岩木山ピークハント
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- GPS
- 08:40
- 距離
- 9.4km
- 登り
- 1,190m
- 下り
- 1,190m
コースタイム
天候 | 曇のち雪 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2012年01月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
この時期(積雪が十分でない場合)のリフト終点以降は、夏道を熟知していないとカンボク帯に入り込み苦労します。また、目印の送り棒は必須です。 |
写真
感想
2012年1月2日 岩木山ピークハント 嶽コースより
972m地点、ブナ帯を抜けたあたりで0度
鳳鳴小屋付近マイナス4度
行き、帰り1000m以下は微風、御坂から上は猛烈な風雪
3時半に起きて、窓から外の様子をうかがう。雪は降っておらず道路も凍っていない。穏やかそうな様子だ。5時過ぎにラジオで天気予報が入った。前線が日本を抜けている途中で、今は穏やかだが、昼過ぎから日本海側は風が強まり大雪になるだろうとアナウンサーが告げている。車で嶽に向かいながら、改めて今日の日程を頭でなぞる。昼頃には鳥の海から先は視界がとれなくなるかもしれない。予定を早めなければ。
嶽の駐車場に車を頭から突っ込み、慌ただしく支度をし、神社の鳥居の横を通り過ぎたのがちょうど6時だった。予定よりも30分早くスタートできた。まだあたりは暗いが風はない。雪も落ちてこない。上はフリース、下はパンツ。急ぎの山行ではヤッケは暑すぎる。ヘッドランプがスキーの先端を照らす。周りが見えないので、ひたすら灯りを追って前に進む。いつもは羽黒温泉からの合流地点や、湯の沢への分岐点で小休止しながら、呼吸を整え、体調はまあまあだななどと独りごちしてのんびり歩くのだが、今日はそうしてはいられない。前日スキー客を乗せたスノーモービルの跡がついて雪は固く締まっている。歩きやすさにまかせてスキーの歩幅を伸ばす。さすがに汗ばみ、心臓も鳴っている。どれどれ。つけてきた心拍計を見ると142ほど。まだ大丈夫だ。150くらい迄は有酸素運動領域だからな。
7時に岩木山春スキー嶽A、Bコースの分岐点で一休み。ブナ帯を抜けて「ゲレンデ」に出た。標高970mの地点だ。ここは夏はチシマザサが一面覆っており、その中を縫うように登山道が走っている。周りには幾分細くなったブナが樹氷をまとって輝いている。「ゲレンデ」の一番手前真ん中にどっかと立っている巨木ぶなの前で休憩、7時30分。気温0度。天気は相変わらず曇で雪はまだ落ちてこない。微風だ。これから風の吹き返しがある。急がなければ。
「ゲレンデ」から上は、スノーモービルも上れない急坂だ。深い雪に足を取られながら、ジグザグにまっすぐターミナルをめざす。8時23分ターミナル到着。よろしい。予定よりも1時間半稼いだ、と、うれしがっている間もなく、吹き返しとともに雪が降ってきた。とてつもなく冷たい風だ。ザックにたちまち白い小さな針がつもっていく。こんな雪の結晶もあるのか。急いで、フリースをオーバーヤッケと交換する。脚は・・・いけるところまでスキーで行こう。そこからワカンだ。
ターミナルからリフト終点まで索道の下を直登する。さすがに歩いた足跡は確認できない。雪も乾き気味になり、シールが効かない。この程度の坂だったら大丈夫なはずなんだがずいぶん滑るな、とここに来るたびに思う。雪面にスキーの板をたたきつけながら8番目のリフト支柱まで来た。雪も深くないし、これだったらワカンの方がいいだろう。スキーとストックをデポし、ワカンピッケルで進む。まもなくリフト終点についた。まるでウニの殻のように雪でびっしりと覆われたターミナルが目の前に現れた。この陰が休憩場所だ。9時33分。風はまだそれほど強くはない。
おお、鳥の海が見えるじゃないか。視界はまだ良好。これはラッキー。しかしここからは目印がないと帰ってこれないかもしれない。幅5ミリ長さ80センチの竹ヒゴに赤布をつけた送り棒を40本持ってきた。右手にピッケル、左手に送り棒を握り歩き出す。視界が悪くなっても分かる程度の間隔で残していくのだ。積雪があるとは言え、まだ1月はじめだ。夏道を外したとたん、ブッシュの落とし穴に脚を取られる。反省点:夏道は完璧に頭の中に入れないとダメだ。故三浦章男さんとご一緒して登頂した折には、ほぼ正確に夏道を歩いていた。私もその後をついて歩いたので、ブッシュに脚を落とすことはほとんどなかったのだ。こんなことが経験の違いとなって表れる。去年私が登頂した時期は2月中旬だったので今日のような目には遭わなかった。こうなったら、磁石の示す方向を頼りに直進あるのみ。へとへとになりながら後を振り向くと、ぼこぼこと大穴を残しながら御倉石を回り込む。そこに鳳鳴小屋が見えた。
やった。もう着いたも同然!しかも時間は10時13分。この調子だと昼前にリフト終点に戻れるかも、などと考え、一休みしただけで登りはじめたのが甘かった。脚はワカンのまま。雪に隠れている石が凍り付きワカンを受け付けない。足場を確保しながらアイゼンに換える。しかし送り棒を立てるのは忘れない。第二御坂を登り切り第一御坂に登るはずが、なにか景色が違う。しらぬまに東側に寄りすぎていたのだ。仕方ないので、そのまま送り棒を立てながら第一御坂の麓まで移動する。途中あまりの強風に、ザックからゴーグルを取り出し視界を確保する。今回の成功の一つはメガネをやめコンタクトレンズにしたことだ。視界の確保は条件が厳しくなればなるほど大きなアドバンテージとなる。しかし、ここから夏道をたどるのはやはり難しかった。頂上の手前100mほどで道を失い、その後はまたぼこぼこと大穴に落ちながら、頂上に着いたのは11時40分だった。鳳鳴小屋から1時間半もかかったことになる。残った送り棒は5本だった。ザックとピッケルを神社奥宮の凍り付いた屋根のそばに立てかけ写真を撮る。さあ長居は無用、下山だ。
頂上から少し下った頃、単独で登ってきた方と出会った。弘大山岳部OBだという。百沢から登ってきました。あの目印がなかったらここまでこれませんでした、この目印回収してしまうんですか?と聞く。そりゃそうだ。が、そうも言っていられない。じゃあ、残していきましょうか。と言い残して下りていくと、後から棒を回収しながら追いついてきた。どちらへ?大沢は気をつけてくださいよ、私はリフトの方です。名前を交換し鳳鳴小屋前で別れた。
リフト終点にたどり着いたのは12時50分。空腹をここでまぎらし、アイゼンをワカンに換え、途中でデポしたスキーを回収し、900mほどまで下ったところからはスキーに乗って、無事嶽温泉に着いたのは予定を1時間20分あまして14時40分だった。着いたとたんに、猛烈に雪が降ってきた。ああ、ようやく今年の1年が始まった。
昨日は、フラッグ、助かりました。ありがとうございました。
今後もどこかでお会いすることもあるでしょう。よろしくお願いします
j-takenamiさん、
仕事で青森に行くことが度々あるので、いつか冬の岩木山や八甲田山に登りたいと思っています。
でも素人が足を踏み入れるべきような世界ではないのでしょうね。
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