白馬岳-鹿島槍ヶ岳縦走

2021年07月10日(土) ~ 2021年07月11日(日)

• GPS: 33:13
• 距離: 39.6km
• 登り: 4,205m
• 下り: 4,624m

コースタイム

1日目

• 山行: 5:52
• 休憩: 0:17
• 合計: 6:09

7:38 栂池パノラマウェイ 自然園駅
7:43 栂池ヒュッテ
8:17 天狗原/白馬岳神社
8:21 8:22 風吹大池方面分岐
8:53 乗鞍岳
9:14 9:15 白馬大池山荘
9:44 9:45 船越ノ頭
10:12 小蓮華山
10:41 10:44 三国境
11:09 白馬岳
11:19 11:27 白馬山荘
11:38 11:39 丸山
12:23 12:24 杓子岳
13:05 13:06 鑓ヶ岳
13:19 鑓温泉分岐
13:47 天狗山荘

2日目

• 山行: 14:01
• 休憩: 1:19
• 合計: 15:20

1:31 天狗山荘
2:12 2:21 天狗ノ大下り
2:46 2:52 不帰キレット
3:05 3:11 不帰嶮（不帰一峰）
3:39 3:50 不帰嶮（不帰二峰北峰）
4:01 4:02 不帰嶮（不帰二峰南峰）
4:34 4:35 唐松岳
4:46 唐松岳頂上山荘
4:50 4:55 牛首
5:38 5:39 大黒岳
6:22 6:23 白岳
6:26 6:33 五竜山荘
7:20 7:22 五竜岳
8:39 北尾根ノ頭
9:46 9:53 八峰キレット小屋
10:01 10:08 八峰キレット
11:08 11:12 鹿島槍ヶ岳北峰
11:43 11:44 鹿島槍ヶ岳
12:14 布引山
12:48 冷池山荘テント場
12:54 12:55 冷池山荘
13:11 冷乗越
13:47 爺ヶ岳北峰
14:03 14:04 爺ヶ岳中峰
14:13 14:14 爺ヶ岳南峰
14:38 種池山荘
15:01 15:04 富士見坂
15:23 15:24 水平岬
15:53 15:54 駅見岬
16:00 16:01 ケルン（柏原新道）
16:38 16:39 柏原新道登山口
16:51 扇沢駅

天候

曇り時々雨時々晴れ

アクセス

利用交通機関：

電車 バス 自家用車 ケーブルカー（ロープウェイ／リフト）

コース状況／危険箇所等

天狗原から白馬乗鞍岳への取り付きで雪渓あり

写真

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7/11 15:03

7/11 17:45

撮影機器：

iPhone SE (2nd generation) Apple

感想

都まんじゅう

【概要】
　7月10日から自身初となるテント泊で白馬岳から鹿島槍ヶ岳まで縦走してきた。天候は2日とも良くなかったが、テン泊縦走としては大変勉強になった回だった。結論は、楽しかった。
　
【コース】
栂池高原から白馬乗鞍岳を経て扇沢(柏原新道)に降りるコース

【テント場】
天狗山荘
7月10日に予約していたがヘリの荷揚げができず7月16日から営業になり一旦予約取り消し。
受付に電話確認したところHP記載の通りテント場の利用は可能→2500円が0円になった
電話ではトイレ・水は自己管理だったが天狗山荘の支配人のご厚意でトイレと水は無料で使えた。
トイレはさすがにチップを払った
水は全行程でここで2回補給したのみ(1L)

【食料等】
■ 水
500ml水×3、予備1.5L×1、コーラゼロ600ml×1

■ 食料
手作りおにぎり×3、あんぱん5個入×1、シリアルバー×2、エナジーゼリー×1、フルグラ
あんぱんとフルグラは未消費、エナジーゼリーは2日目朝、それ以外は前日夕方に補給

【交通】
■ 駐車場
八方第2駐車場
向かいに白馬八方バスターミナル(以下、BT)とローソンがある
敷地内に温泉あり(高アルカリph11、800円)

■ 往路
白馬八方BTから栂池高原行きのバスに乗る
(チケットはBT内の券売機で買える、530円)
この日の乗客は自分だけ

栂池高原に着いたらゴンドラとロープウェイで終点まで行く
(ほとんど人居ない、片道は2000円)

■ 復路
扇沢まで歩く

向かって右手のチケット売り場で信濃大町駅行のバスを買う
(1390円、自分が乗ったの含めてこの日は後2便あったが自分が買う直前で閉める所だった)

信濃大町から白馬行きの電車に乗る(510円)

白馬駅からタクシー
(駐車場の番号で場所が分かるほど運転手さんは熟知している、840円)


【1日目】
当初は扇沢に車をデポしようとしたが扇沢から時間の良いバスが無いため断念
大町駅前駐車場(上限1500円)に止めて始発で白馬駅、BTから行こうとするも時間がずれていたのに気づき断念
過去に似たような縦走をしたブログを見つけて八方駐車場から行くことにして移動。

3時半起床
バスの発券自体は6時からだがいつもの癖で目が覚める
BTは5時台には開いていた模様、6時前に購入できた
猿倉に行くパーティと八方尾根？に向かって歩いていったパーティと私の3組のみがBTにいた
BTからスキー場を見ると虹が出ていた。

栂池高原に着くなりゴンドラ駅を目指す。駐車場はほとんど空いていた。梅雨だからだろう。
HPでは7月10日を含む平日が8:00からのように書いてあったが7:00時からの運行らしい(平日は最後に書いてあった日という意味かもしれない)
ゴンドラは常時運行しているためすぐに乗れた。途中駅があるがそのまま乗車し問題ない。
ロープウェイ駅までは徒歩3分ほど。私以外に2人乗っていた(栂池自然園散策と思われる)。

登山開始と同時に雨が降り始める。さっきまで見えていた乗鞍岳はいずこへ。
天狗原から乗鞍岳の取り付きは雪渓を数十m登る。
雪は柔らかいので靴のまま登れるがチェンスパがあると良いかもしれない

最初の雪渓後、少し岩場を経て2回目の雪渓がある。こちらは最初より緩やかなので問題ない。
少し登ってすぐ白馬乗鞍岳。
ここから白馬大池山荘までは少し高度を落として池を反時計回りに向かう。
途中残雪を横切るところがあるがステップもあまり無いため下手をすると池にドボンだろう。
山荘の前でライチョウの雛と母を目撃する。
ライチョウは初日に13羽ほど、2日目は1羽だけだった、白馬岳周辺の方が居るのか天候のせいなのか。

白馬大池では太陽も出ていたが船越の頭を超えてから悪天候気味になった。
山行全体的に北風が強かった。
白馬岳では横殴りの雨を喰らい両手が冷える、バッジを買った白馬山荘内の暖かさが身に沁みる。

天狗山荘の看板から山荘まで雪渓が続く。
途中登山道が雪で隠れているが雪渓自体は長いものの傾斜が緩やかなので上を歩けば大丈夫そう。
ガスだったが山荘の発電機の音を頼りにたどり着く。

一通り説明を受け14時頃にストックシェルターを張る。
他にやることが無いのでご飯を食べつつ横になる。
山荘のお陰かUQモバイルは辛うじて電波が繋がったため暇つぶしになった。
17時頃から20時頃まで暴風雨。
雨雲レーダーを見ればエコーは赤だった。
ストックシェルターが倒れることは無かったが浸水が酷い。
事前テストで浸水は把握していたものの想像以上の風雨だった模様。
風上に入り口を向けたのが失敗、呼吸のためにジッパーを開けることも中々できず。
到着時は無風だったため特に意識していなかった。
はあはあするほど酸欠状態が続く。
ヴィヴィの中にも浸水し傾斜的に足元の方に水が溜まる、冷たい。
ヴィヴィの開放部と頭部の冷えを防ぐ目的でレインジャケットを被せるがこれが酸欠状態を増長させる。
寒さが気になり結局、睡眠時間は計1時間ほどで後は眠ろうとしても寒さが勝り歯がガチガチするほどだった。
地獄の11時間だった。
途中で眠れたのはスマホのkindleに落とした加藤文太郎の「単独行」のお陰。
内容は面白いが字を読めるほど体力が無く眠くなったのが良かった。
22時頃にトイレを催すがここで出ると帰ってきたときに更に冷えていて二度と横になれない予感、我慢した。

【2日目】
眠ろうと試みては寒さで起きを繰り返し8回目ほどになったころ時刻は0時半を回っていた。
ここ1年、UL指向で荷物の軽量化をしていたので今回の10kgを越える荷物は疲労を招いていた、
想定ペースより遅かった。
2日目もペースは落ちると思い、寒さもあって早く動きたかった。
予定より2時間早めテント場を後にした。
天狗山荘を出てからはずっと濃霧だった。気がつけば不帰キレット。
事前に晴れた日の写真を見ていたが周りが見えないので高度感も無く怖さは無かった。
ただキレットを降りる際に濡れた石で足を滑らせ正面から転んで右膝を強打したのを除けば。

唐松岳に着く頃には相変わらずのガスだったが明るくはなっていた。
唐松山荘はコロナの影響で今年も営業していない。テントだけは20張りを上限に完全予約制で行けた。
昨日の寒さに耐える時間を考えれば唐松山荘でも良かった。
だが吹き付ける風が強い。結果的に天狗山荘で良かったのかもしれない。

今回のコースは岩稜地帯が多い。私の経験では奥穂高から西穂高に向かうルートのようである。
日本三大キレットのうち2つを通るが、今回の核心部はこのどちらでもなく唐松から五竜に至るルートだと思う。
雰囲気としてはジャンダルムを超えた後の雰囲気といえば分かるだろうか。
いつも思うが良くこんなところに鉄はしごや鎖を掛けたと思う。

五竜山荘でバッジを買う。例のTシャツも欲しかったが酒をやめた身に合わなかった。
五竜山荘でも風雨だった、冷たい。
下りなら大丈夫なのに登りになるとすぐに息切れが始まる。
体が動きたくないと言う、20歩進んでは10秒以上休憩しないと駄目なペースだった。
途中でガイド率いる8名ほどのパーティに先を行かせてもらう。
五竜岳に到着も白馬岳に続いて何もかもが白色だ。
時間がないのですぐに鹿島槍ヶ岳に向かう。

鹿島槍ヶ岳への道も険しく後戻りできない感じも上述の奥穂高、西穂ルートそのものだ。
取り敢えず岩場を直登しとけというように上向き矢印や丸印が目立つ。
この登りが非常にしんどい。
八峰キレットは不帰や大キレットのように降りて登ってを8回繰り返す場所と思っていた。
ところが気づいたらキレット小屋で後は北峰まで延々と登りだった。
こちらも岩場登りが非常に多く、一つ登ったら次の3峰が見えてくる、そんな感じだった。
双耳峰と言えど北峰と南峰は距離があり間に幾つかピークがある。
事前知識と眺望ゼロではこれが同じ山のピークを成しているとは思えない。

鹿島槍ヶ岳では南峰も雨だったが少し降りて布引山への稜線に出ると北アルプスの腹が見えた。
これから歩く稜線も見え縦走してきて良かったと思えた瞬間だった。
そしてこの稜線を歩き種池山荘に行けばゴールは近い。
ところが冷池山荘直前で天候が急変した。
雷雨になったのだ。
せっかく森林限界を終えて安全と思ったのも束の間、爺ヶ岳に向かうには再び高度を上げないといけない。
バスの時間も迫っており雷鳴が止むタイミングで高度を上げていく。
なぜ下山に向かっているのに高度を上げるのか、その上これでもかというくらい上げてくる。
幸いにも爺ヶ岳中峰下を通過する時には雷は止んだ。

疲れる足と襲いかかる眠気に耐えながら高度を落とす柏原新道。
少しでも立ち止まれば目を瞑ってしまい立寝状態となる、バスなんてどうでも良くなる。
これはイカンと歩みを早める。
途中長い雪渓を横切るが下に黒いものが見える。最初はなにか作業している人が休んでいるのかと思ったが
雪渓を通り過ぎてもう一度見るとクマに見える。歩いた際に崩落が起き巻き添えになってしまったのか、そもそもクマなのかも今となっては分からない。

柏原新道口へ出た後はバスに乗るため扇沢に向かう。
こちらも延々と登りだ。
日曜日の夕方ともあって駐車場は数台程度しか止まっていない。
ちょうどバスが来る頃だったのでそれに乗って信濃大町に向かう。

信濃大町から白馬駅までは40分程度。
汗臭い自分が公共機関に乗るのが気が引ける。
白馬駅からタクシーに乗り駐車場に向かう。
山頂は雲に隠れたままだったが唐松あたりの山々が見える。
景色は残念だったがテン泊縦走は楽しいと思った。
課題を攻略しこれからも楽しんでいきたい