【笈ヶ岳(石川・1841m)】残雪期限定憧れの山、ヒートテック着てオーバーヒート、脇の下に雪を詰めてクールダウン
- GPS
- --:--
- 距離
- 13.9km
- 登り
- 1,671m
- 下り
- 1,651m
コースタイム
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2012年04月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
白山スーパー林道料金所、中宮温泉より石川県側にある。 駐車台数は30台くらい、トイレ、自販機、水場あり。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
事前にいろんな方の山行日記を見て、 地図とにらめっこしながら画像やルートを一応目に焼き付けて、 イメージしていったことと、 赤テープや踏み跡が割としっかりとしていて、 珍しく迷うことはありませんでした。 分かりづらいところは、笈ヶ岳の稜線に出る直前の藪抜けのところですが、 予めおよその目星をつけておいて、 「ここだ!」と思ったところをあとは気合で抜ければ(笑) 危険箇所は、雪庇があるところくらい。 あとは、早いと思ったら一番遅くの出発でした。 出発はヘッデンくらいがちょうど良いのかもと思いました。 |
写真
感想
2012年4月29日(日)
笈ヶ岳へ行ってきました。
笈ヶ岳は、標高1841.4m。
石川・富山・岐阜の3県の県境にあり、
両白山地の最北部に位置しています。
日本百名山を著した深田久弥氏が
未登頂のために「遺憾にも割愛」したとされる山です。
いまだに、明確な登山道がなく、残雪期でしか登れない山です。
●早起きしたつもりが最後発でスタート
5時40分ごろ、中宮温泉の手前にある、
白山自然保護センターの駐車場に着くと、
既に20台以上のクルマが停まってました。
ちょっと肌寒く感じたので、
ベースインナーの上で、
吸汗速乾T、さらにヒートテックTを重ね着して、
頂上で寒かったと思って、上着などをザックに詰め込みました。
スノーシューとアイゼンも一緒です。
この後、暑くてバテバテになってしまい、ペースが大きく乱れる結果に・・・。
駐車場裏から蛇谷遊歩道があり、そこがスタート。
するといきなり妙な看板がありました。
「なんやこれ!? ↓」
って、こっちのセリフやし(笑)
↓ってなっていたので、目を下にやるともう一つ看板が。
「ニホンザルの骨です。どうしてこうなったのか考えてみよう」
すぐしたに、マルッと骨になったニホンザルの亡骸がありました。
木から落ちたのかな?
としか思い浮かばずにそのまま先へ進みます。
●ヒートテックでオーバーヒート
2本のトンネルと、渡渉ポイントを通過するといよいよ本格的な登り。
いきなり急登。
ただ、ロープもあって分からないことはないです。
しかし、それにしても暑い。
なかなかペースが安定しません。
少し登っては立ち止まり深呼吸、少し登っては立ち止まり深呼吸。
とにかく、登りきるまでものすごく長く感じました。
「ぬりかべ」のような大きな岩を通り過ぎると、
幾分傾斜も緩やかになってきます。
木の間から白山も見え隠れ。
辺りがガサガサとざわめいていると思ったら、
サル。
サル、サル、サル、サル。
去年、中宮道を行ったときもサルの群れに遭遇したっけ。
「中宮=サル」のイメージが定着してしまいそうだ。
そんなサルの森を過ぎると、地面に雪が。
尾根伝いに踏み跡があるようですが、
東側斜面をトラバースするように、
雪の踏み跡が続いています。
そこを伝っていくと、途中トレースが。
尻セードになってる(笑)
尻セードがルートだなんで、
なんてスゴイとこに来たんだろう。
「さすが笈ヶ岳」と妙に感心してしまいました。
その後は雪上のトラバースと、
尾根伝いの藪の中の踏み跡を行きます。
途中、何人かの登山者と行き会いましたが、
すでにバテバテ状態。
追いついては引き離され、次第に背中が遠くに・・・。
結局、最後尾を保ったまま進みます。
それでも、傾斜が緩やかになったおかげで、
足も少しずつではあるが動くようになってきた。
カモウリ山で、テント2張り発見。
息が上がってしんどいまま、
シリタカ山へ行きます。
谷を抜けるルートもあったんですが、
あまり人が行ってないのと、
登り返しが大変そうなので、
そのままシリタカ山へ。
●両脇に雪を詰めてクールダウン
シリタカ山の山頂は狭かったので、
ちょっと先へ行って下りたところに、
ほんの小さな平らな場所があったので、
そこで休憩。
オーバーヒートもいいところ。
そうだ、ヒートテック着てたんだった。
なんで気付かなかったんだー、アホかー。
自分のアホさ加減に辟易しながら、ヒートテックT脱いだら・・・
スーッとした(笑)
はー、なんだったんだ、今までは(泣)
既にペットボトルは3本目。
水分、体力の消耗がハンパない。
そのペットボトルの水も一気に半分くらい飲む。
頭から雪をかぶったり、
メガネ外して、顔からダイブしたりしてクールダウン。
しかし、融けた雪が日焼け止めとともに目に入ってい痛い。
てことで、しばらく歩きながら考えて結果。
雪を一掴みして、それを、脇にいれる。
おっ、これは♪
もう一掴みして、反対側の脇にいれる。
うほっ、いいかも、ナイスアイデアやん♪
頭痛も消えた。
以後、何回も何回も、脇に雪を入れながら行った。
吸汗速乾Tなので、ベタつきもなく快適、快適〜。
●藪の中を抜けて頂上へ
シリタカからは一旦下って、
カモウリ谷からの出合いのようなところを過ぎると、
笈ヶ岳の稜線に向けて登りとなる。
北側斜面をトラバースするように登っていき、
一気に稜線へ向けるように右に折れると、
斜度を上げて登っていくトレースがあり、それに沿ってあがっていく。
登り切る手前には、藪が広がっている。
どうやら、藪を抜けなければならないらしい。
トレースを見ると、皆さん思い思いに藪を抜けているみたい。
自分もここかなってところを入って、
藪の中をもがいていくと、登山客に行き会った。
上から下りてくるように出てきたので、
きっと下りに違いない、道を訊こうと思ったら、
「これから登るところ」。
あっ、迷ったんね(汗)
それでも、予め目星をつけておいた方向を見つけて
「ここだ!」と思ったところへ行くと、踏み跡らしきものを発見。
ここら辺りは、「一見お断り」のような、
京都北山の城丹国境尾根で勘が養われたようだ(笑)
何はともあれ、無事通過〜。
稜線からの展望は素晴らしかった。
人々を魅了するだけのことはあると思ったが、
目の前を見ると、笈ヶ岳の手前には、大きな白い壁が。
あとちょいの辛抱だ。
最後発で出たこともあって、
皆さんちょうど下山するタイミング。
ヒーヒー言いながら白い壁の斜面を登っているすれ違いざま、
みなさん尻セードして、キャッキャ言いながら下りていました。
よし、帰りは絶対尻セードだ。
と心に誓いながら、一歩一歩、かみ締めるように登っていきます。
●登頂
笈ヶ岳の山頂部分だけ、雪がすっかり融けていて島のようになってました。
そこをよじ登ると、狭い山頂。
標識には笈ヶ岳。
ついに登ってこれた。
憧れの山、いつか登ってみたいと思っていただけに、感激もひとしおです。
でも、6時間もかかってしまいましたが。
目の前に白山が大きく横たわります。
白山が、「今度はこっちに来い」言っている気がする(笑)
他の方の日記にあったように、
標識のそばには、煎餅の缶のようなものがあり、
名刺入れになっているよう。
自分の名刺も入れちゃいました(笑)
山頂は狭くてすぐ人でいっぱいになるし、
ゆっくりできそうもないので、
ちょっと下りて、
座っても視界をさえぎることのない、
藪が低そうなところを選んでそこで食事(苦笑)
コンビニで見つけて思わず買ってしまった、
KING カップヌードル
お湯を520ミリリットルも使うだけあって、
食べ応え十分でした。
●名残惜しみつつ下山開始
のんびりしていたいけど、
登りで6時間近くかかっているので、
そうは行きません。
さて、そんな時は、早速尻セード。
普通の綿のボトムなので濡れてしまってちょっと気持ち悪いけど、
尻セードの楽しさは、その数倍もある。
再び藪の地点。
来た道を見つけることができず。
目に焼き付けたつもりだったんだけど、どうやら違う気がした。
ちょうどそこで行き会った人は完全に迷っている様子。
そんな時、赤テープを見つけて、
「ここにテープありますよー」と声をかけながら
藪の中を泳いでいくと、北側斜面のトレースに繋がりました。
どうしよう、ここも尻セードしようかなと思ったが、
ブレーキが効かなかったら、一気に谷に行ってしまいそう。
そうなると、滑落になってしまう。
尻ではなく足で下りたけど、雪はすっかり緩んでいたので、
ザクザク自由自在に下りることができました。
登りの苦しさから開放されて、
景色を見ながら楽しい〜と思って夢中で下りてきたら、
いつの間にか、シリタカの登り返しのところまで来てしまった。
後ろを見ると、さっきの人が来ていないことに気づく。
他にも登山者がいたから大丈夫だろう、きっと。
ここからどうしようか、
行き会った人の中の一人は、カモウリ谷から行くとか言っていました。
「シリタカ山の登りはキツイから」とのことですが、
谷からの登り返しも一緒だし、
ここまで気温が高いと、地面がどうなっているか分からない。
来た道を戻ることに。
登り返しの前には、当然のごとく雪を脇に詰めて歩きます(笑)
効果絶大でした。
●渡渉点は水量が増加
カモウリから下は、雪道が滑りやすくなってました。
何回か、強制尻セードさせられました。
サルの森を抜けて、大きな岩を抜けると、
雪もすっかりなくなり、急傾斜の下りになります。
下りなので、暑くも寒くもなくちょうど良い。
このまま順当に行けばいいかなって思ってましたが、
団体さんの渋滞に捕まってしまい、
そのうち、団体さんのお一人が、
一度ならずも二度も滑落しそうになりました。
藪の枝に支えられて難を逃れましたましたが、
なかったら、大怪我は免れなかったことでしょう、
ハラハラドキドキさせられました。
本人は「大丈夫、大丈夫」って言ってましたけど、
かなり疲れていたんではないでしょうか。
ハラハラドキドキさせられている間に、
強制ペースダウンで、
自分の体が冷え切ってしまい、
手足が思うように動かず、
トラロープに頼りきりになってしまいました。
渡渉点では、増水した川を渡るのに何人かの方々が往生してました。
自分は、朝来たところを行こうとしたら、
岩のつかみどころがなくて、あえなくドボーン。
膝から下がずぶ濡れ。
もう、どうでもよくなりました(笑)
2回目の渡渉点でも、何人かの方々が往生していました。
皆さんがわたっているところから数メートルのところの対岸が、
砂利になっていて、
飛べば行けそうだったので、ポーンと飛びました。
すぐそばで大声をはりあげて
「ここをつかまってー」とか言って大騒ぎして渡っているそばで
ポーンとジャンプして渡ってしまったので、
「やるなあ」と言われました。
いやいや、もう濡れてしまったから、
怖いものはないだけですよー。
感心されるほどのものではありません(笑)
トンネルを抜けると、遊歩道。
「千と千尋の神隠し」に出てくるようなトンネル。
このトンネルを抜けると、人間の世界です。
千が千尋になる瞬間(笑)
16時05分、駐車場に着きました。
3時間35分かかりました。
クルマに積んだままになってた、ヒップソリを見つけ、
もっていけば良かったと後悔。
帰りは、中宮温泉へ。
白山市が運営する「くろゆり荘」
民間が運営する旅館「にしやま旅館」「木戸旅館」
の3館があるだけの温泉。
12〜4月は、アクセス道路の冬季閉鎖で営業も期間限定の温泉。・
「にしやま旅館」はこの時間は日帰り入浴は終了ということで、
木戸旅館にお邪魔しました。
ちなみに3館とも、500円。
小ぢんまりとした浴室には、九谷焼で描かれた白山とクロユリがある。
山間にある昭和の湯宿の雰囲気漂うところでした。
笈ヶ岳、なかなか手ごわいルートでしたが、本当に良い山でした。
GWの定番になりそうです。
今度は、シリタカ山の尾根ではなく、
ブナの巨木が生い茂るカモウリ谷を経由して行ってみたいし、
日帰りするにはもったいない山域だし、
いつかテント担げるようになったあかつきには、
ぜひここにテントを張ってみたいと思いました。
あと、これだけ間近に見た白山に登りたくなりました(笑)
コメント
この記録に関連する登山ルート
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shirayamaさん こんにちは
笈ヶ岳いいですね
残雪期だけしか登れないと聞いてますが、日帰りできましたか、さすが健脚
尻セードますます快調ですね
sakura0725さん、こんにちは。
日帰りできましたよっ
初めて登りましたが、いやっもう最高です
sakura0725さんなら、早月尾根のタイムからすると、登りで5時間位で行けるかもですよ。
いや、もっとかも。
でも、尻セードなら負けませーん (笑)
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