大品山(富山百山26座目、鍬崎山はヘタレで行かず)
- GPS
- 32:00
- 距離
- 6.5km
- 登り
- 827m
- 下り
- 811m
コースタイム
過去天気図(気象庁) | 2014年04月の天気図 |
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アクセス |
写真
感想
今シーズンの山は出遅れ気味である。週末になると悪天候というパターンが2、3回続いていたかと思う。ようやく好天予想になったので懸案の鍬崎山幕営訓練を実行する。
年当初の予定では二上山キャンプ場→牛岳→鍬崎山と幕営訓練をステップアップする予定だったが、牛岳がダメだったので一つ飛ばしである。
今の時期、ゴンドラが運行していないので粟巣野スキー場から歩いて行かなければならない。粟巣野スキー場の標高は605m、ゴンドラ山頂駅の標高は1188mである。ゴンドラが運行していた時に計画した山行が悪天候でダメになったのがつくづく悔やまれる。
コースは大品山を経由していく(厳密には大品山のピークは踏まないが)。
4時半過ぎに家を出て、6時前にスキー場へ到着。装備を整え、営業が終了したゲレンデをストック‐ツボ足の組み合わせで登っていく。
途中でハイドレーションの吸い口がなくなっているのに気づく。少し前の休憩地点で落としたと思い、一旦下って探すが見つからない。そういえばザックの腰のあたりに違和感があったのでザックをおろしてみたら、見事に挟まっていた。体力損した(笑)。
ゲレンデトップ(標高約800m)からは導水管沿いに高度を上げていく。結構な急登だがアイゼンを装着せずにがんばる(ここで怖いようなら引き返した方が無難かと思う。自分は大品山までは大したことないだろうと思っていたがこれ以降も大変なところがある)。
導水管を横断して少し登り、今度は左の尾根伝い(基本的に尾根の右側の広い道)にコースをとる。トレースがあるので問題ない。
貯水池(標高約1000m)で単独男性に抜かれる。ピッケル‐アイゼンの装備でどうやら日帰り狙いのようだ。自分はなおもストック‐ツボ足でがんばったがついに夏道が出ているところで「これ以上はアイゼンでないとダメ」という箇所に到達。アイゼンを装着する(これは好判断だった。実はそこが夏道が出ている最終地点だった)。
1229ピークを過ぎ、崖のような急登をこなした後、筋肉痛を感知。こんな状態で鍬崎山を目指すのは危険と思える。「鍬崎山をあきらめて大品山のんびり1泊にしよう」と暫定的に決定する。
通称「粟巣野分岐」に到着。トレースは鍬崎山に向かっているがもう一度じっくり考え、先ほどの暫定決定を本決定にする(1泊の後は二日目鍬崎山アタックせずに素直にそのまま帰ることにした)。
そもそも二上山キャンプ場からいきなり鍬崎山幕営(コースの特性からして自分の体力的には標高1756m以上での幕営となる)は無謀かな。大品山でも1400mあるので1000m以上で雪上幕営したことのない自分にとっては訓練にはなるだろう。
とりあえず幕営箇所を物色しながら大品山のピークを目指す。割とすぐにピークに到着。本日は最高のコンディション、大日岳がくっきり。
初めての山岳雪上幕営なので人目のあるところが良いと判断。粟巣野分岐付近の窪んだところを幕営地とした。
時間があったのでちんたらと設営。最初に雪を踏み固めて整地しなければならないのだがうまく平坦にならない。選定地そのものが少しナナメっているので適当なところで妥協(後で考えてみればもうちょっときちんとすべきだったと思う。時間はたっぷりあったんだし)。
本格的な雪上設営は初めてなので少し時間がかかった。
今回参考にしたのはこちら。インターネット様様だな。
http://wave.chips.jp/sora/tentohaku/yukiyama.htm
と
http://bistari.jp/bistari/tentdo/tent.htm#part5
設営を終え、テントに寝転がって入口から空を眺める。
何故か突然涙が出そうになる。つい最近、身近で残念としか言いようのないことがあり、自分も影響を免れていない。だが人の世界のゴタゴタとは無関係に木(ブナだろうか)は枝を大空に伸ばし、枝の先端にある芽は陽の光を反射して輝いている。
数組の登山者やスキーヤーが行き交った後(最初に出会った単独男性は2時半ぐらいに通過、登頂しておられたとすれば恐るべき健脚)、付近は完全な静寂が支配する。
日が翳っていくにつれ、少しずつ気温が下がる。無事に一夜を過ごせるか不安になる。「鍬崎山は敗退。下界のことで心が痛む」でいつになくテンションが下がる。
雪を溶かして水をつくり、そのまま沸騰させて夕食のラーメンを作って食べる。ゆで卵を2つ持たせてくれた母の気遣いが心に沁みる。
西日に映える山を見たくて山頂まで散歩する。このような時刻に山を眺めることができるのははやりテント泊の醍醐味だろう。
この時刻の光は山を優しく見せるようだ。
幕営地に戻って「我が家」と木々の間から見える鍬崎山をパチリ。
暗くなったら(といっても月明かりでテント内がうっすら見える)なにもやることがない。着こめるだけ着こんで寝袋に潜り込む。
夜8時ごろ、少しテントの外に出てみる。空には満点の星、富山平野の夜景も木々の間から見えた。
4時に設定したアラームで起こされる。昨晩はもっとも冷え込む時間帯はさすがに少し寒さを感じたが「眠れない」ほどではなかった。
睡眠は十分だ。
バーナーをたいてお湯を作り、五目御飯のアルファ米に注ぐ。出来上がるまでの時間を利用してテント内の物を整理する。食事の後は本格的に撤収の準備。東の空が明るくなっているので撤収しながら日の出を見ることができそう。
黎明の後、日の出。我々日本人は「ご来光」と称する。なかなかいいもんだ。
撤収作業って本当に時間がかかる。今回は竹ペグを掘り起こすのに時間がかかった。結局、起床から食事をして撤収完了まで2時間半かかった(初テントの真砂沢では2時間20分)。「自分の標準は2時間半」と割り切った方が良いかも。
下山はピッケル‐アイゼンで行くことにする。怖かったのは1229ピークまで降りるところの急降(たまらずに後ろ向きに降りた)。そして導水管のところ。雪のある山は登りよりも下りが怖い。スキー場では雪のあるところを拾って降りる。出発から2時間ほどで下山完了。結構足に来ていたので鍬崎山をあきらめたのはまあ、良い判断だったのではなかろうか。
(備忘)
・アイゼンの爪でスパッツをひっかけるミスは今回はなし。今後も気を付けよう。
・手袋は防寒ものしか持っていかなかったが失敗。春山では軍手も必要(ピッケルを持つときは必ず手袋着用)。
・左足のアイゼンが外れやすかった。バンドをきっちり締めて対応したが締めすぎて左足小指、薬指を少し痛めた。いつの間にやら左足のアイゼンサイズが長くなっていた。着用前に常に確認する習慣をつけないと。
・今回の山行でナイフを初めて使用した(竹ペグの麻紐を切断)。
・水はハイドレ2リットルとテルモスの250mlを持ち上げた。ハイドレは300ml余り。その他、雪を溶かして水を作る(初実戦)のだが午後の遅い時間帯に作るのが最も燃料の効率が良いようだ。こうやって作った水をそのまま飲用するのがとても怖いのだが山慣れた人は平気なのだろうか(今回は作った水は煮沸で利用)。煮沸専用水の水筒も持参すべきかもしれない。水は大目に作った方が良さそう。
・二上山のキャンプで思いついた腹巻を今回初めて実戦投入したが良さげである。
・ワカンは使用しなかった。持っていくかどうか迷う道具だな。
・テントから15mほどの距離にあるツリーホールを利用して用をたしていたがトイレを作った方が良いかもしれない。「大」はしなかった。
・シュラフを上下逆にシュラフカバーにセットして、中に潜り込んでから気づいた。どんくさいな。
・テント設営場所がナナメっていたことは本文に記載したが、これによりテントが下にずれて言った模様。突っ張っている感じなのでテントを痛めるだろう。次回からはきちんと平坦地にして整地もやること。
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