【過去レコ】2009年 飯豊連峰 蒜場尾根
- GPS
- --:--
- 距離
- 45.2km
- 登り
- 3,931m
- 下り
- 3,834m
コースタイム
- 山行
- 5:50
- 休憩
- 0:00
- 合計
- 5:50
- 山行
- 9:50
- 休憩
- 0:30
- 合計
- 10:20
- 山行
- 10:00
- 休憩
- 0:10
- 合計
- 10:10
- 山行
- 9:20
- 休憩
- 1:40
- 合計
- 11:00
- 山行
- 1:10
- 休憩
- 0:00
- 合計
- 1:10
天候 | 1日目 雨 2日目 ガス 3日目 ガスのち晴れ 4日目 晴れ 5日目 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2009年04月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 タクシー
|
写真
感想
一言回想
僕らは若かった。今の僕らは雨の日は出発しない。年をとり、山の経験は上がったが、山に懸ける情熱は当時のほうが断然に高かった。そんな時期の記録です。
4月15日
早朝、目を覚ますと外は快晴。
ネットで新発田の天気を見ると昨日は雨マーク一色だったものが曇りになっている。急いでモコモコさんを叩き起こして慌しく新潟へ向かう新幹線に飛び乗った。
東京はあんなに天気が良かったのに、新潟駅に着いてみると空はどんより曇りで風が冷たい。新発田駅では雨が降っていた。意気込んで来たはいいがこんな天気で気が滅入る。
なんだかのんびりモードになってしまい、待合室でゆっくり身支度を進める。出発前なのに里心が湧いてきて、タクシーに乗り込む直前に駅のコンビニでから揚げとポテトフライを購入。
タクシーに乗り込んでいざ、加治川ダムへ向かった。爼倉山の登り口の琴沢で無情にもゲートで行き止まりとなった。ちなみにタクシー代は6240円。加治川ダムまでトボトボ歩く。途中のさくらは満開だ。一時間ほどで登山口に到着。
天候は相変わらずだが、雨が止んだのがせめてもの救い。途中でから揚げとポテトフライを名残惜しく食べた。濃いガスの中、黙々と登る。登山道は良く整備されており登りやすいがとにかく急だ。岩岳あたりから登山道が雪に覆われてきた。岩岳の標識は見つけられなかった。
蒜場山は尾根が鋭い場所が多く、烏帽子岩には鎖が付いていた。17:14ようやく蒜場山到着。山頂近くの風の弱いところを探して、雪面にテントを張ることにした。ガスっていて何も見えない。
初日の疲れもあって、食事を済ませて早々とシュラフに包まった。
4月16日
4時起床で、トイレのため外に出てみるとなんと、曇り空ではあるが大日岳までの遥かな稜線が見渡せた。朝食を急遽、パンに変更して急いで準備を進める。しかし無情にも、あたりはまたもやガスに覆われてしまった。
今回の縦走のポイントとして、蒜場山からの下りがある。山頂から北西に伸びる尾根は急なナイフリッジで苦労するとの情報だ。そのため蟹沢の源頭を下って合流する尾根に乗るというのがいいルートとのことだ。
ガスで、何も見えないのでGPSを頼りに蟹沢源頭の急斜面を下る。途中雪面が硬くなったので、アイゼンを装着して沢の中を標高差250mを下り無事尾根に乗ることができた。
尾根に乗り返してからは、視界が利かなくても気持ちのいい雪堤歩きだ。
高立山付近で、雪が切れてくる。藪コギになるかと思ったが、獣道のような踏み跡があった。ほどんど踏み跡のようで歩きやすいので使わせてもらった。
稲場ノ平はぶなの木がやさしく見守ってくれているような素敵な場所だ。初日にここまでこられて天気がよければ最高だったろう。熊棚のある木もあった。
残念ながら今回は宿泊見送りだが、丸子カルまで見えるくらい一瞬ガスが切れるという神様からのプレゼントがあった。
丸子カルを目指して登るが相変わらずのガスでGPSでようやくこの辺かと確認する。油断していたら丸子カルから北に伸びる尾根を歩いていた。この付近は視界が悪いと平坦で分かりにくい。またしてもGPSに助けられた。
ガスの中、黙々と登ると、烏帽子山の鞍部だった。モコモコさんが鞍部で一息入れているうちに、先を進む。
北峰へ登っているつもりが進んでいた方向は実は南峰だった。
ガスが一瞬開けて分かった。鞍部にいるモコモコさんは南峰に行かないとのことなので、単独で向かい、途中でザックを置き空身で南峰を目指す。南峰にはしっかりと三角点と杭が打ってあった。
往復20分ほどで戻ってくることができた。北峰からの下りが縦走のキーポイントだ。山頂からは複雑に尾根が何本も放射状に派生していて視界が利いても難しいのに、ガスで回りが見えないので、3回ほど降り口が分からず右往左往した。
モコモコさんがこれでもかと言うほどGPSにポイントを打ってきているのでそれを頼りに慎重に下った。
やっと尾根に乗れたので一安心。あとはマグソ穴峰目指してガスの中をひたすら登る。少しガスがとれてきた。計画段階では御西小屋、せめて実川山辺りまで行く予定であったため少しでも先に進みたいが、マグソ穴峰からキンカ穴峰までは、ガクンと鞍部まで下らなくてはならないし登り返しを考えるとこの辺で泊まったほうが良さそうだ。幸い予備日がある。
結局、マグソ穴峰を少し下ったところに泊まることにした。テントを張り終える頃になると初めて稜線が姿を現すようになった。それでも実川山ぐらいから上はガスの中だ。
テントの入り口を烏帽子山方面へ向けたので烏帽子山が初めて良く見える。噂どおり、尾根が四方に伸びており分かりにくい地形だ。
今回はお酒を持ってこなかったので、食事が終わったらあとは寝るだけの真面目な登山者に成り上がった(下がった?)。
寝る前は星が見えたが、ラジオによるとこれから気圧の谷が通過するらしい。
明日こそ景色がみたいと願いながら眠りに付いた。
4月17日
雨がテントのフライを叩く。結構降っているようだ。風もかなりあるようで、昨日頑張って風除けブロックを積んだモコモコさんに感謝だ。
朝3時起床の予定だったが雨が降っているので、寝ながら待機で5時起床。
今日こそは大日岳を越えるつもりで気合は十分だ。幸い雨は止んでいる。視界も今までで一番いい。
それでも、実川山付近から上はガスのままだ。雨がみぞれになって少し積もったようだ。
初めに鞍部に向かって標高を下げる。なんだか、妙にもぐる。夜中の雨のおかげで雪が緩んでしまったのだろう。
今までザックのお荷物状態だったワカンを装着する。まさか3日目で使うとは思っていなかった。ワカンの威力は絶大で今までズボズボ潜って苦しんでいたのが嘘のようだ。
10:30を過ぎた辺りから再びガスに視界を奪われる。キンカ穴峰への登りは少し藪を歩くこともあったが、ほとんどのところは快適に雪面を歩ける。キンカ穴峰からは藪を歩くことはなくなった。
ガスで完全に周りを包まれてしまい、薬師岳はGPSでようやくここだと確認。ひたすら雪面と空の区別が付きにくい中を進む。西大日岳はケルンと三角点で確認。
実川山からこのあたりは緩やかな登りが多い。
西大日岳辺りはワカンをはいていてもやたらに潜ったが、13:06に夢にまで見た大日岳に到着。しかし、視界は相変わらずゼロ。ここで気を抜いてはいけない。
大日岳からの下りが心配だ。雪が相変わらず柔らかかったので、ワカンのまま急斜面を下ってしまった。山頂でモコモコさんがアイゼンに履き替えたら?という助言を聞かないで行ってしまった。
途中までは良かったのだが、いきなり実川へ向かってストンと急斜面になっているところから雪も少し硬くなってしまった。ワカンではどうすることもできない。なんとか斜面を広げザックを置いて座れるスペースを作ってアイゼンに慎重に履き替えた。
バックステップで慎重に降りて一息付くことができた。落ち着いたところで再びワカンに履き替えて御西小屋を目指す。夕方からガスが切れる瞬間がでてきた。緩い登りを続けていると御西小屋が突然姿を現した。一階部分は埋まっている。二階から入ることになるが、時間もあるし一階から出入りしたほうが何かと便利だ。ということで、スノーソーとスコップを使い。掘り出し作業に取り掛かることにした。20分ほどで掘り出すことができた。
御西小屋はとてもきれいで、雪も吹き込んでおらず新築の木の香りがしてとっても快適な空間だ。夕方になって本格的に天気が回復してきた。
御西小屋からの景色は素晴らしく、雲海の日本海に沈む夕日は特に素晴らしく心に残った。
平らな乾いた床で快適に過ごすことができて本当に助かった。明日に備えて今日も早く寝ることにした。
4月18日
3時起床。星が瞬いている。4日目にしてようやっと飯豊の神様が微笑んでくれた。できればエブリ差岳まで足を伸ばしたいが、無理をしないで行こうということで出発することにした。
天気はいいが風が強いのでフードを頭まで被って進む。アイゼンがしっかり効いて歩きやすい。烏帽子岳と北股岳が聳えている。天気がいいので何も言うことはない。梅花皮岳から梅花皮小屋までは特に風が強くて、小屋が本当に有難く、小屋に入って一息つくことができた。小屋でしばらく休んでとりあえず門内岳まで頑張ろうと、北股岳の急斜面を登る。
強風の中、門内小屋へ到着したが、門内小屋の一階は雪で埋まっていて掘り出さないと入ることができない。2階のから入るのも一苦労しそうなので小屋前の風が弱いところで休む。
小屋前から見える二王子岳へ伸びる遥かなる稜線はこれからの課題だ。
休憩中作戦会議。強風の中を歩くのも疲れてきた。エブリ差岳までの予定は無理そうだ。ここまで歩き通せたことで良しとしよう。
モコモコさんと相談して、丸森尾根経由で下ることにした。
丸森尾根は梶川尾根より危険が少ないとのことだが、急斜面の箇所もあり結構緊張させられた。午後の雪が緩んだ状態で降りてこられて良かったのかもしれない。早朝の硬い状態だったらかなり緊張しただろう。途中で幕営も考えたが、時間もあるので飯豊山荘まで一気に下ることにした。
飯豊山荘の奥の乾いたアスファルトの上でテントを張って落ち着くことにした。山荘前の配管から水が取れたので助かった。最後の晩の夕食は、余った食料を寄せ集めてささやかに祝った。無事に降りてきたことに感謝して、眠りについた。
4月19日
今日は帰るだけなので、朝寝坊。今日も晴天だ。途中道草しながらのんびりと暖かい日差し中、梅花皮荘を目指した。倉手山は人気らしく大勢の登山者がちょうど登るところだった。
梅花皮荘で汗を流して帰宅した。
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