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Yamareco

記録ID: 149379
全員に公開
無雪期ピークハント/縦走
磐梯・吾妻・安達太良

なんだこりゃ!!のはずだった安達太良山

2011年11月13日(日) [日帰り]
 - 拍手
GPS
08:23
距離
16.3km
登り
1,276m
下り
1,266m

コースタイム

05:30 駐車場出発
05: 37 登山道入口
05:44 馬返し
06:21 三階滝分岐
06:30 三階滝滝壺
06:36 三階滝上部
06:50 屏風岩 06:54
07:02 八幡滝
07:14 天狗岩
07:27 荒龍岩
07:51 天狗の庭
08:05 くろがね小屋 08:15
08:46 峰の辻
09:16 安達太良山山頂(乳首)
10:05 鉄山
10:13 鉄山避難小屋 10:34
10:49 笹平分岐
11:15 箕輪山
11:39 笹平分岐(塩沢登山口下山)
12:29 霧降滝分岐
12:49 見晴台
13:32 草履沼
13:34 湯川
13:38 馬返し
13:44 塩沢登山道入口
13:49 駐車場
天候 曇りのち雨
過去天気図(気象庁) 2011年11月の天気図
アクセス
利用交通機関:
自家用車
往路:都内(01:00)-東北道-二本松IC-R459-塩沢スキー場駐車場(04:30)
復路:駐車場(14:00)-湯川荘(日帰り温泉)-二本松IC-東北道-都内(19:50)
コース状況/
危険箇所等
※駐車場-馬返し
スキー場内の登山道は右端を沢の音を聞きながら登って行きます。
スキー場の上部、登山道の入口まで車で行くことは可能ですが、入っても良いかどうかは不明です。
馬返しまでは問題のない登山道です。

※馬返し-三階滝分岐
馬返しから粘土質の登山道を登っていきます。落ち葉がたくさん積もっていますが、落ち葉ごと滑ります。
地図に水マークのある金剛清水は、水質調査中となっていました。

※三階滝分岐-屏風岩
分岐から沢に下りる(落ちる)道は細くて急坂です。濡れていると滑ります。下る道筋は明瞭です。
二階の滝から三階の滝へは高巻きです。ほぼ垂直なハシゴを登り、クサリを伝わって高巻きます。
沢から屏風岩へのルートは、山の斜面に赤マークを付けただけ、道という感覚はありません。
この時期だけかも知れませんが、枯葉がたくさん積もっているので、笹や小枝に掴まって山の急斜面を這い上がるというイメージです。
自信がなかったら、分岐に戻った方が賢明です。(こちらも急登ですが...)


※屏風岩-八幡滝
屏風岩で登山道に戻ります。
登山道から上を見上げると、いつでも岩が落ちてきて不思議ではない様相です。
いたる所に「落石注意」の看板があります。
登山道も細く、右手は沢まで落ちていますので、クサリが連続しています。
落ち葉の雪庇?を踏み抜かないように注意。

※八幡滝-天狗の庭
5、6回の徒渉を繰り返します。今回、徒渉地点には全て頼りなさそうな橋が架かっていました。
橋は濡れているので滑ります。水かさが多いと水没するかもしれません。
落ち葉がたくさん引っかかっています。ストックでつんつんして、下が陸地であることを確認して足を置いた方がいいでしょう。
膝下まで水没したアホが約1名。
へつりやガケの登りがありますが、クサリやトラロープがあります。

※天狗の庭-くろがね小屋-安達太良山
危険箇所はありません。一般の登山道です。
乳首に登る箇所にはクサリがあります。

※安達太良山-鉄山-箕輪山
牛ノ背では強烈な風が吹いていました。
二本足では立っているのがやっとで、ストックを伸ばしました。
痩せ尾根がありますので注意が必要です。
馬ノ背でも強風の洗礼を受け、バランスを崩しそうになりました。尾根が痩せている箇所があるので注意が必要です。
強風に長時間晒されていると体温調節が肝要です。手袋をしていても風が当たる左手は麻痺してきました。
ガスが濃いときは、広い尾根ではマークを見落とさないように注意が必要です。
最初は派手なマークにチョット興ざめでしたが、こんな天候では助かります。
鉄山避難小屋はきれいで清潔な避難小屋です。
避難小屋から笹平分岐への下りは急坂です。滑りやすいのでストックがあった方が良いでしょう。
箕輪山への登り下りは雨ということもありよく滑ります。足元の注意だけでヘロヘロです。

※笹平分岐-僧悟台-下山口
指導標にあった注意書きとは異なり、最近笹刈りが行われたようです。最近というより、刈られた葉を見ると昨日当たり?
水たまりが多くあり、シャクナゲなどが登山道にはみ出していますが、コースは明瞭で、見晴台までは迷うような箇所はありません。
問題は見晴台の先から湯川に下るコース。
落ち葉がたくさん積もっているからでしょうか、登山道という感じではありません。
赤マークやときどき道標もあり、コースは間違っていなように思いますが、山の斜面を落ちていくような感じです。
それでも湯川の徒渉地点にはちゃんと着きます。
(しかし、歩いたコースは地図ブリで見ると登山道ではないようです)

※着替えは塩沢温泉湯川荘
入浴料700円、タオル200円
http://park10.wakwak.com/~yukawasou/


6時に出発予定でしたが、
東の空が染まり始めると
我慢できずに5時半出発。
6時に出発予定でしたが、
東の空が染まり始めると
我慢できずに5時半出発。
三階滝の分岐です。
ここから登山道を外れ
沢(湯川)に下ります。
三階滝の分岐です。
ここから登山道を外れ
沢(湯川)に下ります。
滑る急な斜面を下ります。
沢に下る途中から見た
三階滝。
滑る急な斜面を下ります。
沢に下る途中から見た
三階滝。
滝壺まで下りてきました。
下段(一階?)の滝と上に
二段(二階?)の滝が
見えています。
滝壺まで下りてきました。
下段(一階?)の滝と上に
二段(二階?)の滝が
見えています。
上段の滝に行くには
高巻きです。
ハシゴとクサリが
あります。
上段の滝に行くには
高巻きです。
ハシゴとクサリが
あります。
上段(三階?)の滝です。
ここから屏風岩へは
道とは思えない急斜面を
這い上がります。
上段(三階?)の滝です。
ここから屏風岩へは
道とは思えない急斜面を
這い上がります。
屏風岩は高度感があります。
逆スラブ状です。
滑るとヤバイです。
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屏風岩は高度感があります。
逆スラブ状です。
滑るとヤバイです。
こんな写真を撮っていると
危険です。
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こんな写真を撮っていると
危険です。
相恋ノ滝(ソウレンノタキ)
どこにも案内はありません
が、たぶんそうでしょう。
相恋ノ滝(ソウレンノタキ)
どこにも案内はありません
が、たぶんそうでしょう。
屏風岩から5、6分で八幡滝
に着きます。このコースは
落石要注意です。
屏風岩から5、6分で八幡滝
に着きます。このコースは
落石要注意です。
八幡滝。この滝は湯川本流
ではなく僧悟台から流れて
くる沢です。この上流に
霧降の滝があります。
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八幡滝。この滝は湯川本流
ではなく僧悟台から流れて
くる沢です。この上流に
霧降の滝があります。
滝の右手にクサリが見えて
いますが、廃道になった
ようです。機会があったら
わらじを履いて....

滝の右手にクサリが見えて
いますが、廃道になった
ようです。機会があったら
わらじを履いて....

くろがね小屋へ向かいます。
途中、このへつりは岩が
濡れているので滑ります。
1
くろがね小屋へ向かいます。
途中、このへつりは岩が
濡れているので滑ります。
上からトラロープやクサリが
垂れ下がっています。濡れて
いますが、あまり頼らず腕力
で這い上がります。
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上からトラロープやクサリが
垂れ下がっています。濡れて
いますが、あまり頼らず腕力
で這い上がります。
徒渉も5、6回。
水量は多くなさそうです。
徒渉も5、6回。
水量は多くなさそうです。
頼りなさそうな橋が
架かっています。
滑りますが何とか渡れます。
頼りなさそうな橋が
架かっています。
滑りますが何とか渡れます。
飛び越えた方が安全そうな
場所もあります。
飛び越えた方が安全そうな
場所もあります。
天狗岩は特定できました。
天狗岩は特定できました。
これが天狗岩でしょう。
これが天狗岩でしょう。
荒龍岩はキョロキョロ見回
したが、それとおぼしき岩は
見つかりませんでした。
荒龍岩はキョロキョロ見回
したが、それとおぼしき岩は
見つかりませんでした。
くろがね小屋が見えてきま
した。抜群のロケーションに
建っています。
くろがね小屋が見えてきま
した。抜群のロケーションに
建っています。
右手に見えるのは鉄山の
岸壁でしょうか。
ほとんど垂直ですネ。

右手に見えるのは鉄山の
岸壁でしょうか。
ほとんど垂直ですネ。

くろがね小屋には
たくさんの登山者が
宿泊しているようです。
くろがね小屋には
たくさんの登山者が
宿泊しているようです。
安達太良山に向かいます。
青空も見えますが、雲が
多くなってきました。
安達太良山に向かいます。
青空も見えますが、雲が
多くなってきました。
登山道の途中から
安達太良山方面。
乳首はまだ見えません。
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登山道の途中から
安達太良山方面。
乳首はまだ見えません。
霊山の方向だと思うの
ですが、山座は同定
できません。
霊山の方向だと思うの
ですが、山座は同定
できません。
峰の辻に上がって来ました。
ここで安達太良山の山頂が
見えました。
峰の辻に上がって来ました。
ここで安達太良山の山頂が
見えました。
乳首にガスが、、、一瞬
きれいに見えていたのに、
カメラを出すのを
もたつく間に、、、
乳首にガスが、、、一瞬
きれいに見えていたのに、
カメラを出すのを
もたつく間に、、、
安達太良山山頂標。
ガスが上がってくと同時に
風も吹き始めました。
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安達太良山山頂標。
ガスが上がってくと同時に
風も吹き始めました。
乳首の先端です。
ガスで全く見えません。
風が次第に強くなります。
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乳首の先端です。
ガスで全く見えません。
風が次第に強くなります。
引き返そうか迷いました
が、取り敢えず鉄山に
向かいます。
引き返そうか迷いました
が、取り敢えず鉄山に
向かいます。
鉄山は落石のためか左手を
捲いていきます。山頂へ
は稜線を少し戻ります。

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鉄山は落石のためか左手を
捲いていきます。山頂へ
は稜線を少し戻ります。

山頂標は見あたりません。
ケルンの上に安達太良
神社と刻まれています。
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山頂標は見あたりません。
ケルンの上に安達太良
神社と刻まれています。
ガスの中から突然
鉄山避難小屋が現れます。
二名の先客がいました。
ガスの中から突然
鉄山避難小屋が現れます。
二名の先客がいました。
地元の登山者二名は沼尻
からのピストンでした。
軽い昼食後外に出ると
台風のような雨・風です。
地元の登山者二名は沼尻
からのピストンでした。
軽い昼食後外に出ると
台風のような雨・風です。
雨・風は収まる気配が
ありません。笹原分岐、
箕輪山へ登るか、このまま
塩沢へ下るか悩みます。
雨・風は収まる気配が
ありません。笹原分岐、
箕輪山へ登るか、このまま
塩沢へ下るか悩みます。
時間的に余裕があるので
風でふらふら、登山道は
つるつる、なんとか山頂
まで登ってきました。
時間的に余裕があるので
風でふらふら、登山道は
つるつる、なんとか山頂
まで登ってきました。
ここにも山頂標は見あたり
ませんが、指導標の基部に
箕輪山と書かれていました。
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ここにも山頂標は見あたり
ませんが、指導標の基部に
箕輪山と書かれていました。
山頂に長居は無用で、
笹原分岐、塩沢登山口の
分岐まで戻ってきました。
山頂に長居は無用で、
笹原分岐、塩沢登山口の
分岐まで戻ってきました。
よく読むと大変なことが
書いてあります。
十二年というのは平成だと
すると10年以上手入れ無し。
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よく読むと大変なことが
書いてあります。
十二年というのは平成だと
すると10年以上手入れ無し。
他に下山道はないので、
覚悟を決めて下ります。
水たまりは随所にありますが
登山道は明確です。

他に下山道はないので、
覚悟を決めて下ります。
水たまりは随所にありますが
登山道は明確です。

このような古い道標は
あちこちにあります。
僧悟台というのはこの辺
一帯を言うようです。
このような古い道標は
あちこちにあります。
僧悟台というのはこの辺
一帯を言うようです。
シャクナゲは一切枝切りが
されておらず、通りにくい
場所もあります。
シャクナゲは一切枝切りが
されておらず、通りにくい
場所もあります。
僧悟台の霧降滝分岐です。
トラロープが張られ、霧降
滝コースは廃道の警告が
あります。
僧悟台の霧降滝分岐です。
トラロープが張られ、霧降
滝コースは廃道の警告が
あります。
シャクナゲが登山道まで
伸びている箇所もあれば、
シャクナゲが登山道まで
伸びている箇所もあれば、
下草が刈られ、歩きやすい
箇所もあります。
下草が刈られ、歩きやすい
箇所もあります。
見晴台と書かれた場所に
来ました。
足元に「見晴し岩」と
いう岩があります。
見晴台と書かれた場所に
来ました。
足元に「見晴し岩」と
いう岩があります。
視界が開けています。
霞んでいますが、吾妻や
蔵王の方角でしょうか。
視界が開けています。
霞んでいますが、吾妻や
蔵王の方角でしょうか。
見晴台の先、湯川へ下りる
道は落ち葉のせいでしょうか、
道は不鮮明で、斜面を滑り
降りるようです。
見晴台の先、湯川へ下りる
道は落ち葉のせいでしょうか、
道は不鮮明で、斜面を滑り
降りるようです。
この急斜面には赤や黄色の
紅葉が残っています。
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この急斜面には赤や黄色の
紅葉が残っています。
湯川に下りてきました。
ここにも頼りなさそうな
橋があります。濡れている
ので、つるつるです。
湯川に下りてきました。
ここにも頼りなさそうな
橋があります。濡れている
ので、つるつるです。
馬返しに戻ってきました。
朝は暗い中、左手を登って
行きました。
馬返しに戻ってきました。
朝は暗い中、左手を登って
行きました。
スキー場の上部、登山道の
入口です。
(朝暗かったので)
スキー場の上部、登山道の
入口です。
(朝暗かったので)
駐車場に戻ってきました。
車が2台増えています。
雨は小降りになりました。
駐車場に戻ってきました。
車が2台増えています。
雨は小降りになりました。
駐車場の入口付近に
登山ポストがあります。
(朝暗かったので)
駐車場の入口付近に
登山ポストがあります。
(朝暗かったので)
駐車場入口付近から、
広い駐車場に3台のみ。
奥の山々はガスっています。
駐車場入口付近から、
広い駐車場に3台のみ。
奥の山々はガスっています。
安達太良山塩沢登山口
駐車場の入口です。
(朝暗かったので)
安達太良山塩沢登山口
駐車場の入口です。
(朝暗かったので)

感想

当初、安達太良山へは12日の土曜日を予定していた。
前日の金曜日、天気図を眺めながら迷っていたが、土曜日の午後に予定が入ったので、安達太良山は13日の日曜日に変更した。

土曜日の午前中は予定がなかったので、早起きして荒川の河川敷を15kmほど走った。
6時頃から走り始め、7時を過ぎた頃から青空が広がってきた。イイ天気になりそうだ。日曜日に変更したことをチョット後悔した。

都内から塩沢登山口までは普通に走って3時間半。
日が変わった1時に都内を出た。
東北道は順調、二本松ICから塩沢スキー場の駐車場に着いたのは4時半、ほぼ予定通り。
天気も良さそうだから、車も多いだろうと思って入った駐車場。「なんだこりゃ」だだっ広い駐車場には1台の車もない。どこに停めたらいいか悩むほど。
最初は駐車場を間違えたかと思った。

車から降りてみると、確かに塩沢登山口と書いてある。
登山ポストもあり、安達太良山への指導標もある。
上空を見上げると月が煌々と照らしている。多少雲もあるが星もきれいに見えている。

仮眠をしようと思ったが、眠れそうにないので準備を始める。
誰もいないので、外に出て着替えたが、Tシャツ一枚でも寒くない。
今回、念のために冬装備にヘルメット、アイゼン、ピッケルや冬靴まで積んできた。
この時点で、アウターのシェルやゴーグル、ミトンなどの冬装備置は置いて行くことにした。もちろんヘルメットやアイゼン、ピッケルも置いていく。

5時半、東の空が少し赤くなってきた。
まだ真っ暗ではあるが、ヘッデン無しで月明かりだけで歩けそう。
さすがに怖いので、熊鈴を鳴らしながら駐車場を出発した。

馬返しを過ぎると、粘土質の登山道は濡れているせいかよく滑る。
落ち葉が積もっているが、落ち葉ごと滑る。二度ほど強制ストレッチ。

三階滝の分岐に来た。
沢への道は地図に載っていないが、明瞭な踏み跡が見えるので、沢に下りることにした。
下り始めると結構な急坂。
やはり落ち葉が積もっていて濡れているので滑る。
水量にもよるだろうが、それほど大きな滝の印象はなかった。
二階から三階へは高巻き。
ここで本日初めてのハシゴとクサリが出てきた。

三階滝の上部から、赤マークは沢ではなく上に向かっている。
しかし道らしきものは見えない。
落ち葉が積もっているからかも知れないが、斜面の木に赤マークを点々と付けたという感じ。
笹や小枝に掴まりながら体を引き上げて登る。
屏風岩の頭に出た。高度感がある。新緑や紅葉はきれいだと思う。

八幡滝から先は、徒渉を繰り返し、へつりやガケ登りもある。
要所にトラロープやクサリがある。

天狗岩や荒龍岩、天狗の庭などの名所を越え、沢から離れて登って行くとくろがね小屋が見えてくる。鉄山の岩壁もすばらしい。
ほどなく林道のような広い登山道に飛び出した。
くろがね小屋は結構大きな山荘だ。通年営業しているようだが、車(Jimny)があったのには驚いた。

ここで本日初めての小休止と軽い朝食。
気温が下がってきたので、シェルの代わりにレインウエアの上着を着た。
この時点では山頂はガスっていなかった。

安達太良山に登り始めると、太陽が顔を出した。
暑いくらいだが、雲に隠れると気温が下がりガスが上がって来た。
きれいに見えていた薬師岳があっという間にガスで見えなくなった。
鉄山の山頂もガスに隠れた。

峰の辻では、安達太良山は何とか見えていた。
一瞬、山頂のガスが取れて乳首がきれいに見えた。
慌ててカメラを出したが、間に合わなかった。

ここからは全てガスの中。
せっかく来たのだから、安達太良山の山頂に登る。
視界ゼロ。もちろん登山者はいない。
クサリはあるが容易に登れる。

風が強くなってきた。
風はガスと共に沼ノ平から吹き上げてくる。
戻ろうかとも思ったが、今回の一番の目的「なんだこりゃ」の沼ノ平が少しでも見えないかと、鉄山まで行くことにした。
牛ノ背に出ると更に風が強くなり、二本足で立っていることが不安になってきた。
稜線なので掴まるものがない。
霧と風が吹き付ける左の耳と手袋をしている左手が痺れてきた。

立っているのもままならない強風が吹く。
岩陰に入り風を避け、ストックを1本伸ばす。
念のために持ってきたバラクラバとニット帽、厚手の手袋を取り出す。
車に置いてこなくてよかった。

何とか保温は確保した。
霧と強風でレインウエアはずぶ濡れだが、このGTX性能は良さそうで内部は快適。
後悔はゴーグルを車に置いてきたこと。サングラスでは濡れるは曇るはで用は足さない。目が開けていられないほど強い風が吹く。

鉄山へ向かう。
ストックが1本あるだけでだいぶ違う。安心感がある。
牛ノ背を通過して、船明神山の分岐に来た。
天気が良かったら、ここから船明神山のピストンを予定していた。
今はそんな余裕は全くない。

馬ノ背では強風で一瞬バランスを崩しそうになったが、何とか鉄山の山頂まで来た。
風は一向に収まる気配がない。沼ノ平方面は強風でガスが吹き上げてくるので何も見えない。
この風の中、馬ノ背・牛ノ背には戻る元気がないので、笹平を下ろうと先に進む。
っと。突然霧の中から鉄山避難小屋が現れた。
実は風で動揺していたのか、避難小屋があることを忘れていた。
ここで昼食にしようと戸を開けると、二名の先客がいた。

地元の登山者で、沼尻登山口から安達太良山のピストン、山頂からの帰りで、ここから沼尻に下るようだ。
温かいコーヒーと行動食で少し落ち着いた。
落ち着いてくるとガソリン(350cc)を忍ばせてきたことを思い出した。
これから先、飲む機会はなさそうなので、二人に失礼して燃料補給。

二人が沼尻に向かうの見送って出掛ける準備をした。
戸を開けた途端に二人が戻ってきた。
外は雨に変わっている。
西からの強烈な風と雨は台風の様相。最後に天気図を見たのは金曜日。こんなになるとは想像もしなかった。

避難小屋の先から笹平の分岐の下りも急坂。滑らないように足元に注意するだけで疲れる。
笹平の分岐では、時間に余裕があったので、展望の期待はないが箕輪山を往復することにした。(まるで修行)
箕輪山の登りでも強風の洗礼を受けた。足元はツルツルのグチャグチャ。
(ひさしぶりにいい修行になった)

ところが、これだけではすまなかった。
笹平へは風裏になるので強風は避けられる、楽ちんと思っていた。
しかし分岐の注意書きには、このコースは高山植物保護のため、10年以上整備をしていない。自然状態に戻っていると書いてある。
こんな注意書きは登山口に書いて欲しい。

ここを下る以外に選択肢はないので、GPSもあるし覚悟を決めて下山する。
途中、水たまりやシャクナゲなどが登山道にはみ出しているが、不明瞭な箇所は無く、見晴台までは問題なく来た。

問題は見晴台から先、この季節落ち葉がたくさん積もっていることが原因だと思うが、登山道がよく分からない。赤マークやときどき道標はあるが、単に山の斜面を下っている(落ちている)ような感じ。
別のルートがあるのかも知れない。

着ているものはベチャベチャ、グチャグチャ。
塩沢温泉湯川荘で汗を流して帰宅しました。

なんだこりゃ、のリベンジをする必要がある。
いい修行だった...







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コメント

安達太良で洗礼ですね。
おはようございます、hottenさん。

まずは安達太良お疲れ様でした。
”なんじゃこりゃ〜!”の沼ノ平火口はガスガスでしたか
残念ですね、月旅行?

でも悪条件ながら最高峰までしっかり行かれましたね
馬の背の強風が想像つきます。ガスられると恐いですね

避難小屋での状境が私の那須の時と似てますね。
ゴーグルは大袈裟な様でもあると重宝しますね
2011/11/15 8:12
こんにちは、kuniyanさん!
いや〜、参りました。いい修行でした。
朝方の空を見て、かなり期待したのですが、ダメでした。

牛ノ背や馬ノ背の稜線は、風を遮るものがないので、二本足でやっと立っている状態が何回もあり、何度も引き返そうと思いました。

沼ノ平火口からガスと強風が吹き上げてくる状態でしたので、多少硫黄の臭いは感じられましたが、全く見えませんでした。

今度は沼尻側からリベンジしたいと思っています。
2011/11/15 9:32
ゲスト
こんばんは、hottenさん!
安達太良山、お疲れ様でした。
同じ頃、場所は違いますが月明かりを感じつつ登山道を歩いていらしたのですね
郡山や猪苗代湖には何度か行き紅葉の山を眺めたことがあります。山の形や大きさに圧倒されたことが思い出されます。
山のお天気は本当にわからないですよね。寒気もおりてきていたようなので特に不安定になっていたのでしょうか?私も山頂が真っ白でした。
hottenさんは前日、15kmも走られて翌日安達太良山へ、凄いです!
次にリベンジされるときは晴れますように(^-^)/
2011/11/16 22:03
おはようございます、mipomipoさん!
月明かりとはいえ、よく暗い中をお一人で歩かれますネ。
私は、熊鈴を手に持って、振りながら歩いていました。
ときどき後を振り返りながら、、、臆病なのかな。

今回の楽しみは”なんじゃこりゃ〜!”の沼ノ平火口だったので、何も見えずにガッカリでした。
是非リベンジしたいと思います。

仕事がデスクワークで運動不足になるので、山に行けない週末は日課のように荒川の河川敷を走っています。
土曜日に走って日曜日に山に行くパターンが多いので、前日に走っても翌日の山には影響ないですネ。
むしろ準備運動のようで調子が良いです。
2011/11/17 8:07
お互い残念な天気でしたね。
hottenさんのレコでは強風だったようですね。

私が山頂にいた頃、ガスはさらに濃かったようですが、風はほとんど感じませんでした。

もっとも、通ったコースが違いますが

沼ノ平、見たかったですね

雪がお好きなhottenさんなら、厳冬期でもリベンジできるのでは

でも、紅葉の時期もよさそうですね
2011/11/17 13:40
こんにちは、satoyamaさん!
山頂に着いた頃から風が吹き始めましたが、山頂では強風というほどではありませんでした。
牛ノ背に踏み出したあたりから一気に風が強くなりました。
雨に変わったのは避難小屋に入ってからですから10時半頃ですかネ。

沼ノ平火口が見たくて、船明神山のピストンも予定していましたが、とても行ける状態ではありませんでした。
カメラにPLを付けていったのに出番はなしでした。

雪が降ったらどうなんでしょうか?
月面がただの雪原になってしまいそうです。
今週末は天気が悪そうだし、雪の方が早そうですネ。
2011/11/17 17:30
以前から塩沢ルート気になっていました
hottenさん、こんばんは。

安達太良山はずいぶん前にスノーボードで行ったこたはありますが、まだ未踏の山です

”なんじゃこりゃ〜!”の沼ノ平残念でした
今週末の天気が悪そうなので、秋空の登山ももう少しで終わってしまいますねwobbly
2011/11/18 21:25
おはようございます、Maieさん!
塩沢ルートはガッツリ歩くにはいいルートです。
特に新緑と紅葉の時期はすばらしいでしょうネ。
歩く人が少ないのか、この時期の落ち葉はチョット厄介ですが、、、

今朝、東京は雨が降っています。
北の山は雪でしょうネ。
2011/11/19 7:39
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この記録に関連する登山ルート

ハイキング 磐梯・吾妻・安達太良 [日帰り]
安達太良山(塩沢口〜奥岳口)
利用交通機関: 車・バイク
技術レベル
2/5
体力レベル
3/5

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