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Yamareco

記録ID: 2123284
全員に公開
無雪期ピークハント/縦走
日高山脈

【200名山・過去レコ】遙かなる日高・カムエク(七ノ沢林道よりピストン)

2011年08月13日(土) ~ 2011年08月15日(月)
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さとなお その他11人
GPS
55:33
距離
31.8km
登り
2,135m
下り
2,134m

コースタイム

1日目
山行
3:28
休憩
0:39
合計
4:07
7:52
108
9:40
10:01
34
林道・沢出合(渓流グツ着装)
10:35
10:42
47
第1徒渉点
11:29
11:40
19
第2徒渉点
2日目
山行
8:46
休憩
1:39
合計
10:25
4:50
68
5:58
6:05
35
6:40
6:52
45
三段滝下
7:37
7:46
46
滝上
8:32
8:50
87
11:57
12:08
89
13:37
13:46
89
滝下
3日目
山行
5:30
休憩
0:48
合計
6:18
9:07
8
9:15
9:28
12
徒渉点
9:40
100
中洲第2徒渉点
11:20
55
本流徒渉点
12:15
12:40
65
徒渉点
13:45
13:55
90
林道出合
15:25
札内川ヒュッテ
天候 (初日)晴れ
(2日目)朝ガス、のち高曇り(薄日差す;稜線上強風)、夕方より雨
(3日目)朝方まで雨、のち曇り
過去天気図(気象庁) 2011年08月の天気図
アクセス
利用交通機関:
自家用車 飛行機
(往路)千歳空港よりツアーバスで日高山脈山岳センターへ(途中、中札内のスーパーで食料仕入れ)、バンガロー前泊。初日、林道ゲートの駐車場までバス乗り入れ
(復路)林道ゲートよりツアーバスにて千歳空港へ(途中、夕張手前の「樹海温泉はくあ」にて入浴・着替え)
コース状況/
危険箇所等
・七ノ沢林道の沢出合から八ノ沢出合テン場までは沢歩き、複数の徒渉箇所あり(渓流グツ使用;増水時はザイル等確保要、単独行は困難…)
・テン場から上は小沢を遡行するコース、三段滝通過時ルート・スリップ注意
・八ノ沢カール(ここで渓流グツから登山靴にチェンジ)から上部はクマ多数の棲息域!(荷物デポ等要注意…)
その他周辺情報 日高山脈山岳センターのバンガローにて宿泊可(展示館あり、バーベキューOK)
日高入り初日、札内川沿いの山岳センターのバンガローにて1泊。ツアー会社社長より、夕張メロン酒にて豪快なおもてなし!
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日高入り初日、札内川沿いの山岳センターのバンガローにて1泊。ツアー会社社長より、夕張メロン酒にて豪快なおもてなし!
豚丼の夕食にメロン酒、ウイスキーも振る舞われ、初日はパワー充電し、ご機嫌のうちに終了。
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豚丼の夕食にメロン酒、ウイスキーも振る舞われ、初日はパワー充電し、ご機嫌のうちに終了。
2日目、テン泊装備はガイド4氏に託し、個人装備を一部分担、沢靴にて穏やかな七ノ沢を遡行。
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2日目、テン泊装備はガイド4氏に託し、個人装備を一部分担、沢靴にて穏やかな七ノ沢を遡行。
途中、2ヶ所ほど徒渉ポイントあり、水量も少なく楽々通過。(帰路はこの平和な光景が激変することに…)
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途中、2ヶ所ほど徒渉ポイントあり、水量も少なく楽々通過。(帰路はこの平和な光景が激変することに…)
昼前には八ノ沢出合のテン場到着。昼寝の後に焚き火で寛ぎ、この日も酒盛り。明日の山頂アタックに備え、テント2張で一同早々に就寝。
昼前には八ノ沢出合のテン場到着。昼寝の後に焚き火で寛ぎ、この日も酒盛り。明日の山頂アタックに備え、テント2張で一同早々に就寝。
翌朝、沢靴にヘルメット装着。曇天の下、粛々と八ノ沢を遡上。
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翌朝、沢靴にヘルメット装着。曇天の下、粛々と八ノ沢を遡上。
チェックポイントの三段滝に差し掛かり、ここからはガイドさんのルーファイ頼みで草付きを登っていきます。
チェックポイントの三段滝に差し掛かり、ここからはガイドさんのルーファイ頼みで草付きを登っていきます。
三段滝の上部はなかなかの迫力!
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三段滝の上部はなかなかの迫力!
八ノ沢を登り詰め、無事カールに到着。ここでヒグマチェック、沢靴から登山靴にチェンジ。
八ノ沢を登り詰め、無事カールに到着。ここでヒグマチェック、沢靴から登山靴にチェンジ。
残雪にお花畑、パラダイスのようなカールの壁は結構な斜度。カムエクの名の通り、クマも転げ落ちそうな斜面です!
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残雪にお花畑、パラダイスのようなカールの壁は結構な斜度。カムエクの名の通り、クマも転げ落ちそうな斜面です!
雲に覆われた国境稜線に登り詰めると、強風にガスが飛ばされ、眼前に尖鋭なピラミッドピーク、後方には1839m峰、そしてこちらも遙かなる200名山・ペテガリが登場!
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雲に覆われた国境稜線に登り詰めると、強風にガスが飛ばされ、眼前に尖鋭なピラミッドピーク、後方には1839m峰、そしてこちらも遙かなる200名山・ペテガリが登場!
ハイマツをかき分け、急斜面をカムエク山頂へ。強風で髪も乱れてます…。
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ハイマツをかき分け、急斜面をカムエク山頂へ。強風で髪も乱れてます…。
憧れの山頂もすぐ目の前に迫り、テンションアップ!
憧れの山頂もすぐ目の前に迫り、テンションアップ!
短い日高の山の夏、五色の花咲く山頂直下のお花畑。
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短い日高の山の夏、五色の花咲く山頂直下のお花畑。
午前10時過ぎ、ついに久恋のカムエク山頂踏破!
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午前10時過ぎ、ついに久恋のカムエク山頂踏破!
山頂からは、日高の分厚く重畳した山並み、十勝〜東大雪、更には遠く阿寒の山々も一望。右奥には日高の盟主、幌尻岳もバッチリ!
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山頂からは、日高の分厚く重畳した山並み、十勝〜東大雪、更には遠く阿寒の山々も一望。右奥には日高の盟主、幌尻岳もバッチリ!
写真撮影の後、大願成就の余韻覚めやらぬ中、ピラミッドピークに見惚れつつ早々に下山開始。帰路も長い道のり、天気も下り坂で心配が募ります…
写真撮影の後、大願成就の余韻覚めやらぬ中、ピラミッドピークに見惚れつつ早々に下山開始。帰路も長い道のり、天気も下り坂で心配が募ります…
下山後、八ノ沢テン場到着前から雨が降り出し、未明にかけ雷も鳴る本降りに。沢の増水が心配される中、雨が小降りになったのを見計らってテント撤収。ごみ焼却し、スリング・ハーネス付けていざ出発…
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下山後、八ノ沢テン場到着前から雨が降り出し、未明にかけ雷も鳴る本降りに。沢の増水が心配される中、雨が小降りになったのを見計らってテント撤収。ごみ焼却し、スリング・ハーネス付けていざ出発…
夜来の雨で増水し、七ノ沢の様相も一変。ガイドさんのザイルに身体を預け、慎重に一人ずつ徒渉。往路の倍近くの時間かけ沢下り、途中の徒渉点でメンバーの一人が一瞬濁流に足を取られるアクシデントも…。
夜来の雨で増水し、七ノ沢の様相も一変。ガイドさんのザイルに身体を預け、慎重に一人ずつ徒渉。往路の倍近くの時間かけ沢下り、途中の徒渉点でメンバーの一人が一瞬濁流に足を取られるアクシデントも…。
これだけ増水してしまうと、複数のガイドさんのヘルプなしではとても下山不可能…。午後3時半前、ようやく登山口に帰着。沢靴脱いで車に積んであったスイカ食べ、ようやく人心地…。
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これだけ増水してしまうと、複数のガイドさんのヘルプなしではとても下山不可能…。午後3時半前、ようやく登山口に帰着。沢靴脱いで車に積んであったスイカ食べ、ようやく人心地…。

装備

備考 ・沢歩き装備必携!(渓流グツ、ハーネス、スリング、カラビナ、ザイル〈※ツアーガイドさん持参〉)

感想

200山巡りもいよいよ残り4座、この年の夏は「最難関」の日高の秘峰、カムエクに挑むことに。長い沢歩きとルーファイ、そしてヒグマの恐怖と様々な試練が待ち受け、とても単独行は不可能…ということで、今回はクラブアルプスのガイド付きツアー(夏季1回限定で催行)に参加します。羽田に集合すると一行は計8名、千歳で4人の現地ガイドさんに迎えられ、初日はバスで登山口手前の山岳センターのバンガローにて1泊。北海道ならではのメロン酒も振る舞われ、天気も良くここまではフツーの観光気分。
 翌日も林道ゲートから暫しの舗装道歩き、遙かなる日高の山登りのプロローグに気分も高まった頃、沢の出合にて渓流グツに履き替え、水流も穏やかな七ノ沢をゆっくり遡行。2度の渡渉の末、昼前には八ノ沢出合のテン場到着。明日以降は天気が下り坂予報のため、できれば八ノ沢カールまで上がっておきたいところですが、ガイドさん達の大型テント装備を担ぎ上げる苦労に加え、クマの恐怖もあって予定通りこの日はこちらでテン泊。焚き火とコーヒーで寛ぎつつ優雅にヒルネ、五目飯+麻婆春雨の本格的夕食の後、明日に備え早々に就寝。
 ツアー3日目はいよいよカムエク山頂アタックの日、明るくなるのを待ち朝5時前に行動開始。堂々の迫力の三段滝を眺めつつ、草付きの急斜面をよじ登り八ノ沢をひたすら遡上、8時半過ぎには花々が咲き競う山上の楽園のような八ノ沢カールに到達。見えないクマの恐怖にゆっくり寛ぐ余裕もなく、沢靴から登山靴に履き替え早々に出発。カールの壁の急斜面を登り詰めるとそこは国境稜線、吹きすさぶ強風に立ち込めていたガスが吹き飛ばされ、にわかに眼前に日高の山々の大展望が広がります。すぐ目の前の尖鋭なピラミッドピーク、重畳たる日高の主役たちに加え、遠く十勝〜石狩の峰々、そして阿寒の山まで見通せる死骸の良さに、一同しばし感動で言葉を失います。テンションもグッとアップ、山頂直下の急登も何とかクリアし、午前10時過ぎ、ついに久恋のカムエク山頂踏破!参加者各々、記念写真を撮り合い、互いの健闘を讃え合います。
 帰路も長い道のり、天気も下り坂ということで大願成就の余韻覚めやらぬ中、早々に下山開始。カールに下りて再び沢靴に履き替え、ガイドさんに導かれて、登り以上に慎重に沢沿いのバリルートを下っていきます。テン場が近づき、勾配が緩くなると小雨が降り出し、無事テントに帰り着くとやがて本降りに。翌日の沢の増水が心配なため、この日のうちに七ノ沢林道のヒュッテまで下ってしまうプランもあったものの、メンバーの疲労を考慮し、予定通りテン場でもう1泊。スパゲティカルボナーラの美味しい夕食を済ませると、夜半すぎにかけて雷交じりの本降りが続き、テントにも一部浸水して不安が募り、なかなか寝付けません…。翌朝、8時過ぎになってようやく雨も小止みとなり、ガイドさん達の決断でテント撤収、いざ出発です。七ノ沢に出てみると、一昨日の平和で穏やかな表情が一晩で一変、白い水しぶきを上げて増水した濁流が流れ下ります。ガイドチームの判断と的確なザイル支援で複数の本流徒渉を何とか乗り切り、ゴール間近で一瞬女性メンバーが濁流に足を掬われるハプニングもあったものの、素早いガイド氏の確保で事なきを得ます。
 結局、往路の倍近くの時間を要してようやく林道に到達、ツアーバスに帰り着いてホッと一安心。バスに積んであったスイカをガツガツと平らげ、一路千歳へ向かいます。途中、高速のお盆渋滞はあったものの、どうにか夕張近郊の日帰り温泉入浴の時間も取っていただき、着替えしてスッキリ。無事羽田行き最終フライトにも間に合ってホッと一息、この4日間ですっかり連帯感も深まった参加者各位と羽田で別れを惜しみ、心地良い疲労感を覚えつつ家路についたのでありました。
 ということで、スリルとアドベンチャー満載のカムエク遠征も無事終了、200山巡りもいよいよ残り3座に。沢歩き装備の調達に加え、参加者2人当たりガイド1人がつくという贅沢なツアーでだいぶお金も消費したため、残る日高の難関・ペテガリ攻略は来シーズン以降にお預けです。ただ、登山口のペテガリ山荘までの林道が通行止めのままで、夜行日帰りのツアーは不可能となり、遙かなる同山にどうアタックしたらよいものか…またゴージャスなクラブアルプスのツアーに参加するしかないか…としばし思案に暮れることとなりました。
【2019年11月再録】

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