あこがれの大キレット、前穂高岳〜槍ヶ岳縦走
- GPS
- 24:31
- 距離
- 46.2km
- 登り
- 5,653m
- 下り
- 5,341m
コースタイム
1日目
4:55沢渡バスターミナル-5:25上高地バスターミナル5:55-8:25岳沢小屋-11:55前穂高岳-14:15奥穂高岳-14:55穂高岳山荘
2日目
5:00穂高岳山荘-6:30北穂高岳-9:50南岳-10:10中岳分岐-12:30槍ヶ岳山荘-13:00槍ヶ岳-13:30槍ヶ岳山荘-15:00ヒュッテ大槍
3日目
6:00ヒュッテ大槍-6:50水俣乗越-7:30水俣乗越分岐-8:20槍沢ロッヂ-8:50一ノ俣-9:00横尾山荘-9:50徳沢-10:30明神-11:10上高地
天候 | 晴れ時々曇り一時雨 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2013年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
バス 自家用車
久しぶりに沢渡に来たら、駐車場近くにあるバス停が降車専用になっていました。 朝は徒歩約5分のバスターミナルまで行く必要があります。 トイレや24時間利用可能な足湯が便利です。 駐車場はかなりの台数が停められます。 連休やお盆時期に夜中や早朝着で満車だったことは無いです。(日中は不明) 駐車料金は1日500円です。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
鎖場、梯子多数です。三点支持を確実に! |
写真
感想
お盆休みを利用して憧れの槍ヶ岳へ行くことにした。
以前、北穂高岳から見た槍ヶ岳の景色が忘れられず・・・
あの景色を見ながら槍に向かうことが出来たらどんなに素晴らしいことかと想い、
北穂高岳から槍を目指すことに決めた。
そう・・・この瞬間に避けてきた大キレットを通る決心をしたのであった。
楽しみ半面、不安な気持ちも一杯になった。
前日夕方から600劼曚匹鬟ルマで移動し沢渡駐車場へ。
車内での仮眠につく。
真夏の沢渡付近では、窓を閉め切った車内でも暑くなく思ったよりも快適に眠ることが出来る。
約2時間の仮眠の後に起床し準備に取り掛かる。
やがて準備が終わり沢渡バスターミナルまで行って5時発のバスを待つ。
待っている客は、自分達を含めて15人程度。
4時50分ころにバスが入って来て乗車。
一人で2つのイスを使えるレベルの乗車率でかなり快適。
途中のバス停からの乗車も少なく快適なまま上高地に到着。
天候は晴れで、途中の車窓からはアルプスの山々も見え始める。
登山届けを提出し、トイレを済ませて登山開始。
この時間には河童橋を歩く人もそれほど多くは無い。
歩き始めは梓川の支流沿いをゆっくりと進み岳沢登山口へ。
しばらくは樹林帯の中を進む。
視界も無く地味な登りを徐々にペースを上げながら進んでゆく。
登山者もまばらで熊が出やしないかとちょっと怖いくらい。
岩の間から冷風が拭き出している天然クーラーの風穴を過ぎ、木々の間から時々見える前穂高岳の岩稜や下界の展望に癒されながら岳沢小屋に到着。
小屋のテラスで長めの休憩を取る。
休憩後はいよいよ前穂高岳への急登が始まる。
睡眠不足の身体は思ったよりも疲労度が大きく呼吸が乱れ、思ったよりもペースを上げることが出来ない。
しかし辺りの景色に癒されて何とか前穂高岳山頂に到着。
360°いっぱいに北アルプスの絶景が広がる。
ここでも疲労から長めに休憩を取る。
疲労のせいもあるが、この絶景の中にずっと居たいとの気持ちも強い。
ここから吊尾根を渡り奥穂高岳を目指す。
涸沢からは登ったことがあったが、こちらから奥穂高岳にアプローチするのは初めてである。
同じ山でもルートが変わると印象が変わる。
そして奥穂高岳山頂に到着。
北アルプス最高峰からの眺めもまた素晴らしい。
休憩の後は穂高岳山荘までズンズンと下る。
この時間になると穂高岳山荘のすぐ上の急登部も人はまばらで渋滞も無くスムーズに通過。
午後2時過ぎに穂高岳山荘に到着。
北穂高岳小屋まで行きたかったが、本日はここで断念し宿泊手続きをする。
やはりお盆休みの時期で混んでいて寝床は1畳に2人とのこと。
手続き後は小屋の前に陣取り涸沢を見下ろしながらビールを飲む。
涸沢の雪渓は例年よりも多いように感じる。
その後、小屋の裏側から笠ヶ岳に沈む夕日を眺め小屋に入る。
疲れがあるはずなのに、消灯後なかなか寝付けなかったが、何とか就寝。
翌朝、熟睡感は無いものの意外にスッキリと起床。
穂高の核心部に居ることで気持ちを晴れ晴れとさせているのか・・・
そして出発の準備をして朝食の列に並ぶ。
配膳の様子を見ながら15分ほど待ち、1順目での朝食に付くことが出来た。
行程を考えて、思わずたくさん食べてしまう。
その後トイレを済ませザックを背負い小屋の外に出る。
常念方面からの日の出直後で、穂高岳や涸沢岳にはオレンジ色の光が差し込み、青空とのコントラストが素晴らしい。
心の中で穂高岳山荘に別れを告げ、まずは涸沢岳を目指して進む。
朝一番でペースを作れずにすぐに息切れしたが、あっと言う間に山頂に到着。
少し雲が出てきたが、まだまだ天候は良い。
周辺の写真を撮りながら少し休憩し、程なくして出発。
ここから先は以前逆方向から歩いた時に霧雨で濡れていて結構怖かった記憶。
今回は乾いていたとは言え、やはり高度感もありちょっと怖い。
とは言え鎖と梯子がしっかりとあり、3点支持を確実に意識して進む。
そして何とか北穂高岳に到着。
大キレット越しの槍ヶ岳までの絶景が目の前に広がる。
ここでも写真を撮りまくり、少しの休憩の後にいよいよ大キレットに向けて出発。
序盤から急斜面をズンズン下る。
梯子、鎖の連続。
本当に凄い斜面・・・ずうっと気が抜けない状態の連続。
涸沢岳から北穂までも厳しい道だったので、今日は1日中恐ろしい道ばかり。
それで気付いた時には既に大キレットを通過済み。
途中雷鳥の親子にも会えたし・・・
そして何とか南岳小屋近くの展望台まで到着。
今まで通って来た行程を全て見渡す・・・
いったいどこに道があって、どこを通って来たのかと言うくらい険しく見える。
南岳小屋付近から見る南岳は、緩やかに伸びる尾根と道で、ホントにほっとする。
南岳小屋では、北穂小屋付近にいたおじさんから「本日の宿泊予約はキャンセル」の伝言を伝え、バッヂを購入して先に進む。
南岳の頂上まで行き暫くすると、また梯子登場。
なだらかに見えていたのは南岳小屋側だけで、反対側はやはり槍穂連邦の山々らしい過激な道が続く。
その後、同じようなそこそこ険しい道の登り下りを繰り返し、中岳、大喰岳を通過。
やっとの思いでお昼過ぎに槍の根元に到着。
まずは穂先を見ながら腹ごしらえ。
そしていざ!登頂!
そこそこ空いて来たかなと思ったものの、ハシゴ部分などは渋滞必至。
最後の垂直ハシゴについては更に前に進まず。
槍ヶ岳の人気の高さを実感する。
ようやく山頂に到達した時には・・・ガスの中・・・
あれほど良い天気だったのに・・・なんでこの時に限って・・・
下り側のハシゴもモチロン渋滞なので、その間に晴れてくれ〜との願いも虚しく、
下山の順番が来てしまい、ハシゴを下り始める。
そして登り始めてから下山まで1時間ほどを要してしまった。
下山後はガスが晴れ再び穂先が現れる。
しかし本日の宿はヒュッテ大槍。
まだ先があるので、泣く泣く先を急ぐことに。
1時間半ほどで到着。
宿泊手続きをし、すぐに至福のビールタイムへ!
その後夕食。
なんとこの日は“空飛ぶサラダ”の日。
ヘリで荷揚げした時だけのイベントで、サラダバーが設置されます。
この小屋の常連でさえ、滅多にお目にかかれないタイミング。
こんな環境で生野菜のサラダを食べられるなんて・・・
モチロン食べ過ぎ・・・今までの山小屋の夕食でトップクラスの満足感だったかも。
その後は日本で最も標高の高いバーでスコッチのロックを楽しむ。
山での至福の時はあっと言う間に過ぎ去る。
縦走の疲れもあり、あっと言う間に深い眠りにつく。
翌朝、朝食前に外に出る。
日の出を待つ宿泊者達が思い思いの場所で槍を眺めている。
険しい北鎌尾根と槍が素晴らしい・・・
朝食寸前に日の出。
数枚の写真を撮り、小屋へ戻る。
朝食もそこそこの品数で美味しい。
朝食後の準備を終え出発。
東鎌尾根を下って行く。
何度も何度も槍を振り返る・・・
何度見ても凛々しい山である。
そして、稜線から槍沢に向けて樹林帯を下り始める。
先ほどまでの景色から比べると退屈な樹林帯・・・
黙々と下り、あっと言う間に槍沢ロッジ到着。
その後も梓川沿いをズンズンと高速で進み、お昼前に上高地に到着。
横尾から上高地までが一番疲れたかも・・・
いずれ、またすぐにでも行きたくなるほどの素晴らしい縦走であった。
暫くは余韻から抜け出せないかも・・・
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