深山〜掃雲峰〜るり渓☆お手軽ハイキングのつもりが
- GPS
- 04:28
- 距離
- 12.2km
- 登り
- 674m
- 下り
- 670m
コースタイム
過去天気図(気象庁) | 2021年07月の天気図 |
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アクセス |
写真
感想
この日は久しぶりに長男が山に行くというので、最近、ほとんど運動らしい運動をしていない長男の体力を考慮して手軽なハイキング・コースを考える。
京都は曇りと雨の天気予報であるが、大阪の方は晴れの予報であり、府境の瑠璃渓に向かうことにする。京都市内から縦貫道に向かうと、確かに予報通り、京都の北山のあたりは雲が低くかかっているが、大阪の南の方は青空が広がっている。
瑠璃渓、深山、掃雲峰を周回するにあたり、瑠璃渓の手前の入口から周回することも考えられたが、下山後に瑠璃渓温泉ひ浸かることと、涼しさが期待される瑠璃渓は最後にとっておくことにして、まずは瑠璃渓温泉の大きな駐車場に向かう。瑠璃渓温泉の駐車場に到着すると既にかなりの車が停められており、周辺は多くの人で賑わっているようだ。
まずは深山の登山口に向かう。既に高度が500m近くあり、風が涼しく感じられる。ゴルフ場のすぐ脇から登山道に入り、樹間からすぐ横にゴルフ場を眺めながら緩やかに尾根を登ってゆく。傾斜も緩く幅の広い道が続き、登山道というより遊歩道の趣だ。
尾根に出ると西側の大阪側に大きく展望が広がり、裾野からは涼しい風が吹いてくる。昨日の山行では蒸し暑さに辟易したところであったが、この日は少しは暑さはマシなことを期待したいところだ。
ススキの原が広がるようになると急に地面から熱気が立ち昇る。雲も多く、まだ日差しがそれほど強くないからいいものの、これ以上に気温が高くなるとこの道を歩くのは相当にきついだろう。
ススキの繁茂する見晴らしの良いピークを過ぎると正面にレーダーのあるピークが目に入る。遠目にはまるでゴルフボールを上に載せているように見える。
山頂が近づくと上からご夫婦と思われる二人連れ、そして後から女性のソロ・ハイカーが下ってくる。この日、瑠璃渓以外ですれ違ったのはこの二組のみであった。
山頂に到着すると物々しい建物は雨量観測所であることを知る。レーダー観測所の奥には立派な鳥居と石碑があり、レーダーの物々しい建物と極めてシュールなアンバランスを呈している。どうやら深山宮と呼ばれるところらしい。途端に能勢の方からは涼しい風が吹いてくる。心地よい風に吹かれてしばし休憩する。
山頂からは好展望が広がり、大阪側は大高山、弥十郎ヶ嶽と行った近隣の山々が見える。北には御嶽、小金ヶ嶽と連なる多紀アルプスが見える。京都側は半国山の背後に愛宕山のシルエットが辛うじて同定できる。
山頂を後にすると掃雲峰を目指し、ススキの原の中を下ってゆく。尾根の先にあるピークp741にはススキの原に刻まれた道が続いているのが見える。
p741のピークを目指し、ススキの原の中の道を進んで行くと防鹿ネットが行く手を遮る。柵の間には丁度、人が通り抜けるには十分なスペースがあるので、先に進む。しかし、ススキの原が終わるところでやはり防鹿ネットに囲われており、今度は通り抜けることを断念する。
地図を確認するとどうやらp741の手前で左手の谷に下る必要があったようだ。辿ってきた道を引き返し、GPSのログを頼りに下降点を探る。下降点にはテープの類は何もなく、GPSのログがなければ下降点を見つけるのは至難だろう。
下降点を見つけて、斜面を谷に向かって下り始めるとすぐにもテープが現れるが、踏み跡はほとんどない。この日はすっかりお手軽ハイキングのつもりで家族にもそのように説明していたのだが、これはどうも完全に雲行きが怪しい。
やがて右手に現れる小さな谷を右岸に渡渉し、テープに導かれるままに薄い踏み跡を辿ると突然、廃林道に飛び出した。林道を辿ると再びゴルフ場の裏手に出る。
しばらくはゴルフ場を眺めながら歩き、道が大きく右手に曲がるところで、左てに分岐する林道へと入る。林道を登って行くと地図にはない小さなため池が現れるが、池のほとりにたどり着いたところで林道は終わる。
池畔を周回し、その先の谷間に進むと忽然と小さな湿原が現れた。一面に柔らかそうな草が生えているが、そこは何といっても湿原である。草地に踏み込むと靴が思いっきり沈みこみ、即座に靴が泥だらけになる。靴の上部から中に泥濘が入り込まなかっただけマシと考えるべきだろう。
私の足が泥濘みにはまったのを見た家内と長男は湿地を避けて無事、通過する。鞍部を目指して湿地の奥に進むと今度は樹間の広々とした自然林の樹林が広がる。
鞍部に掃雲峰に向かって緩やかに尾根を登ってゆく。尾根上には相変わらずテープの類いはないが、薄い踏み跡が続いている。尾根の樹林はすぐにも低木が多くなり、先ほどの広々とした美林は鞍部の手前のわずかな範囲のみだったようだ。
掃雲峰は名前からするといかにも険阻で壮麗な山が想像されるが、実際にはその逆で、山にはこじんまりした地味な山である。山頂は樹林に囲まれた平坦なところで、山頂と気がつかずに通り過ぎかねないところだ。狭い山頂広場にはPH氏のものをはじめ、いくつもの山名標が架けられているが、天狗山と記されたものもある。山頂は虫が多いようで、長居は無用である。
瑠璃渓方面に向かって尾根を進むとまもなく巨岩が現れる。「天狗岩」のようだ。尾根の北側に回りこむと北側に絶好の好展望が広がり、先ほどまでおぼろげに霞んでいた愛宕山のシルエットが明瞭に見える。地蔵岳の左手には桟敷ヶ岳から飯森山を経て天童山へと至る城丹国境尾根が続いている。掃雲峰の山頂とは異なり、ここは有難いことに虫もほとんどいないようだ。好展望を眺めながらランチ休憩をとる。
天狗岩を後に登山道を下ろうとすると登山道でガサゴソと動くものの気配がある。蝮だ。おそらく蛙か何かを飲み込んだろう。腹のあたりが不自然に膨らんでいる。その後も蝮ではないが、次々と蛇に遭遇する。ヤマカガシかと思われるが、こちらの雰囲気を察知したのか、蛇たちはシュルシュルと大急ぎで藪の中へと逃げ込んでゆく。
深山への登りとは違って掃雲峰への登りはいささか急坂のようだが、木製階段により整備されている。下山すると蒸し暑さが感じられるようになるが、やはり最後にるり渓をとっておいてよかった。渓流沿いの遊歩道に入ると途端に涼しく感じられる。
るり渓はせせらぎを午後の木漏れ日が綺麗に飾りたててくれる。渓流は美しいが、水が明らかに濁っているのが残念だ。るり渓の遊歩は流石に人が多く、水遊びをしている家族連れお多い。遊歩道の歩行を終了し、上流の通天湖に至るとるり渓の水が濁っている訳を理解することが出来た。
通天湖からは車を停めた駐車場まではわずかな距離だ。駐車場に戻ると山の上には大きく入道雲が発達している。
温泉で汗を流してから車に戻ると上空からは雷の音がする。車に乗って京都に向かうと早々に雨が降り始めるのだった。
コメント
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40年前のことで恐縮です。大阪でFAXの営業をしていたのですが、サボってふと瑠璃渓に立ち寄りました。入口から遡上すると清らかな流れと渓相は素晴らしくそこは別天地、奥入瀬渓流を彷彿とさせるものがありました。
もう一度見たいと思い5年前の秋に再訪、その時は通天湖から下って、紅葉には少し早く濁った水に‥‥。川床が茶色っぽい。昔はもっときれいな所だったように思います。へそ曲がりなので私の印象も曲がっていたのでしょうか
naojiroさんも大阪にいらしたことがあったんですね。
いまやFAXを使うことがほとんどなくなったかと思いますが、40年前というとFAXが隆盛を極めた時期ですね。
40年前はるり渓はもっと綺麗だったんでしょうね。京都、大阪の人気に景勝地だったはずですから。残念ながら水の汚れのせいでかつての景勝地の風格は大きく損なわれてしまっているように思います。
私達も長男がまだかなり小さい頃、20年近く前にるり渓を訪れているのですが、「通天湖はこんなに汚れていたっけ?」と家内と共に驚くことになりました。
いいですね ご家族とのハイキング
深山宮は古墳の様に見えますがそうではなさそうですね
うちの孫たちはもう付いてこなくなりました😢
深山は初めて登ったのですが、さすが北摂最高峰の風格があるように思います。
我が家も家族との登山もいつまで出来ることか・・・
少し前までは喜んでついてきた次男はしばらくは登山は期待は出来なさそうです。
お孫さんと三世代一緒に登山される機会はなかなかないでしょうし、羨ましがられるでしょう。お孫さんの中では楽しい記憶として残っていることでしょう。
こんにちは。
我が家は北摂住まいなのでこちらは近いのですが、深山に一度行ったきり・・・
瑠璃溪は「そのうち行こういこうか・・」と話していたのですが、観光地のイメージが強くてグズグズしているうちに息子と一緒に行く機会を逃してしまいました。
でもお写真見るととてもきれい!
行ってみたい気持ちが・・・また出てきました。
Naojunさん コメントありがとござます。
>観光地のイメージが強くて・・
私もそう思って、かなり以前に幼少の長男と共に訪れて以来、ご無沙汰しておりました。
実際、ここは観光地であり、登山のスタイルで歩く人はいないと思います。
写真が綺麗に見えとしたら嬉しいかぎりではありますが、「感想」に書いておりますように流れている水の「濁り」を見ると幻滅されるかも。
深山は山頂に物々しいレーダーが建ってはいるものの、確かに北摂最高峰の風格を備えた山ですね、今回、以前のNaojunさんのレコを思い出して、剣尾山もいいかな・・・と思っておりました。次回は剣尾山を訪ねてみたいと思います。
yamanekoさん ご無沙汰しております。
レコを拝見して思い出しました。
丁度1年前の今ごろ、今回のyamanekoさんと類似コースを逆向きに歩きました。同じく軽い気持ちで行ったのですが、741ピークと深山の間で背丈ほどのススキの藪漕ぎにあって四苦八苦しました。
ススキの中に標識もあったので、もともとは山の家のハイキングコースだったのかなと思います。
昨年のレコを拝見いたしました。p741を越えて来られたんですね。
おそらくネットの外側を回って? ・・・それは大変だったでしょう!
ゴルフ場への鹿よけのつもりなのでしょうが、中途半端に道を塞いでいまね。
掃雲峰と深山を結んでp741を通る登山道を整備されたらさぞかし魅力的なハイキング・コースになろうかと思うけど、るり渓温泉はハイキングではなく別の形で集客しようとしているのでしょう。
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