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Yamareco

記録ID: 2793944
全員に公開
トレイルラン
富士・御坂

UTMF(ULTRA-TRAIL Mt.FUJI)

2014年04月25日(金) ~ 2014年04月27日(日)
情報量の目安: S
都道府県 神奈川県 山梨県 静岡県
 - 拍手
GPS
42:32
距離
166km
登り
7,488m
下り
7,477m
過去天気図(気象庁) 2014年04月の天気図
アクセス
15:00、スタート!距離169km、累積標高差9478m、制限時間は46時間。これまでのトレイルランニングの大会で走ったのは信越五岳トレイルランニングレースの110kmが最長なので、169kmという距離は完全に未知の領域。自分でもどうなるのか全く想像がつかない。
15:00、スタート!距離169km、累積標高差9478m、制限時間は46時間。これまでのトレイルランニングの大会で走ったのは信越五岳トレイルランニングレースの110kmが最長なので、169kmという距離は完全に未知の領域。自分でもどうなるのか全く想像がつかない。
2012年に参加した時は、半分ほど走ったところで途中リタイア。2013年は大会ボランティアとしてエイドステーションのスタッフなどをした。今年は運よく抽選に当選して参加することができた。
2012年に参加した時は、半分ほど走ったところで途中リタイア。2013年は大会ボランティアとしてエイドステーションのスタッフなどをした。今年は運よく抽選に当選して参加することができた。
河口湖大橋を渡って対岸へ。
河口湖大橋を渡って対岸へ。
林道に入り、登り坂が続く。先は長いので焦らず進む。
林道に入り、登り坂が続く。先は長いので焦らず進む。
走ったり歩いたりしながら標高を上げていく。
走ったり歩いたりしながら標高を上げていく。
舗装路に出たところで雨が降ってきたのでレインウェアを着たのだけど、しばらく走っているとやんだ。雨に降られたのはこの時だけで、それ以降は降らなかった。
舗装路に出たところで雨が降ってきたのでレインウェアを着たのだけど、しばらく走っているとやんだ。雨に降られたのはこの時だけで、それ以降は降らなかった。
舗装路からトレイルに入って淡々と進む。
舗装路からトレイルに入って淡々と進む。
富士吉田のエイドに向かって下る。
富士吉田のエイドに向かって下る。
脚を温存するために衝撃を和らげながら慎重に下るのだけど、それでも大腿四頭筋が張ってきて、山での練習不足を痛感。
脚を温存するために衝撃を和らげながら慎重に下るのだけど、それでも大腿四頭筋が張ってきて、山での練習不足を痛感。
18.2km地点の第1エイドステーション「富士吉田」に到着。まだ20kmも走ってないのに結構疲労感が、、、。ここで去年UTMFのボランティアで同じチームになって知り合った友人に遭遇。話をすることで元気が出た。
18.2km地点の第1エイドステーション「富士吉田」に到着。まだ20kmも走ってないのに結構疲労感が、、、。ここで去年UTMFのボランティアで同じチームになって知り合った友人に遭遇。話をすることで元気が出た。
うどんをいただく。エイドステーションでこういう暖かいものを食べられるのは本当にありがたい!!
うどんをいただく。エイドステーションでこういう暖かいものを食べられるのは本当にありがたい!!
今回、各関門での制限時間が非常に厳しくなっているので自分のような鈍足ランナーは少しでも無駄なタイムロスを減らさないといけない。エイドステーションではついついダラダラと過ごしてしまいがちなので、エイドでやるべきことを事前に頭の中で整理しておいて、エイドに入ってそれらを済ませたらすぐに出る、ということを意識した。とはいえ、うどんを食べたり水の補給をしたりして結局第1エイドでは15分ほど過ごした。
今回、各関門での制限時間が非常に厳しくなっているので自分のような鈍足ランナーは少しでも無駄なタイムロスを減らさないといけない。エイドステーションではついついダラダラと過ごしてしまいがちなので、エイドでやるべきことを事前に頭の中で整理しておいて、エイドに入ってそれらを済ませたらすぐに出る、ということを意識した。とはいえ、うどんを食べたり水の補給をしたりして結局第1エイドでは15分ほど過ごした。
林道に入ったあたりで、日が暮れてきた。
林道に入ったあたりで、日が暮れてきた。
暗闇の中、杓子山に向かってひたすら登る。
暗闇の中、杓子山に向かってひたすら登る。
杓子山に着いたのは20:00頃。この後の下りで渋滞することがわかっているので休憩などせずすぐに下る。
杓子山に着いたのは20:00頃。この後の下りで渋滞することがわかっているので休憩などせずすぐに下る。
下りはじめた直後は走れたのだけど、、、。
下りはじめた直後は走れたのだけど、、、。
しばらくすると渋滞。ひどい大渋滞で、完全にストップしたままの時間も多かった。
しばらくすると渋滞。ひどい大渋滞で、完全にストップしたままの時間も多かった。
体が冷えてくるので防寒具を着こんで足踏みしたり、周りの人たちと話をしたりして過ごす。次の関門の制限時間が迫ってきており、徐々に焦ってくる人、怒りだす人、これだけひどい渋滞なら制限時間は延長されるはずという人、焦ってもしょうがないと携帯でメールチェックする人、などいろいろ。
体が冷えてくるので防寒具を着こんで足踏みしたり、周りの人たちと話をしたりして過ごす。次の関門の制限時間が迫ってきており、徐々に焦ってくる人、怒りだす人、これだけひどい渋滞なら制限時間は延長されるはずという人、焦ってもしょうがないと携帯でメールチェックする人、などいろいろ。
渋滞の原因は、数か所ある急な岩場と、けが人。けがをした人を自衛隊らしき人がサポートしながら下っていた。
渋滞の原因は、数か所ある急な岩場と、けが人。けがをした人を自衛隊らしき人がサポートしながら下っていた。
滑落しないように慎重に降りる。
滑落しないように慎重に降りる。
結局1時間以上渋滞にはまっていた。このタイムロスはかなり痛い。
結局1時間以上渋滞にはまっていた。このタイムロスはかなり痛い。
渋滞を抜けると、関門の制限時間がかなり危ないので先を急ぐ。制限時間にひっかかってしまっては元も子もないので体力温存とか考えずに飛ばす。
渋滞を抜けると、関門の制限時間がかなり危ないので先を急ぐ。制限時間にひっかかってしまっては元も子もないので体力温存とか考えずに飛ばす。
33.4km地点、第2エイドステーションの二十曲峠に21:55に到着。ここの制限時間は22:00なので超ギリギリ!と思ったら、スタッフから「制限時間を15分延長した」と知らされた。ただ、ここから先の制限時間も厳しいことに変わりはないので、すぐにエイドステーションを後にする。
33.4km地点、第2エイドステーションの二十曲峠に21:55に到着。ここの制限時間は22:00なので超ギリギリ!と思ったら、スタッフから「制限時間を15分延長した」と知らされた。ただ、ここから先の制限時間も厳しいことに変わりはないので、すぐにエイドステーションを後にする。
二十曲峠を出て、石割山を越えると、山中湖まで下り。途中、石割神社を通過。巨岩の割れ目の中を通るとご利益があるという神社なのだけど今はさすがにそんな余裕もなく、素通り。
二十曲峠を出て、石割山を越えると、山中湖まで下り。途中、石割神社を通過。巨岩の割れ目の中を通るとご利益があるという神社なのだけど今はさすがにそんな余裕もなく、素通り。
39.3km地点の第3エイドステーション、山中湖きららに23時に到着。杓子山での大渋滞のせいで関門の制限時間にひっかかってしまう可能性が高くなってしまい、かなり飛ばさざるを得なくなったため、体力の消耗が激しい。脚も結構パンパン。足の爪もすでに痛い。でも集中力は続いていて、眠くなる気配はいまのところ無し。エイドにはパンやチョコ、ポテチ、コロッケなどもあったけど食べる気がしなくて、バナナとオレンジ、コーラだけいただく。
39.3km地点の第3エイドステーション、山中湖きららに23時に到着。杓子山での大渋滞のせいで関門の制限時間にひっかかってしまう可能性が高くなってしまい、かなり飛ばさざるを得なくなったため、体力の消耗が激しい。脚も結構パンパン。足の爪もすでに痛い。でも集中力は続いていて、眠くなる気配はいまのところ無し。エイドにはパンやチョコ、ポテチ、コロッケなどもあったけど食べる気がしなくて、バナナとオレンジ、コーラだけいただく。
制限時間の延長措置がとられていた。それでも厳しいことに変わりはない。ギリギリの闘いが続く。
制限時間の延長措置がとられていた。それでも厳しいことに変わりはない。ギリギリの闘いが続く。
10分ほどでエイドを出て、再び山へ。暗闇の中、ひたすらアップダウンを繰り返して明神山、三国山、楢木山、大洞山、畑尾山、立山と越えていく。このあたりでは前後のランナーも減ってきて、マイペースでいけた。
10分ほどでエイドを出て、再び山へ。暗闇の中、ひたすらアップダウンを繰り返して明神山、三国山、楢木山、大洞山、畑尾山、立山と越えていく。このあたりでは前後のランナーも減ってきて、マイペースでいけた。
固形物系の補給食を食べていたのだけど、だんだん胃が受け付けなくなってきたので、早めにジェル系に切り替えた。長距離の大会だと、途中でどの補給食が受け付けなくなるかいまいち予測ができないので、いろんなタイプのいろんな種類の補給食を用意しておいて、その時その時で大丈夫な補給食を摂るようにする。
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固形物系の補給食を食べていたのだけど、だんだん胃が受け付けなくなってきたので、早めにジェル系に切り替えた。長距離の大会だと、途中でどの補給食が受け付けなくなるかいまいち予測ができないので、いろんなタイプのいろんな種類の補給食を用意しておいて、その時その時で大丈夫な補給食を摂るようにする。
2時半頃、55.7km地点の第4エイド、すばしりに到着。ここではお雑煮などがあって嬉しかった!甘いジェルばかり口にしていてちょうどしょっぱいものが欲しかったし、暖かいし、腹持ちのいいお餅がはいっていて、最高!脚は痛いけど元気が出た!トイレなど済ませ、20分ほどですばしりのエイドを後にした。エイドにいると、早く出なきゃと思いつつ、あっという間に時間が経ってしまう。
2時半頃、55.7km地点の第4エイド、すばしりに到着。ここではお雑煮などがあって嬉しかった!甘いジェルばかり口にしていてちょうどしょっぱいものが欲しかったし、暖かいし、腹持ちのいいお餅がはいっていて、最高!脚は痛いけど元気が出た!トイレなど済ませ、20分ほどですばしりのエイドを後にした。エイドにいると、早く出なきゃと思いつつ、あっという間に時間が経ってしまう。
自衛隊演習場の中を走る。分岐がいくつもあって、しかも真っ暗でコースを示すテープが見づらい個所もあり、コースを間違えないように集中して進む。このあたりが一番眠くなる時間帯と予想していたけど、眠くならなかった。
自衛隊演習場の中を走る。分岐がいくつもあって、しかも真っ暗でコースを示すテープが見づらい個所もあり、コースを間違えないように集中して進む。このあたりが一番眠くなる時間帯と予想していたけど、眠くならなかった。
空が明るくなってきた。すでにスタートしてすでに12時間以上たっている。さらに今日丸一日走り続けても、ゴールはまだまだ先。どうなることやら、、、。
空が明るくなってきた。すでにスタートしてすでに12時間以上たっている。さらに今日丸一日走り続けても、ゴールはまだまだ先。どうなることやら、、、。
太郎坊に向かってぐんぐん登る!火山灰なので足が埋まって歩きにくい。
太郎坊に向かってぐんぐん登る!火山灰なので足が埋まって歩きにくい。
林を抜けると、富士山がどか〜んと見える。太郎坊のエイドまであと少し。
林を抜けると、富士山がどか〜んと見える。太郎坊のエイドまであと少し。
5時頃、65.6km地点の第5エイドステーション、太郎坊に到着。標高が高いこともあって、かなり寒い。ここでもできるだけ長居はせず、バナナとオレンジとコーラだけいただいて3分ほどで出発。
5時頃、65.6km地点の第5エイドステーション、太郎坊に到着。標高が高いこともあって、かなり寒い。ここでもできるだけ長居はせず、バナナとオレンジとコーラだけいただいて3分ほどで出発。
太郎坊から見た富士山。今日は天気が良くなりそう。
太郎坊から見た富士山。今日は天気が良くなりそう。
ちょうど日の出が見えた。眼下には雲海が広がる。
ちょうど日の出が見えた。眼下には雲海が広がる。
登ってきた道を少し下る。しばらくして富士山スカイラインに出て水ヶ塚公園へ。
登ってきた道を少し下る。しばらくして富士山スカイラインに出て水ヶ塚公園へ。
71.5km地点の第6エイドステーションの水ヶ塚公園に着いたのは6時頃。舗装路を走ると足の裏が痛くなる。感覚的には、足の裏全体が内出血しているような感じ。
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71.5km地点の第6エイドステーションの水ヶ塚公園に着いたのは6時頃。舗装路を走ると足の裏が痛くなる。感覚的には、足の裏全体が内出血しているような感じ。
ここではうどんをいただいた。うまい!すでにお米も胃が受け付けなくなっているので、こういう汁物の炭水化物はありがたい!
ここではうどんをいただいた。うまい!すでにお米も胃が受け付けなくなっているので、こういう汁物の炭水化物はありがたい!
水ヶ塚公園からみた富士山。15分ほどでエイドを出る。
水ヶ塚公園からみた富士山。15分ほどでエイドを出る。
水ヶ塚公園を出ると、イエティスキー場のゲレンデを下る。足にくる。もうすでに足の爪は4枚死んでる。
水ヶ塚公園を出ると、イエティスキー場のゲレンデを下る。足にくる。もうすでに足の爪は4枚死んでる。
岩がゴロゴロしていて走りにくい道がしばらく続く。
岩がゴロゴロしていて走りにくい道がしばらく続く。
その後は走りやすい道が続く。
その後は走りやすい道が続く。
気持ちのいい道。
気持ちのいい道。
このあたりはトレイルの雰囲気に変化があるので飽きない。
このあたりはトレイルの雰囲気に変化があるので飽きない。
80.5km地点、第7エイドステーションのこどもの国に8時頃到着。預けておいたドロップバッグを受け取り、ウェットティッシュで体を拭いたりウェアを変えてリフレッシュ。全身に疲労感があるし大腿四頭筋も痛いし足の裏も痛いし爪が4枚完全に死んで痛むけど、故障につながるような関節系の嫌な痛みはなく、集中力も維持できている。胃が固形の補給食を受け付けなくなってはいるけどまだまだそれほどひどくはない。ここまでほとんど眠くならなかったことや、お腹の調子が悪くならなかったのはありがたい。補給食などを補充したり、ヘッドライトの電池を交換したりして、50分ほどで出発。
80.5km地点、第7エイドステーションのこどもの国に8時頃到着。預けておいたドロップバッグを受け取り、ウェットティッシュで体を拭いたりウェアを変えてリフレッシュ。全身に疲労感があるし大腿四頭筋も痛いし足の裏も痛いし爪が4枚完全に死んで痛むけど、故障につながるような関節系の嫌な痛みはなく、集中力も維持できている。胃が固形の補給食を受け付けなくなってはいるけどまだまだそれほどひどくはない。ここまでほとんど眠くならなかったことや、お腹の調子が悪くならなかったのはありがたい。補給食などを補充したり、ヘッドライトの電池を交換したりして、50分ほどで出発。
こどもの国を出ると、ひたすら林道区間。ゆるやかなアップダウンがあって、走ったり歩いたり。景色にあまり変化がなくて飽きてくるけど、なぜか全然眠くならなかった。
こどもの国を出ると、ひたすら林道区間。ゆるやかなアップダウンがあって、走ったり歩いたり。景色にあまり変化がなくて飽きてくるけど、なぜか全然眠くならなかった。
林道区間を終えると、送電線区間。送電線の下の防火帯のような所を行く。送電線は直線的に引かれているので、その下に作られる道も地形に関係なく直線的に引かれることになり、ひたすらアップダウンが続くことになる。
林道区間を終えると、送電線区間。送電線の下の防火帯のような所を行く。送電線は直線的に引かれているので、その下に作られる道も地形に関係なく直線的に引かれることになり、ひたすらアップダウンが続くことになる。
やや荒れたところも。
やや荒れたところも。
アップダウンが続く。
アップダウンが続く。
鉄塔をパスしても、また次の鉄塔が現れる。
鉄塔をパスしても、また次の鉄塔が現れる。
永遠に終わらないように思えるアップダウンが続く。
永遠に終わらないように思えるアップダウンが続く。
13時過ぎにようやく第8エイドステーションの西富士中学校に到着。104km地点。まんじゅうや焼きそばなどもあるものの食欲が無く、バナナとオレンジだけいただく。
13時過ぎにようやく第8エイドステーションの西富士中学校に到着。104km地点。まんじゅうや焼きそばなどもあるものの食欲が無く、バナナとオレンジだけいただく。
天子山地に入る前に寝ておいたほうがよいだろうと考え、体育館に入って仮眠をとる。1時間半後に目覚ましをかけて毛布にくるまったのだけど、30分で目が覚めた。体育館なので床が硬く、周りの声や音も響くのであまり快適とはいえなかったけど、一応すっきりとした。もっと寝ようかとも思ったけど、眠気が取れたので、外に出ることにした。
天子山地に入る前に寝ておいたほうがよいだろうと考え、体育館に入って仮眠をとる。1時間半後に目覚ましをかけて毛布にくるまったのだけど、30分で目が覚めた。体育館なので床が硬く、周りの声や音も響くのであまり快適とはいえなかったけど、一応すっきりとした。もっと寝ようかとも思ったけど、眠気が取れたので、外に出ることにした。
さっきまで食欲がなかったのが、仮眠をとったことで復活。やきそばをいただき、続いてまんじゅうもいただく。疲れていると思考もネガティブになりがちだけど、前向きにゴールを目指す気持ちが強くなった。たった30分の仮眠でも劇的な効果があった。休むことで体がガチガチに固まってしまい、しゃがむことすらできないようになった。ゆっくりとストレッチをして体をほぐしていき、問題なく体を動かせるようにする。
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さっきまで食欲がなかったのが、仮眠をとったことで復活。やきそばをいただき、続いてまんじゅうもいただく。疲れていると思考もネガティブになりがちだけど、前向きにゴールを目指す気持ちが強くなった。たった30分の仮眠でも劇的な効果があった。休むことで体がガチガチに固まってしまい、しゃがむことすらできないようになった。ゆっくりとストレッチをして体をほぐしていき、問題なく体を動かせるようにする。
ここのエイドを出るときは荷物検査と、福田六花先生によるメディカルチェックがあった。ここからは非常に険しい天子山地が始まるので、水分も食料も多めに持つようにした結果、重さは6kgを越えていた。我ながら持ちすぎ。メディカルチェックでは、屈伸運動などをしたあと、ここからは何かあっても救助が困難なので、何か起きる前に自分で判断して無理そうだったら引き返すように言われる。気を引き締めて出発。
ここのエイドを出るときは荷物検査と、福田六花先生によるメディカルチェックがあった。ここからは非常に険しい天子山地が始まるので、水分も食料も多めに持つようにした結果、重さは6kgを越えていた。我ながら持ちすぎ。メディカルチェックでは、屈伸運動などをしたあと、ここからは何かあっても救助が困難なので、何か起きる前に自分で判断して無理そうだったら引き返すように言われる。気を引き締めて出発。
序盤は緩やか。
すぐに急勾配に。
すぐに急勾配に。
ひたすら急斜面を登り続ける。
ひたすら急斜面を登り続ける。
登っても登ってもまだまだ続く。
登っても登ってもまだまだ続く。
ようやく天子ヶ岳に到着。でもまだ延々と続く大きなアップダウンの最初のピークに着いたにすぎない。
ようやく天子ヶ岳に到着。でもまだ延々と続く大きなアップダウンの最初のピークに着いたにすぎない。
天子ヶ岳を下って長者ヶ岳、天狗岳、熊森山、雪見岳と越えていく。
天子ヶ岳を下って長者ヶ岳、天狗岳、熊森山、雪見岳と越えていく。
延々とアップダウンを繰り返す。
延々とアップダウンを繰り返す。
時々富士山が見えた。
時々富士山が見えた。
日が暮れてもまだ天子山地から脱出できず。渋滞というほどでもないけど、前が詰まっているので周りの流れに合わせて淡々と進む感じ。
日が暮れてもまだ天子山地から脱出できず。渋滞というほどでもないけど、前が詰まっているので周りの流れに合わせて淡々と進む感じ。
前方に視線を向けると、次に登る山がシルエットになって暗闇に浮かんでいて、そのシルエットの中に、はるか上方まで連なる一筋の光の列が見える。選手たちのヘッドライトが作り出すその光の筋を見ると、みんな同じゴールを目指して苦しみながらも頑張っているんだ、という妙な連帯感を感じる。その光景を写真におさめたいと思って何度かチャレンジしたけどコンパクトデジカメでは無理だった。
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前方に視線を向けると、次に登る山がシルエットになって暗闇に浮かんでいて、そのシルエットの中に、はるか上方まで連なる一筋の光の列が見える。選手たちのヘッドライトが作り出すその光の筋を見ると、みんな同じゴールを目指して苦しみながらも頑張っているんだ、という妙な連帯感を感じる。その光景を写真におさめたいと思って何度かチャレンジしたけどコンパクトデジカメでは無理だった。
21:40頃、ようやく123km地点の第9エイドステーションの「麓」に到着。スタートしてから30時間以上経過。天地山地だけで7時間もかかってしまった。バナナとオレンジをいただき、10分ほどでエイドを出発した。この辺りは余裕がなく、写真もほとんど無し。
21:40頃、ようやく123km地点の第9エイドステーションの「麓」に到着。スタートしてから30時間以上経過。天地山地だけで7時間もかかってしまった。バナナとオレンジをいただき、10分ほどでエイドを出発した。この辺りは余裕がなく、写真もほとんど無し。
「麓」のエイドステーションを出ると、石がゴロゴロした走りにくい道が続く。普段だったら何の問題もなく走れるような道だろうけど、疲労困憊で脚も終わってる状況だと非常に走りにくい。しばらくすると眠気が襲ってきた。周りに選手がいる間はいいのだけど、一人になると眠気が増す。目を開けているのもつらい状況。ふと、「ここはどこだっけ?長野だっけ?」なんて思ったりして、「静岡だ!UTMFに出てるんだ!」と思い出すのに数秒かかったりした。さすがにこんな状態で山に入るのはよくないな、と考えていたら、ちょうどベンチがあったのでそこに座って休む。前かがみになって目を閉じて寝ようとするものの、寝られない。眠いのに寝られない辛さ。気持ちを切り替えて、寝るのは諦めて、眠気を覚まして集中力を高めることにする。ストレッチをして、体を動かし、顔をバンバン叩いて、出発。これで目が覚めて、頭もすっきり、集中できるようになった。竜ヶ岳に登り、それを越えると本栖湖まで標高差約500m、延々とつづら折れの下りが続く。さほど急勾配ではなく走りやすい道のはずが、太ももが痛くて走れない。ひたすら歩いて下る。後ろから選手がきたらすぐに道を譲り、先に行ってもらう。ライトの光の列がず〜〜っと下のはるか彼方まで見えて、あんなところまで下るのか!と嫌になる。本栖湖畔に下りきったところで、舗装路に出た。エイドまでは数キロ。さすがに平坦な舗装路だから走ろうと思ったら、走れない。舗装路が異常に固く感じられ、足の裏が痛い。一歩一歩足を着くたびに猛烈に痛む。しょうがないので歩く。周りの選手たちも似たりよったりの状況らしく、走っている人よりも歩いている人の方が多い。湖畔の単調な道が続くことで眠気が襲ってきて、また錯覚を見ることに。木々が建物に見える。意識ははっきりしているし、ちゃんとまっすぐ歩けてるし、周りの選手とも普通に会話してるのに、木々が建物に見えてしまうという不思議な感覚。はやくエイドについて休みたいのだけど、走れない。足の裏、足の爪、太もも、それぞれ全く違う種類の痛みをかかえながら、ひたすら歩く。もう平坦なところですら走れなくなってしまったのがショックで、悔しい。
「麓」のエイドステーションを出ると、石がゴロゴロした走りにくい道が続く。普段だったら何の問題もなく走れるような道だろうけど、疲労困憊で脚も終わってる状況だと非常に走りにくい。しばらくすると眠気が襲ってきた。周りに選手がいる間はいいのだけど、一人になると眠気が増す。目を開けているのもつらい状況。ふと、「ここはどこだっけ?長野だっけ?」なんて思ったりして、「静岡だ!UTMFに出てるんだ!」と思い出すのに数秒かかったりした。さすがにこんな状態で山に入るのはよくないな、と考えていたら、ちょうどベンチがあったのでそこに座って休む。前かがみになって目を閉じて寝ようとするものの、寝られない。眠いのに寝られない辛さ。気持ちを切り替えて、寝るのは諦めて、眠気を覚まして集中力を高めることにする。ストレッチをして、体を動かし、顔をバンバン叩いて、出発。これで目が覚めて、頭もすっきり、集中できるようになった。竜ヶ岳に登り、それを越えると本栖湖まで標高差約500m、延々とつづら折れの下りが続く。さほど急勾配ではなく走りやすい道のはずが、太ももが痛くて走れない。ひたすら歩いて下る。後ろから選手がきたらすぐに道を譲り、先に行ってもらう。ライトの光の列がず〜〜っと下のはるか彼方まで見えて、あんなところまで下るのか!と嫌になる。本栖湖畔に下りきったところで、舗装路に出た。エイドまでは数キロ。さすがに平坦な舗装路だから走ろうと思ったら、走れない。舗装路が異常に固く感じられ、足の裏が痛い。一歩一歩足を着くたびに猛烈に痛む。しょうがないので歩く。周りの選手たちも似たりよったりの状況らしく、走っている人よりも歩いている人の方が多い。湖畔の単調な道が続くことで眠気が襲ってきて、また錯覚を見ることに。木々が建物に見える。意識ははっきりしているし、ちゃんとまっすぐ歩けてるし、周りの選手とも普通に会話してるのに、木々が建物に見えてしまうという不思議な感覚。はやくエイドについて休みたいのだけど、走れない。足の裏、足の爪、太もも、それぞれ全く違う種類の痛みをかかえながら、ひたすら歩く。もう平坦なところですら走れなくなってしまったのがショックで、悔しい。
午前2時。スタートしてから35時間。ようやく138km地点の第10エイドステーション「本栖湖」に到着。午前2時だというのに、こうして出迎えてくれる人たちの多さはいったい何なんだ。「ナイスラン!」「がんばって!」「いけるいける!」と、めいめいに声をかけてくれる。嬉しくて、ありがたくて、おもわずこみあげてくる。でも、「もうだめだ。これからさらに山を越えるなんて無理。もうここで限界だ、、、。」と思いながら建物に入った。中は選手でごったがえしている。混雑の中、なんとか補給食のところにたどり着いてバナナとオレンジをいただく。固形物はもうこの2つしか喉を通らない。暖かいものでもいただけば状況が改善するだろうかと思って粉末のコンソメスープをいただいたのだけど、余計気持ち悪くなって、バナナも喉を通らなくなってしまった。もうとにかく睡眠をとらないとダメだ、と考えて仮眠室へ。仮眠室はさほど広くなく満員だったけど運よくちょうど出発する人がいて空いたのでそこで毛布にくるまって横になる。できれば数時間寝たいのだけど、ここのエイドの制限時間はあと1時間ちょっとしかないし、ペースの遅さも考えるともっと早く出た方がいいので、目覚ましを15分後に設定して目を閉じる。毛布にくるまっていても寒さを感じる。体の中からエネルギーが湧いてこない感じ。太ももが痛い。足の裏が痛い。爪が痛い。気持ち悪い。寝不足で疲労困憊。これは、もうだめかな、、、と思いながらも、西富士中学校の時と同様に、仮眠をとることで少なくとも気力が回復することを願いながら寝る。
午前2時。スタートしてから35時間。ようやく138km地点の第10エイドステーション「本栖湖」に到着。午前2時だというのに、こうして出迎えてくれる人たちの多さはいったい何なんだ。「ナイスラン!」「がんばって!」「いけるいける!」と、めいめいに声をかけてくれる。嬉しくて、ありがたくて、おもわずこみあげてくる。でも、「もうだめだ。これからさらに山を越えるなんて無理。もうここで限界だ、、、。」と思いながら建物に入った。中は選手でごったがえしている。混雑の中、なんとか補給食のところにたどり着いてバナナとオレンジをいただく。固形物はもうこの2つしか喉を通らない。暖かいものでもいただけば状況が改善するだろうかと思って粉末のコンソメスープをいただいたのだけど、余計気持ち悪くなって、バナナも喉を通らなくなってしまった。もうとにかく睡眠をとらないとダメだ、と考えて仮眠室へ。仮眠室はさほど広くなく満員だったけど運よくちょうど出発する人がいて空いたのでそこで毛布にくるまって横になる。できれば数時間寝たいのだけど、ここのエイドの制限時間はあと1時間ちょっとしかないし、ペースの遅さも考えるともっと早く出た方がいいので、目覚ましを15分後に設定して目を閉じる。毛布にくるまっていても寒さを感じる。体の中からエネルギーが湧いてこない感じ。太ももが痛い。足の裏が痛い。爪が痛い。気持ち悪い。寝不足で疲労困憊。これは、もうだめかな、、、と思いながらも、西富士中学校の時と同様に、仮眠をとることで少なくとも気力が回復することを願いながら寝る。
15分後、目覚ましで目を覚ます。あまり状況は変わらず。身も心もボロボロな感じで、これから山に入るなんて厳しい。前向きに考えることができない。ここでリタイアかな、、。ここまでがんばったから十分だよな、、。なんてことを考えて、なかなか起きる気になれない。でもだんだん眠気が覚めはじめたので、ヨタヨタと仮眠室を出て、ベンチに座ってストーブにあたる。あいかわらず、ここから先に進む気力が湧いてこない。もう気持ちは「リタイア」で決まった。「あとで後悔しないだろうか?」と考えると、「こんな状態なのだから、リタイアの判断は妥当。だから後悔しない。」と思う。ただ、今までリタイアしたレースでは、故障や怪我につながりそうな痛みのせいでリタイアした場合は正しい判断だと思うので後悔はないけども、疲労だとか、筋肉系の痛みとか、気力だとか、そういう理由でリタイアした場合は後になって必ず「もっとがんばれたんじゃないか」という気持ちがどうしても湧いてくる。そこで、もう一度冷静に今の自分の状態を考えることにした。今あるいろんな痛みは、故障や怪我につながりそうな痛みか?補給食は十分に持っているか?胃は水分やエネルギーをちゃんと摂取できる状態か?途中、山の中でリタイアせざるを得なくなった時に自力で下山できる体力はあるか?ライトや予備電池など、夜の山の中を走るための装備は問題ない状態か?等々、順に客観的に確認していく。考えてみると、どれも「OK」もしくは「条件付きのOK」だ。であれば、「ここでのリタイアの判断は妥当だ」という考えは、辛さや苦しさから逃げたい気持ちからくる判断なんじゃないのか?今は辛いから「後から後悔しない」なんて思うけど、結局後から後悔することになるんじゃないか?そんなことをうだうだと考えた結果、「よし、行こう!」と結論を出した。結論が出たのが、制限時間の10分前。急いで準備をする。防寒着を上下とも着て、水とコーラをボトルに入れてもらう。再びバナナとオレンジをいただく。ゴミポケットのゴミを捨て、補給食などをパッキングし直す。忘れ物がないことを確認して、ヘッドライトを点けて、出口へ。3時28分、制限時間の2分前に、本栖湖エイドステーションを出発。
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15分後、目覚ましで目を覚ます。あまり状況は変わらず。身も心もボロボロな感じで、これから山に入るなんて厳しい。前向きに考えることができない。ここでリタイアかな、、。ここまでがんばったから十分だよな、、。なんてことを考えて、なかなか起きる気になれない。でもだんだん眠気が覚めはじめたので、ヨタヨタと仮眠室を出て、ベンチに座ってストーブにあたる。あいかわらず、ここから先に進む気力が湧いてこない。もう気持ちは「リタイア」で決まった。「あとで後悔しないだろうか?」と考えると、「こんな状態なのだから、リタイアの判断は妥当。だから後悔しない。」と思う。ただ、今までリタイアしたレースでは、故障や怪我につながりそうな痛みのせいでリタイアした場合は正しい判断だと思うので後悔はないけども、疲労だとか、筋肉系の痛みとか、気力だとか、そういう理由でリタイアした場合は後になって必ず「もっとがんばれたんじゃないか」という気持ちがどうしても湧いてくる。そこで、もう一度冷静に今の自分の状態を考えることにした。今あるいろんな痛みは、故障や怪我につながりそうな痛みか?補給食は十分に持っているか?胃は水分やエネルギーをちゃんと摂取できる状態か?途中、山の中でリタイアせざるを得なくなった時に自力で下山できる体力はあるか?ライトや予備電池など、夜の山の中を走るための装備は問題ない状態か?等々、順に客観的に確認していく。考えてみると、どれも「OK」もしくは「条件付きのOK」だ。であれば、「ここでのリタイアの判断は妥当だ」という考えは、辛さや苦しさから逃げたい気持ちからくる判断なんじゃないのか?今は辛いから「後から後悔しない」なんて思うけど、結局後から後悔することになるんじゃないか?そんなことをうだうだと考えた結果、「よし、行こう!」と結論を出した。結論が出たのが、制限時間の10分前。急いで準備をする。防寒着を上下とも着て、水とコーラをボトルに入れてもらう。再びバナナとオレンジをいただく。ゴミポケットのゴミを捨て、補給食などをパッキングし直す。忘れ物がないことを確認して、ヘッドライトを点けて、出口へ。3時28分、制限時間の2分前に、本栖湖エイドステーションを出発。
本栖湖エイドステーションを出ると、すぐに登山道に入り登り坂が続く。登り始めてすぐに3:30になり関門封鎖を知らせる声が聞こえた。限りなく最後尾に近くなってしまった。でも無理をせずゆっくりと登り、仏峠へ。ここから稜線上を進んで本栖湖の反対側までぐるっと回り込むことになる。稜線に出ると空が明るくなってきた。本当に不思議なことに、陽の光を浴びると元気が出る。それまでは時々立ち止まりながらトボトボと歩くだけだったのが、アップダウンの続く稜線を走れるようになった。足は痛いままだけど。他の選手を抜きながら快調に進み、パノラマ台、烏帽子岳へ。雲海の風景が広がる。
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本栖湖エイドステーションを出ると、すぐに登山道に入り登り坂が続く。登り始めてすぐに3:30になり関門封鎖を知らせる声が聞こえた。限りなく最後尾に近くなってしまった。でも無理をせずゆっくりと登り、仏峠へ。ここから稜線上を進んで本栖湖の反対側までぐるっと回り込むことになる。稜線に出ると空が明るくなってきた。本当に不思議なことに、陽の光を浴びると元気が出る。それまでは時々立ち止まりながらトボトボと歩くだけだったのが、アップダウンの続く稜線を走れるようになった。足は痛いままだけど。他の選手を抜きながら快調に進み、パノラマ台、烏帽子岳へ。雲海の風景が広がる。
富士山も見える。
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富士山も見える。
時間的には急いだほうがいいのだけど、しばし見とれる。
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時間的には急いだほうがいいのだけど、しばし見とれる。
烏帽子岳からはつづら折れの下り。走りやすい下りなんだけど、足が痛くて走り続けることができない。歩いたり走ったりの繰り返しで進む。下りきると、森の中の気持ちのいい道が続く。平坦なので一応走るのだけど、スピードは早歩きとほとんど変わらないくらいしか出せない。
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烏帽子岳からはつづら折れの下り。走りやすい下りなんだけど、足が痛くて走り続けることができない。歩いたり走ったりの繰り返しで進む。下りきると、森の中の気持ちのいい道が続く。平坦なので一応走るのだけど、スピードは早歩きとほとんど変わらないくらいしか出せない。
前後の選手も歩いている人が多い。
前後の選手も歩いている人が多い。
しっとりとした雰囲気の樹海の中を進む。精進湖の東側で国道に出て、そこからしばらく車道脇の歩道を進む。舗装路に出ると足の裏がまた痛くなる。5kmほどなのだけど単調で異常に長く感じる。緩やかな登りが延々と続いて、走りたくてももう走れない。周りの選手も同じように黙々と歩いている。数十メートル前を歩いていた選手が立ち止まって動かなくなった。休んでいるのかと思ったら体がユラユラしてる。追い抜く時に見たら、立ったまま寝てた。声をかけて、もう少しでエイドですね、とお互い励ましあって進む。みんなそれぞれ極限状態。日も高くなり気温がぐんぐん上がる中、157km地点の第11エイドステーション「鳴沢」に到着。ここが最後のエイド。ゴールまではあと12kmほどで、ゴールの制限時間まではあと4時間ほどある。まだこの先に山はあるけど、たいした山ではないので完走できる可能性はかなり高い。ここに来て初めて、完走できそうだと安心する。ただ、体力的に余裕があるわけじゃないので気を抜くわけにはいかない。しっかりと補給をして、9時頃エイドを後にする。
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しっとりとした雰囲気の樹海の中を進む。精進湖の東側で国道に出て、そこからしばらく車道脇の歩道を進む。舗装路に出ると足の裏がまた痛くなる。5kmほどなのだけど単調で異常に長く感じる。緩やかな登りが延々と続いて、走りたくてももう走れない。周りの選手も同じように黙々と歩いている。数十メートル前を歩いていた選手が立ち止まって動かなくなった。休んでいるのかと思ったら体がユラユラしてる。追い抜く時に見たら、立ったまま寝てた。声をかけて、もう少しでエイドですね、とお互い励ましあって進む。みんなそれぞれ極限状態。日も高くなり気温がぐんぐん上がる中、157km地点の第11エイドステーション「鳴沢」に到着。ここが最後のエイド。ゴールまではあと12kmほどで、ゴールの制限時間まではあと4時間ほどある。まだこの先に山はあるけど、たいした山ではないので完走できる可能性はかなり高い。ここに来て初めて、完走できそうだと安心する。ただ、体力的に余裕があるわけじゃないので気を抜くわけにはいかない。しっかりと補給をして、9時頃エイドを後にする。
紅葉台へ登り、さらに足和田山へ。ハイカーからの声援を受けながら進む。五湖台から富士山を眺める。
紅葉台へ登り、さらに足和田山へ。ハイカーからの声援を受けながら進む。五湖台から富士山を眺める。
河口湖が見えた!いよいよ最後の下り!
河口湖が見えた!いよいよ最後の下り!
ゴール地点も見えるように。下りが結構急で、太ももが痛くて走れない。街並みや湖面が見えるのになかなか近づいてこなくてじれったい。
ゴール地点も見えるように。下りが結構急で、太ももが痛くて走れない。街並みや湖面が見えるのになかなか近づいてこなくてじれったい。
ようやく下り切って、河口湖畔へ!2日前にスタートして、富士山をぐるっと回って帰ってきた。本当に自分がUTMFを完走できるんだ、と思うと涙があふれてきた。あと数キロ。足の痛みも無視して走り続ける。
ようやく下り切って、河口湖畔へ!2日前にスタートして、富士山をぐるっと回って帰ってきた。本当に自分がUTMFを完走できるんだ、と思うと涙があふれてきた。あと数キロ。足の痛みも無視して走り続ける。
ゴール手前でボランティアスタッフをしていた友人が声をかけてくれた。うれしい!コース両側にびっしり並ぶ応援の方々とハイタッチをしながらゴールへ向かう。スタートしてから45時間以上かけて、ようやくゴール!169kmの長い長い旅が終わった。
走り終えた直後に「こんな大会もう出ない!」と思うようなキツい大会でも、数日経てば「また出よう」なんて思うようになるものだけど、この大会はなかなか「また出よう」という気にはなれなかった。それほどきつく苦しい大会だった。トレイルランニングで筋肉痛が何日も残ることはなかったのだけど、この大会は筋肉痛が1週間続いた。そして太ももの張りはしつこく残り、完全になくなるのには2週間かかった。精神的にもかなりの負担だったらしく、大会後しばらくは、真夜中に身も心もボロボロの状態で山の中を走っている夢を何度も見た。
この経験が今後の自分の人生にどういう影響を及ぼすのかよくわからないけど、少なくとも、辛くて辛くて一度折れてしまった心を再び立て直すことができたのは大きな意味があるような気がする。
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ゴール手前でボランティアスタッフをしていた友人が声をかけてくれた。うれしい!コース両側にびっしり並ぶ応援の方々とハイタッチをしながらゴールへ向かう。スタートしてから45時間以上かけて、ようやくゴール!169kmの長い長い旅が終わった。
走り終えた直後に「こんな大会もう出ない!」と思うようなキツい大会でも、数日経てば「また出よう」なんて思うようになるものだけど、この大会はなかなか「また出よう」という気にはなれなかった。それほどきつく苦しい大会だった。トレイルランニングで筋肉痛が何日も残ることはなかったのだけど、この大会は筋肉痛が1週間続いた。そして太ももの張りはしつこく残り、完全になくなるのには2週間かかった。精神的にもかなりの負担だったらしく、大会後しばらくは、真夜中に身も心もボロボロの状態で山の中を走っている夢を何度も見た。
この経験が今後の自分の人生にどういう影響を及ぼすのかよくわからないけど、少なくとも、辛くて辛くて一度折れてしまった心を再び立て直すことができたのは大きな意味があるような気がする。
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