画よりかなり遅れており、夜間ハイクとなっても日帰りで塩見岳頂上を踏むことも考えたが、この状況下ではさらにペースが遅くなると思われたため、塩見小屋下で敗退決定。
帰りは上がらなくなった足でひらすら来た道を戻るのみ。
それにしてもこの塩見岳のルートは、ひたすら長い!
特に本谷山や三伏山はピークはすぐそこに見えるが、いかんせん横に長い。
さらに夏期ゲートから登山口も50分と長く、続く登山口から三伏峠までも長い。
"歩いても歩いても着かない”感たっぷりの長いもの尽くしのルートで、途中敗退にもかかわらずペースは戻らず、結局夜間ハイク突入で下山しましたとさ。
頂上踏めず大した写真も撮れず、果てしなく疲れた...。
当分の間は、南アルプスのロングルートとふわふわのパウダースノーはお腹いっぱい、という感じになりました(笑)。
結果はともかく、期待・迷い・驚き・落胆・苦しみ・達観・安堵と様々な思いを味わい、強く記憶に刻まれる日になるのでしょう。
これが生きているということなのでしょうか。
そして、最後は"感謝”。
≪反省点と気付きがたくさん≫
□ スノーシューを担ぐのは重い。必要かどうかの判断が必要。
□ スノーシューを使いすぎると股関節が痛くなる。鍛錬不足か?
□ 気温が低いと(氷点下10℃前後)、スマホの電池がすぐなくなる。
→ 容量5,000mAで長く持たせば5日持つスマホも1日でなくなった(GPS記録)。
□ 同じくヘッドライトの電池も寒冷下ではもちが短い。
→ 日没を迎えた本谷山付近から電池残量ランプの黄色が点灯した時は正直焦った。
→ 最少光量に抑えて駐車場までなんとか下山。
□ 仮眠ゼロの徹夜登山は気持ちにゆとりがなく踏ん張りが効かない。
□ 冬山でラッセルが入ると、閾値を超えて乳酸が出やすくなる。
≪撮影機材≫
24~70mmF2.8:△ 軽量化のため不所持(ケース含めて△1kg)。
16~35mmF4:〇 塩見エリアでは手前から入れるものがあまりないため、標準でよいかも。
70〜200mmF4:〇 間ノ岳や仙丈ヶ岳、中央アルプスの山並みを切り取るためには必要。
shibawannkoさん、おはようございます。
まずはご無事でなによりでした。
トレースがないとほんとキツいですよね。
駐車場着が22:00とは・・・。お疲れ様でした。
自分も甲武信ヶ岳を最初に登ったとき、途中でトレースがプッツリとなくなっていて、その地点から先はラッセルで進んだのですが、普段の2倍以上疲れました。スノーシューもワカンもなかったので、亀のようにしか進めませんでしたし・・・。
大変な思いをされたと思いますが、きっといい経験になったのではないでしょうか。
雪山でのバッテリーや電池の持ちの悪さは要注意ですね〜。
MonsieurKudoさん
いつもコメントありがとうございます!
冬山のロングコースはいろんなものの“消耗戦”ですね。
体力気力、食糧、水、スマホ電池、ヘッドライト電池、カメラ電池と、何かが消耗しても支障をきたすので、経験から十分に対応したつもりでした。
体力が消耗しても食糧と水分を補充すれば回復するだろうと十分持って行ったんですが、乳酸が出まくってペースが回復しないのは想定外でした...。
山を始めた初心者の頃に下手にバテていたことを思い出してしまいました(笑)。
やはり冬山はラッセルに耐えられるだけの心肺持久力がないと乳酸が出てしまいダメですね。
下山後はもうコリゴリ感たっぷりだったんですが、日をおいたら何か悔しくて楽しくて、何だかリベンジ気分になってきました。
山って不思議ですね。
辛いことは忘れて楽しい思い出しか残らない気がします。
別の言い方をすると、"懲りない人"って言うのでしょうか(笑)。
冬季の塩見に乗り込むとか、すっげぇタフですね😳!驚
しかも、ノントレ ラッセル地獄に撮影機材を持ち込むなんて・・・15kg装備ですかね?苦笑 いやぁ、マジで恐ろしい!笑 本当にお疲れ様です!!
スノーシューまた購入したのですね😨! 僕はアンチスノーシュー派なので ワカンしか所持していませんが、ここまでのレベルのパウダーですと、やはり スノーシューがめっぽう強いですね😳‼ 参考になります☆★
素晴らしいレコでした! shibaさんのタフさには驚きますm(_ _)m 今度ロング行くときは、ラッセル要員として ぜひ お声をかけてください😁♪♪笑 冬季の塩見鳥倉ルート、本当にお疲れ様でした!!✨
yamazaru2899さん
コメントありがとうございます!
いつも気合いだけは入っているんですが、思いに体がついてこなくて、いつものぐだぐだな弱音の記録になってしまいました。
歩いていて「前回のようにyamazaru2899さんがいてくれたらなぁ...、」とホントに何度も思ったもので、本谷山手前あたりで思わずお呼びたてするところでした(冗/笑)。
今回は持てるものを出し切ってもこの条件では無理でした。
条件としてはアイゼンで軽快に行けるくらいのトレースがあれば、何とか日帰りでも行けるような気がします。
あ、結局他力本願、神のトレースがないと行けないのか...(笑)。
やっぱりyamazaru2899さん後ろをコソッとついて行きます。
折り返されてのダブルトレースの上を(冗/笑)!
何事も経験ですね。
机上で緻密な計画立てられたようですし。
いかんせん入山者ゼロは誤算でしたね。
私が四月歩いた時も入山者いませんでした。
年末年始、トレースたくさんなら計画ガッチリハマったかもしれません。
素晴らしいチャレンジだと思いますが、テント張った方が良い写真が撮れますし、身体にも無理無いと思います。
ですがガッツに敬服します。
tomhigさん
はじめまして、コメントありがとうございます。
年末年始との比較だと、トレースをとって冬期ゲートからのアプローチを受け入れるのかのトレードオフみたいになりますね。どっちが体に負担が少ないんでしょう?笑
また、一応テント泊セットでパックしたんですが、スノーシュー2kg と機材4kgを合わせて20kgに達してしまったので、これまた軽くして早く短く行動した方が楽なのかのトレードオフ問題になり、今回はスタイルから軽さを選びました。
それでも早く行動できなかったのは単純に冬山で求められる一番の必須能力である体力が足りなかったのであり、tomhigさんのような強靭な体力が必要ということを認識した山行でした。
これからも重い荷物背負って悶絶しながら鍛えてみます。笑
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