朝日岳、雪倉岳、白馬岳、清水岳(富山百山 93〜96座目)イブリ尾根↑清水尾根+百貫の大下り↓
- GPS
- 56:00
- 距離
- 35.3km
- 登り
- 3,682m
- 下り
- 3,785m
コースタイム
- 山行
- 6:14
- 休憩
- 0:20
- 合計
- 6:34
- 山行
- 9:02
- 休憩
- 0:28
- 合計
- 9:30
天候 | 1日目 晴れのち曇りのち濃霧+雨 2日目 濃霧と強風、時々小雨 3日目 濃霧と小雨、2000m以下曇り |
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過去天気図(気象庁) | 2019年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
タクシー 自家用車
北又林道は一般車両通行禁止なので 1 小川温泉から北又小屋まで歩く(CT3時間半ほど)か 2 タクシーを利用する(指定業者は下記2社) の2択かと思います。 入善タクシー http://nyuzentaxi.com/kitamata.html 黒東タクシー http://asahimachi.com/taxi/ryokin.php 自分は予定日に乗り合わせに応じてくださる方がいないかタクシー会社に打診したところ、タクシー会社が仲介の労をとっていただいたので乗り合わせになりました(但し、相手がキャンセルした場合は単独利用になるというリスクがあるという説明を受けました)。 この件についてはタクシー会社の本来業務ではない(あくまで好意ですね)ので同じようなことを考えておられる方におかれましては交渉において礼を失することのないようにお願いします。 ちなみに黒東タクシーを利用しました。対応はとても良かったです。 登山者が小川温泉に車を停める場合は朝日小川トンネルと短い橋通過直後に左にUターンするようなコースで車を進めその先の駐車スペースが割り当てられるようです。 早朝は小川温泉ホテルが開いていないので前日以前に電話等で問い合わせるのが良いと思います(自分はこの点で失敗しました。仕方ないので先ほどの事前情報に従って駐車しました)。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
それぞれ当日の状況です。 登山届は北又小屋に提出します。 1日目 登山道の標識に従い、階段を降り、少し舗装道路を歩き、また階段を降りたら吊橋があるので渡ります。そこから山道に入ります。 イブリ山までのイブリ尾根はそこそこの急登ですが登山道がよく整備されています。「一合目」などの道標がありますが十合目がイブリ山になっています。3〜4合目間が少しきつい感じがします。5合目に到達して水不足の場合は左の道を行けば水場があります(結構歩きます)。6合目以降は断続的にジメジメした道があります(登山道横に水芭蕉があったり)。 イブリ山からは少し下りた後、序盤よりは楽ですがそこそこの斜度がある道になります。現在、この一帯(朝日岳に至るまで)は木道・階段などの改修工事中で、撤去後の登山道を歩く局面が多くなっています。朝日小屋までは危険個所などはなく、快適に歩けます。 2日目 まずは朝日岳に登ります。木道と階段と登山道の繰り返しで快適に登れます。 朝日岳から雪倉岳をめざします。頂上直下に蓮華温泉・栂海新道方面への分岐があるので間違えないようにします。ここから水平道分岐までは道が荒れているように感じました。1か所、10m程度の雪上歩行ポイントがあって見た目、簡単なのですが自分は軽アイゼンを装着しました(今回の山旅で唯一の着脱でした)。 水平道分岐からは整備された登山道が続きます。小桜ヶ原では随時水が採れます。雪倉岳へ向かう場合は「あ、ここが小桜ヶ原の終端だな」という箇所がわかると思いますのでそこの沢で補給を推奨です(雪倉岳と赤男山の中間あたりにも水が採れるところがありますが雨天だったから流れていた可能性があります)。 燕岩を左に見ながら(当日は濃霧でうっすらとしか見えず)赤男山を巻き、県境尾根を横切る形で登山道が続いています。 すでに新聞報道されていますが、当日この近辺で道迷い事案(その時点で、自分は道迷い事案だとはわからない)が発生しています(詳細は感想欄で)。 県境尾根を横切ってから雪倉岳までのコースははっきり覚えていません。とにかく見えている登山道を歩くのみでした。 そして雪倉岳以降での特筆点は鉢ヶ岳のトラバースに5回の雪上歩行があり2回目がちょっと怖い、ぐらいです。 端折りまくりですが2日目の行程はこのくらいで。 3日目 当日は濃霧でした。 村営宿舎上の十字路を旭岳方向へ行きます。 雪田にぶち当たって横断するのですが、この時点ですでにリングワンデリングにはまっていた模様です(詳細は感想欄にて)。 なので旭岳トラバース路までの解説が不能です。 旭岳トラバース路から清水岳直下までは北アルプスらしい登山道が続きます。 清水岳直下から下は刈払い直後の登山道になります。不帰岳避難小屋までは特に問題ないと思います。避難小屋玄関前の沢を降りていくと水場があります。管から水が出ていて水量は豊富です。 避難小屋から百貫山直下までは結構アップダウンがあって体力の消耗注意です。 百貫の大下りは歩きにくい道です(雪渓横断などはありませんが)。所々に沢がありますので給水可能です。名剣沢はかなりの斜め横断です。ここを越せば林道に合流してあとは欅平駅まで歩くのみです(道中にある分岐などは各自で確認してください)。 |
その他周辺情報 | 下山後のトロッコ電車はR車を推奨します(今回は元々普通車が満杯ですぐに乗る場合はR車しかありませんでしたが)。9号車を割り当てられましたがガチの登山客はこの車両にひとまとめにされていました(自分とBさん、Cさん、阿曽原温泉帰りのPT)。割り増し料金は痛いのですが下山直後の登山者と観光客は一緒にいたくないですよね(お互いに)。今度利用するとしたら「登山者専用のR車をお願いします」と言って切符を買おうかな。 |
写真
装備
備考 | ・テント泊就寝時の防寒装備、1泊目は大丈夫でしたが2泊目はちょっと足りない感じでした。初めて雨具を着てシュラフに入るということをしましたがなんとかなるものですね。 ・最終日にアミノバイタル水を飲みましたが2日目から摂取を始めるべきだったかもです。でもあの味、苦手です。 ・軽アイゼンは1回だけ使用しました。今回、普通なら使用しないと思われる箇所で自分は使用の判断を下しているのでしばらくは持参推奨です。 ・今回は全行程でスパッツを使用しませんでした。1日目、2日目はそれでOKでしたが3日目に登山靴が浸水しました。清水岳上部で刈払い前の植物が左右から張り出した状態になっていたことが原因です。 自分の場合、スパッツを使用するとゴアテックス製でも靴内部が蒸れてしまうのですが3日目は使用しなければならなかった局面でした。 |
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感想
(長文注意)
今回の4座、コースとしては蓮華温泉起点周回で3泊4日(白馬で連泊して清水岳往復に1日を使う)を考えていました。
しかしながら清水岳が絡んでいるとどうしても今回の効率的なコースが目に留まってしまいます。
いろいろ悩んだのですが富山県人でもあることですし、富山県から入って富山県へ抜けるコースにしました。
次に悩むのはイブリ尾根のアクセスです。当初は北又林道を歩くつもりで予定を立てていました。しかし「夏の時期に3時間半も林道を歩いてからやっと山登りにかかるというのはしんどいなー。かといって一人でタクシー利用して1万近く出すのは癪だ。なんとかならないかなー」といろいろ情報を漁っていたところ、タクシー会社に乗り合わせを依頼するという裏技を使った人がいたことを発見し、ダメ元で自分もやってみることにしました。
先週火曜日に天気予報を確認したところ週末に晴れ予報が続く絶好のコンディションでしたので早速タクシー会社に連絡を取ったところ、ちょうど土曜日に予約しておられる方(2名なのであと一人追加可能)がいて連絡を取っていただけることになりました。
割とすぐに了承の返事がいただけたようですぐに折り返しの電話があり「よっしゃ、よっしゃ」と喜んでいました。その日までは・・・。
その後は皆さまご存じの通り、熱帯低気圧が台風になり日本直撃です。本来ならばキャンセルしたいのですが厚かましいお願いをしている以上それも憚られます。前日に乗り合わせ相手の方がキャンセルしていないことをタクシー会社に最終確認して「まあ、仕方ないから行くか」ということで今回の(結果的な)修行登山となりました。
それはともかくタクシー会社さん、乗り合わせに応じて下さった静岡のご夫婦には感謝です。
次に新聞報道もされた道迷い事案です。
「おーい」というコールは聞こえましたが濃霧と風で場所がわからない(体感的には後ろから聞こえました)のと、意図が不明確なため山行を続行しましたがそのうちに「おーい、誰か〜」にコールが変わりました。こちらも笛を鳴らしたり「聞こえていたら返事してください」と大声を出しましたが返事がありませんでした。
で、また風に乗って「おーい」のコールが聞こえるというなんとも味の悪い状況が続きました。
このコールは雪倉岳から朝日岳に向かう登山者にも聞こえていたようで、自分がコールを聞いてから最初に遭遇した逆方向登山者と言葉を交わして対応をお願いしました(その方はもともと朝日小屋へ通報するつもりだったようです)。自分が少し安心できたのは雪倉岳から降りる際、最初に出会った男性が遭対協の方だった時点です。「対応がなされている」ことがわかって気が楽になりました。
帰宅してから地元新聞の報道を見て現場が2330m付近で道迷い事案だったことを知りました(無事救助)。
あくまで推定なのですが朝日岳から雪倉岳へ向かっていて迷うしたら県境尾根を横切るところ(2120m付近)でそのまま県境尾根を登ってしまったのかと思います(県境尾根を横切る直前に登山道は明確に左に折れていて直進方向にも道があるように見えていたと思います。そこで別の登山者とルート確認したのでよく覚えています)。
雪倉岳から朝日岳へ向かっていて迷うとしたら2350m付近で県境尾根から右にそれるべきところを左の県境尾根に突っ込んだのかなと思います。
1 ガスで視界が悪い
2 強風で不安が掻き立てられ、精神的余裕がない。
3 雨具で横視界が限定される。
4 そういう状況なので足元ばかりに注意が行きコースを間違える。
道迷い発生原因としてはこのようなところでしょうか。
とにかく救助されて良かったと思います。
次にリングワンデリングの件です。
最終日、濃霧の中、旭岳方向の道を歩いていたところ雪田に入りました。いやな感じを受けつつも対岸に渡りましたが登山道を示すマーキングがありません。濃霧で全く視界がきかないのですがテン場を出発してそれほど経っていないこともあり地図を取り出し、次のように考えました。「清水尾根方面には白馬山荘からの道もある。それは自分の進行方向右にあって、そこに向かえば何とかなる」ということで雪田の端を右方向に移動したところ、鈴の音がきこえてきたので「すみません。そちらは登山道ですか?」と呼び掛けたところ返事があったので合流しました。歩いていたのは女性単独登山者(以後Aさん)でした。ところがお話しするうちに自分の方向感覚が完全に逆向きになっていたことが判明しました。そのタイミングで男女ペアの登山者(以後、Bさん、Cさん)も合流。BさんがGPSを見ながらコースを確認して登山道に復帰しました(GPSはAさんも所持していました)。
「狐につままれたよう」という表現がありますが、正にそれでした。リングワンデリングは知識としてはありましたがまさか自分が人気の夏山でやらかすとは思っていませんでした。濃霧と雪田(雪渓)の組み合わせは凶悪です。
Aさん、Bさん、Cさん、ありがとうございました。
まあ、いろいろありましたが経験値ボーナスが大盤振る舞いの山旅だったと思います。
コメント
この記録に関連する登山ルート
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B &C夫婦です、楽しくお話して清水尾根降りれました、ありがとうございました。まさかの三日間ガス山行となりましたが、今となっては、やっぱり山は良いな、と良い思い出です。とても几帳面で臨場感のあるレコでまた行きたいなーーと思いました!また北アルプスでお会いしましょう。
pirotaさん>
その節は本当にありがとうございました。GPS機器の威力を実感しました。お話をしながらの下山は一人黙々と下りるより気が紛れて疲れも少なかったと思います。富山県の山へまた是非おいでくださいませ。
かねてから歩きたいと考えている清水岳、興味深くレコ拝見しました。
祖母谷温泉までは一本道なので何の懸念も想定してませんでしたが、レコを拝見して、気を引き締めて歩く事にします。
ガスの中のリングワンデリング、北海道のニセコアンヌプリ、イワオヌプリで体験しました。簡単な散歩程度の山なのですがホワイトオウト状態で、同じ道を周回してしまい焦った体験があります。南アルプスでも山頂からの下山時にガスの中で真逆の方向へ歩いている事に2時間くらい経ってから気が付いた事もありました。以来、ヤマレコ地図をスマホにインストールする事にしました。GPS大事ですね。
正直な素晴らしいレコ、大変参考になりました。
ery100
ery100さん>
コメントありがとうございます。
自分の感覚(あるいは勘)が自分が思い込んでいるよりあてにならないことを痛感しました。
清水岳においでの際は好天であることをお祈り申し上げます。下山後に余裕があれば富山のお酒、お魚(お寿司とか)などをお楽しみください。
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