[聖職の碑を訪ねて] 木曽駒ヶ岳≪ ≫桂小場
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- GPS
- --:--
- 距離
- 22.5km
- 登り
- 2,116m
- 下り
- 2,110m
コースタイム
5:57馬返し――
7:39茶臼山分岐――
8:02西駒山荘13:26
8:26遭難記念碑13:03
9:47木曽駒ヶ岳――
11:20八丁坂(折り返し)――
11:46駒飼ノ池――
12:30濃ヶ池
天候 | くもり 伊那633m 気温(℃) 風速(m) 風向 4:00 18.8 0.1 6:00 19.0 0.6 W 8:00 21.2 0.4 SW 10:00 26.7 2.7 SSE 12:00 27.7 3.8 S 14:00 29.4 3.5 SW 16:00 28.4 1.6 WNW 木曽福島750m 気温(℃) 風速(m) 風向 4:00 18.7 0.5 NNE 6:00 18.8 1.5 SSW 8:00 20.8 0.8 WSW 10:00 26.7 2.0 SW 12:00 25.1 3.2 SW 14:00 26.2 1.9 W 16:00 25.0 1.1 WSW |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2013年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
コース クラシックルート。 伊那地区の学校登山のルートですから、刈り払いがされています。 また一部アサヒビールの寄付金で登山道が整備されています。 つづら折りで高度を稼いでいくルートですので距離は歩きます。 なかには路肩が弱いところもあります。 稜線に到達すると、木曽谷から吹いてくる涼しい風が心地よい日でした。 胸突八丁はこのルートでの急登。 そこを過ぎると西駒小屋で森林限界。 そこから将棊頭〜遭難記念碑〜馬ノ背分岐まではゆるやかな気持ちのよい稜線。 馬ノ背から岩場が出てきます。一気に高度を稼いでいきます。 駒ヶ岳方面から周回コースを歩かれる方々とたくさんすれ違います。 駒ヶ岳から千畳敷までは中岳を越えるルートです。 ここも大勢の登山者で賑わいます。 駒飼ノ池〜濃ヶ池コースに入るとガクっと人が少なくなります。 雪渓が4か所ほど残っており、軽装備の方は遠慮しているからと思います。 ひとつブリッジになっているところ(濃ヶ池寄り)がそろそろ崩れそうです。 踏み抜くとひざ上まで行くかも。 このコースは駒ヶ岳、中岳のカール下を歩くという趣。 お花畑、残る雪渓、岩、と千畳敷へ行かずとも満たされるコースです。 馬ノ背分岐点で元のコースへ戻ります。 将棊頭山ピークはコースから少し離れますので今回は踏みませんでした。 |
写真
感想
新田次郎の『聖職の碑』を読んだのは2年前のことでした。
痛ましい遭難事故とその事故後に遭難慰霊碑ならぬ記念碑ができた経緯を
諏訪出身の新田次郎が書き上げた名著で、感銘を受けました。
ぜひ木曽駒ヶ岳を登るなら桂小場からという思いを持ち続けていましたが、
ここまでノビノビになってしまっていました。
今年は遭難事故から100年を迎え、
先週には伊那偲岳会による慰霊登山が行われたといいます。
また自分は先週、越後駒ヶ岳を駒ノ湯ルートピストンをして
夏でもそれなりに動けるな、という自信を持ち、
駒ヶ岳ツナガリっていう気持ちもあったりして、
もとい満を持して行ってきました。
<桂小場>
想定よりも早く着いてしまいましたが、少し待ってヘッデンを使わない始動としました。
かなり整備された道です。
100年前の遭難事故を教訓として、二度と悲惨な事故を起こさない、
という代々の親から子への思いをこの道から感じ取った、
というのは決して大げさではないだろうと思います。
100年前のコースから付け替えられて久しいことと思います。
馬返し(権兵衛峠への分岐)にくると稜線をいくルートになります。
木曽から涼しい風が吹き上がってきます。これに救われたなぁ。
大樽避難小屋を過ぎると「胸突八丁」。
まだこの地点で約2000m。西駒山荘までまだ約700mあります。
あとからこう書くとイヤになるんですが、先週の越駒トレーニングが効きました。
胸を突いたところで、茶臼山への分岐点、手前からこれは木曽方面の展望が開けるな!という刹那(そんなに早くないか)
御嶽ド〜〜ン!
久々の御嶽さんはでかいね。雲が残念でしたが、その雲が絵になっていたので救われました。
森林限界を過ぎてますます涼しくなってきました。
ほどなく西駒山荘に到着。改築予定ですがまだ業者が決定していないとか。
すこし心配ですね。
ですから幸か不幸か、手がつけられていない状態でありました。
石室が現役当時のままの外観のままでした。
そしてこの山荘エリアは、コマクサの群生地です。
中央アルプス独特なのか、かなり濃い赤色でした。
そして展望地です。南アルプスのピークが見えたのはこの頃まででした。
小渋川の谷が真正面にありました。
ここで最初の水分補給としました。
曇り気味で気温が低かったのでここまで持ちました。
西駒山荘からまもなく、今回の第一義、大きな「遭難記念碑」に着きました。
少しの青空の下、台風の暴風雨を想像してしまいました。
当時の科学、情報技術を持ってしては、
登山行事は命懸けであったことをこれからもこの碑は語り続けます。
さて、次の目的地は駒ヶ岳です。
なだらかな稜線歩きはここまで。馬ノ背に跨りました。
木曽谷のほうはガスが沸いたり消えたりでなかなかの雰囲気でした。
山頂山荘分岐辺りまで来ると観光地でした。
山頂標周辺が無人になることはない、という感じです。
「やった〜〜!」と絶叫するような場所ではなく、
東駒ヶ岳の黒戸尾根と北沢峠、
谷川岳の西黒尾根、天神尾根の比率どころじゃないわけで。
とてもふしぎな感覚でした。
こんどの目的は谷川岳で見逃したウスユキソウを見つけること。
頂上売店のおじさんに尋ねたところ、
木曽小屋と頂上小屋との三角エリアにまだあるかなぁ。
ありがたい情報でした。事前に調べろよの話ではありますが。
コマウスユキソウ咲いていてよかった〜。
ここまで来たら、有名な千畳敷のカールを下から見てみたいと、
欲を出してみましたが渋滞気味だし時間がないので途中で引き返しました。
しかしカール地形は千畳敷だけではなかったのです。
駒飼ノ池〜濃ヶ池のルートはカール下を行くのでした。
そしてカール下はお花畑になっていますし、
残っている雪渓、緑、岩場のコントラストがよかったなぁ。
そして帰路へ。
馬ノ背・濃ヶ池分岐点を過ぎると極端に寂しくなります。
その寂しさを感じるままに遭難記念碑に着きます。
暴風雨から避けるための石室のようなものはまったくありませんし、
賑わうロープウェイエリアから人がいなくなった寂しさのギャップなどもあって、
グッときます。
この表現が正しいかどうかもわかりませんが。
許してもらえるならまたこれからも登らせてください。
将棊頭山はすぐそこなんだけれども、
ガスで展望がきかないこともあってパスしました。
西駒山荘でコマクサに別れを告げ、一気に桂木場まで下りていきました。
思い出して整理してみると、
今回の木曽駒行のなんと見どころの多かったことか。
いままで中央アルプスを「軽視」していたことを反省しています。
また『聖職の碑』を読み直して、情景を焼き直してみようと思います。
-後日談-
最寄の伊那インターまでは調布インターから200km。
そういえば先週の小出インターも練馬インターから200kmでした。
調べてみたら自宅から越後駒ヶ岳の直線距離160km。木曽駒ヶ岳162.4km。
偶然、ほぼ二等辺三角形が出来てしまいました。
もう少し西へ引っ越したら完璧です…。
こんなどうでもいいことを追記してしまってある感想文
最後までお読みいただきありがとうございました。
7/30 18:30===============
私たちの山行翌日に宝剣岳〜檜尾岳にかけて韓国人登山者4人が遭難しました。すでに心配停止だそうです。
ひじょうに驚いています。
100年前の遭難事故と同じく夏季の事故であるということ。
外国人で日本人ガイドがいなかったことや、母国語による情報量不足が考えられます。
100年前も当時の気象学、観測技術。気象台へは前日の固定電話でしか確認できなかったということで
情報量不足だった、というところは若干共通しているように思います。
『聖職の碑』での新田次郎の巧みな筆致が、山の気象の変わりやすさ、恐ろしさを伝えてくれますが、
穏やかだった山行翌日に、遭難事故が発生したというインパクトのほうが勝ってしまいます。
荒天での山行について考えさせられ、山の気象について詳しく学ぼうという機会を与えられたようです。
異国の山で命を落とされた方々のご冥福をお祈りします。
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