黒戸尾根〜甲斐駒ヶ岳〜アサヨ峰〜鳳凰三山〜青木鉱泉(56代錬成合宿)
- GPS
- 127:00
- 距離
- 28.7km
- 登り
- 3,917m
- 下り
- 3,589m
コースタイム
6/11 5:30七丈第一小屋−8:24甲斐駒ヶ岳−14:58仙水小屋(C2)
6/12 5:45仙水小屋−北沢長兵衛小屋−栗沢山−アサヨ峰−14:57早川尾根小屋(C3)
6/13 5:45早川尾根小屋−11:18観音岳−13:41鳳凰小屋(C4)
6/14 6:45鳳凰小屋−7:40五色の滝分岐−13:00青木鉱泉
過去天気図(気象庁) | 2005年06月の天気図 |
---|---|
アクセス | |
コース状況/ 危険箇所等 |
七丈第一小屋から甲斐駒にかけての登りで多少の残雪が残っていた。 |
予約できる山小屋 |
七丈小屋
|
写真
感想
6月9日 新宿=日野春=竹字駒ヶ岳神社登山口C0
18:00新宿10番線集合。中央線を使う時はいつもここから出発するので、非常に分かりやすい。いつもここから錬成のドラマが始まるかと思うと、わくわくしてしまう。さて今年はどんなドラマが生まれることやら。遅刻者なしだが、新人安岡が試験で、遅刻するために、全体ミーティングは18:40からスタート予定。それまで上級生ミーティングを行い、目標を確認しあう。
全体ミーティング開始。忘れ物なし、体調よし。合宿日程が殆ど雨であるという予想ことを除けば万全の体制である。見送りでは大量の差し入れをいただき感謝、感謝。二年の浅井は同期からの愛情のこもった差し入れをたくさんもらって、とてもうれしそうである?来年からはサイドポケットをもってこようね、浅井君。このときに、大玉二個・小玉五個のスイカをいただいた。この痛いくらいの温かい愛情のおかげで、これからほぼ毎日T.P.でスイカを食べるという、とても贅沢な山行になる。(ちなみに春田は大玉二つを持って、殆どの行程をこなした。歴史的快挙である)
19:08混雑度200%の大月行きの中央特快に乗り込み新宿駅を出発。帰宅ラッシュの時間帯のために我々の存在は非常に迷惑である・・・。大月でがらがらの電車に乗り換え、米山からマックチキン(\100×6)と辻さんからの差し入れのビールで乾杯する。
22:10日野春着。ここからタクシーで竹字駒ヶ岳神社登山口へ移動する。タクシーの運ちゃんが言うには、登山口にタクシーで行くなら、日野春よりも長坂の方が近いらしい。22:40登山口着。ここの登山口はしっかりとした水場はなく。トイレから水をいただく、少々臭い。雨をさえぎるようなものはないが、雨が降りそうもないので、みんなでシュラポン23:30就寝。
6月10日 竹字駒ヶ岳神社登山口−七丈第一小屋C1
5:00起床。意外に晴れていることに驚く。6:00出発。今日はひたすら登ること1500m、まさに錬成一日目に相応しいコースである。女子パーティーということで無理はせず、とにかくガンガン歌い、ガンガン登り高度を稼ぐ。春合宿以来の山であるL もがんがん歌う。
9:48新人安岡が気分が悪いというので、一本直後であったが、また一本とる。高度が2000mを超えたあたりから、隊のペースが落ち始める。二年の二人はかなり辛そうである。がんばれ、三四年で歌って励ます。この光景こそ錬成の王道である。
黒戸山をトラバースした先にある五合目小屋と屏風小屋は廃墟と化している。この先ははしごが連続していてかなり怖い所である。皆一同「こえー、こえー」といっているわりには、簡単に通過している、一番腰が引けていたのは、Lだったのかもしれない…。七丈第一小屋直前の鎖場はかなり危険であり、安岡、浅井はザックを脱いで通過した。土砂降りの雨の中ならばかなり怖い所である。
14:30小屋着。先発隊が来た時には、この日の行程では雪がかなり残っていて、かなり苦戦したらしいが、雪はまったくなかった。小屋から幕場まで、五分近くかかり、やっと着いたと気を抜いたものはかなり精神的に辛かったようである。メンバーには六人テントで寝たことのあるものが殆どいないために、「せまい、せまい」とみんなブーたれている。小屋は年中人が入っているが、雪の関係で、いつから水が出るかは微妙だとのことである。ちなみに先発隊は出なかったが、この時はしっかりと出た。水場は小屋の近くなのでめんどい。ビール500mL缶を六本いただく。有難い差し入れがまた一つ増えた。
15:30食当点火。今日の飯はすき焼き。二年と新人でやっているせいか、手際が悪い。55代伊藤さんの差し入れのイナゴの佃煮が出る。中々いける。上級生ミーティングで、隊のペースが予想以上に速いために、T.P.で差し入れを出すことで荷物を軽くし、がんばって早川尾根小屋を目指すことにする(仙水峠を正午までに通過できなければ、仙水小屋泊とした)。明日は早いので、20:00就寝。
6月11日 七丈第一小屋−甲斐駒ヶ岳−仙水小屋C2
3:00起床。案の定みんな眠れなかったらしく、かなり眠そうである。朝飯は鳥五目とみそ汁。皆はまる。しかも御手洗と安岡の食べきれないご飯が男性陣に周ってくるので、はまり具合に拍車がかかる。
5:00出発の予定であるが、浅井の準備が遅い。しかもトイレに20分くらいかかり、何かあったのかと聞いたところ、鼻血が出てなかなかとまらなかったらしい。結局30分出発が遅れた。
小屋から出たばかりの所で残雪があり、二年生以下は軽くはまる。しかも雪がなくなっても山頂までは岩場が多く、なかなかペースが上がらない。しかも途中から雨が降り、風が降ってきて、天候が荒れてきた。8:24甲斐駒山頂着。ガスっていたために、皆の喜びも今ひとつである。ここで廣光と鳴海からの差し入れの缶詰を開ける。おいしいが、寒い。寒いので、そそくさと下山する。下りはさくさく行こうかと思っていたところ、まさかのルートミス。高度を下げすぎていたらしい。元のルートに戻るまでにかなりの時間がかかった。さらに駒津峰までは岩場の連続で、雨風はどんどん強くなるというバットコンディション。
11:58駒津峰着。タッパー飯を食う。ここで意外にも二年生以下にタッパー飯狂信者が多いことに気づく。風はどんどん強くなり、みんな震えながらタッパー飯を食す。仙水峠までは急な下り。どんどん下っていると、新人安岡が、足が痛いという。曰く甲斐駒からの下りから、違和感があったようであるが、だんだん痛みが増してきたらしい。団配を解除し、三角巾で応急処置をする。ここで仙水峠正午のリミットの時間を大きく過ぎていることと、安岡に無理をさせられないことから、今日は仙水小屋まで行くと判断する。14:58仙水小屋着。今日は二年二人+新人一人でテントを建ててもらう。全体的に声が小さく、無駄な動きが多い。柳瀬に安岡を見てもらったところ、アキレス腱付近の筋を痛めた模様とのこと。食当を春田と御手洗にやってもらう。運良く小屋の人が荷揚げのために留守にしているので、安岡と体調を崩している浅井には小屋で寝てもらうことにする。明日は団配を軽くして、北沢長兵衛荘まで一旦降りると決める。動けそうならば栗沢山に向かい、だめそうならば北沢峠を経由して下山させることにする。聞けば、春田も熱があるという。文登研から即行で合宿に参加したツケがまわってきたのだろうか。他の人間もかなり疲労していて、この隊も満身創痍である。21:00就寝。
6月12日
仙水小屋−アサヨ峰−早川尾根小屋C3
4:00起床。予想に反して快晴。安岡の調子を見るために北沢長兵衛小屋まで下りる。30分くらいの行程であったが、安岡の動きもよく、本人も痛みはないというので、行動続行し、栗沢山まで行くこととする。栗沢山までは二本ちょっとで、ほとんどルート整備されていないので、非常に歩きにくい。
山頂は開けており、展望が良い。昨日登った甲斐駒、残雪の残る北岳、仙丈ヶ岳がきれいである。ガスっていて何も見えなかった二年前とは大違いである。アサヨ峰まで根性一本。二年生が歌いまくる。山頂では沢木さんからのプリンの差し入れを食べる。うまい。そしていい陽気である。予想に反した好天続きに、みんな嬉しいのか、かなり調子がいい。ここから先は特徴のない稜線歩きであるが、雪が若干残っていて、歩きにくい。2553mのポコでタッパー飯を食う。あと少しだからがんばっていこう、と気合を入て出発しようとした所で、浅井が鼻血を出し、休憩を延長する。
14:57小屋着。管理人の方のご好意で、期間外ということで、幕営料を払わないで済んだ。その上、コーヒーをご馳走してくれた。Lも四回目であるが、錬成でこれほどの歓迎を受けるのは始めてである。
今日のご飯はマーボー汁。高野豆腐がある割には汁が多く、皆はまる。上級生ミーティングで、安岡の足に不安があるにもかかわらず、根性一本をしたことは良くないのでは、という指摘を二年生から受けた。リーダー陣は大いに反省する。
T.P.では藤田さんからの差し入れの缶詰と監督、辻さんから差し入れてもらったメロンを食す。毎日が豪華である。隊のペースが上がらないために、明日は鳳凰小屋を目指すことにする。21:00 就寝。
6月13日 早川尾根小屋−観音岳−鳳凰小屋C4
4:00起床。管理人の方に挨拶をして出発。高気圧が前線を押し下げたらしく、今日も快晴。稜線上から見える北岳がきれいである。今日も歌がぽんぽんと出る。中でも春田のサザンメドレーはすごかった(八曲連続で歌う)。予定では鳳凰小屋に直接行く予定であったが、予想外にペースが速いことから、観音岳のすぐ前の分岐でザックをデポし、ピストンすることにする。紺碧の空をみんなで合唱し、11:18山頂に到着する。
一昨年の錬成では通過した場所であるので、三年以上は感慨深い場所である。ここでスイカ割りをする。
手ぬぐいで目隠しされた安岡の歩調を見ているとかなり、不安な所もあったが、振り下ろしたストックは見事にスイカに直撃した。おいしかったです、沢木さんごちそうさまでした。個人写真を撮り、北岳に向かって式典をし、デポ地に戻る。ここでタッパー飯を食べる。ここからはひたすら小屋に向かって下るだけである。浅井のアニソンメドレーが、山中に響き渡る。
良くそこまで知っているものである。13:41鳳凰小屋着。ここの小屋も、管理人は荷揚げのために留守にしている。14:45食当点火。
今日は最終夜ということで、安岡の感想を聞いてみる。
「最初は重くて辛くって、何でこんな所にいるのだろうと思いました。けど三日目からは天気も良くて景色がきれいでとても楽しかったです。足のことでは、ご迷惑をかけてすみませんでした」。
新人一人としての参加だけでも大変なのに、弱音を吐かず、よくがんばった。その日の夜は安岡の話を肴に大量の酒を消費していった。明日はいよいよ下山である。
6月14 日 鳳凰小屋−青木鉱泉
5:00起床。とにかく今日は青木鉱泉に下山するだけ。歌を歌いながら、どんどん高度を下げる。7:40五色の滝分岐で一本。せっかくなので、滝を見ていく。今日は日差しが強く、滝に虹ができていた。とてもきれいである。
順調に下り、鉱泉直前でいい堤防があったので、二年生以下に思いのたけを南アルプスに向けて発してもらう。マジパオーンぎりぎりの御手洗、意味の分からない浅井、初々しさ爆発の安岡。十分満喫しました、ごっつぁんです。堤防がとてもいい感じであるので、青木コーチの差し入れのスイカを食べる。二日連続とは贅沢なものだ。
さくさく進み、青木鉱泉に13:00着。しかし肝心の青木鉱泉に人がいない。ラジオは着いているのに何故?なぞは深まるばかりである。とりあえずタクシーを呼び、運ちゃんと相談した所、韮崎と穴山の間に韮崎健康ふれあいセンターというところに温泉があるので、そこまで乗せていってもらう。サウナあり、露天風呂ありと清潔でいいところである。\600と値段も安い。隣接している食堂で、打ち上げをする。
例年みんなカツ丼にラーメンといった普通では考えられないようなものを頼むが、今年はいたっておとなしい。しかし春田の胃袋は別で、食欲はすさまじく、唐揚げ定食とラーメン、カツカレーをぺろりと平らげてしまった。しかもまだ物足りないような顔をしている・・・春田の所だけ違う空間のように見えたのはL だけではないだろう。
予約しておいたタクシーに乗り込み、韮崎駅へ向かう。これからのことを伝え、解散。
「みんなお疲れ、後は夏に向かってがんばるだけだ!」
コメント
この記録に関連する登山ルート
この場所を通る登山ルートは、まだ登録されていません。
ルートを登録する
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する