【撤退】平標山・仙ノ倉山・万太郎山:熱中症で主脈縦走ならず(平標山登山口〜吾作新道)
- GPS
- 13:35
- 距離
- 19.7km
- 登り
- 1,862m
- 下り
- 2,242m
コースタイム
- 山行
- 12:29
- 休憩
- 0:51
- 合計
- 13:20
天候 | 曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2020年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
|
コース状況/ 危険箇所等 |
難所はほとんどないものの、全体的に登山道が細く、滑りやすい箇所が多い。 吾作新道は急傾斜の登山道にはロープによる整備あり。 |
その他周辺情報 | 【キャンプ場】 ・苗場高原オートキャンプ場 http://www.yamate-co.com/camp_naeba.html (オートキャンプ場のため、公共交通機関利用の場合は、事前に要相談) 【入浴施設】 ・雪ささの湯 https://yukisasa.net/ ・湯の道利久 吉岡店 http://www.yunomichi-rikyu.com/ |
写真
感想
初のテント泊も無事に済んだため、日帰りでは不可能だった計画をいろいろと立て、次はどこに登ろうかと考えた結果、かねてからやってみたかった谷川岳の主脈縦走にチャレンジしてみました。
計画段階では、(当たり前ですが)踏破可能と判断していたのですが、寝不足と熱中症のため、万太郎山から吾策新道でエスケープすることとなりました。
【コース状況】
■平標山登山口〜平標山山頂
・平標山登山口には、有料駐車場、トイレ(水洗・洋式・おそらく給水可・チップ制)、自販機、登山届があります。
・平標山への登山道は、比較的よく整備されています。
・1つ目のピーク(1,411m)まで急登が続きます。
・1,411mピークを越えると、傾斜が緩んできます。
・2つ目のピーク、松手山を過ぎる頃には、森林限界を越えます。
・ほどなく、平標山山頂に到達します。
・朝早く出発したためか、非常に眠く、欠伸をしながらの登りだったため、山頂で10分ほど仮眠しました。
■平標山山頂〜仙ノ倉山〜最低鞍部(毛渡乗越)
・平標山から仙ノ倉山までは、非常に良く整備された登山道で、ストレスなくアップダウンできます。
・気持ちいい縦走路を堪能し、あっという間に仙ノ倉山に登頂します。
・仙ノ倉山から先は、それまでと打って変わって、歩きにくい登山道に変貌します。
・森林限界を越えているために樹木がなく、その割に標高が低いため、笹原=滑りやすい黒土の登山道となり、しかも踏み跡が細いため、足を動かしづらくなります。
・こうした状況であるため、登りどころか降りでもスピードが出ません。
・さらに、気温が上がり、時折雲の切れ間から太陽が顔を出すと、猛烈な直射日光で、あっという間に暑くなります。
・最低鞍部(毛渡乗越)に到達する頃には、頭がボーッとしてきて、熱中症が疑われる状況になってしまいました。
■最低鞍部(毛渡乗越)〜万太郎山
・こうした状況から、最低鞍部で、このまま谷川岳まで進むか、最低鞍部から南にエスケープするか、万太郎山から吾策新道でエスケープするかを検討し、結果としては、吾策新道でエスケープすることにしました。
・ただ、最低鞍部から万太郎山までの登り返しが非常にキツく、標高50mを登るたびに、座って休む有様で、これまで維持してきたペースが極端に落ちます。
・水もほとんど尽きかけていましたが、幸い、天気が曇りがちなのと、稜線を吹き渡る冷風のおかげで、体を冷やしながら登ることができました。
・そして、最低鞍部から標準CT1時間程度のところ、2時間以上もかけて、どうにか万太郎山に登頂。
・山頂は雲に巻かれていましたが、熱中症気味の体には、何よりもありがたい天候でした。おまけに、短時間とはいえ小雨がぱらついて来たため、心理的には非常に楽になりました。
・実は、最寄りの水場は、谷川岳に向かった方面の大障子避難小屋付近にあるのですが、当時のコンディションでは、その先の岩場や岩稜帯を安全に抜けられる自信がなかったため、途中水場が無いと知っていながらも、吾策新道でエスケープしました。
■万太郎山〜登山口
・万太郎山からの降りは、相変わらず笹原の登山道で、道も細く、滑りやすいです。
・井戸小屋沢ノ頭までは、急な岩場や斜面が多く、時々ロープが張られている場所もあります。
・井戸小屋沢ノ頭からも、アップダウンを繰り返し、時々ロープが張られた急な箇所を通過しつつ、徐々に標高を下げていきます。
・大ベタテノ頭を通過し、尾根から外れる頃には、ようやく歩きやすい部分が出始めます。
・とはいえ、標高を下げても、時々急斜面やロープ場が出てくるため、最後まで油断なりません。
・頭がボーッとし、体に熱を帯びながらも、なんとか登山口に到達し、心底ホッとしました。
■登山口〜土樽駅
・登山口からは、林道歩きを経て、土樽駅を目指します。
・途中、茂倉新道へ続く林道と合流します。
・合流地点から土樽駅方面に進んだすぐ先に、安全登山の広場があり、高波吾策氏の胸像があります。
・(幕営地への終バスに間に合う)1805発越後湯沢行きの電車までギリギリの時間と知っていながら、6時間近く水を飲んでいなかったために、思う存分、水場で水を飲み、給水しました。
・給水の時間を織り込んでも、なお電車には間に合う時間だったのですが、その後、痛恨のルートミスで、結局タッチの差で電車には乗れず。
・土樽駅駅でトイレ(和式・非水洗・給水不可)をお借りし、待合室の自販機で買ったコーラを飲みつつ、今後の行動を検討。
・結果として、それから8時間かけて、歩いて幕営地まで戻りました。
【撤退要因】
1.前日の寝不足と早朝スタートによってペースが上がらなかったこと。
(ただし、これは平標山山頂での仮眠によって、ある程度は解消)
2.早朝スタートの登山に心身ともに慣れていないこと。
3.早朝スタートのロングトレイルにもかかわらず、普段通りの量の水(1リットル)しか持参しなかったこと。
(一応、大障子避難小屋直下の水場の利用は視野に入れていたものの、予想以上に早く水を消費してしまいました)
4.水なしで摂取できる行動食(ゼリー等)を持参しなかったこと。
【まとめ】
・普段の日帰り登山の行動時間は8時間、長くても10時間程度であり、真夏でも1リットルの水で保つのですが、今回はその感覚を引きずっていたために、熱中症での撤退となりました。
・行動時間が長かったこともありますが、谷川連峰は森林限界を越えていながら、他の森林限界の山に比べて標高そのものは低いため、直射日光が当たりやすく、しかも気温が高めであったことも、熱中症になりやすい要因と思われます。
・幸い、天気は曇りがちであり、稜線を吹き抜ける冷たい風も吹いていたため、大事には至りませんでしたが、これが快晴で風も無かったら、もっと事態は深刻だったと思われます。
・どうも谷川連峰の登山道は、個人的には相性が悪いらしく、あまり山行そのものも楽しめませんでした。
・平標山登山口〜仙ノ倉山や、谷川岳周辺の登山道(西黒尾根・天神尾根等)は、よく整備されていますが、それ以外の箇所は、必ずしも整備されているわけではなく、歩きやすいルートは限られてきます。
・これも、「森林限界を越えている割に標高が低い」という谷川連峰の特徴と思われ、岩稜帯中心の稜線ではなく、笹原の細くえぐられ、滑りやすい登山道であるため、難しい足さばきが求められます。
・とはいえ、今回の経験で主脈の大半の状況が把握できたため、いずれ万全の準備をしたうえで、再度挑戦してみたいと思います。
【テント場情報】
■苗場高原オートキャンプ場
http://www.yamate-co.com/camp_naeba.html
・料金:大人1泊1,200円(自動車ではなく公共交通機関のみの場合は要相談)
・水場:あり(炊事場)
・自販機:あり
・トイレ:あり(洋式・水洗・ウォシュレット)
・ゴミ:引取りサービスあり
・入浴施設:あり(本来は併設の苗場プリンスホテル=現在休業中。今回は雪ささの湯への送迎バス+割引サービス)
・物販:あり(本来は併設の苗場プリンスホテル=現在は休業中。他に徒歩圏にはない模様)
・チェックアウト(〜10:00)の手続き不要
・状態:平坦な草原のキャンプ場。日陰がないものの、その分、比較的虫も少ない。
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