修験業山・栗ノ木岳 〜厳しくも美しい山〜 [三重県 津市 美杉町]
- GPS
- 05:21
- 距離
- 7.3km
- 登り
- 936m
- 下り
- 943m
コースタイム
- 山行
- 5:11
- 休憩
- 0:10
- 合計
- 5:21
天候 | 晴れ時々曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2020年04月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
修験業谷の堰堤から先の渡渉 栗ノ木岳直下の急坂 若宮峠からの下りのトラバース、渡渉 |
その他周辺情報 | 道の駅『みつえ』にあるが、コロナのせいで休み |
写真
感想
この日の天気は北部ほど雨模様だ。
鈴鹿南部の縦走を試みようと仙水渓に行くも、あいにくの雨だ。
仕方ないので美杉町まで足を伸ばして修験業山と栗ノ木岳を登ることにした。
この時、正直軽い気持ちだった。
若宮八幡宮に着くと2組程の登山者も準備していた。
登山者はこれくらいだから丁度良い人数だし何も問題はない。
若宮八幡宮の脇から登山道が始まり、最初は快適な道でハイペースで駆け巡る。
そんな道はこれが最初で最後と言っても良いだろう。
直ぐに濡れた木橋での渡渉でペースが落ちる。
その後も堰堤を巻いたり危なっかしいトラバースを通過する。
すると最大の難関が待ち受けていた。
2mの落差の端を渡渉するもので、岩は大きく岩と岩の間が離れているのと水位は浅くなく、岩は濡れている。
失敗すればドボンだけでなくケガは避けられない。
渡り切る最後の岩が1番危険なので、5分間考えてザックを渡りきった先に放り投げ、身軽にして渡りきった。
その後にも難関が待っている。
登山道通りに行くと同じようなケースの渡渉でしかも長い。
ここでも5分間考えて待っていると駐車場に居た登山者が追いついていた。
危なっかしく見える渡渉を見て、更に渡渉意欲が萎えていた時にもう一組の登山者が下の方から渡渉をしているのを見て、これなら行けると判断し、何とか渡りきった。
当然渡りきった先に登山道はないので、適当にトラバースして登山道に合流する。
あんな渡渉をするよりは遥かにマシだ。
暫く歩くと沢から離れ、今度は小尾根までの急登だ。
度重なる難所が続いていたので、キツいけど急登のほうが安心できる。
小尾根に登り切るとヒメシャラも出てくるようになり、気持ちのよい尾根道を歩くことになる。
が、長くは続かず壁のように見える急坂が待っており、それが2段階もあった。
2段階目はロープ付きの厳しい登りで、頑張って登り切ると学能堂山と室生火山群の景色が開けて疲れを忘れさせてくれる。
東には栗ノ木岳を見ながら進んでいくと主稜線に辿り着く。
主稜線はバイケイソウが沢山ある快適な道だ。
しかも南の展望も開け、南伊勢の山々、熊野灘、迷岳などが見渡せた。
直ぐに登りに入り、登り切ると若宮八幡宮の高宮だった。
正直山頂かと思った。
高宮から更に進むとようやく気持ちのよい尾根道になり、そのまま修験業山山頂に辿り着いた。
景色は無いものの、落ち着いた雰囲気の山頂だ。
小休止して高宮を過ぎた辺りの展望の効くところで大休止する。
ていうのも渡渉の時に意気投合した二人がいてたからっていうのもあった。
大休止を終えて栗ノ木岳に向かう。
分岐を過ぎて暫くは痩せ尾根区間もあったりするが、そこまで緊張するほどのものでもない。
栗ノ木岳直下は言うほどの勾配もなく、カタクリとヒメシャラを見ながらシャクナゲの森の中の栗ノ木岳山頂に登り切った。
山頂からは室生火山群が見れるくらいだが、1番のビューポイントがこの先にあるので行ってみると素晴らしい景色が広がっていた。
室生火山群の先に90キロ離れた琵琶湖、久居市街地と伊勢湾、そしてメインはやはり局ヶ岳までの稜線の姿だ。
いつになるか分からないが、そのうち歩くことになるだろう。
景色を堪能したら出発するも舐めていた。
この直下こそが栗ノ木岳の本当の姿で、ロープ場でもただの急坂じゃなくほぼ垂直だ。
しかも足を置きたいところは粘土質の滑る土なので慎重に下らないといけない。
何とか無事に通過すると若宮峠まではすぐだった。
ここからは意気投合した二人との行動になる。
何故ならここからの下りが不安だったからだ。
その予感は的中し、いきなりのガレたトラバースから始まる。
しかもただのガレじゃなく、もろいもので踏ん張れば簡単に崩れてしまうガレた。
ガレた急坂下りの途中に倒木があったり、それを通過するば再びガレたトラバース、濡れた沢のトラバース渡渉と難所が続く。
沢へ下れば渡渉の嵐で、二人の判断を参考に先に行く事が出来た。
最後は目の前に駐車場が見えているのに、また水量の多い渡渉が待っているもので、最後の最後までの気が抜けない山行となった。
距離は短いものだが、難所ばかりで普通の縦走の5倍は疲れた。
二人がいなかったらと思うとゾッとするものだったので感謝しています。
栗ノ木岳直下の下りの影響は次の日に腕の筋肉痛を引き起こすものだった。
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