三股から蝶ヶ岳・常念岳周回 / のんびりゆっくり展望山行
- GPS
- 53:00
- 距離
- 16.4km
- 登り
- 2,352m
- 下り
- 2,317m
コースタイム
三股駐車場8:30 = 8:40三股登山口 = 10:20まめうちだいら10:40 = 13:30最終ベンチ = 14:10蝶ヶ岳ヒュッテ
7/4(水)
蝶ヶヒュッテ8:40 = 9:20蝶槍 = 14:15常念岳14:35 = 16:15常念小屋
7/5(木)
常念小屋6:00 = 7:05前常念分岐 = 8:10前常念岳 = 10:00樹林帯 = 13:30三股登山口
天候 | 7/3(火):曇り→雨 7/4(水):快晴 7/5(木):濃霧 |
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過去天気図(気象庁) | 2012年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
三股→蝶ヶ岳 雪渓が3〜4箇所残っていた。気をつけて通過すれば特に危険ということはないが、雪をズボズボ踏み抜いてしまい時間と体力を奪われる。 雪さえなければ特に難しくもない道だと思われる。 蝶ヶ岳→常念小屋 ここにも数箇所雪渓が残っていたが、特に問題になるような箇所はなし。 最低鞍部から常念へは岩場の400mの登り。けっこうキツいしルートも見失いやすい。 常念山頂から常念小屋へもガレ場の400mのジグザグ下り。 常念岳→三股 常念から前常念へは一箇所痩せた岩場もあるが特に危険箇所はなし。 前常念からは岩場の急斜面。注意が必要。その先は滑りやすい砂地の道。 樹林帯に入るとひたすら続く九十九折りの急坂。木の根などで段差が大きい箇所も頻繁にあり、ぬかるんだ道は滑りやすい。 |
予約できる山小屋 |
蝶ヶ岳ヒュッテ
|
写真
感想
去年槍に登った後ひるねに「次どこ行きたい?」と聞いて返ってきた答えが蝶・常念の縦走。
色々と検討した結果、のんびり行きたいというひるねの希望と、槍・穂高の景観を楽しみたいので3日あれば1日くらい晴れるだろうというオレの予想で2泊3日の三股周回に決定した。
夜中に堺を出発、名神・中央道と乗り継いで早朝に安曇野到着。
豊科の町から見る常念岳めさめさ高い。あんなとこマジで登れるのか!?
蝶槍がよく見える三股の駐車場でしばらく仮眠を取ったあと出発。
登山口で登山届を提出し、吊橋を渡って蝶ヶ岳へ。
力水から少し登ったところに標高1500mの標識が。三股駐車場までも結構上がったよ?こんだけ登ってきてやっと上高地と同じ高さなんや。って、そりゃ上高地より安曇野の方が低くなきゃ梓川も安曇野に向かって流れんわなあ。てへぺろ。
まめうちだいらまでは快調。そこでひるねがお腹すいたというのでちょっと早めのお昼にする。多賀SAで買った柿の葉寿司、脂が乗っていてなかなかの美味さ。
まめうちだいらを後にした辺りでシトシトと雨が降り始める。とりあえずザックカバーだけつけて対処。
途中で雪渓を渡る場所がある。雪渓歩き初体験のひるねおっかなびっくり。そしてこの最初の雪渓のあたりで雨が激しくなりレインウェア装着。
雪渓は全部で4〜5ヶ所あり、中でも最終ベンチ手前の雪渓はかなり通過に苦労した。滑ったり踏み抜いたりでとにかく時間と体力を奪われる。
ようやく稜線に到着。本当なら目の前に穂高岳がバーッと現れるはずだが、ガスってて何も見えず。蝶ヶ岳山頂に行っても何も見えず。
手袋がボトボトで指先の感覚がなくなりつつあるので、さっさと蝶ヶ岳ヒュッテに行くことに。
14:10蝶ヶ岳ヒュッテ到着。宿泊の申し込みをして速攻で服を着替え、ストーブにあたらせてもらう。ホットココアが美味え!
レインウェアとかザックカバーとかは乾燥室に干させてもらい、ザックやらウエストポーチなどはストーブにあてて乾かす。その横でひるねは疲れたのかウトウト…。
テント泊の人は何人かいたが、小屋泊はまさかのオレたち夫婦だけ。まあこの天気では上がってくる人もおらんか。
貸しきり状態の蝶ヶ岳ヒュッテで早めのおやすみなさいをする。明日は晴れるといいな…。
2日目、4時すぎに起床。天気はどうか?と窓の外を見て思わず声を上げる。槍見えるやんけ!!めっちゃええ天気やん!!
瞑想の丘までご来光を拝みに行く。モルゲンロートに染まる槍・穂高が素晴らしい。この眺めを見れただけでも昨日の苦労が報われる思い。
朝食を食べた後、その辺の散策に出かける。ちょっと行ったところに妖精の池という場所があり、お花畑がキレイだそうだ。ところが、途中でまたもや雪渓に出くわす。昨日の悪夢アゲイン。しかも早朝で雪の表面が凍っていてツルツル滑る。これはアイゼンなしでは厳しそうだ。妖精の池はあきらめることにする。
ヒュッテでホットココアを飲んで8:40出発。蝶槍くらいまでは特に問題もなく進む。
一旦森林限界を割り樹林帯へ入る。ところどころに雪渓があるが、気をつけて進めば通過には問題ない。しかし、雪の上で踏み跡を見失いルートミスをしてしまい、せっかく通りすぎた雪渓の真ん中まで戻るハメに。
ピークを2つほど過ぎて、最低鞍部から常念岳山頂へは400mの登り。これはかなりキツかった。岩だらけの道は歩きにくくルートも見失いやすい。
途中にある岩のピークの上でお弁当。かなりの高度感でスリリング。
14:15常念岳登頂。360度の大パノラマ。この景色はここまで歩いてこなきゃ見られないよね。いやあ素晴らしい。
山頂には小さなお社と方位盤があり、それと何故かペットボトル(中身入り)が放置されていた。どないなっとんねん!余計な荷物を増やすのもうんざりだが見て見ぬフリをするのも気が咎め、下界まで持ち帰ることにした。
常念岳山頂から常念小屋までは400mのガレ場の下り。ここまでの道のりで疲れ果てた身体にこれはマジでキツかった。最初は小屋は見えないのだが、途中ではるか下方に豆粒のように小さな小屋が現れる。その瞬間あまりの遠さに「ポキッ」と心が折れる音がした。
しかも笑かすことには、明日またこの道を今度は登りで通る予定があるだ。ドMにもほどがあるやろ。この道は「ドMロード」と命名した。オレが。
体力も気力も尽きかけたころ、常念小屋に到着。昨日の蝶ヶ岳ヒュッテほどではないものの、やはり宿泊客は少ないようで、12名定員の部屋を個室としてあてがわれた。
着替えてから槍・穂高を望む展望テラスで生ビール。これがめっちゃくちゃ美味い!!こんな美味いビールにはなかなかありつけないよ。もうホント最高です。
夕食も美味かった。売店に上高地ワインが売っていたので購入して飲む。ああ、なんという至福の時間でしょうか。陛下に申し訳ない。
その後は喫茶室でコーヒー飲みながら夕焼けの槍ヶ岳を眺める。
夜の22:30ごろ、屋根を叩く雨の音で目が覚める。けっこう激しいぞ。
雨は夜中じゅう降り続く。明日は前常念はあきらめて一ノ沢かな…。
3日目、4時半起床。雨はやんでいるようだ。しかし前常念からの岩場は濡れて危険かも知れない。どうするべきか…。
外に出てご来光を拝む。常念岳方面や梓川対岸の槍・穂高連峰は濃いガスに覆われて全く見えない。しかし降雨はなさそうだ。足元の岩も思ったより乾燥している。この分ならなんとかいけるか?
あとはひるねの足の具合次第だが、どうするか聞いてみると「一ノ沢から三股までのタクシー代がもったいないから前常念行こう」だそうな。わかりやすい判断基準であることよ。
6:00常念小屋出発。先の見えない濃霧の中を登っていく。
前常念分岐からは、1ヶ所だけ高度感のある岩場の痩せ尾根を通過するがそれ以降は特に危険箇所もない歩きやすい道。ただ、ハイマツの中を歩くので、雨の後はズボンが濡れる。
8:10前常念岳到着。ケルンが積んであるだけで標識も何もない商売っ気のない山である。一等三角点もあるらしいが。
そこから岩場をちょっと下ったところに避難小屋がある。前常念あたりでは避難小屋に着いたら中で休憩しようと言っていたのだが、いざその佇まいを目の当たりにするとそのブキミさに中に入りたいという気持ちは雲散霧消。
しばらくはでっかい岩だらけの道をえっちらおっちら下る。下りと岩場が苦手のひるねはダブルパンチの轟く爆音である。
さらに下ると今度はズルズル滑る砂地の下り。下の方に見えている樹林帯はすぐそこのように見えて全然近づかない。
10:00ようやく樹林帯突入。ところどころぬかるんでいるものの比較的歩きやすい道である。やれやれ。
と思ったらこの樹林帯の下りがしんどいのなんのって。延々続く九十九折りの急坂。笹ばっかりで景色も何もなく、ぬかるみと段差のでかい木の根っこと顔の周囲をブンブン飛び回る下等生物どもに心底ウンザリ。
樹林帯の途中ですれ違ったお姉さまに、今から一緒にまた常念行きましょうよと誘われるも、もうお腹いっぱいですから!!
どこまでも続くと思われる下り坂をひたすら無心に歩き続け、13:30三股到着。沢が流れてるのが見えた時は本当にうれしかった。
その晩はファインビュー室山に宿泊。信州牛のステーキと穂高ビール美味しゅうございました。
レコのアップお待ちしておりました
>3日あれば1日くらい晴れるだろうというオレの予想
ズバリでしたね
しかも稜線歩きのベストの一日じゃないですか。
ペットボトルを拾うような日頃の心がけの良さの賜物かな
モルゲンロートに染まる槍穂、いいですね〜
これは私も見てみたいので、いつか蝶ヶ岳には登らなきゃ。
いい山行になりましたね
muscatさん、コメありがとうございます。
いやあ蝶〜常念の稜線から見る槍穂よかったですよ。
モルゲンロートも感動モンの美しさでした。
前日はまさか翌朝にアレが見られるとは思ってなかったので、本当に嬉しかったです。
しかし槍穂は登ってよし眺めてよしの素晴らしい山ですね。
7月20から同じ経路で周回を考えている
嘉兵衛と言います
残雪の状況はいかがでしょうか?
アイゼンは必要でしょうか?
晴れたらいいな・・・
テルテル坊主作ります
トイレットペーパー並に水に弱いので
嘉兵衛さんはじめまして。コメありがとうございます。
7/3の時点では三股から蝶ヶ岳への途中に4ヶ所前後の雪渓通過がありました。
私達はアイゼンなしのダブルストックで登りましたが、踏み抜いたり滑ったりで時間と体力をとても消費しました。
雪質は腐っているのでアイゼンはあまり意味がないような気がします。
蝶から常念への稜線上にも数ヵ所雪が残っていましたが、こちらは通過にそう問題はありませんでした。
あれからもう2週間経っているので、雪の状況も多少は好転しているかも知れませんね。
晴れたらいいですね。槍穂の展望は最高ですよ!
テルテル坊主作りがんばってくださいね!!
claryさん
貴重な情報有り難うございます。
私は雪道歩きに慣れておりませんので、一安心です。
出版物の冷めた情報よりもよりも、やはり湯気の出ている情報ですね。
内容が濃く、しかも読んでいて楽しい山行記ですね。
これからも楽しみにしております
嘉兵衛
>内容が濃く、しかも読んでいて楽しい山行記ですね。
ありがとうございます。めっちゃ励みになります。
今後ともよろしくです。
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