若狭駒ヶ岳〜千石山☆好展望の雪稜で思いがけぬアクシデントに
- GPS
- 09:06
- 距離
- 11.2km
- 登り
- 911m
- 下り
- 910m
コースタイム
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2020年12月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
特に危険箇所なし naojiroさん達によるレコとログを参考にさせて頂きました https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-1637951.html |
写真
感想
こういう日は北の方角の山を山行先に考える。江若国境とその周辺の山をいくつか提示したところ家内が若狭駒ヶ岳がいいというので、若狭駒ヶ岳から千石山への周回コースを考える。久しぶりに長男も同行することになった。
R367を北に向かうと葛川のあたりから彼方に冠雪した三重獄が見える。朽木のあたりまでは雪は少なかったが、朽木を越えて桜峠にさしかかると急に道路沿いに雪が現れる。しかし、福井県に入ると周囲の山々にはほとんど雪が見当たらない。海の近くはかえって雪が融けやすいのだろう。
落合橋のたもとに車を停めて歩き始める。大滝川にかかる橋を渡り、左俣の川沿いをわずかに進むと尾根の取付きを示す黄色いテープがある。尾根は最初の200mほどで標高を100mほど上がるので、かなり急峻であるが、辛うじて薄い踏み跡が続いている。やがて尾根は徐々に傾斜が緩やかになり、p428を過ぎてからはなだらかな雑木林の尾根が続くようになった。
尾根上には頻繁に小さな岩場があるが、展望が開ける箇所が多く、南には与助谷山から桜谷山へと至る江若国境、いわゆる高島トレイルの稜線が白い山肌を見せる。北側には若狭駒ヶ岳から千石山へと続くなだらかな稜線を仰ぎ見る。
尾根筋は地面が露出している箇所も多かったが、p456のあたりでようやく雪が繋がり、足元の雪も深くなってきたのでスノーシューを履く。雪は残雪期のようなザラメ状の雪ではあるが、まだ気温が低いせいか雪が締まっているのが有難い。
p611を越えると唐突に林道が現れる。右手の林道が延伸されたのだろう。林道脇に設けられた木製の階段で法面を登ると尾根上には山毛欅の大樹が現れるようになる。林床にはユズリハの藪が現れるので右から巻くと、途端に下生のない広々とした疎林が広がる。
ここで家内のスノーシューが破損していることに気がつく。正確には以前から破損していたようだが、破損にようやく気がついたのだろう。しかし、足を載せる箇所を支える金属のブリッジが割れており、履き続けることは不可能のようだ。片足でも履いたらと提案するが、歩きにくいからといって家内はツボ足を選択する。
私と長男が歩いた後を家内が歩く。やがて尾根は山毛欅の樹林が広がるようになる。
高島トレイルの稜線に辿り着くと前日のものと思われる数多くのワカンのトレースがある。踏み固められたトレースのせいで家内は楽に歩くことが出来る。
次のピークca760mの手前では南西に展望が大きく開け、百里ヶ岳の大きな山容を望むことが出来る。若狭駒ヶ岳にかけてなだらかで快適な尾根に山毛欅の回廊が続いている。山毛欅のシルエットとその樹間から広がる展望を楽しむうちに若狭駒ヶ岳の山頂に到着する。
若狭駒ヶ岳の山頂からは北東に展望が大きく開け、三十三間山、三重獄、武奈ヶ嶽と白く冠雪した野坂の山々が眼前に大きく展開する。その右手にある大御影山は意外と黒々として見える。右手の琵琶湖の彼方には霞んではいるものの伊吹山も遠望することが出来る。
山頂では簡単な行動食のランチをとり、予定通り尾根を北上する。若狭駒ヶ岳から先は予想通りトレースはない。尾根の東側は開けており、好展望が続く。西側の自然林も疎林であり、随所で小浜湾とその傍らに聳える久須夜ヶ岳を望む。
尾根の東側には雪庇が大きく発達している箇所が多いが、西側は風で雪が吹き飛ばされるせいだろう、意外と積雪が少ない箇所が多い。感心するのは鹿は着実に雪が少ないところを選んで歩いていることである。
ところがp650で尾根が北西に方向を転じると風向きのせいだろう、急に尾根の積雪が深くなる。午後になって雪がかなり緩くなってきたこともあり、家内が深く踏み抜くことが多くなる。それを見かねたのか、長男が家内にスノーシューを譲り渡す。長男はスノーシューが重く感じられるようになっていたからという理由もあったらしい。
しかしここしばらく家の中に籠っていることが多く、急に慣れない運動をしたせいか、つぼ足で歩き始めた長男は両脚の付け根のあたりに高度の筋肉痛が生じたようだ。これまでそれなりに雪山を経験している筈だと思って私も油断していたのだった。次第に長男の歩行速度が低下する。千石山が近づいたところで私のスノーシューを貸与し、私は片足に家内の壊れていないスノーシューを履くことにする。
確かに片足のみのスノーシューは両足にスノーシューを履いた状態に比べると阿尓金くいがないよりははるかにマシである。一足のツボ足が雪の中に深く嵌まり込んだ時のリカバリーが俄然、楽になるからである。
千石山の手前のピークca660mから千石山まで、わずか1km少々のなだらかな尾根を進むのに1時間以上を要して千石山に到着する。しかし長男の脚の痛みはますます酷くなる。問題は千石山からであった。わずかに100mほど進むのにも10分近くを要するようになる。
落合橋への下降点にかけて、尾根が広くなだらかなことが有難かった。私が長男に肩を貸し、ゆっくりと進む。江若国境の上で琥珀色の夕空が広がってゆくが、夕陽に見惚れている余裕はない。下降点に到着したのは16時40分、
ここでスノーシューを脱ぐ。急下降が心配ではあったが、スノーシューがなくなったところで下降になると長男の脚の負担は少しはマシのようだ。登りの尾根に比べると尾根は広く下りやすい。最後のわずか数10mでヘッデンをつけることになったが、なんとか無事に駐車地に戻ることが出来た。
今回は標高が低い山を選んで正解であった。この状態で雪の深い山の上だと引き返したとしても大変だっただろうと思われる。山行前にスノーシューの状態を確認することが重要であるのは勿論であるが。
コメント
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終始青空の下、素晴らしい山行でしたとはならなかったのですね。
奥様のスノーシューが破損するだけでも大事件。ご長男は厳冬期の赤兎〜経ヶ岳も経験された方なのに筋肉トラブルとは。千石山からは写真がないので大変さが分かります。
最後の急峻尾根はヘッデン下山とは、でもよかった、ご無事でなによりです。経験豊かなyamanekoさんが的確な指示判断をされたからだと思います。
私は3年前と5年前にこのルートを歩いて錦秋を楽しみました。やはり駒ヶ岳・千石山がハイライトですね。また残雪期か新緑の時期に歩いてみたいと思います。本年もどうぞよろしくお願いします。nojiro
長男はここしばらく全くといってもいいほど歩いておらず、日頃の運動の大切さを痛感したと思います。p650の北西のca630mピークから西に伸びる尾根を林道に下降するという手もあったのでしょうが、事態がひどいことになったのはこのピークを過ぎた後なのでした。
しかし、この尾根は予想以上に素晴らしいところでした。私も季節を変えて訪れてみたいと思います。こちらこそ、本年もどうぞ宜しくお願いします。
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