黒部源流域周回(折立〜雲ノ平〜高天原〜鷲羽岳〜黒部五郎岳)

- GPS
- 83:49
- 距離
- 54.8km
- 登り
- 4,302m
- 下り
- 4,313m
コースタイム
- 山行
- 6:19
- 休憩
- 0:58
- 合計
- 7:17
- 山行
- 10:18
- 休憩
- 0:55
- 合計
- 11:13
- 山行
- 10:13
- 休憩
- 1:19
- 合計
- 11:32
- 山行
- 13:04
- 休憩
- 1:16
- 合計
- 14:20
| 天候 | 1日目曇り時々晴れ 2日目雨 3日目晴れのち雨 4日目晴れのち雨 |
|---|---|
| 過去天気図(気象庁) | 2018年08月の天気図 |
| アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
| コース状況/ 危険箇所等 |
特に危険はありませんが、雲ノ平周辺の木道は壊れているものも多く注意が必要。 |
| その他周辺情報 | 有峰林道ゲートのすぐ近くに亀谷(かめがい)温泉白樺ハイツ610円 |
写真
感想
黒部の山賊(伊藤正一著)を読んで以来憧れていた黒部源流域。
今回は初めて一人で運転して(これが一番大変)行ってみることにしました。
花巻の自宅を前日の16:50に出発。片道9時間600kmもの長距離運転は初めてでしたが、1時間〜2時間おきに休憩を取り、SAで3時間ほど仮眠もとって、無事4:30立山ICに到着。コンビニで朝食&行動食を買い込んで有峰林道のゲートに着いたのが5:20でした。ゲートが開くのは6:00でしたが、すでに長蛇の列。その後も続々後続車がやってきました。事前情報では遅く行くと奥の臨時駐車場になってしまうとのことでしたが、そんな生易しいものではなく、奥の駐車場でさえ満車になれば、自家用車の乗り入れが制限されるということでした。着いてみたら前日入山の車であふれており、奥の駐車場もかなり埋まっていました。駐車場から10分ほど歩いて折立登山口に着きました。
折立休憩所前のトイレに寄ってから出発。最初から急登ですが、ゆっくり登ったので特に寝不足の影響もなく快調に登ることができました。三角点ベンチの辺りからは樹林帯を抜け、景色や花を楽しみながら登ることができました。
太郎兵衛平から上はガスガスで展望なし。太郎小屋で登山届を出すと夕方天気が崩れる予報だから早く行った方が良いと言われました。休憩もそこそこに薬師沢小屋を目指して下ります。せっかく登ったのにかなり下らなければなりませんが、沢沿いの道は花が多くて、渡渉ポイントなど変化もあるのであまり飽きません。さらに途中で会った30歳くらいの若者も黒部の山賊のファンだということで、一緒にカベッケヶ原でのんびりカッパ待ちをしてみました。残念ながらカッパには会えませんでしたが、とてもいい雰囲気の場所でした。結局天気は崩れることはなく薬師沢小屋に到着。部屋は女性だけで、7人部屋に5人のみと割と空いていました。早速ビールを買い込んでテラスでくつろいでいると、途中で抜きつ抜かれつしたグループが明日は黒部川から赤木沢を遡行するとのこと、とてもきれいな沢なのでいつか私も行ってみたいと羨ましく思いました。
2日目は朝から雨でした。4:30出発予定でしたが、吊り橋が怖いので少し明るくなってから出発。雲ノ平まで急登が続きますが、あまりの暑さに合羽を脱いだところ、ほどなく雨もやみました。滑りやすい岩場が続くので、雲ノ平から降りてくる人たちは大変そうでした。ここもゆっくり登り予定通りの時間に雲ノ平に到着。再び雨が降ってきたのでまた合羽を着ます。この日は降ったりやんだりの今一つの天気で、雲ノ平周辺の景色を楽しむことができずに残念でした。花もほとんど終わっておりいつかまた来てのんびり過ごしたいと思いました。
雲ノ平から高天原に向かいましたが、どしゃ降りの上、悪路の急坂で思いの外時間がかかってしまいました。高天原山荘に16:00に着いたところ、もう部屋は埋まってしまったので、食堂に寝てもらうと言われてしまいました。予約していたのに、、、と不満を漏らしたら、後から従業員の子の部屋に一緒に泊めてもらうことになりました。雨はまだ降っていましたが、せっかく苦労してここまで来たので、カッパを着て温泉に向かいました。小屋から20分ほどかかりましたが、大変良いお湯が豊富に出ており最高でした。雨もあがり、最後は貸し切り状態の露天風呂を十分堪能しました。
3日目の朝は快晴、昨日まで見えなかった水晶岳や雲ノ平の景色を眺めながら気持ち良く登りましたが、渡渉点でルートミスをしてしまいました。ペンキマークに従って渡渉はしたものの、その先の道が良くわからずペンキも見当たらないので、地図を見ると沢に沿って登るようになっていたのでそのまま上を目指したところ、どうも登山道ではない感じに。GPSを確認したところ沢が何本か並行しており、もっと右側の沢沿いを登るのでした。戻って登山道に復帰しましたが、同じようにわかりにくい場所が何カ所かあり、どちらか迷って行ってみたら踏み跡が消えてしまい戻ることがもう1回ありました。上から来た場合はわかりやすい場所にペンキマークがあり、迷うことはないと思います。
そんなこともあり岩苔乗越に着いたのは予定より少し遅い時間で、疲れも出てきたので水晶岳はあきらめて鷲羽岳に登ることにしました(水晶に行く場合には鷲羽は時間的に無理なので源流コースを行く予定でした)。ところが、このあたりから登りの息が切れるようになり、思うように登れなくなってきました。鷲羽岳に着いた頃には周囲はすっかり雲が多くなってきて、三俣山荘少し手前で雨が降ってきました。三俣山荘の食堂では予定通りジビエ丼を食べて、トイレを借りてさあ出発というところで土砂降りになってしまいカッパを着て出発。しばらくすると再び晴れて暑くなってきたのでまた脱ぎます。息はますます切れるようになり普段の1.5〜2倍くらいの時間をかけないと登れなくなってきました。やっとの思いで三俣蓮華岳登頂、山頂からは今まで全く見えなかった槍ヶ岳が見えて感激しました。その後は急いで黒部五郎小舎を目指したものの、下りは良くても登り返しで時間を取られ、おまけに最後は再び雨に降られ結局小屋に着いたのは4時過ぎでした(うっかり水晶まで行っていたらとんでもないことになっていました)。翌日のことを考え、生ビールはがまんして20時前には就寝しました。
最終日4日目の朝も快晴でしたが、予報では確実に崩れることになっていたので山頂までは何とか天気が持ってほしいと祈りながら登ります。夜十分休んだはずですが、登りで息が切れるのは前日と変わらず、ものすごいスローペースで次々と後続者に追い越されました。日の出時間より遅れること30分以上、何度も振り返りながらご来光を待ちましたが、ちょうど鷲羽岳山頂から陽が登りとても感動的でした。黒部五郎岳のカールコースはとてもいい雰囲気でしたが、やはり花はすでに終わっており残念でした(今年は暑くてどこも早く花が終わってしまいました)。やっとの思いで肩まで登り、ゆっくり休憩してから山頂へアタックしました。4日間で一番天気が良く山頂からは遠くの山々まですべて見ることができ、本当によかったです。やはり存在感があったのは、薬師岳、水晶岳、槍ヶ岳、穂高連峰、笠ヶ岳などの百名山。近いうちにぜひ登りたいと思いました。
黒部五郎岳から太郎平小屋までの稜線歩きでは、やはり下りは快調、登りはノロノロ。最後は太郎山のようなほとんど登りとは言えないようなところでさえつらかったです。土砂降りの中疲労困憊で太郎平小屋に到着、休憩していると急に痰を伴った激しい咳に襲われました。痰を吐ききってその時はようやく収まりましたが、どうやら私のヤワな呼吸器が4日間の酷使に耐えられずに悲鳴を上げたようです。その後下山の間、5分おきくらいに激しい咳に襲われては立ち止まり、痰を数回吐いて発作が収まるのを待つということを30回以上繰り返しました。もともと咳は出やすい体質でしたがこの4日間は一度も出なかったのが、なぜ急にこのような症状が出たのか、原因はよくわかりません。
そんなこともあり下山はかなり遅くなってしまい、18:20頃何とか暗くなる前に無事降りることができよかったです。この咳は下山後もしばらく続き、運転中仮眠をとろうとしてもなかなか寝られない原因になりましたが、朝方になってやっと収まり安心しました。往路よりもさらに時間をかけて自宅に着いたのは翌日の午後でした。
今回の遠征は天気にはあまり恵まれず、最後は体調不良にもなりましたが、それ以上にいい思いもたくさんでき、とても充実した楽しい4日間でした。

















3泊4日と長距離運転。お疲れさまでした。
咳と痰の件をちょっと調べました。高山病かもね。
http://www.spnp.gov.tw/old/v2/print.aspx?a=E1dIgwUP1vg%3D&lang=2
ジュニア登山の時にR平と会長と会話しましたが、1500メートル以上なら予防訓練になるそうです。
次回は一週間前に岩手山に登りましょう。
R平は富士登山マラソン前に岩手山のお鉢グルグルやって成果がでているそうですよ。
肺水腫ほどの重篤な症状ではありませんでしたが、高所の影響はあるかもしれませんね。
1500mくらいでも高所トレーニングになるのですね。今回は直前の日曜日に雨でどこにも登れなかったですが、次回の遠征前は岩手山でトレーニングしたいです。
予定通り遠征行ってきたんですね! 天気悪かったしアップされないので中止にしたかと思ってました。我々とは逆コースだったんですね。薬師沢から雲ノ平に登る区間は登りにして正解だったと思います。えらく滑るんですよね、あそこ。
いろいろ思い出しながら読んでました。お疲れ様でした。
行ってきました!私でも運転できました!ちゃってぃさんの5年前の記事を読み返してみましたが、晴れた雲の平はあんなに素敵だったのね〜。いつかリベンジしたいです。
今回私が一番大変に感じたコースは 雲の平から高天原への下りです。雨で滑る急坂は登りより下りが大変ですね〜。
お引越しの準備でとうとう8月は何処へも行けずしまいでした。
周囲の山々は何度かの遠征で歩いたのですが
太郎平〜雲の平〜高天ヶ原温泉はまだ未踏のコース
いつか行って見たいと思って居ます。
やはりイチタローさんの言う高山病の所為かな?
今回はコースタイムをみて、かなりの疲労感が伝わって来ました。
まだ高山病の経験は無いのですが
そろそろ年齢的にも無理が来るかも(笑)
折立からの最終バスが3時半
それに間に合わないとタクシーも呼べないし携帯も通じないんだとかで、黒部五郎岳からの下山時に走って下った事を思い出しました(笑)
2度目は立山からの縦走でスゴ乗越からは早めに出てどうにか太郎平に12時前に着けたので、ある程度の余裕が有りました。最終バスが早く出るの、何処かの小屋に泊まらせようとする陰謀じゃねえかと思った(笑)
本当にお疲れ様でした_(._.)_
今回は初めての3泊で、1日の行程も長かったので、疲れが出たのだと思います。これが自分の体力の限界かなぁと感じます。
高天原はどこから行くのも遠いですが、とても良かったです。苦労して雨の中行った甲斐がありました。
折立はバスだとヒヤヒヤですね。黒部小屋の同宿者で太郎小屋でもう1泊した人も多いようでした。
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