田代コースはまもなく不通?・大無間山(2329m)
- GPS
- 29:45
- 距離
- 16.2km
- 登り
- 1,959m
- 下り
- 1,959m
コースタイム
天候 | 1日目 晴れ 2日目 晴れのち曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2013年05月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
小無間山とPとの鞍部の崩壊地は思っていたより崩壊が進み、このままでは近いうちに通行不能になるのでないかと思われます。フィックスロープも頼りにならないくらい危なっかしいし、足場となるべきものがあまりにも少なく、足下がボロボロと崩れるばかりです。 |
写真
感想
もう、こんな山へは二度と行きたくない。第一、歩く時間が思っていたより凄〜く長く、何と2日目は12時間半も、それも大した休憩もとらずに歩き続けたのだから。越えたピークは、往復で約10カ所。車に帰り着いた時には足はパンパン、膝はガクガク。おまけに落ちたらまずは助かりそうもない超怖〜いガレ場を2回も通らなくては行けないのだから。そんな山が大無間山なのです。
5月4日(土)晴れ 自宅→小無間小屋
田代の登山口で4リットルの水を確保し諏訪神社の駐車場に車を止め歩き出したのが11時20分。約3時間半から4時間で小無間小屋のあるP4に着くはずだ。前回は、どうゆうわけかこの小屋までがすごく長く感じ、結構バテた記憶がある。
今回は、腰の調子もいいので、老若男女8人組のパーティーと前後しながらのんびり登った。小無間小屋は小さな無人小屋なので混雑を心配したが、8人組を含めて到着したP4にいた登山者すべてがテント泊だったため、この日の小屋泊まりは私一人だった。前日は8人泊まって満員状態だったそうだが、このゴールデンウィークの最中、日程を1日ずらしただけで超ラッキーである。
5月5日(日)晴れのち曇り 大無間山往復→川根温泉
時間的に余裕を持って歩けるよう、なるべく早く出発ようと午前3時15分に起きて出発準備をしていたら、4時過ぎには昨日の8人組がヘッドランプを点けて歩き出した。ヘッドランプはルートを見失いやすいが小無間までは狭い尾根歩きなので迷うところもないので私もヘッドランプを使って出発することにした。
P3を越えるあたりで日の出を迎えた。安倍川方面の山並みから陽が登り登山路の木々が赤く染まった。小無間山までの間にP3,P2,P1というピークを越えなくてはならないが、小無間山まで行けばあとは大したピークはなく、だらだらと大無間山まで歩けばいいのだ。今日は前回より気分的に余裕があるせいか、P3,P2,P1と順調に越えていく。
P1で先行した8人パーティを追い越したが、この先に今回最大の難所が待ちかまえていた。P1と小無間山との鞍部付近の左右がガレ場になっている。3年前の記憶ではさして危険な場所との印象はないので心配はしていなかったのだが、今回は、最鞍部付近の崩壊が進み左右に大きくガレていた。
馬の背状になった登山路には頼りないロープが一本着いているだけで、それも半分根が露出した木に結ばれていた。足下は浮き石だけらけで力をかけすぎるとガラガラと崩れてしまう。崩れた石は周りの石を巻き込んで谷底へといつまでも音を立ながら落ちていく。左右どちらに落ちても助かりそうもない。頼りないロープと斜面から露出した小指ほどの木の根を頼りに斜面をよじ登った。登り切ってほっとしたもののこれでは帰りが思いやられると心配になった。
比較的安全な場所まで登り、ふと下を見たら8人パーティーがさっきのガレ場で手こずっているのが見えた。半分が女性のこのグループにとっては大変な難所だろう。
今日の行程の中で最大の登りである小無間山の登りも時間はかかったもののバテることもなく順調に登った。山頂を示す看板もなければ展望もない。針葉樹に囲まれた静かな山頂だ。ここまで登ってしまえば後は大無間山を往復するたけなのでちょっと長めの休憩を取った。
ところがこれから先が結構大変だった。急な登りがあるわけでもないし危険な場所があるわけでもない。ただ長いのだ。歩いても歩いても大無間山は遠い。行きも帰りも会う人会う人が口に出すのは「山頂はまだですか」「きついですね」「遠いですね」だ。ほんとうに大無間山は遠いのだ。
中無間山で左に直角に登山路が曲がっている。しばらく雪のない快適な下りを過ぎたらどっと雪が出てきた。先行した8人パーティがアイゼンを着けていた。私も準備はしてきたものの春の雪はなくても大丈夫だろうと車に置いてきた。あれば歩きやすいだろうが地面が露出した場所も結構あるので一長一短である。
ほんのわずかな区間だが雪の急斜面があった。キックステップで登り切ると右手に南アルプス南部の山々が展望できる場所があった。ここが今回のコースで唯一、展望が得られる場所なのだ。まだ雪をたっぷり抱えた荒川岳、赤石岳、聖岳と3000m峰がずらりと並んでいる。雪の少ない黒い稜線を左にたどると再び雪が残った光岳があった。一応、見えている一連の山には足跡を残しているので満足な気持ちで展望を楽しんだ。
大無間山の山頂はまもなくだと思っていたがここから30分ほどかかった。途中で犬を連れた中年のおじさんに追い越されたがこの人がまた歩くのが速かった。犬が元気にひょこひょこ小走りに歩くのと一緒になって歩いている。なんでも、今朝4時過ぎに奥さんと登山口の駐車場を出てきた言うから驚異的な早さでここまで来ている。
大無間山の山頂では、私の他にこのご夫婦と8人パーティが一緒になり賑やかな登頂となった。三脚を持ってきたがみんなで写真を撮り合った。若者達は看板を前に色々なパフォーマンスをして写真を撮り合って楽しんでいる。ほほえましい光景だ。
このご夫婦は一足先に山頂を後にしたがあっというまに見えなくなってしまった。私も8人パーティより一足先に先に立った。登りではこのパーティとは常に前後して歩いていたが、下りでは私の方が早く歩けたようで、最後までこのパーティと一緒になることはなかった。
長い長い稜線歩きを終え小無間山を下ったら往路で手こずったガレ場に来た。前後には誰もいない。落ちても誰も助けてくれないので慎重に慎重に下った。とその時、足を乗せようとした岩が崩れ落ちた。ガラガラと大きな音を立てて谷間に吸い込まれていった。危ない危ない。冷やっとした一瞬である。我ながらへっぴり腰で馬の背を渡りきり対岸の尾根に飛び乗った。
去年の夏に歩いたジャンダルムも怖い場所は沢山あったが、どこもしっかりした岩場だったので安心して足を置けたが、ここのガレ場は足場がもろい。どこに足を置いても不安定なのだ。いつ崩れてもおかしくない足下ばかりなのだ。もう二度とこんなところは通りたくない。
そういえば、山頂で会ったワンちゃんはどうやってここを通ったのだろう。リードを着けて歩いていたが、こんな場所では単独では歩けないだろう。おじさんがザックにでも入れて背負って歩いたのだろうか。まあ、姿が見えないのだから無事通過したのだろう。と余計な心配をしてしまった。
小屋のあるP4まで、またいくつかのピークを越えなければ行けないが、帰りは標高を下げながらなので行きよりかは多少は楽である。それでもすでに8時間以上歩いているのでわずかな登りでも息が苦しくなる。荷物を軽くしているにどうしてこんなに足が出ないのだろうか、とつくづく年を感じる今日このごろである。
今日一日、朝の気温も昼間の気温も大した差はなく大体3度前後だった。小無間小屋で温かい紅茶を作って躰を暖め、残りのあんパンを腹に収めて最後の下りに取りかかった。 車に着いたのが午後5時。大した休憩も取らずに12時間半も歩いたのだ。今夜はゆっくり温泉に浸かって、美味しい生ビールを飲んでゆっくり寝よう。どうせ早く帰っても東名高速は大渋滞だろうから。
【追記】
HPの記事を書きながら「ヤマレコ」をのぞいたら、この日、ワンコを連れたご夫婦の記録が写真付きで早々と投稿されていた。思っていたとおり、あの怖〜いガレ場ではお父さんがワンコをザックに入れ、背負って越えたようでした。そうだよね。いくら山慣れしたワンコでもあのガレ場は危ないよね。そうそう、このワンコは鉄平君と言うそうです。このお二人と一匹は、午後4時前には登山口の駐車場に着いたというから驚異的な早さです。感服しました。
今回の山行のもう少し詳しい記録やその他の山行記録は私のホームページ(「蝸牛の足跡」で検索してください)に載っていますので、よかったらそちらものぞいてみてください。
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