44Lザックトレイル第1弾:鳳凰三山ピストン。オベリスクを目指せ!
- GPS
- 11:38
- 距離
- 24.4km
- 登り
- 2,244m
- 下り
- 2,241m
コースタイム
- 山行
- 10:13
- 休憩
- 1:24
- 合計
- 11:37
過去天気図(気象庁) | 2013年07月の天気図 |
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アクセス |
写真
感想
谷川岳、那須岳、いくつかピックアップしていた山の天気予報を今週に入ってからチェックしていた。この3連休はいずれの予報もあまりよくなかった。遠く南の海上で発生した台風。日本海・東北に停滞するであろう前線。南の海上に発生した台風は台湾を経て大陸へ移動してくれそうだったが、一番の懸念は停滞前線の位置。
その間、トレントフライヤージャケット、ザックタロンが次々と到着。いつもの自作ジェル、初挑戦の豆乳ベースフレンチトーストを作りそれぞれ冷蔵庫、冷凍庫で保存。バーナーの動作確認。ウェアリング、ファストエイドキットの再考。そして、登山ルートとCTスケジュール、小屋・水場の確認。
木曜日の予報では、連休初日が日曜日と祝日月曜日と比べると若干良いように思われた。問題は停滞前線の位置。関東の北側、朝鮮半島から日本海、そして、東北地方を横断するように横たわり、これが南下してくると厄介。前線の位置から遠い場所のお山が天候的には優位と判断。候補のお山の中で南に位置する南アルプス鳳凰三山を目標に定める。それでも、最悪を想定して天気は下り坂と考えた。
日立を前日9:30PMに出発。夜叉神峠登山口駐車場に4:00AM頃到着。あと5台の駐車場の空きだっただろうか。この駐車場に停められたはラッキーだった。ヘッデンを使いながら最終準備をし、予定より1時間も早い5:00AM頃出発。既にヘッデンは必要ないくらいに辺りは明るくなっていた。初の日本アルプス。夜明けとともに新しい夏山のページがここから始まる。
夜叉神峠登山口の標高は既に1370m。ややひんやりとした空気。森に入るとヘッデンが必要になる暗さかと思ったが、適度に伐採されているせいか足元まで明かりが届いていた。トレイルランにはふさわしくないザックタロンを背負い、急峻な山腹をジグザグに切り返しながら標高1770mの鳳凰三山縦走路の夜叉神峠に登り詰めた。西側に対峙する白峰三山が深い野呂川の谷の向こうに横たわっている。山頂付近は雲がかかっているものの雪渓が谷筋に張り付いている姿はアルプスに居ることを実感させてくれた。
鳳凰三山縦走路を北上。今回のザック重量は7kg程度。トレイルランというよりは、登り基調の序盤は普通の登山ペースにしかならないが、次第に体も慣れて来た。南御室小屋までは深い樹林帯をひたすら登っていくが、開けた場所でときどに見せてくれる白峰三山の悠々とした姿がその辛さを忘れさせてくれる。そして振り返った南東方向には頂上から裾野まではっきりと見せてくれた富士のその山影が水墨画のようで美しかった。
登山開始から3時間半程経過。標高2435m。南御室小屋のベンチでおにぎりを1つ消費。小休止の後、水場で正真正銘の南アルプスの天然水をボトルに満たし、最後の上りに取り掛る。再び樹林帯の中を進む。時々現れる巨岩に神秘さを感じる。ガマの岩脇の岩に攀じ登り白峰三山を望む。森林限界を越え、高度を増し、巨岩の間にあるザレ場の急登を登きった標高2740mの砂払岳からは、鳳凰三山の稜線が目に飛び込んで来た。思わず声が出る。花崗岩が風化し粒状化した白い砂と巨岩が山の稜線に無造作に置かれた景色に心躍る。背後には富士山の山影。いよいよ鳳凰三山。富士山に後押しされるように足を前に出していった。
前方に伸びる鳳凰三山の稜線はまだその西側斜面を望むだけである。手前から薬師岳(標高2780m)、観音岳(標高2840m)を確認するもののオベリスクを有する地蔵岳(標高2764m)はまだ見えない。視線を少し東に向けると稜線の向こう側に横たわる甲斐駒ヶ岳(標高2967m)、そして、仙状ヶ岳(標高3033m)を確認することができるが、白峰三山の北岳(標高3193m)、間ノ岳(標高3189m)、、農鳥岳(標高3025m)同様、その頂きは北から広がる雲がかかっていて見えない。白峰三山からさらに視線を南に移す。うっすらと南アルプス南部の山々が重なる山影が比較的明るく浮かんでいる。やはり、停滞前線の影響で北側には雲が厚く、南へ行くに従ってその影響が小さくなっているようだ。幸いこれから始まる鳳凰三山の稜線には雲はかかっていない。上空は雲に覆われているが黒い雲は見当たらない。出発前に判断した気象推測どおりの天候に安堵するとともに、これから先の行程で停滞前線が南下する兆しを見逃すまいと思った。
砂払岳から一旦降下し鞍部にある薬師岳小屋から登り返して広い山頂の薬師岳に到着。花崗岩の風化により粒状化した美しい白い砂地を進んで行くと観音岳に至る。三角点の石標。岩の間に佇んでいたハイカーの人と会話。風が強くなると四つん這いを余儀なくさせるとのこと。鳳凰三山の稜線沿いに樹木が少ないのは、森林限界の標高もあるのだろうが、花崗岩の山を強い雨風に晒され風化が早く進行し、植物の生息するための条件が備わっていないからだとも思われる。そのためか、偏西風の影響を受けやすい西側斜面の方が東側より植生率が低い。観音岳の岩塊に攀じ登る。オベリスクに冠する美しい地蔵岳の頂きを捉えることができた。いよいよ鳳凰三山最終章。しかし、そこから先の下降上昇の稜線はそこへ至る気力を萎えさせようともしていた。
鳳凰三山の標高は3000m弱。富士山でいうところの7合目に当たる。空気は薄く、寝不足も相まって身体が重いのはザックの重量のせいだけでは無いようだ。予定より1時間早く出発できた御蔭で時間的にはまだ余裕がある。オベリスクへの岩稜の先に聳える甲斐駒ヶ岳にかかっていた雲がすっと無くなり、その頂きを見せてくれた。天気は好転しているのかと思わせる雲の移動。しかし、崩れる気配は無いものの周囲の雲や空の高さを見るとまだ天候は小康状態にあるようだ。自然が作り上げた天に向かって聳え立つオベリスクに再度目を移し照準を合わせる。あのオベリスク目指して冒険していた気分になってくる。重い体を前へ。岩塊が点在するザレた白い砂地。一旦降下するとオベリスクが見えなくなる。登り返し、岩稜のピークに立ちオベリスクの位置をしっかりと見定める。着実に大きくなっていくオベリスク。さらに降下、そして登り返すとより大きくなった周囲の山とは異なる存在感を誇示しているオベリスクが目前に鎮座していた。オベリスクの袂へ行くともっとその存在感を体感できただろう。しかし、それは次回に取っておくことにした。青空に聳え立つオベリスクを見上げるために。
な、なんと!? カップヌードルはライトではないですか!笑
山のコメントではありませんが。
tayukayuさん
コメントありがとうございます。
そうなんですよ。行ったお店にはなぜかライトしかなかった(--;
普通のがいいですよね〜
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