雲ノ平から水晶岳,鷲羽岳へ
- GPS
- 29:19
- 距離
- 61.5km
- 登り
- 4,395m
- 下り
- 4,497m
コースタイム
- 山行
- 10:14
- 休憩
- 1:08
- 合計
- 11:22
- 山行
- 11:51
- 休憩
- 2:00
- 合計
- 13:51
天候 | 曇り,快晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2019年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
特に危険な箇所なし |
その他周辺情報 | 帰りに日帰り温泉施設へ |
写真
装備
個人装備 |
長袖シャツ
長袖インナー
ハードシェル
タイツ
ズボン
靴下
グローブ
アウター手袋
予備手袋
防寒着
雨具
靴
ザック
サブザック
行動食
非常食
飲料
地図(地形図)
コンパス
笛
計画書
ヘッドランプ
予備電池
GPS
筆記用具
ファーストエイドキット
常備薬
日焼け止め
保険証
携帯
時計
タオル
ストック
カメラ
|
---|
感想
2019年9月13日(金)から9月15日(日)に,北アルプスを歩いてみた。当初,9/14から9/16(祝)の連休にどこかに行きたい,というのから始まった。この間燕岳に行ったから,今回こそは槍ヶ岳に行こうと思っていた。そこで,新穂高から登って槍ヶ岳に行き,そこで一泊した後鷲羽岳の方に行ってもう一泊しようと考えた。その時にどこに泊まるか,を考えていると,雲ノ平山荘に泊まりたくなった。そこで雲ノ平山荘に電話をすると祝日はすごく混んでいるということだった。そこから,予定を大幅に変更して,9/13(金)に新穂高から雲ノ平に行って泊まり,次の日に槍ヶ岳まで戻って槍ヶ岳山荘に泊まって下りてこようと考えた。
登山開始は午前4時頃がいいと思ったので,新穂高の深山荘横の駐車場に午前1時頃までに着こうと思って出発した。しかし,午前0時半頃着くと,深山荘横の駐車スペースはいっぱいだった。どうやら前日の夕方には埋まってしまうみたい。そこで,鍋平に行き,登山用の有料(1日300円)の駐車場に駐め,少し仮眠した。
午前3時頃起きて出発準備をして出発したら午前4時前だった。そこから登山道を下って新穂高の登山指導センターまで下った。下るのに25分ほどかかった。そこでトイレに寄ってから,左俣林道を歩いて鏡平山荘に続く小池新道の入口を目指した。左俣林道は橋を2個渡ってしばらく行くと車止めゲートがある。そこから先はひたすら林道を歩いて行く感じだった。しばし歩くと川の右側から左側に渡る橋があった。その橋は傾いているので何かあっても責任は取れないと書いてあった。いいのか?
その橋を渡って少し行くと,笠ヶ岳に登る笠新道の入口があった。そこには豊富な水量の水場もあった。そこからまた少し行くと,右手にわさび平小屋があった。今回は通過したが,そこに泊まってから登山するのも楽しいかもしれない。お風呂もあるみたいだし。わさび平小屋からまた少し行くと林道に橋がかけてある。その橋の手前を左に入るように小池新道の入口があった。小池新道はそこから秩父沢を越え,鏡平にむかってぐいぐい登る。前半部分は一抱えもあるような石が階段のように積んである場所を登っていく。途中何度か沢を渡り,岩の上を歩く場所を行き,どんどん登って行く。そのうち,少し広いところで鋭角気味に右に曲がると少し傾斜が緩くなり,緑の中を横移動する感じになる。そして,正面のコブを右から巻いて進むと,木道が出てきた。そこは「熊の踊り場」という場所だった。そこまでくると,鏡平山荘まで 500m という表示がある。そして,またぐいぐい上り始め,しばし行くと急に傾きが緩くなり,木道が再び出てきたと思ったら,鏡池に着いていた。鏡池は鏡のように水面がなめらかな池だった。
鏡池のすぐ先に鏡平山荘があった。今回は朝早かったので,特に休憩はせずに先に進んだ。ちょうど増築用の資材をヘリコプターで荷揚げしているところで,何度もヘリコプターが往復していた。鏡平山荘からは森林限界も近く,徐々に視界がひらけてくる。すると,すぐ右手に槍ヶ岳や穂高連峰が見える。鏡平山荘から弓折岳そばの弓折岳分岐まで登るが,雲がなければずっと槍ヶ岳を見ながら登る感じだった。弓折岳分岐まで来たらもう稜線だ,と思っていたら,分岐後すぐにまあまあ急な上りがあり,ホッとしていた足にはちょっと辛かった。その先は,稜線上を行き,多少のアップダウンがあったが,そこまでしんどくなく歩けた。途中,木が全然ない広場状のところもあり,ちょっと違う世界に来た感じだった。やがてくろゆりベンチを過ぎ,上りが減ったなぁ,と思ったら遠くに双六小屋が見えた。そこからは緩い下りでどんどん下って双六小屋に着いた。
双六小屋ではトイレを借りてすぐに出発した。水も豊富みたいで,無料で汲むこともできるみたいだった。双六小屋から双六岳を目指したが,まずは小屋から一登りしないといけない。双六小屋は一番低い場所にあるので,逆方向の槍ヶ岳に向かう時も樅沢岳に向かう上りがある。双六小屋からの上りを終えると,まずは巻道分岐がある。これは三俣蓮華岳下の三俣峠まで行くルートの1本だが,一度下ってからダラダラと登りが続く。多くの人は中道の方がラクだと言っていた。今回は巻道はパスして稜線を目指した。巻道分岐のすぐ先に中道との分岐がある。そちらを歩く人も多いが,今回は双六岳に寄りたかったので稜線に登ってみた。稜線に登るには少々急勾配を行くが,距離が短くあっという間に稜線に出た。双六岳までの道は緩い上りで,気持ちよく歩ける道だった。
双六岳山頂まで来るとさすがに眺めがよかった。しかしすっきりと青空という感じではなかった。でも,周りの山がたくさん見えた。水晶岳と鷲羽岳,赤牛岳の背後には立山や劔岳も見えた。さらに,薬師岳,黒部五郎岳,笠ヶ岳や,白山も見ることができた。南には乗鞍岳,東には槍ヶ岳から穂高連峰,大天井岳から燕岳も見えた。硫黄岳,野口五郎岳も見えた。大きな一眼レフを持って来ている人もいたが,わかる気がした。
双六岳からは三俣蓮華岳を越えて三俣山荘を目指した。双六岳を下ると右から中道が合流する。そして,目の前に山が見え,そこに登山道があった。当初,そこが三俣蓮華岳だと思い,疲れた足に鞭打ってなんとか頑張って登った。しかし,上り切ると三俣蓮華岳の標識はなく,その向こうに別のピークがあった。どうやら,次のピークが三俣蓮華岳みたいだった。せっかくこのピークが,と思って頑張ったのに…。ぼやいていると対向のお姉さんにも笑われてしまうし…。それでも言うほどの上りじゃなかったので,頑張って三俣蓮華岳山頂に到達した。三俣蓮華岳からは太郎平,雲ノ平や,黒部川の作る谷,祖父岳がよく見えた。水晶岳や鷲羽岳もよく見えたが…。
三俣蓮華岳山頂から急傾斜を下ると三俣峠で巻道と合流した。そこから三俣山荘はすぐ,と思っていたが,思ったより下りが長かった。やはり地図を見ているだけだと高度感はいまいちわからない…。なんだかんだで30分近くかかって三俣山荘に辿り着いた。直前の水場で水を汲んでいたのもあるが…。三俣山荘では午後1時頃だったので,お昼ごはんを食べようと思っていた。雲ノ平山荘に午後3時から4時の間に着きたかったので,時間がないなぁ,と思ったが,食べておいた方がいいと思い,食べることにした。できるだけ早く食べられるもの,ということで,カレーをお願いした。 その日は空いていたので,すぐにカレーが出てきた。お腹が空いていたのもあり,あっという間に食べてしまい,山荘に着いてから10分ほどで出発できた。
三俣山荘からは一度下って黒部川源流碑の前を通る。そのすぐ先にある分岐から正面の崖を登って雲ノ平を目指した。その上りがきつかった。高度差は 200m ほどだが,いかんせん新穂高から歩いてきた足には厳しかった。何度も立ち止まりながらなんとか上りきった感じだった。上りきってもまだ少しダラダラと上りながら雲ノ平山荘を目指した。似たような風景でどこまで進んでも着かない,と感じた。やがて祖父岳からのルートと合流した。晴れていればそこから山荘が見えるが(次の日の朝は見えた),当日は台地に上がった辺りで雲がきたみたいで,一面が霧で山荘がどこにあるのか,どれぐらい遠いのかがわからなかった。幻想的で雰囲気はよかったが,距離感がわからないのはしんどかった。結果的に私の足で祖父岳分岐から山荘まで約40分だった。対向の人が1時間ぐらいかなぁ?と言っていたのが正しい感じだった。意外と遠いなぁ…。結局雲ノ平山荘に着いたのは,午後3時半前だった。鍋平から11時間半程度かかってしまった。
雲ノ平山荘は,平日の夜ということもあり,定員の70名には届かないみたいだった。実際,使われない布団もあったので。それでも食事は2回に分けて,ということだった。着いてから荷物をほどき,シャツを着替えて,汗で濡れたものは地下の乾燥室にかけておいた。それから食事までの時間に外を歩いてみた。もっと湿地湿地してるかと思ったが,意外と地面は乾いた感じだった。雲ノ平山荘に行くルートは,三俣山荘方面以外にも,有峰の方の折立登山口から太郎平,薬師沢を越えて来るルートと,北の高天原から登ってくるルートがあるみたいだった。その頃には雲も取れてきて,青空がひろがってきた。とても気持ちのいい時間だった。
やがて晩ごはんの時間になったので,食堂に行った。食事は石狩鍋とひじきとご飯。それにテーブルに豆の煮物と漬物が共通でおかれていた。それをちゃちゃっと食べてから,夕暮れの時間を楽しみに外に出てみた。雲が取れて周りの山々がよく見えた。しかし,少し寒くなってきたので布団のところに行き,しばらくうとうとしてしまった。午後8時頃に目が覚めた。前回の燕岳でビールを飲んだら頭が痛くなったので,今回はアルコールは我慢した。すると,消灯の9時まで時間があったがあまりやることもなく,ぼーっとしていた。そこで,消灯前に寝ることにした。
起きたのは午前3時だった。星が見れるかな?と思ったが,やたらと月が明るかった。どうやら,中秋の名月だったみたい。雲ノ平は雲ひとつなく,月が煌々と光っていた。幻想的な月だった。確かに名月だったかもしれない。月明かりってあんなに明るいんだと思った。それぐらい明るかった。周りには山々のシルエットがぼんやり見えていた。やがて稜線が少しずつ明るくなり始め,夜明けが近づいてくる感じだった。
午前4時前になると,早出の人達が準備を始めた。朝ごはんを食べ,荷物を作り,でかけていった。私は午前5時から朝ごはんを頼んでいたので,出発は5時以降と思っていたが,早出の人達を見て,早めに準備をしようと思った。そこで暗い中そっと荷物を運び出して,荷物をパックした。4:45頃に荷物ができたので,すぐに出てもよかったが,せっかくなので朝ごはんを食べてから出発することにした。朝ごはんは午前5時からだった。梅干しや魚など典型的な日本の朝ごはんだった。それらをペロッと平らげて,そそくさと出発した。出発したのは 5:14 だった。
雲ノ平山荘を出発して,まずはスイス庭園を見に行った。スイス庭園は祖父岳分岐から山荘に行く間に横に行くとあるが,前日はとにかく宿に着きたかったのでパスしていた。そこで,祖父岳に向かう途中で寄っておいた。天気もよく薬師岳の山頂付近が赤く染まっていてきれいだった。そこから祖父岳分岐に向かい,分岐から祖父岳に向かった。ルートは祖父岳の山頂を通っていた。景色がいいからいいけど,なんで山頂を通るルートなんやろ? 祖父岳山頂で景色を眺めた後,岩苔乗越を目指した。途中一箇所ハシゴがあり,別の場所にちょっとした岩場があったが,全般に穏やかなルートだった。岩苔乗越からワリモ岳北分岐まではまあまあの上りだった。結構な斜度だった。朝一番だったからよかったが,夕方だったらしんどかったかもなぁ,と思いながら登った。途中で話をした人が,ワリモ岳北分岐にザックをデポして水晶岳まで往復するといい,と教えてくれたので,そうしてみた。確かに戻ってくるならデポがラクでよかった。
ワリモ岳北分岐からは少しトラバースがあり,やがて稜線を登って水晶小屋を目指す。そこは気持ちのいい稜線歩きだった。多少の上りがあったのち水晶小屋前に出た。そこにある分岐を左に行くと水晶岳だった。小屋から水晶岳までもとても気持ちのいい稜線だった。景色もいいし,アップダウン少ないし…。やがて水晶岳の山頂が近づくと急に雰囲気が変わった。急にすごく傾斜がきつくなり,岩場をよじ登る感じになった。距離的には少しだが,念のためにヘルメットを装着して山頂を目指した。
山頂は狭かった。岩でできた山頂で険しい山の上の狭い山頂という感じだった。でも,一つ百名山に登れた,という感慨もあった。横を見ると北峰がすぐそこに見えた。三角点はそっちにあるみたい。そこで,北峰にも行ってみた。思ったよりもすぐに行けた。まぁ,三角点があるだけだったけど…。
水晶岳から荷物をデポした地点まで戻るのは気持ちよかった。ゆるい下りで,景色を眺めながら歩く時間は至福のときだった。やがてワリモ岳北分岐に戻り,ザックを背負うとズシッと重さを感じた。やっぱりザックは重いんだ,と思った。ワリモ岳は言うほど登らずに着けたが,山頂は薄く割れた岩が沢山ある不思議なところだった。そこから鷲羽岳へもなめらかな稜線上りで行ける,と思ったら,その上りが結構長かった。やはりどこからもそれなりに見える鷲羽岳は大きかった。
鷲羽岳の山頂に着いたのは午前10時半ごろだった。朝雲ノ平山荘を出てから5時ちょっと経っていた。鷲羽岳の山頂はある程度の広さがあって全然怖い感じはなかった。皆さん比較的のんびりと周りの景色を眺め,写真に収めたりしていた。鷲羽岳山頂からは,多くの山を見ることができた。野口五郎岳,黒部五郎岳,太郎平,薬師岳,水晶岳,祖父岳,雲ノ平,黒部川の源流域,槍ヶ岳,穂高連峰,硫黄岳,大天井岳,常念岳,そして富士山もくっきりと見えていた。また,眼下には鷲羽池が見えた。青緑の湖面が山頂の下の方に広がっていた。不思議な魅力を持った山だと思った。どこを見ていてもほんとに気持ちよかった。だが,できれば槍ヶ岳に行きたい,と思っていたので,あまり長居はせずに下ることにした。
鷲羽岳の下りは思ったよりも急だった。遠くから見るとなめらかな斜面に見えたが,さすがにそれなりの斜度があり,またガレていて,かつザレているという厄介な下りだった。ちょっと勢い付けるとズルっと滑りそうだった。それでも,下りなので言うほどしんどくなく下ることができた。あっという間に鷲羽池への下り道との分岐点を過ぎ,徐々に傾きがゆるくなってくるのを感じた。途中,登ってくる人にあそこに見えるのが山頂ですか?と聞かれたが,中腹より下からだと見えるのは鷲羽池への分岐付近の膨らんだ辺りみたいだった。なので,「残念ですが…」と頭につけてから説明しておいた。
鷲羽岳を下ると一度トラバース状のルートになってから三俣山荘にたどり着く。今回は湧き水を無料でいただき,少し双六小屋への巻道の話をしてから先に進んだ。その頃には疲れも出てきて,さすがに槍ヶ岳山荘まで行くのは無理そう,と感じていた。まだまだ修行が足りないみたい。それでもどうなるかわからないので,とりあえず一番ラクに双六小屋まで行き,その時点でのしんどさで決めようと思った。行けるなら槍ヶ岳山荘を目指し,だめなら,双六小屋が泊まれそうなら双六小屋に泊まって次の日に槍ヶ岳へ,だめなら新穂高に戻ろうと考えた。
三俣山荘からはとりあえず三俣峠まで登らないといけない。これがまず辛かった。下りで30分ほどかかった道なのでそれなりに時間かかると思ったが,45分間上り続けるのは疲れた足にはまあまあきつかった。それでもまずまずのペースで三俣峠まで着いた。そこで「一番ラクそう」に思えた巻道に挑戦してみた。歩いたあとでの感想は,個人的には三俣蓮華岳と次のピークを越えて中道を行くのが一番よさそうな感じだった。巻道は半分ぐらいまではダラダラと下っていく。そこは余裕だった。中間点付近で横が崖の区間など少し険しめの道を行く。そこもまぁ言うほどではなかった。問題はもう少し先の沢の先からの登り返しだった。沢を越えるのだが,その先で急激に登る。その後もダラダラと登るが,どちらかと言うと後半にあるあの急な上りは結構きつかった。三俣蓮華岳に登るのもそれなりにしんどいと思うが,終盤になってきつい上りがあるし,巻道も結構高度を下げるので,トータルの標高差はあまり変わらないかもしれない,と思った。それなら早めにしんどい上りがある三俣蓮華岳+中道経由の方が私の好みに合っていそうだった。
それでもなんとか頑張って双六小屋まで辿り着いた。その時点で目の前の樅沢岳を登る元気はなかった。しかし,鏡平経由で新穂高に下るにしても,ダラダラと登っていかないと弓折岳分岐まではたどり着けない。とりあえず,まずは双六小屋で休憩をしようと思った。雲ノ平山荘でお弁当をお願いして持っていたが,それまで食べずに持っていた。そこで,それを食べるとともに,コーヒーを飲んで休憩した。その時,何度も山に登っているおじさんと話をしたが,その日はどこも山小屋はいっぱいみたいだし,槍ヶ岳の山頂に登るのもすごく大変そうで,渋滞があるかも,という話になった。お盆の頃には上に上がるのに数時間待たされた,とも聞いた。そんな話を聞くと,双六小屋に無理して泊まって槍ヶ岳に行っても仕方ないかも,と思い,新穂高に下りる決断を下した。
下ると決めれば,さっさと準備をして下り始めた。下ると言っても,弓折岳分岐近くまではどちらかと言うと登らないといけない。あまりきつくはない上りだったが,やっぱりしんどかったなぁ…。下りだしたのは午後2時半ごろだったが,鏡平山荘ぐらいまでは何組もの対向の人とすれ違った。それから登ってテント泊,あるいは小屋泊をするみたいだった。小屋もテントもいっぱいだと思うんだが…。個人的には,お昼を過ぎて双六小屋に着くのは遅い気がしたのだが,いいのだろうか…?
弓折岳分岐に着いたのは午後3時半ごろだった。そこから一気に鏡平山荘に下った。鏡平山荘は午後4時頃に着いた。念のために宿の混み具合を聞くと,やはり布団1枚に2人状態だと言われた。そういえば,双六小屋だけは2枚で3人と言われた。ほかは1枚に2人だったが…。どうやら双六小屋は布団が多い方みたい(と鏡平山荘の人が言っていた)。いずれにしてもそこまでして泊まりたくはなくなっていたので,さっさと下ることにした。午後4時頃に鏡平を出れば,遅くても午後6時には小池新道入口から林道に出れると思われた。できれば少しでもヘッドライトの時間を減らしたいと思ったので,少しハイペースで下ってみた。
鏡平山荘から小池新道入口までは1時間半ほどかかった。実は途中で,雲ノ平山荘で隣に寝ていた京都から来たK氏に追いついた。K氏はかなりお疲れ気味だった。そこで,K氏と一緒に下ることにしたので,少し時間がかかった。それでも,こちらも一人で寂しく下るよりは話をしながら下る方がいいので,渡りに船だったのだが…。また,鏡平山荘から下る時にも,まだ登っていく人達がいた。ほとんどが鏡平山荘を目指していたが,ツーリングの団体が到着が暗くなりそうな時間に登っていくのはいいのか?と感じた。
小池新道入口を過ぎて,林道に入るともうお気楽モードだった。少し行くとわさび平小屋がある。そこでも念のために泊まれないか聞いてみたが,やはり布団1枚に2人ぐらい,と言われた。仕方なく,新穂高に向かって下ることにした。そういえば宿に荻原さんがいたように思ったが,人違いかな? 新穂高の登山指導センター辺りまでは1時間ちょっとかかった。あの林道は長いなぁ…。最後に登山指導センターへの近道という標識を見つけた(というより,行きに見つけていたのだが…)。そこで,そちらに行くと,人専用の橋があり,新穂高ロープウェイ乗り場に行けた。そこから登山指導センターに向かって下っていくが,そこにホテル穂高がある。その玄関を見ると「本日お部屋をご用意できます」と書いてあった。思わずK氏に「泊まりましょうか?」と声をかけた。実は,新穂高登山指導センターから車まで行くには,鍋平まで登らないといけない。それがどう考えても苦行中の苦行になりそうだった。もう,足は疲れてヘロヘロなのに,結構登らないといけない感じなので。もし泊まれば,次の日の朝ロープウェイで鍋平まで行ける。こんなラクなことはない。
そこで,ホテルのフロントに聞くと,素泊まりなら山小屋に泊まるぐらいの値段で泊まらせてくれるというので泊まることにした。朝飯もつけてもらったので,もう少し高くなったけど,真っ暗な中を歩いて鍋平に登らなくて済むし,温泉に入ってビールも飲めるなら安いもんだった。部屋はベッドが2個ある洋室で快適だった。さっそく温泉に入って汗を流し,晩飯になりそうなカップラーメンとポテチだの飛騨牛のサラミなどとビールを買って食べて飲んだ。それでも午後10時ぐらいにはしんどくなって2人とも寝てしまった。朝ごはんは午前7時からお願いしておいたので,7時に指定された部屋に行った。思ったよりも豪勢な朝食で,大満足のホテル穂高だった。
朝飯の後にもう一回温泉に使ってから出発した。新穂高ロープウェイは,上部の第二ロープウェイは連休なので午前7時から動いていたが,下の第一ロープウェイは午前8時半からだった。そこで,8時半頃宿を出た。新穂高ロープウェイは鍋平までは片道400円だった。K氏はすぐに帰らないといけない,ということで鍋平まで乗った。私はもともとその日も登山をする予定だったので,せっかくだからと第二ロープウェイに乗って,西穂山荘を目指すことにした。ロープウェイは少し待たされたが,なんとか午前9時半ごろには山上駅に着いた。そこから西穂山荘までは思ったよりも登らないといけなかった。これが結構しんどかった。歩いていると,せっかくだからもう少し足を伸ばしたくなった。結局西穂高岳独標を目指すことにした。西穂山荘に着くとテラスは人だらけだった。さすがに連休の快晴の日だった。西穂山荘はパスして,すぐに独標を目指した。独標まではまあまあの高度差だが,いかんせんまる二日歩きまくった足にはしんどかった。思ったよりも時間がかかったかもしれない。西穂山荘から独標まで1時間半もかかってしまった。
独標は狭いので,順番待ちの渋滞が発生していた。10分ぐらいは待たされたかな? それでもなんとか独標に立ち,登山をした気分になった。独標は最後岩場をよじ登る感じになる。ちょっと頑張った気になれるところだった。独標から下りるのも順番待ちが必要だった。なので,登り終わってから下りが始まったのだが,その一連の最後に一緒に降ったが,その待ち時間に写真を撮ったり周りを眺めたりすることができた。
独標からはできるだけ早く下ってみた。登りに1時間半ほどかかったら独標から西穂山荘まで45分ほどで下った。そこで,カレーでもと思ったが混んでいたので,コーヒーだけ飲んで下った。ロープウェイ駅までは登りが1時間程度だったのを40分で下った。ロープウェイ駅上のレストランでソフトクリームを食べてから,ロープウェイで鍋平に下った。鍋平では飛騨牛の串焼きを食べてから,車に戻り,3日分の駐車料金900円を払って駐車場を出た。帰りはまず近くの日帰り温泉に寄って汗を流した。 風呂の後にそこの食堂でざる蕎麦を食べた。その後,東海北陸道に乗って帰路についた。
今回は初めて雲ノ平や水晶岳,鷲羽岳という北アルプスでも奥地に行ってみた。あんな風景が日本にもあるんや,と思えた山行だった。
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