竜爪山 〜年末富士見 竜の章〜 B57
- GPS
- 05:12
- 距離
- 11.8km
- 登り
- 1,121m
- 下り
- 1,294m
コースタイム
天候 | 快晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2018年12月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス タクシー
静岡駅前BS発7:25(しずてつジャストライン、420円)瀬名新田BS着7:58、発7:58(アサヒ交通タクシー、1960円)旧登山口手前着8:07 牛妻坂下BS発14:10(しずてつジャストライン、540円)静岡駅前BS着14:48、静岡駅発15:55(JR、580円)富士駅着16:26 アサヒ交通 054-262-1212 |
コース状況/ 危険箇所等 |
静岡市の方々に愛される山、ほとんどが東海自然歩道であるがゆえ、整備が行き届いています。牛妻へ下りる道の途中、間伐のため仮道通過区間があります。 |
その他周辺情報 | 静岡を訪れる度に立ち寄る「鐘庵」静岡駅前店 桜えびそば700円、静岡おでんは一串100円。 |
写真
感想
駅前の店で美味しい桜えびそばを食べているときに、この山行が2日で終わってしまうことなど思いもよらなかった。それは油断なのか、それとも世の中の常識が変わりつつあるのか、とにかく悲しい年末になってしまった。
例年どおり年末の3日間を、連続日帰り富士見登山とすべく、高速バスに乗車した。西高東低の気圧配置、風の強いことを除けば絶好の登山日和が約束されていた。順調に静岡入り、心地よいホテルに向かう。
翌朝、午前7時、バスの運行時間に合せた遅い出発だった。およそ40分、終点下車をいいことに、うたたねをしていた。瀬名新田のバスターミナルには8時少し前に到着、既に予約したタクシーは待っていた。「登山口だね」、すぐに発車した。
ところがまさかの道迷い、分岐で止まってしまった。メーターを見れば2000円弱、これを機に降車することにした。礼を言ってスマホを見れば、すでに旧登山口の近くまで来ている。当初の計画どおり瀬名新田から歩くことを思えば、はるかに時短、勢いよく車道を歩き始めた。途中、数か所あった駐車場所の自家用車数から、意外に登山者数の多いことを知る。
旧道とはいえ、穂積神社までは歩きやすく緩やかな道が続いていた。神社では正月前の清掃作業が真最中であり、落葉を燃す煙の中、安全を祈願して後にした。ほどなくして鉄製階段が始まる。
それは、1年の愚行を戒めるかのごとく、延々と続いていた。タクシーが300メートル付近まで運んでくれたお蔭で、残りの標高差は800メートルも無かったが、3日間はまだ始まったばかり、意識してゆっくりと上がった。ふと横を見ると、先輩方が悠々と巻道を進んでいる。どうやら勝手知ったる場所のようだ。
そうこうしているうちに、登山道は急坂へと続いて行く。さすがに手を使うことはなかったが、階段上りに喘いだ後だけに堪えた。やがて稜線、富士山に雲がかからないよう祈りながら、少しペースを上げた。
竜爪山は、薬師岳と文珠岳から成る双耳峰だ。雄大な眺望を供してくれる文珠岳と異なり、標高10メートルほど高い薬師岳は、鬱蒼とした樹木に囲まれている。山頂標識を確認して先を急ぐ。
久しぶりだった。先ずは正面の駿河湾を望み、そしてゆっくりと視線を左に向けた。大きな存在がそこにあった。やはりこの瞬間はかけがえない。しばらく見つめたのちに、その姿を何枚かに写したのちに、至福のときを過ごした。陽射しは柔らかく、コーヒーはこの上なく旨かった。
たっぷりと満喫したのち、安倍川方面へと下りる。往路を引き返さない喜びを噛みしめていた。途中、向かう牛妻口や則沢から登って来る方2名とすれ違ったほかは、独り静かな時間を過ごせた。東海自然歩道ゆえ、標識は多く、道はしっかりしている。少しの間、1年を振り返ることができた。
やがて鯨ヶ池道を分けると、若山に到達する。視界は開けず、牛妻をめざし、なおもペースを維持しながら歩を進める。途中、間伐作業のため、仮道を通過するが、矢印に沿って進めば迷いなく、茶畑の広がるのどかな景色に出会う。牛妻口にも登山ポストがあった。
林道を標識に従い下りて行けば、安倍街道を走る自動車の音が響き始める。安倍奥の往復に何度も通った道だ。急に安堵感が広がり、空腹を覚え始めた。年末の頼もしいバスが来るまでまだ時間がある。近づくと、穏やかな陽射しを受けて、安倍川の水面は優しく輝いていた。 (つづく)
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