ジャンダルムで至福のCoffee Break〜奥穂から西穂へ〜

- GPS
- 32:00
- 距離
- 17.1km
- 登り
- 2,281m
- 下り
- 2,282m
コースタイム
2日目:5:10穂高岳山荘-5:50奥穂高-7:20ジャンダルム-9:00天狗の頭-9:15天狗岳-11:40西穂高-13:00西穂独標-13:50西穂山荘
| 天候 | 2日:曇のち晴れ。 3日:晴のち雨。 |
|---|---|
| 過去天気図(気象庁) | 2012年09月の天気図 |
| アクセス |
利用交通機関:
バス
復路:上高地より松本。松本より高速バスで新宿へ。 |
| コース状況/ 危険箇所等 |
上高地‐奥穂高:岳沢ヒュッテより紀美子平(重太郎新道)>梯子や鎖も含めての急登。変化があって楽しめる。横尾までのだらだら歩きが嫌な人はこっち。 奥穂から西穂:危険個所は始めから最後までと言って良いだろう。体力、精神力。そして体力。岩登りの経験も,もちろんあった方がいい。(クライムダウンなど一般的なことはできた方がいい)マーキングは多数。丸印に忠実に辿るべき。浮石が多い個所が数か所ある。確実な手掛かり、足掛かりを確認して。 ジャンダルム自体は西穂の巻き道をたどって登れば、さほど難しくはない。(自分は直登ルートで登った☆ここ訂正させてください☆私が登ったのは直登ルートではありませんでした。西穂側から少し巻いたルートでした。noboさん、ありがとう!次は登るぞー)ここで2度の大きな落石を見た。(登山者が人的に落してしまった)離れていたから良かったが、真下に居れば軽傷では済まなかっただろう。(ヘルメット着用必須)後半は雨の3時間だった。岩も鎖もよく滑った。悪天の場合は中止するのが無難だと思う。6時間、絶え間ない岩綾歩きができる体力、これが1番大事だと思った。 |
写真
感想
ジャンダルム。
そろそろやっても良いんじゃないか。そんな気持ちになった。
今年の夏山の最後の課題として、奥穂から西穂間の縦走があった。
今の自分にとってこれ以上にないルート。
ただ、一般ルートではない、危険な波線ルート。
簡単ではない。お気楽な気持ちではできない。
それでもやりたいのは、やはり山が好きだから。
その気持ちに勝るものはない。
うだうだ考えていたら、何もできない。
前夜、夜勤の勤務を終え、新宿からバスに乗る。
天気が気になり、何度となく山の天気を調べる。
2日目の期待はできそうだ。
上高地へ着くと薄曇り。これも予報通り。登山届を書き、ポストに入れる。
なんか、届を出すことが最近、儀式のようになってきた。
書かなきゃ、怪我をするんじゃないかという気がしてくる。
岳沢から重太郎新道を歩くと石川県から来たという男性iさんに会った。
今夜、自分と同じく穂高岳山荘にテントを張るという。
初めての穂高というが、すごい健脚だ。(しかもあれが入っているのに)
奥穂への吊り尾根で、ガスが晴れてきた。やはり、青い空と山が好き。
回復してくる天気に感謝した。
奥穂へ着くと、写真を撮りっこした。やっぱり嬉しそうだった。
山荘に着くと涸沢上空に大きな虹が出ていた。
「最高。俺達、贅沢ものですよー」iさんは黙ってうなずいた。
テント場の後ろには涸沢岳。前方に奥穂高岳。最高のロケーション。
テントを張り終え、今夜の食事の舞茸の炊き込みご飯を準備していると
iさんが「肉食べない?」と声をかけてきた。聞けば、
肉とワインを大量に用意してあるという。
普段はグループ登山をしているらしく、今回もそのつもりで肉を購入したが直前になって中止になったという。
奥穂への単独登山は前日に思い立ったとのこと。
それでも肉とワインは必需品なので家に置いてくることはできなかったらしい。
肉とワイン。iさんにとって我が子同然なのだろう。
傍の単独の男性にも声をかけ、山荘前のテラスで焼肉大会が始まった。
頂きます!!肉を頬張る。
「うまーー!!!」「さいこーー!!!」
一人で食べる予定だった舞茸ご飯も、塩麹漬のロース肉も。皆でわいわいと食べた。皆で食べる食事は本当においしかった。
明日のジャンダルムも応援してくれた。2人は北穂へと向かうらしい。
その夜。月明かりのテントの中でまた不安に襲われた。
ガスが出て、雨が降ってくると、安堵した。
中止の口実ができるからだ。ただ、雨が止み、また月が出てくると、また安堵する。やっぱりやりたい。
吊り橋のようにぶらぶら揺れる自分の気持ちに嫌気がした。
朝、ガスは出ているが昼までは持ちそうな晴天。
2時半から起きていたが、5時まで待って出発することにした。
気持ちの揺れは不思議と、もう無かった。
奥穂で高知県から来たという方たちが声をかけてくれた。
ヘルメットをザックにぶら下げた私を見て、同じ場所を目指していると思ったらしい。
3人は素晴らしいベテラン登山者だった。
若者でも、初心者ならば、この方達についていくことはできないだろう、というそれぐらい健脚さんだった。
(お年は非公開とのことだが、3人ともお孫さんが居らっしゃる年齢です)
単独でやることになると思っていたが、正直、安心した。
高知の方も初めてのジャンダルムと言うが、岩綾もなんのその。
リーダーの「にいさん」(70歳手前くらいか)が的確に支持を出す。それに続いて、女性と男性が突破する。
この連携は本当に素晴らしかった。
ジャンダルムもこの通りで、全く不安を感じなかった。
そう、私は、いつの間にか、この「にいさん」パーティーの一員になっていた。
山頂で4人で記念写真も撮った。
同じ志があれば、本当に年齢なんてただの数字にすぎない。
日本最高難度の縦走路は本当に楽しかった。
ジャンダルムの下でコーヒーを入れた。今まで飲んだ最も贅沢なコーヒーだった。
山に自分が包まれている。
本当の価値ってこういうことなんだと思った。
ここで高知の方たちと別れ、単独に戻る。しばらくして雨が降ってきた。
後半の3時間は前半とガラッと変わり、精神力と体力の登山だった。
何度か心が折れそうになった。いくつのピークを越えてきたのか、もう分からない。
西穂に到着したときは、くたくただった。
それでも達成感はひしひしと全身を伝わってくる。
西穂山荘に降りて、明日、初めてジャンダルムへ行きたいという単独の男性に声をかけてもらった。
やはり、不安なのだ。それでも、やりたいのだ。
多分、山が好きだから。
自己の体力と精神力が試される縦走路。その中で人に出会い。人の良さを知る。
そんな、大切なことに気がついた、忘れられない登山となった。
















makasioさん、おはようございます。
すごいですね。西穂ですか
僕自身、奥穂まではいいかなって思っていますが
そこから西穂へは・・・。
まだ無理ですね
それに葛藤的な面、とってもよくわかるし、それでも登られたmakasioさんは、すごいなぁ〜って感じました。
自分もいつかは登ってみたいと思いますが、正直一人ではこのルートはと感じてます
まぁ、それを口実に登らないでいるってのが、あるんでしょうね。
それにしても、大変さ、素敵な部分、人とのつながりなどなど、読ませていただいて色々と感じました。
とても充実した山行、お疲れさまでした。拍手!!
とうとう行かれましたね、奥穂〜西穂への縦走。
後半ちょっと雨に降られたようですが、ご無事に西穂へ到着、上高地への下山、なによりでした。
前穂への登り、ザックを背負われて行ったんですね、さすがに皆さんあれっと感じたことでしょう。
焼肉、素晴らしい・・・!
何よりもジャンダルムで晴れていたことが最高です、自分の事のように嬉しいです。
本当にお疲れさまでした、今度は北鎌尾根かな?
こんにちわ~
最近晴れの山が少なさ過ぎてトラウマぎみの私としては羨ましいばかりの青空!
ちょっと降られたとはいえ快 晴のジャンさま、よかったですね~
(ていうか私の場合雨なら奥穂~西穂は中止ですね、笑)
makasioさんのお人柄でしょうね、色々な出会いもあり、
美味しいお肉もゲットされたようで何より
前穂での予行練習、気持ちすっごくわかります
私も先週八峰キレットで予行練習とおもったんですが、
モチベーションの低下によりまったりに計画変更してしまいました
わりとさらっと歩かれた印象がありますが、馬の背も全然平気でした~?
何はともあれ、完走がすばらしいです。
ジャンの贅沢なコーヒー、私もまねしてみたいわぁ
makasioさんのレコは読み終えるといつも心がすっきりするー。不思議だー。
makasioさんの山への愛がそうさせる?
穂高界隈、最近ご無沙汰。
奥穂〜西穂も未踏なのでとっても行きたくなった。
今週末、笠ヶ岳に行ってきます。飛び入り歓迎ですよ。
↑↑
もとい、今週末は中止になりました〜〜
makasioさん、こんにちは。
2012年夏山の締めくくりは、すべてが凝縮され、すべてが昇華されましたね!!
一期一会を超えた同志とありのままの山。
すごく嬉しく思いました。
こんな経験はもうないだろう、と思ってもまたすぐある。
山の懐の広さ。
ほんとにほんとに良かった!!
一番にコメントくださってありがとうございます。
今までの夏山の総決算となる登山になりました。
このヤマレコでもそうです。
人との縁とつながりに、ただ、感謝いたします。
さいこー。でした!!
やりましたよー。
今までの夏山の総決算となる登山でした。
ただ、心残り。
ジャン。直登ルートじゃなかったんですねー。
どーりで簡単だったわけだ。
また行く口実ができました。
次はやりますよ、直登ルート!
行ってきましたよー。
ジャンダルム。
というより、奥穂〜西穂間の岩綾ルートですね。
前半の馬ノ背、ロバの耳。
針の山のようでしたね。崩れそうな、岩と岩。
こすれる音。足元の恐怖感。ただ、
高知のパーティに入れてもらったことと、
まあ、天気が良かったこと。
恐怖感より楽しくて。何度でもやりたい。
そう、今は思っています。
人とのつながりの大切さを知りました。
あー良かったなあ。肉。(違うか)
やりましたよ、このルート。
憧れでした。恐怖感は想像上の魔物です。
俺はビビりなので。
レコは毎回、山行を思い出し、感謝の気持ちで
書いています。
yokowvさんのレコも俺、好きですよ。
今週末の笠、残念でしたね。noboさんと
ばっかりじゃなくて、俺も参加させてくださいね。
>こんな経験はもうないだろう、と思ってもまたすぐある。山の懐の広さ。
本当にそうですね。
山を知って、本当の人生が始まった。
そんな言葉まで出ちゃいそうです。
本当に良いですね、山と人。
makasioさん、
またビッグなイベントを企画されましたね
焼肉兄さんや高知チームとの出会い、それに、ジャンでのCoffee
私の夢の夢のコースですが、堪能させてもらいました。ありがとうございます。
良くご無事にお帰りいただきました
天気が大丈夫かな〜〜って自分の如く心配しておりました。
やっぱり、少し降ったみたいだね・・・
それにしても、今年は最高の夏だったね
そろそろ日本という殻に閉じ困らず、世界に目を向けても良いかも知れないね
世界のお山相手でも、日本男児に武士がいる事を見せ付けれると思うよ!
でも、ホントお疲れさんでした!良い記録をありがとです!
いつか後に続きますね
ご無事に生還されて何よりでした
穂高はやっぱすごい迫力ですね。
ジャンダルムは無理だとしても、すごく行きたくなりました
はしゃぐ30代と40代もいいっすね〜。
山に行くと、年齢なんて関係なく、「おお〜!」とか「すげ〜!」とか言ってはしゃいでしまいます
一緒に感動を共有できる人や、同じ志を持ったチームと出会えてよかったですね。
焼肉パーティーもまた、羨ましい。。。
あ〜山行きたい〜
家族での八ヶ岳で森に癒され、
そして、自分の目標とする北アでの単独。
今年も良い夏になりました。
ここにコメントをくれる皆さんのおかげだと
本当に思っているんですよ。
acchiのおかげです。
あの日は一日不安定な天気でした。
でもジャンの3時間は本当に素晴らしい天気に恵まれました。
心配してくれるだけで力になるよ。
ありがとう。
世界なんて、今の俺の力じゃ、無理だけど、やりたいよ。マジで。
俺は、ただのラーメン屋の息子ですけどね。
このルート、もしやりたいなら、俺、一緒にやるよ。
ただし、1泊2日かな。
今年の夏を締めくくる登山になりました。
まだ、夏は長いけどね。
これ以上の計画は今、ありません。
穂高岳山荘で虹が出て、ジャンダルムでブロッケンが
出て。
なんか、いろんな人に守られているんじゃないかって
思ったよ。俺は。
いつも、本当に良かったって思えるもの。
世界は広いからね〜
大きな目標は必要だよね
日本で鍛えて世界に羽ばたきたいもんですよね
世界と戦うラーメン屋・・・最高です
お〜!1泊といわず4泊位して読売新道辺りまで足を運んで逝ってしまいたいもんです
俺は太平洋から日本海縦走が果てしない大きな目標だな〜〜
お金と休みをなんとかせんとね
お疲れ様でした。
奥穂〜西穂間の岩綾、凄まじいですね。
写真でも鳥肌立っちゃって、体力が付いても、自分は腰が引けちゃいそうです。
ジャンのコーヒー、良いですね!
最高じゃないですか〜!
makasioさんの技術や体力にも憧れますが、
一緒に感動を共有できる方といっぱい出会えて、毎回素敵な山登りですね、羨ましいです。
体力を真似するのは難しいですが、こっちの方は真似させて頂きたいと思います。
しかし、makasioさんの文章、毎回上手っすね!
短編小説読んでるみたいですよ。
文章から、いろいろな事が伝わってきて、いつの間にか引き込まれちゃってます。
こっちも勉強しよう
コメント、ありがとうございます。
お陰さまで本当に毎回、良い登山ができています。
単独登山って他の人とすぐに仲良くなれるから不思議ですね。
僕が知る限り、山好きに悪い人は居ません。
少し変わった人は居ますけどね。(人のこと言えないか)
文章、中学の読書感想文の宿題以来でしたが、
褒めてくださる方がいてうれしいですよ。
自分の感じたことが山に行ったことのない人にも伝わるといいなと思って書いてます。
これからもお互い、良い山をやりましょう。
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する