難路を降る人と昭和レトロについて、六甲山黒岩谷で思う
- GPS
- 06:27
- 距離
- 11.2km
- 登り
- 1,075m
- 下り
- 755m
コースタイム
- 山行
- 5:31
- 休憩
- 0:52
- 合計
- 6:23
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2021年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車
|
写真
感想
山と渓谷の読者紀行文だったと思うが、「黒戸尾根は降ってはいけない、登らなければならない」というような書き出しの投稿があり、非常に印象に残っている。
別に登ろうが降ろうが、ルートの一つとしては自由だが、日本三大急登を登ることこそが楽しみであるという登山者としての矜持が垣間見える。
さて私にもいくつか「ここは登り一択」というルートはある。今回の六甲山で言えば芦屋地獄谷がそれに当たる。特に自慢できるこだわりがあるわけではないが、単に登ったら楽しいコースであり降るのは危険ばかりで勘弁、というだけ。
それと同じく、最近行った黒岩谷コースもそれになりそうだ。最高峰へ至る頂上直下のこのルートも、登るが楽しく、降りは勘弁、だ。
2回目になる今回は、子供を連れてやってきた。地図によってはちゃんとルートとして紹介されているが、芦屋地獄谷に初めてきた時に感じたような「お手軽アドベンチャー」を味わえる破線コースで、マンネリな地元の山にスパイスを与えてくれる。不明瞭な踏み跡、沢を何度もクロスしながら遡り、次々現れる堰堤を乗り越え、笹藪をかき分けた先に突然現れる車道…。
そんなコースで、降ってくる人に会った。
かなり驚いたが、一目でベテランとわかったので、こちらも安心。逆にこちらが子連れで迷い込んだかと心配されてしまった。
「(このコースは)こられたことありますか?」
「ええ、楽しいコースなので子供を連れてきました」
こんなやりとりは登山ではよくあるが、お互いの腹を探り合うスリリングな側面がある。特にマイナールートでは、遭難予備軍かどうかを短いやり取りの中で察知する必要があるため、この出来不出来でその後の登山の出来自体にも影響する。
あー、こう切り返しときゃよかったな。
とか
あの会話の意図はそういうことやったんかー。
などと後悔しながら登山を続ける羽目になることもあり、私はこういう瞬発的なやり取りが苦手でよくミスる。
しかし今回は100点の回答である。
我ながらよくできたとひとりごちながら、ふと疑問が湧いてきた。この人はなぜ降っているのか?
その後、この疑問を繰り返し反芻しながら登山を続ける羽目になってしまった。
なぜだ、なぜなんだ〜………。
話は変わるが今「昭和レトロブーム」らしい。プリントグラスや喫茶店のクリームソーダなどがエモいとのことである。
やや強引だが、歴史は繰り返すということであり、私が登り一択ルートを降っている日も近いかもしれない。
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