縄文杉・宮之浦岳(鹿児島県熊毛郡屋久島町)
- GPS
- 27:55
- 距離
- 27.0km
- 登り
- 1,961m
- 下り
- 1,939m
コースタイム
4:33宮之浦バス停
↓
路線バス
↓
屋久杉自然館
↓
登山バス
↓
6:15荒川登山口バス停
6:30荒川登山口
↓
7:10小杉谷
↓
7:35楠川分れ
↓
7:43三代杉
↓
8:15仁王杉
↓
8:28大株歩道入口
↓
8:49ウィルソン株
↓
9:25大王杉
↓
9:34夫婦杉
↓
10:05縄文杉
↓
10:15高塚小屋
↓
11:08新高塚小屋
11:55新高塚小屋
↓
12:13第1展望台
↓
12:28第2展望台
↓
12:55平石岩屋
↓
13:22焼野三叉路
↓
13:42宮之浦岳
↓
14:23平石岩屋
↓
15:30新高塚小屋(宿)
(2日目)
5:26新高塚小屋
↓
6:10高塚小屋
↓
6:17縄文杉
6:35縄文杉
↓
7:30翁杉
↓
7:42大株歩道入口
↓
8:31楠川分れ
↓
9:11辻峠
↓
9:40七本杉
↓
9:44くぐり杉
↓
10:07さつき吊り橋
↓
10:18白谷雲水峡バス停
11:00白谷雲水峡
↓
路線バス
↓
11:45宮之浦港
天候 | 快晴!! |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2012年10月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
バス
そこから登山バスに乗り換えて40分です。 屋久島観光協会 http://www1.ocn.ne.jp/~yakukan/index.htm 屋久島ポータルサイト http://www.realwave-corp.com/ |
コース状況/ 危険箇所等 |
よく整備された歩道が続いていて、迷うことはまずないですが、大株歩道からは急傾斜が続きます。また、木製の階段はスリップしやすいのではないかと思います。 新高塚小屋は頑丈で、定員40名以上は泊まれるスペースがあるように感じました。 携帯トイレの使用が奨励されていて、コース随所に専用の簡易トイレが設置していました。 日曜日は特に登山客が多く、そのうち縄文杉まではガイドツアーの参加者がほとんどであるように感じました。 |
写真
感想
ついに、憧れの縄文杉・宮之浦岳に登ります。
宮之浦バス停近くの民宿を4時30分に出発。隣の弁当屋さんで予約しておいた
登山弁当(朝・昼2食)、登山バスチケットを一緒に購入しました。
まずは屋久杉自然館まで路線バスに乗りました。早朝ですが空港や安房のバス停からたくさんの登山者が乗ってきました。
自然館で登山バスに乗り替え。日曜日ということでバスは定員オーバー。
1便あとのバスに乗ることになり、思いがけずここで朝食。
ようやく乗れた満員のバスで荒川登山口につき、ガイドツアーの登山客に混じって
トロッコ道を歩きます。
現在も使われている森林軌道で、軌道間に木の板を通していて歩きにくさを感じることもなく、深い森の中を快適に歩けました。
はじめは照葉樹が多かった道も、だんだんスギの大木が目立ち始めます。
谷という谷は、先週の台風もあって水量が多かった。水が豊富な島というのを実感できます。ヤクシカもさっそく発見!
小杉谷の集落の跡を過ぎて、トロッコ道から右に登る登山道へ。ついに巨木の森に入ります。
傾斜は一気に急になり、森には独特の空気が漂い始めます。
翁杉は気づきませんでした。
ウィルソン株は切り株の中に渋滞ができていました。
大王杉には気品を感じました。
夫婦杉は植物の不思議さを感じました。
そして、縄文杉。
誤解を恐れずに言えば、何だかかわいそう、というのが正直な感想でした。
白くなっって皺だらけになった樹皮は衰えて枯れていく姿を想像させたし。
展望デッキから見てさらしものみたいだったので。
なんだか寂しい気分になって、その時は先を急ぎました。
高塚小屋までは10分程度。
つるんとした表面のヒメシャラの木が目立つ稜線を上り下りして、11時過ぎには
今夜の宿泊地、新高塚小屋に到着しました。先客はなく、一匹のシカが迎えてくれました。
昼食をとりカビ臭い小屋の換気をした後、ザックを置いて頂上にアタック。
高度を上げるにつれ増えてくるスギの白骨樹は、生存領域を広げようとする植物の
挑戦のすがただそうです。
根付いた場所で全力で生きる姿は、やはり心を動かされます。
やがてそれもなくなり、灌木や笹、それから巨大な花崗岩が稜線を覆うようになると、
宮之浦岳、永田岳、翁岳、前面に巨大な山塊が迫ってきます。
これだけ歩いたのに、まだ遥か遠く見える頂上。絶望的な気持ちになりながら
休み休み登ります。やがて永田岳も下に見えるようになり、13時40分宮之浦岳の
山頂に到着。日差しは強いけれど、風が涼しくて、しみじみとした達成感が湧いて来ました。とにかく、山がでかかった。
午後になって西の海岸からガスが上がってくる気配があったので、小屋に引き返しました。
小屋はほぼ満杯。特別寒いこともなく、ぐっすり眠ることができました。
その夜はオリオン座流星群の極大日で、満天の星空に流れる星をいくつも見つけることができました。
翌日はゆっくり出てゆっくり降りようと思っていましたが、周りの登山客の方の
準備する音で目が覚めてしまい、自分もまだ暗い5時半に出発しました。
ヘッドランプの明かりを頼りに夜道を歩き、高塚小屋の辺りで東の空が明るくなってきました。
高塚小屋で朝食をとるつもりだったのですが、不思議とくしゃみが出て、風邪をひいたかな、急いで降りなければと、先を急ぎました。
そして、ふたたび縄文杉に差し掛かります。昨日とうってかわり、薄暗い展望デッキには人影もなく、静かな朝の森の中に、縄文杉は佇んでいました。なんとなく、僕は腰をおろしていました。
6時20分。縄文杉の上の方の樹皮がにわかに色づきました。昇った朝日が、
まずは上の方から、そして徐々に下の方へと、縄文杉の表皮を照らし出したのです。
もともと白っぽくなっている縄文杉の表面は、朝日を浴びると反射して血のような赤い色に。
それが、自分にはまるで生命を宿して、燃えているかのように感じられました。
自分と縄文杉以外誰もいない森で、僕は動けなくなりました。
昨日はただ年老いて、哀れなすがたを晒しているように見えた巨木に、
その時は命の限り生きているかと、僕は問いかけられているような気がしました。
しばらく経つと、血のような色は、オレンジ色になり、やがて縄文杉は普段の白っぽいすがたになりました。
魂を抜かれたようになって山を下りました。巨木の森を過ぎ、トロッコ道を過ぎ、白谷雲水峡の美しい森を過ぎて白谷の登山口へ。
そのまま予定の日程を繰り上げて、その日のうちに宮之浦の港から帰りの船に乗船していました。
長い文章になりましたが、以上が僕の屋久島の初登山の記録です。
縄文杉それ自体にパワースポットのような、神秘的な力とか、癒しの効果があるか僕にはわかりません。
ただ、そこにあるだけで見る側の方がなにかを感じる、考えさせることはできる、そう思いました。
よくまとまっていない文章です。最後に、前日に耳にした谷川俊太郎の詩の一節を。
木は誰もあらがえぬ誘惑者だから
私たちは木を畏れなければならない
木は人よりもずっと神に近いのだから
私たちは木に祈らなければならない。
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