鍋割山・蛭ヶ岳・丹沢山・塔の岳
- GPS
- --:--
- 距離
- 21.8km
- 登り
- 2,244m
- 下り
- 2,250m
コースタイム
- 山行
- 8:55
- 休憩
- 0:25
- 合計
- 9:20
熊木沢出合から南陵取りつきまでは順調であればおよそ1時間かと
天候 | 晴れのち小雪 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2020年12月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
整備された登山道以外の廃道を含みます。鍋割〜蛭ヶ岳間はバリエーションルートであり崩落跡や急登、浮石、茨のヤブ漕ぎあり、また道迷いのリスクが高いルートです。地図、コンパス等必要。自己責任でお願いします。 茨を潜り抜ける箇所があるので手袋は手首まで覆うもの推奨。 帰りに立ち寄るレジ等で手首の傷が目立ちます。 |
写真
感想
今回の事前計画 6時出発16時到着のトータル10時間(休憩は適時)
県民の森P―(2時間)―鍋割山ー(2時間)ー蛭ヶ岳南尾根取付ー(2時間)ー蛭ヶ岳ー(2時間)ー塔の岳ー(2時間)ー県民の森P
今年も残りわずかではあるけれど、今年中に蛭ヶ岳南尾根を登りたくてそわそわした日々を過ごしていました。というのも、丹沢ハイキングを通じて青臭くも成長してる感覚があり、この一年の登山成長期の歩みを経験に落とし込むつもりで腕試しがしたかったのかもしれません。
その前に「南尾根とりつき以降」以外の不安を減らすため、先週下見を兼ねて熊木沢まで降り、撤退した場合も想定してどれくらい時間がかかるか、(本当は前日酒を飲みすぎて…以下省略)。おかげでおおよその感じをつかんだので今回、計画実行と相成りました。
6時出発の予定が40分押しながらも、鍋割山南山稜コースでだいぶ予定時間に肉薄。
鍋割山北尾根は尾根筋を進めば急傾斜ではあるが、特に問題ない気持ちいいコース。
コルを過ぎて登り返す手前で左の沢に降りていきます。コルの後に登り始めたら要注意。沢に降りたら向こう岸に渡ると道があります。テープなどあるのでそれに従っていけばオガラ沢出合へ。
熊木沢出合までは崩落した岩がゴロゴロしてる林道を歩きます。すぐにトラロープがあるところに出ますが慎重に渡ります。あとは道沿いに進めば特に問題はないと思いますが落石など注意は必要です。
熊木沢出合で脚立を登り第一堰堤までは向かって右側(左岸)を歩きます。一大崩壊してる少し先のところをよじ登り林道を歩き堰堤の横を通ります(一大崩壊地点からでも登れます)。
第二堰堤は2本の木を使い乗り越えて、左側(右岸)の崩落した荒れた沢のほうに向かいます。尾根を上がらず斜面の際(きわ)を進むとミツマタの群生地があります。少し進むと林道に出ますが、崩落していますので少しだけ高巻きします。
この先はヤブ漕ぎゾーンに入ります。ススキのハイタッチと茨の洗礼を受けながら進みますが、かなり密着しますので落とし物注意です。リュックのサイドポケットに入れておいた(藪除け用に持ってきた)ウィンドブレーカーが藪を抜けたときに落としたことに気づきました。着ろよという話ですね。正直このまま置いていっちゃおうかなとも思いましたが、「見捨てるのかー!」というスタローンの吹き替えの声が聞こえたような気がして戻ることを選択。
落とした場所が第二堰堤近くなら、ヤブ漕ぎ2回戦はきついので高巻きの踏み跡を見つけ戻ったところ、そこまで戻らなくて土管のすぐ先に落ちていました。時間を大きくロスしたものの、落とした後悔より見つけたうれしさのほうが大きかったのはこの後、未踏ルートでの山頂直下の茨漕ぎが待っていたかもしれない。ここを抜けるとあとは林道にそって進むと赤い廃車のあるところに出ます。ここまでは体力温存のためトレッキングポール使用。折りたたみます。
準備万端にしていざ背水の陣へ。体力勝負。たぶん登れるが、たぶん下れないルートと位置付けてあるので靴紐までもう一度結びなおして出発。テープに導かれるように登り始めますが、早々に左側の壁面を登ることにします。なんか見覚えがある感じなのは以前マルガヤ尾根で尾根間違いの末、下りすぎてしまった時の登り返しの経験が生きているからか。あの時上った崖もこんな感じだった。災いを転じて鳴こうホトトギス。集中して慎重にゆっくり登りついていきます。崖登りありの急登がしばらく続きます。
三点支持からの浮石、根腐りをチェックしながら上へ上へと進むと一旦なだらかな斜面に出ます。上を見れば頂上はまだまだ先の先。そんな折、落葉に紛れて茶色の若い芽が3センチほどかな、地上から伸びて育とうとしてるのを発見。たくましさにちょっと感動。登り切る勇気を分けてもらう。
またしばらくすると、角度が厳しい登りになります。今までと違ったのは、岩や根のないところでも土に軍手をついて上がる場面があったこと。脚が2本少ない昆虫になったつもりで這いながら登る感じか。昆虫の足のようにギザギザがないので指も使いながら滑らないように注意しながら三点支持で登ります。この尾根を使う際は汚れてもいい滑り止めがついた軍手がいいかもしれません。山頂は寒かったので別の防寒用も用意した方がいいと思いますし、実際尾根歩きの際は別のを用意して正解でした。
1400mより上は大きな安定しているように見える石でも浮石になっていることが多かったように思う。毎回掴むものには注意しながら登らないと危ないですが、上のほうは特にぐらついていた感じがします。さすってから掴む。怠ると脆いのを掴んでしまう。
余談ではあるけれど、この標高から翼を広げ、ぴゅーっと滑降する烏を目撃。格好良かった。鳴き声は間違いなく烏であったと思う。3羽くらい上空を鳴きながら飛んでいました。寒くないのか烏たちよ。このころには曇天でたまに粉雪がパラパラ降り始めていました。
さて、そのまま確認しながら登り続け、ロープ(3つあり)の助けも借りて上がった先には茨が多数出現。最後の関門とばかりに痛い思い(手首に擦り傷)もしながら進み、途中左にエスケープ(踏み跡あり)してあと少し、茨をよけながら蛭ヶ岳頂上に到着成功。晴れていればなお良かったのだけど、それは次回以降に持ち越しか。あるのかな。
登りきった安堵感にホッとしてあたりを見渡すと、ほぼ同じタイミングで右側から二人の方が上がってきてびっくり。まじですか?とキョトンとしながら、お話を伺うと南南東尾根を上がってきたとのこと。凄い人たちがいるもんだと感心してしまいました。
山頂でカップラーメンの湯を沸かそうと思ったがあまりに寒いので、おにぎりを腹に詰め込んですぐにスタート。わずかな時間で胃袋に詰め込んだが、それだけの時間でも指先は完全に冷たくなり痛いくらい。それに予定では12時登頂なので30分押し。服を落としたのが痛いところ。そういえば茨用にせっかく持ってきたのに結局着ないオチであった。
初雪を味わいながら丹沢山そして塔の岳へ。完全にガスガスなので登った尾根を見ながらニヤニヤが全くできない。残念。そういう意味じゃ感慨に浸ることもなく黙々とただただ歩く。
塔の岳マイナス6度。いつもは賑わう山頂もほぼ人気なし。止まると寒いのでサッサッサッと下山。天神尾根あたりの標高まではほんのり軽い雪景色であったけど、それよりした堀山の家では乾いた地面のまま。標高1000mあたりまでだったのかもしれない。
堀山の家のところで小草平コースを選択し標高を一気に下げて二俣へ。道さえ知っていればこの時間、特に問題なし。テープ類は増えた印象すら覚えました。
二俣ではパトカーに遭遇。話を聞くと鍋割山ルートで怪我人がでてるとのこと。
県民の森Pでは救急車が一台止まっており、先ほどのパトカーと同じ人の運搬のため待機中とのこと。「情報ありがとうございます」と言われたが、こんなご時世に彼らの救助作業には頭が下がる。怪我した人も大したことがなければいいけど。
駐車場には残っていた車はわずか2台。しばらくして下山されたので距離をとって軽く雑談。百名山を目指しているとのこと。うらやましくも思いつつ、自分もいつか目指すときが来るのだろうか。とりあえず今日の山行に満足。
今回蛭ヶ岳南尾根を目指すにあたり、数多く先輩ユーザーの皆様の日記を参考にさせていただきました。この場を借りて感謝申し上げます。おかげで無事に行って帰ってこれました。
山の神様仏さまにも感謝でございます。
足跡を ひとつ残して 山眠る
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