二口本流 禿沢〜南沢 糸滝沢
- GPS
- 15:01
- 距離
- 14.0km
- 登り
- 1,722m
- 下り
- 1,709m
コースタイム
- 山行
- 8:09
- 休憩
- 1:04
- 合計
- 9:13
天候 | 23日 曇り時々晴れ 24日 晴れ時々曇り |
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過去天気図(気象庁) | 2020年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
二口林道は、23日から宮城〜山形間全面通行可能になりました。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
禿沢 遡行 白糸の滝ゲート前の駐車場から山形側に林道を10分程歩き、右に大きくカーブする左手から踏み跡を辿り入渓。入渓地点の林道脇に車1台分のスペースあり。 入渓するといきなりナメから始まり、綺麗な淵やナメを堪能しながら歩く。最初の8m滝はホールドが細かいが右壁から登れそうで取り付いてみたが、ヌメリがあり重荷だったので左岸から巻き。 710mで右岸から南沢が出合う。そのちょっと手前の左岸に今回の宿の翠雲荘があり、泊まりの荷物をデポって再び遡行を開始する。 この後も見事なナメと4m〜6mの滝が程よい間隔で出てくる。滝は全て直登出来、遡行してて飽きる部分は皆無であり、見事な美渓に心高鳴る。 880mで右岸から小松倉沢の出合を見送り順調に進んで行くと、銚子滝の手前に前衛の15m直瀑。ほとんどの記録では右岸からの巻きとなっているが、今回この滝を直接見るのを密かに楽しみにしていた。 滝の前で一本取りながら滝の真下にも近付いて色々観察してみる。真下から見るとなんとか行けそうと思い、Hiroshiiiiiさんにビレイをお願いして取り付いてみる。実際に壁に取り付くと垂直の壁が迫ってくるようで、微妙なスタンスに体重をかけるのが怖い。結局登ろうと思ってた水線左のルートは諦め、もう少し左の草付きに伸びるルートを登り、ランニングを取りながら最後は巻き気味で落ち口に降り立った。水線左に残置ハーケンあり。manimaniさんは右岸を巻いて華麗に懸垂で降りてきた。 この15mを超えるとすぐ目の前に銚子大滝40m。一番上の滝まで入れると50mはありそうな感じ。 ここも最初から登るつもりで来た。直登の声を聞いてびっくりしてたmanimaniさんは写真を撮ってくれてから左岸巻き。 40mと高い滝ではあるが、水線が細いので手前の15mと比べるとそこまでの迫力はない。最初にHiroshiiiiiさんが突っ張りを交えながら登って行くが、2段目の先で水圧が凄くて進めない。どうやら顔面シャワーでコンタクトが飛びそうらしい。 ここで私がトップを交代してドシャワーで突破。Hiroshiiiiiさんも覚悟を決めたのかなんとか突破。その先の4段目以降を見ると水の勢いはさらに迫力を増してきてるので、3段目を越えてから右の岩場に逃げる。そこから上の草付きに登るが、ここも場所を選ばないと微妙な箇所が多い。先に上に抜けてたHiroshiiiiiにお助けを出してもらう。ここで何を思ったか、左岸を巻いていたmanimaniさんが巻きの途中からこの場所に降りてきてしまって登れなくなっている。ロープを出して何回かずり落ちながらゴボウでなんとか登ってきた。最後の5mは左岸から巻き気味に通過して銚子大滝を後にする。 その後ミニゴルジュとなり、ヘツリを楽しみながら小滝を越えて行くと、1030m付近の左岸に幕営適地あり。 その後1040m二俣を一段高い左に入り、舗装道路のようなナメを行くと次第に源頭の雰囲気になってきて藪漕ぎとなる。 それほど酷い藪でもなく、15分程で仙人沢分岐の少し西側の登山道に合流。仙台神室を目指す。 南沢 下降 今回のルートでの一番の核心はこの仙台神室から南沢への下降だった。 事前に色々下調べはしていったが、尾根から外れるのが早すぎて、少しの区間激藪の急斜面トラバースを余儀なくされた。辛かったのはこのトラバースだけで、あとは運良く獣道を見つけられて、これが南沢の源頭まだ繋がっていたので少しは歩きやすくて助かった。 南沢の下降は滝などもなく問題ないが、ラバーの沢靴は滑りまくりでかなり歩きずらかった。藪漕ぎをスタートしてから二口沢出合まで2時間半程。次回は二口林道を降りようと言う意見には皆同意であった。 糸滝沢 遡行 翌日は翠雲荘から林道を少し歩き、白糸の滝がかかる糸滝沢へ。 出合いにかかっている白糸の滝は登山道から巻いて、滝のすぐ上から簡単に沢に戻れる。 この沢は、ナメが永遠にずっと続く沢だった。 滝らしい滝は1個2個くらいで、あとはずっとナメが続いており、フリクションを信じて登るいやらしいナメ滝も何個かあって思いのほか楽しめた。景観的にもどこまでも続くナメ滝は美しく、ナメマニアにとっては堪らない沢だろう。そんな人いるのか? 源頭が近くなってくると地形図には載ってない二俣が何個か出てくる。その時の勘と気分次第でどちらに進んでもあまり変わらない気がする。我々は15分程の藪漕ぎで、糸岳山頂の10m程西側に出た。 糸岳山頂は天気が良ければ西側の眺望が素晴らしい。この日は山頂滞在時は雲が多かったが、朝日や月山のほんの一部は見ることが出来た。 下山は望洋平経由で下山。一部登山道が藪で覆われており、足元が見えない箇所があった。 因みに、二口沢本流の名称であるが、最近の呼称では「小松原沢」と呼ばれる事が多いが、これは間違いである。正しくは「禿沢」。 小松原沢の呼び方は、本流左俣の小松倉沢の別名らしい。 二口ビジターセンターで配布している概念図が間違っているせいで、小松原沢の名前が浸透してしまったらしいが、二口山塊の概念図原本や登山大系等では二口本流は禿沢と記載されている。 二口本流名称等で検索すると、詳しく調べておられる方の説明が乗っているので、興味ある方は一度調べてみて下さい。 記mooree |
写真
装備
個人装備 |
長袖インナー
ズボン
靴下
グローブ
雨具
日よけ帽子
着替え
靴
ザック
昼ご飯
行動食
飲料
地図(地形図)
コンパス
笛
ヘッドランプ
予備電池
ファーストエイドキット
常備薬
携帯
時計
タオル
ツェルト
カメラ
ロープ
ヘルメット
確保機
ロックカラビナ
カラビナ
クイックドロー
スリング
ロープスリング
渓流シューズ
ハーネス
30メートルロープ
シュラフ
マット
タープ
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感想
二口渓谷には名渓がいくつもありますが、その中でも美渓と言われる小松原沢。
その名の通りの美渓に酔いしれた。とにかく滑が素晴らしい。
良い滝がいくつもあり、難しいと言えば銚子滝とその前にある前衛の15mだ。
登れる事にこしたことはないが、初心者の私は素直に巻きを選択した。
危険な滝には巻道があるのも助かった。しかし、今更だが、銚子滝は挑戦しとけばよかったと後悔している。いずれまた挑戦したいと誓った。
今回、下降に使った南沢、仙台神室から激藪に突っ込み下降地点を間違えないように確認しながら進んだつもりだったが、早めに高度を下げてしまい、激藪のトラバースを強いることとなった。もう少し尾根を進んでから下降すれば、もっと楽に降りられたかもしれません。
翌朝は糸滝沢を遡行、永遠と続くナメに最初は感動していたが、あまりにもナメが続くので飽きてくるほど(笑)、しかし傾斜は強くなりフリクションを全開に聞かせながら登らないと登れないほどに。最後の藪漕ぎは思っていたよりも楽に登山道に出ることができ一安心。初めて訪れた糸岳山頂、雲がかかり生憎と景色は余り望めなかったが、初めて見る風景は新鮮でした。糸滝沢コースで下山、最後の激下りはフェルト沢靴ではスベスベでした。
ずっと行きたいと思ってた二口の名渓、禿沢。
仲間の予定や天気で延期を繰り返してきたが、今回ようやく訪れる事が出来ました。
本来なら禿沢の沢中で幕営宴会の計画だったが、これも色々都合がつかず、禿沢は1日で周回して翠雲荘に泊まり、翌日は糸滝沢を遡行する案にしました。
禿沢は噂通り素晴らしい渓で、もう1つの二口の名渓、大行沢よりこちらのほうが私は好みでした。遡行しながらも「ヤバい、楽しい」と何回も思わせられ、何度でも訪れたいと思わせるまさに「名渓」でありました。
銚子滝と前衛の15mを登った事で、より一層面白さを感じる事が出来たと思います。
小松倉沢や、山形神室方面への右俣など次に繋がるルートもあり、再訪を強く感じる本当に素晴らしい沢でした。
翌日遡行した糸滝沢も、短いながら沢全体がナメという二口らしい面白い沢で、ちょうどいいアクセントの滝などもありこちらも楽しく遡行する事が出来ました。
今回も天気が心配で前日まで悩んで決行しましたが、二日間とも雨には当たらず青空の中遡行する事が出来たのは何よりでした。
一緒に行った仲間達には感謝であります。
コメント
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はい!ナメマニアがここにいます
東北のナメは素晴らしいです。T沢とか、O多摩の有名沢より、よほどナメが美しく楽しい沢が多いのが、東北のいいところです(^^♪
自分の行きたい沢2本揃って、嬉しいです!参考にさせていただきます(≧▽≦)
NYAAさんはナメマニアでしたかっ😆
でしたら糸滝沢はオススメです。ただ言うまでもありませんが、時期などによってはラバーかフェルトか悩みそうです。今回私はラバーでしたが、ナメ床の種類がコロコロ変わります。バチ効きと歯が立たない時と差が結構ありましたよ。しかも上部は傾斜がきつくなってくるので、フリクションが効かないと地獄を見そうです(笑)
小松原沢はただ一言、素晴らしい沢でした。
私も有名なT沢やO多摩、O秩父の沢などいつか遠征して訪れたいと思っていますが、まだまだ勉強不足でよくわからないので、いつか行く時はNYAAさんにオススメなどご教授お願い出来れば嬉しいです😁
コメントありがとうございました!
NYAAさん、こんばんは。
ナメマニアいたーーー!(笑)
関東の沢より東北のナメは素晴らしいんですね
この日も関東の沢屋たちが大勢いるのを見かけました。
近場にこんないい沢があるのはなんか誇らしいです
自分も大行沢より小松原沢の方が好みです。
沢登りとしても楽しいし、ナメもこちらの方が綺麗だと思うのよね。
これよりも綺麗なナメが存在する沢って、自分の記憶の中では大深沢くらいしかありません。
多くの人が、小松原沢を名渓と呼びますが、その称号は伊達ではありませんね。
糸滝沢のナメも良いけれど・・・
やたら滑るので、私はこちらのナメはあまり好きでは無いです^^;
たぶん、南沢への藪下降が、今回の沢行で一番辛いとこなんじゃないかな?、
と思ってましたが、やはりそうなりましたか 。
見てるだけで尾てい骨が痛くなりそうな写真、楽しませて頂きました
Luskeさん、こんばんは!
大行沢と比べると、ナメもそうですが、小松原沢の方が滝が面白かったです😆大行沢は滝3つしかないですもんね。あ、4つかな。でもあの初っぱなのゴルジュは密かに自分は好きなんですけどね(笑)
アニキの予想通り、南沢の下降が核心でしたよ。ちょっとルートミスったんですよね💦次はすんなり降りれるかなぁ。って多分次は林道歩きます😁
大深沢!今までで一番のナメですか。そんなの聞いたらますます行きたいですね💨
それまでにはカルシウム大量摂取で頼みますよ😁
以前からオススメされていた小松原沢、Luskeさんがおっしゃる通りの名渓でした。
大行沢は初めのゴルシュとゴーロ歩きがまだですが、そちらもいずれ挑戦しなくては!
糸滝沢のナメは初めは気持ち良かったですが段々と傾斜が増すナメに最後はびくびくしながら登っていました(笑)
南沢への下降は酷かった(笑)
梅雨明けして沢のハイシーズンですね。今年はもう4回沢登りしているなーと思ったら、mooreeさん達は8回も行っている...さすがです
この沢、いいんですよね〜!でもまだ行ってなくて、タイミングを見計らっている感じです。銚子滝の直登、写真を見ているとウズウズします。これから福島の沢が続きそうで、今年行けるか!?でもまた県境跨ぎ自粛とかになった場合の保険としても二口はいいかも
takajanさんこんにちは😃
小松原沢、よかったです!私も行こう行こうと思っててようやく行けた感じでした。確かに近くて遠いですね(笑
これからは毎年一回は行ってもいいなと思えるぐらいでしたよ。ってあんまり言い過ぎると思った程じゃなかったって思っちゃうので程々に聞いといて下さい
福島の沢が続くんですか?そしたらもしかしたら会うかもしれませんね
まだまだ沢シーズン続きますが、お互い怪我などないように楽しみましょう
度々すみません。
「次回は二口林道を降りようと言う意見には皆同意であった。」←ここ着目してます 南沢下りても楽しそうなことなさそうだし、ちょっと山形神室立ち寄って、距離はあるものの登山道を降りた方が、日が落ちるリスクを考えると良いのかな...と思ってます。皆さん、そんな実感なのでしょうか😅
南沢の下降はですね、沢型をすんなり見つけられれば藪こぎの距離は対した事はないです。ただ下り初めが濃密な藪なので、体感時間はかなり長いです。地形図、コンパス、GPSはフルに使う事をオススメします。小松原沢のツメを山形神室方面に取れば、二口峠経由下山と時間的にはあまり変わらないと思います。
南沢自体も下りやすいだけで見所はないです。小松倉沢を下降するのも一つの案でしょうか。
ただやはり私としては一度は南沢下降を行ってみる事をオススメしますよ(笑)
読図だったり藪漕ぎだったり、沢登りとしての経験値は上がると思います😁あとメンバーの藪漕ぎに対する力量の差なんかも分かって私はかなり勉強になりました。
時間的な問題などもあるかと思うので色々検討してみてください。
takajanさんの小松原沢のレコ、楽しみに待っています😉
mooreeさん、さっそく返信ありがとうございます🙇確かにそうですね、一度は下らないと何も語れない…。色んな記録を見てると南沢まで行き着くルーファイに苦労してる感じですね。行く時季とかも考慮しつつ、前向きに考えてみます😅
いま小松原沢は第3候補なので、レコはもう少し後かな?今年中には行きたいと思ってますが👍
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