谷川連峰 東黒沢 白毛門沢 1級上
- GPS
- --:--
- 距離
- 6.4km
- 登り
- 1,034m
- 下り
- 1,020m
コースタイム
天候 | 曇りのち晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2018年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
その他周辺情報 | 湯テルメ谷川を利用しましたが、露天風呂を修理中のため使用できず。100円引き料金でした。(470円) |
写真
感想
去年だったか、西ゼンを遡行しようと入渓口まで行ったものの、水量の多さと沢の規模の大きいのに圧倒されスゴスゴ引き返してきた覚えがある。いつかは西ゼンをやりたいので、まずは手始めに谷川連峰の初級者コースから登ってみようと白毛門沢をえらんだ。
初級者コースと言ってもひと登り5〜6時間はかかるコースである。入渓が早く、最後の藪漕ぎもなく、登り詰めると白毛門に飛び出すのが魅力的だ。時間がかかっても白毛門まで登り詰めれば登山道を2時間ほど下れば車に戻れるので、万が一登頂が遅くなっても安心だ。日没が早い今日この頃なので念のため、ザックにヘッドランプを入れておくことにした。
午前6時前に土合橋の駐車場に着いたが、みんなどこを登っているのか、すでに10台ほどの車がとまっていた。先日の本間沢では、準備運動不足のためか帰宅後筋肉痛が出たので今回はしっかり準備運動をしてから出発した。東黒沢には立派な登山道が左岸についているのでしばらくはこれを辿った。
登山道が沢に下りて終わったところが入渓口だが、堰堤の先にあるナメは省略されてしまった。先は長いので「まあ、いいか」という感じで沢床を歩き始める。
すぐに大きなナメ滝「ハナゲノ滝」が出てきた。ネットで8月に遡行した人の写真を見たが、この時の流れはけっこう細かったのに、ここ2,3日降り続いた雨のお陰で水量はかなり多い。ナメ全体を真っ白な泡を立てながら流れ落ちていた。流れの中なんぞとても歩けたものではない。
右岸の岩の上を登っていくと、フェルト底の沢靴の足跡があった。先行者がいるようだが、私の足では追いつくことはないだろう。マイペースで行くことにした。
右岸の大岩の下をくぐるとその先で流れが大きく二俣になっていた。右が東黒沢で左が白毛門沢である。ここは左へ行く。
10mのナメを越え、快適に歩いて行くと小さなトイ状の小滝があった。小さいけれど登り口が見つからない。手前左に涸れ沢があり踏み跡もあるので巻き道だと思ってちょっと登っこの滝は、釜は小さいけど入れば腰まで浸かりそうだ。思案のあげく右壁が登れそうなので取り付いたら案外楽に登れた。つまらないところで時間を食ってしまった。
沢登りの際は遡行図というのを持って行くが、実際入渓してみると、地図に記載されている滝と現地の滝とがなかなか一致しない。登って行くに従ってどこがどうだかわからなくなってしまうことがある。特に滝の多い沢はそうなりがちだ。丹沢以外の沢では、滝に名前が表示されていることは希である。特徴のある滝や大岩などが出てくるとやっと現在地が判明することもしばしばである。
白毛門沢の滝はナメ滝が多いので、その多くは流れの横を登ったり、小さく巻く程度で越えられるが、白毛門沢で一番大きなタラタラノセン15メートルはとても登れるものではない。手前の5メートルも小さいながらも登れそうもないので、その上の7メートルの滝と一緒に左から巻くことにした。この巻き道もわずかな踏み跡をたどって急斜面を登らされ結構きつかった。遡行図では三つまとめて巻くように書いてあったが、どうやら中段の7メートルの手前から巻いた方がよかったみたいだった。
タラタラノセンは、巻いているときに木立の間がチラッと見えた程度で遡行中はその全貌は拝めなかったが、白毛門尾根を下っているとき、遙か下の谷間で、ゴウゴウと音を立てながら真っ白な一条をおとすタラタラノセンを見ることが出来た。過去にこの尾根を登ったときにも見えていたはずなのに全く記憶に残っていなかった。もう、見逃すことはないだろう。
タラタラノセンを巻いて本流に戻るとその上に、幅20メートル、高さ70メートルの大ナメ滝があった。ハナゲノ滝と並んで白毛門沢の見所だろう。大ナメ滝を越えれば白毛門沢の主な滝場は終了である。朝のうちはしっかり曇っていた空には青空が出てきたし暖かい日差しも指してきた。絶景を見ながらちょっと休ん行くことにした。
主な滝場は終わったといってもこの辺りの標高はまだ1000メートルほどである。白毛門までまだ700メートルも登らなくてはならない。普通の登山道と違って同じペースで歩を運ぶことが出来ないので息が上がる。まして源頭部が近くなってくるに従って勾配がきつくなってくる。
5分歩いては休み、また5分休んでは立ち止まることが多くなった。時計を見ると12時近くなっているではないか。白毛門山頂でゆっくり休む予定だったが、この調子では登頂は1時すぎになってしまうだろう。
ふと振り向くと、今登ってきた沢が深く切れ落ち、朝通ってきた土合山の家の赤い屋根も見えた。目を上げれば、天神平スキー場の高倉山から榛名山、子持山、赤城山、武尊山までがズラリと見えているではないか。風もなく、期待していなかった天気も綺麗に晴れ上がり、気持ちの良いポカポカ陽気になってきたのでもう先を急がぬことにした。
眺めの良い乾いた岩の上に腰を下ろし、このほのぼのとした景色を眺めながら昼食にした。食事終わったら昼寝をしよう。服は汗と沢水で湿気っているが、乾いた岩の上に寝転ぶとポカポカして気持ちがいい。朝が早かったので目をつぶると眠くなる。
ちょっぴりウトウトしたのかも知れない。太陽に雲がかかって瞼が暗くなったので目が覚めた。山頂はあとわずかだ。頑張って登ろう。
ババ岩が低く見えるようになると水の流れも途絶え、背の低い笹藪が出てくる。その笹藪の中にしっかりとした踏み跡があり、その上には青空が広がっている。一気に笹の中の踏み跡を登りきると白毛門山頂の一角に飛び出した。
目の前に真っ黒な一の倉沢を抱えた谷川岳がどっかりと腰を据えている。目を右に移すと白毛門から続く尾根の先に笠ヶ岳と朝日岳が日差しを浴びて優しく並んでいる。稜線の木々はすでに紅葉が始まっている。谷川岳とあまりにも対照的な景色であった。
沢靴を登山靴に履き替えていたら70年配の男性が笠ヶ岳の方からやってきた。下からも清水峠まで行くという大きな荷物を背負った若者が登ってきた。白毛門から見える山々の話。若者がこれから行く清水峠避難小屋の話など、しばし山の話に花が咲いた楽しいひと時であった。
二度ほど登ったことのある白毛門尾根。さっきの若者は「白毛門を甘く見ていました。すっかりバテてしまいました」と言っていたが、私も過去二回ともバテバテになった想いがある。改めてこのきつい尾根を下ってみると、やっぱり登りたくないきつい尾根である。 駐車場には思ったより若干早く戻れた。麓の水上は関東有数の温泉地である。ゆっくり温泉にでも浸かってから帰ることにしよう。
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